2001年度 慶應義塾大学SFC

デジタルドラマツルギーT

「KAKEHIKI」企画書Ver1.0

presented by『進退両難』

企画名『KAKEHIKI』

チーム名『進退両難』

駆け引きにおけるディレンマを意味する言葉。

メンバー構成

テーマ

現実社会の人間関係において必然的に存在する「駆け引き」を、 インタラクティブメディアで表現する。

コンセプト

  1. 全体に関する客観的な物語映像、各登場人物の視点から捉えた物語映像、 各登場人物の客観的な建前とは異なる本音の映像、をインタラクティブに ブラウズすることで「駆け引き」を表現する。
  2. 既存メディアの一元的な時系列では表現しきれなかったストーリー展開を、 インタラクティブメディアならではの多元的な時系列操作で表現する。
  3. ユーザーがコンテンツ内の「駆け引きイベント」に何らかの影響をもたらす ことで、ユーザーも「駆け引き」の醍醐味を味わうことが出来る。
  4. アプリケーションサーバの利用によって、ネットワーク対応であるMbrowser2 新たな可能性を探る。

何故「駆け引き」なのか?

最近、人間同士の駆け引きを露骨に見せることで人気を集めているコンテンツが多く見受けられるようになった。例えばテレビ番組「サバイバー」、「あいのり」、映画「バトルロワイアル」等である。これらのコンテンツは、複数の人間を意図的にある極限の状態に置いてみることで互いの人間関係にいかなる影響を及ぼし、そしていかなる「駆け引き」を行って彼らが生き延びるか(あるいは恋人を得るか)ということを実験的に見せている。

また、メディアコンテンツ以外のシーンでも私達の日常は常に「駆け引き」の連続であると言ってもよい。その中でも特に遊びの類に焦点を当ててみると、例えばカードゲームの「ポーカー」「ババ抜き」や「麻雀」「合コン」「缶けり」にいたるまで、人間が好む遊びというものには多分に「駆け引き」の要素が含まれていることがほとんどである。要するに「駆け引き」という行為は人間関係において極めて本質的で重要な意味を持ち、であるが故にここまで人々を魅了することができると考えられる。

ここで注目したいのは、これら「駆け引き」を表現することはインタラクティブメディアと非常に相性が良いという点である。今回Mbrowser2を使用することで、一方では人間の知恵と知恵がぶつかり合う緊迫した物語を客観的に見ると同時に、また一方では登場人物各々の主観的な視点から物語を見るということが可能になる。自分が駆け引きに参加することとは違った観点で、他者と他者の間に存在する「駆け引き」、さらに言えば建前と本音を両面から観察することができ、より人間の本性に迫ることができるという点が非常に面白いところである。

シナリオ(ユーザーの視点からの一例として)

  1. ユーザーがMBrowser2を起動する。
  2. まず起動と同時にTV番組『サバイバー』を髣髴とさせる大迫力のオープニング映像が流れる。圧倒された。
  3. オープニング終了と同時にメニュー画面が開く。メニュー画面にはストーリーの各章へのリンクと登場人物のプロフィールへのリンクがある。まずは第1章を見てみることにする。
  4. まずGUIの中心に表示されるのは客観的映像エリア、さらにその両端には登場人物の本音映像エリアが表示される。客観的映像エリアの再生ボタンを押すと全体の客観的映像(いわゆるメインストーリー)を見ることができる。しばらくストーリーが進行すると登場人物同士の人間関係が段々険悪なムードになってきた。何故だ?
  5. 各登場人物の本音が知りたい。そこで、ある登場人物(仮にAさんとする)の「本音ボタン」を押してみた。
  6. すると、Aさんが本音を語っている映像が再生された。どうやらAさんは感情の裏表が激しい人らしい。建前だけ良くて、本音ではひどいことを言っている。Aさんの存在が気になってきた。
  7. Aさんについてさらに深く知りたくなったので、関連資料にある「Aさんのプロフィール」をクリックしてみた。
  8. どうやらAさんは元学校の先生らしい。へ〜!びっくりだ!!人は見かけによらないものだな。
  9. 「戻るボタン」を押して、メインストーリーに戻った。Aさんの本音を踏まえた上で、さらに見進める。
  10. 他の人の本音も気になったので、Aさんの時と同じように本音映像をみた。
  11. メインストーリーと本音映像を交互に見ていくうちに第1章が終わった。
  12. 「人間の建前と本音の駆け引きがこんなに面白いなんて初めて知った」と感想を漏らし、履歴ファイルを保存し、MBrowser2を終了させた。

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