IT再考-WhatがHowに優先する
先頃のエントリーで「BPM交流会」のことを書いた。その中で、ぼくの行った講演のポイントの初めのところに“WhatがHowに優先する”ということを指摘したので、もう少し詳しく説明しようと思う。大変に大事なことだと思うからである。
Whatというのは、ビジネス要求を実現するための仕組みと仕掛けをどんなものにするのかである。それをどうやって作るかはHowであるが、まずは仕組みと仕掛けを設計しておくことが先決であると言っている。そんなことは当たり前だと思われるかもしれませんが、意外といいかげんになっていて、Howを優先しがちになっているのが現状ではないでしょうか。
どうしてこうしたことが起きるのでしょうか。ぼくは次のような3点があるように思っている。そのひとつが、システム化することはITを使うことだと勘違いしていることがある。ビジネス要求を実現するためには、システム化することは重要である。つまり、システムとして対応するのが会社としてのビジネス活動であるわけです。
ただし、ここでいうシステム化というのは何もITを使わなければいけないということではなく、ITがなくても仕組みと仕掛けはできるのです。仕事のどうやるのか、業務をどうやって進めていくのかといったことを定義するわけだから、最初はITを意識することはないのである。それをITばかり、すなわちHowばかりを頭に浮かべてしまうのである。
次に、ソフトウエアとかパッケージの中にWhatがあると思いこんでしまう人が多いということである。従って、そうしたソフトウエアやパッケージを入れさえすればWhatができてしまうと勘違いするのである。自分の力でソフトウエアやパッケージを導入したことがある人なら、どこにWhatがあるのだと思うだろう。
3つ目は、Whatを考えるのがシステム屋さんだということである。だからといってシステム屋さんが悪いと言っているのではなく、システム屋さんにまかせているビジネス側のスタンスがいけないと言っているのだ。
システム屋さんが、ビジネス要求を実現するための仕組みと仕掛けをどうするかと考えたとき、おそらくは、こえは要件定義の問題だと受け取るだろう。機能要求は何で非機能要求はこれだなんて発想になる。つまり、要求を定義してその通りにプログラム仕様書を起こしてコーディングをするというアプローチになる。
結局、コンピュータでやらせるにはという発想がしみ込んでいるから、案外手作業でやった方がいいことを無理やりIT化して、そこで多くの例外処理を作ったり、分岐・差し戻しの嵐になったりする。実は、実業務ではユーザは恣意的だし、例外はしょっちゅうあるのだから、決まりきったフローしか動かないITはやめた方がいいかもしれないのだ。
最初に戻ると、既成概念にしばられるとどうしてもHowを重視してしまうし、所詮最後はツールを使うんだから、そこから考えたっていいじゃないかとなったりする。そうした惰性に負けないよう、“WhatはHowに優先する”という大事なことは守りたいものである。
