ボトムアップ戦略立案―はじめに
これまでの業務システムに関するシリーズは、「ユーザ目線のBPM」(2007.2~12)から始まって、「企業情報システムのかたち」(2007.4~5)、「業務プロセス設計作法」(2008.5~6)、「ビジネスプロセスパターン研究」(2009.2~6)、「業務システムの再定義」(2009.9~2010.4)、「ビジネスモデルを実装する」(2010.5~7)、「間違いだらけの業務システム開発」(2010.8~9)がラインナップされている。
まあ、いずれも業務プロセスのところが中心で、前々回に初めてビジネスモデルのところに言及した。そうなると、その上の戦略フェーズの話はどうなっているのかという興味がわいてくる。そこで、今回からシリーズで戦略のところを考えてみようと思う。
この戦略というと、よく出てくる、SWOT、PPM、5フォース、3C分析、プロダクトライフサイクルといった有名どころの方法論がたくさんある。アンゾフとかポーター、ランチェスターとかなんて名もよく聞く。
戦略をどうやって立てるかというと、業界構造分析、競合分析や戦略ポジショニングなどの外部環境分析、そして、自社の強み弱みの分析や経営資源分析といった内部環境分析をおこなって、そこから類型化してそれに合った戦略を導き出すことが行われる。そして取るべき戦略として、拡大戦略だとか差別化戦略だとか、多角化戦略なんてものが出てくる。
ところが、いろいろ見ていくと問題があるのがわかる、一つは、企業規模や経営者の性格あるいは他の状況によって、あてはまるものとそうではないものがある。例えば、多くの製品をもった事業と単品では取るべき方法論が違う。また、経営戦略といったものもあるし、もう少し狭い範囲の事業戦略のようなものもある。それぞれどれがいいのか選択するのも面倒である。
もっと問題なのは、戦略を作って終わりだということである。戦略はそれを実現するためのビジネスモデルとビジネスプロセスとの連動性を担保されたものでないと意味がない。どうもそこのとろを教えてくれる戦略論がないのだ。
ということで、これからその戦略―ビジネスモデルービジネスプロセスの連動性、一貫性をどうもたせるかというのを検討していくが、結局、そのためにはボトムアップのアプローチが有効であることがわかる。簡単に言うと、現状のビジネスモデルから自社の強みを引き出し、それを武器にこれからどう戦うかを考えることで戦略を立てるのである。
これでできた戦略は当然ビジネスモデルから導出しているから可逆的であるし、トップダウン的にやった場合のムダな分析もない実際的なものになる。なによりも簡単にできるというわけである。こんな考え方が正しいのかどうかこれから何回かに分けて議論していこうと思います。