私家版業務システム変遷史 ― 1994年
これから、企業における業務システムについて年を追うことで書いていこうと思う。これはぼくのITとの関わりという偏見の入ったものであるので、一般的な変遷史とかけ離れているかもしれないが、それはご容赦いただく。ただし、その時点で業務システムはどうあるべきかを真剣に考えていたし、フロントランナーにも意見を求めたし、そう的はずれにはなっていないと思う。
ぼくが、情報システム部門に配属されたのは、1994年の6月末であった。いきなり、余談で恐縮ですが、配属前は、東京の社長室というところで技術企画の仕事をしていたのだが、突然工場のシステム部門に転勤になったのだ。しかも、その年の3月末に家を新築したばかりであった。格言どおり、家を新築すると転勤になった。
この格言はあながちいい加減なものではなく、ある程度論理的であると思っている。要するに、この部署に落ち着いたのでそろそろ家を建てようかなと思うのと、この部署にも長いこと経ったのでそろそろ転勤させようかなという思惑がだいたい同じタイミングになるからである。
それはさておき、ITのことである。1994年に情報システム部門に来たが、業務システムという面では、5年くらい経った汎用機のシステムがやっと軌道に乗って動いているというところで、何しろ基幹系のほぼ全体をカバーしている大がかりの仕組みなので、末端のひとたちまで浸透するのは大変であった。しかも、企業合併もあり、そしてグループ会社への展開もあって、かなりきついことのなっていた。
ただし、事業所では、ホストは本社が管理しているので、むしろ工場のシステムや部門システムをどうするのかが課題であった。すなわち、生産管理、設備保全、物流管理、環境管理といったサプライチェーンをサポートするようなシステムを整備することが求められていた。
一方、この年ぐらいからインターネットが登場してくる。赴任してすぐに人事から海外駐在員あるいは出張者のための安全情報をインターネットから取りたいのだがどうしたらよいのかという相談を受けたのを今でもよく覚えている。この年ネットスケープが会社設立した。直感的にこれはいつかきっと企業の中にも入ってくるなと思った。もちろん、これほどまでになるとはその当時は考えられなかった。
そのころは、徐々にではあるが大型汎用機で何でもやってしまうことに疑問が出始めたときでもあった。ひとつにはパソコンというものが出てきていたからである。爆発的に売れたWindows95は次の年にでるが、Windows3.1もけっこう浸透してきていた。
そして、ローカルなシステムは、オフコンと呼ばれるコンパクトなシステムでソフト込みのようなかたちで普及していた。当時は、IBMがSystem38とSystem36を統合したAS400をだしてきたときでそれを使った。このAS400という機種は今でもPower Systemsのいう名に変わっていますが健在です。これは名機ですね、何しろ運用がメチャ楽ですから。
というわけで、この年は初めての情シス体験で勉強することが主になっていました。しかし、勉強すればするほど面白くなり、もはや自分はこの道でメシを食っていこうかと思い出したのもこの年である。