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親子で紐解くWeb2.0 アーカイブ

2006年10月24日

親子で紐解くWeb2.0 - 親父から息子へ

なにやら息子が「親子で紐解くWeb2.0」と題して、これからぼくを鍛えるそうだ。確かに世の中Web2.0という言葉が氾濫しているが、少なくとも皆が理解しているとは到底思えないし、年寄りはなおさら全く分からないまま、その恩恵に浴すこともないのだろう。しかし、年寄りにとってもひょっとしたら”すごいもの”かもしれないし、ライフスタイルだって変わるかもしれないのです。

親が子どもにキャッチボールを教えるように、こどもから親にWeb2.0とは何かを教えることも大いに結構なことだ。(亀田親子のような鍛えられ方はごめんだが) これから、紐を解く過程と紐が解けたとき中から何がでてくるのか皆さんに伝えていきたいと思います。まずは、開会のご挨拶!

親父から息子へ

若い人の中には、パソコンやインターネットはずっと昔からあったものだと思っている人もいるかもしれないが、パソコンなんてほんと最近現れたものなのですよ。ですからぼくたち親父たちは、Web誕生前を知っているし、Web2.0にも何とかついていけるかもしれない貴重な世代なのである。

PC、インターネットとの出会いというと、忘れもしないが、お前が生まれるちょっと前にまずシャープのポケットコンピュータというのを買って計算機として使っていたのだが、すぐに有名なシャープのMZ―80とかNECのPC-8001という本格的なパソコンが発売されたので、まずMZ-80を友達から借りて動かしてみたが、それは驚きでした。今から考えると、8bitマシンで外部記憶装置がテープで、ピー、ガーというやかましい音がしたほんと初歩的なものでしたが、ぼくにとっては画期的でした。何かすごいことができそうな予感がして、すぐに自分のお金でPC-8001を買いました。確か20万円近かったのじゃないかな、そうなのですPCの価格というのはあまり変わっていないのです。

で、このマシンで何をしたかというと統計解析プログラムを書いたのです。いいですかプログラム言語はN88-Basicですよ。これである化学反応のシミュレーションモデルを作ったのです。なんと正しい電子計算機の使い方でしょう。ですから、このときはまだ高級な計算機という感覚で、今のような使い方になるとは思ってもいなかったのです。それから、インターネットが登場し、あれよあれよという間に会社や家庭に普及していきました。そしてPCは計算機から情報を整理、蓄積、共有、検索などをするツールとなり、新たなコミュニケーションスタイルを確立していきました。

ぼくらがいまの君たちと同じ年代のころといえば、まだPCあるいはインターネットがない時代にあったわけで、そのときどうしていたのだろうかと思い出してみたら、実は同じようなことをやっていたのですね、全くのアナログの世界で。

今、手元に「シネマディクト77」という最初に勤めた会社の中でやっていた映画サークルの活動を記録したCDがある。シネマディクトというのは、“映画中毒者”とでも言ったらいいのですが、77ですから1977年に始めたサークルで6年間続きました。どんな活動かというと、毎月の会誌の発行、映画上映、自主映画制作、ロケ旅行などで、毎月発行の会誌には会員が見た映画の感想や映画鑑賞のあとの食べ歩き記事、身辺のトピックスやらを載せたりしたのですが、これが大変な作業で、まずトレッシングペーパーに手書きで記事やイラストを書き、それをアンモニア臭の強いコピー室で青焼きし、ホチキスで止め、皆に配って終わりです。それと、映画を作るのは8ミリで、撮影したものを現像してもらい、その編集はフィルムを切って、テープでつないでやるわけです。いまならもっと楽にできただろうし、もっとすごいことができただろうになあとホントに思う。

だから、あの頃にやっていたことやりたかったことをいまのWeb2.0の時代にどうやって実現できるかを実感してみたいということと逆にそういうことをやることにより、再びあのみずみずしい感性を呼び戻すことができないかも探ってみたいと思うのです。

2006年11月26日

ついに始まった「親子で紐解くWeb2.0」

 ついに「親子で紐解くWeb2.0」が始まった。どうやら実践編からのようで、「宿題」「アドバイス」「質問」というのをそれぞれのブログで展開していくことになる。さっそく宿題がど~んと4つも出た。(ゆーすけべー日記:「親子で紐解くWeb2.0」実践編その1) ”ヤツはなかなかサディスティックな面があるので”、これだけ一遍にだされるとけっこうきついが、”なかなかマゾヒスティックな面がある”ぼくとしては、上等じゃないか、受けてやろうという気になる。

まあ、とりあえずひとつずつ片付けていくつもりだが、親父1.0 から親父2.0に変貌していく様子が分かればと思います。この親父のバージョンの定義もいるんじゃないかとふと考えてみたが、今回親父2.0に変身させてくれる息子ゆうすけがティム・オライリーばりに具体例の比較をしてくれたらいいんだけど。そのときはヤツをWeb2.0の世界に呼んでくれた「ティム・オハイリー」さんと呼ぶことにする。

それでもここ数ヶ月でずいぶんと新しいツールや仕掛けを使ったり、今までと違ったコミュニケーションをしたりして、すでに変化が実感できているものがあるのでそれを示してみる。

      親父1.0                親父2.0 


     個人ホームページ            ブログ 

     メーリングリスト              mixi

     電話                     Skype

     テレビ・ラジオ・CD             iTunes


まだかなりおおざっぱな括りなのでこれから詳細化していきます。
よし、まずは「mixi上で友達10人つくりましょう」ですな。

トラックバックがうまくいかない

先生の「宿題をやったらその結果と感想をブログに書いてこのエントリーにトラックバックしてください」というご指示とおり、トラックバックをかけたのですがエラーではじかれます。
トラックバック送信先のURLという欄に”このエントリー”に書いてあったトラックバック先のURLを貼り付けたのですがだめなのです。やっていることがおかしい?

2006年12月 1日

宿題の一部ができたぞ

「親子で紐解くWeb2.0」で出された宿題の一部ができました。

ほんとはまず宿題1の「mixiで友達10人つくりましょう」から始めたのですが、現在8人であと二人まできました。いろいろ手を打ってますのでもうちょっと待ってください。

それで、できたのは宿題4の「Blogに写真をのっける」ってやつだけど、この間うなぎやの写真のせたのでクリヤーです。でも携帯用の「miniSD」と「CardReader」を買ってきてもらったので、ちょっと減点かな。やっぱり自分で買ってこなくてはね。でこれは先生に買ってきてもらって、さらにインストールまでしてもらってます。このとき、携帯がなかなか認識してくれなくて、先生ちょっとあせっていたけど、さすがだね、「はてな」でぱっと検索して、パナソニック用のインストールソフトをダウンロードしてセットアップしてしまった。もし、オレだけだとパニックになっていただろうと思うが、ひとつ学んだのは「はてな」の威力だ。これはこれで後で勉強します。

それ以後の工程はなんなくクリヤーして、自分のブログに写真が載ったときはうれしかったですね。写真があるとだいぶ見栄えが違いますね。ただ、そのときにも書いたのですが、写真の横に文章が入れられないという状態ですので、それができるようにそのうちもっていきます。とりあえず、写真に限らずイメージを挿入することはできた。

あと、宿題にはないのですが、アマゾンのアソシエイト・プログラムに入って、リンクを張ったぞ。すごいだろ、お金が一杯入ってきたらどうしようか。いまアマゾンでは「インスタントストア」というサービスが正式リリースされたそうで、簡単なショッピングサイトを作れるようだ。ただ、例えばそんなものをブログに埋め込む手ってあるのかあな。今回も本のリンクを入れたが、ブログのなかに買い物かごがあるというのはちょっと抵抗感があるんじゃないかなあ。どこでお金が動いているかが分からないというのがWeb2.0的でしょ。個人的にはぎらぎらしたブログはやだよね、せめてテキストだけで控えめがよろしいと思うが先生いかがですか?

ところが、ちと困ったのは感想を書いたのはいいがこのコラムのエントリーにトラックバックできないのだ。これももうちょっと時間をください。

2006年12月 8日

mixiのお友達

親子で紐解くWeb2.0の宿題1である「mixi上で友達10人つくりましょう」をクリヤしました。ただいま10人でもうすぐ2人増えます。で結局、どうやって集めたかというと息子の友達と自分のかつての仕事仲間のオジサンたちです。従って、20代とおおかた50代という年齢構成でしかも男ばかり。

mixiをやるひとあるいはやりたがるひとの条件って何だろうか。まずは、対等なコミュニケーションのテーマをもっていて、それを発信し続けられるひと、キーワードで言うと「対等なコミュニケーション」と「情報発信力」のような気がする。この最初のキーワードから見ると、面白いことに若いひとか定年前後のオヤジが「対等なコミュニケーション」ができるのではないでしょうか。あとしいて入れてあげれば主婦か。

どういうことかと言うと、若いひとはわからないと思うが、われわれの経験から言うと、同窓会を思い浮かべてほしいのですが、学校を卒業してすぐの時ってけっこう頻繁に同窓会を開くんだよね、だけど会社に入ってというか社会にでて10年もすりゃ、出世するやつやそうでないやつ、結婚したやつできないやつとかいった風に差が出てくるんで、だんだんやらなくなって消えていくんだ。ところが、定年近くになるともおう諦めもあったり、幸せは出世することだけじゃないよねえみたいなことになって、えらくなった友達をあんまりうらやましく感じなくなったりする。だから、一旦途絶えていた「対等なコミュニケーション」がよみがえってくるというわけだ。

それと「情報発信力」という点では、若いときはそれこそばかなことや感じたままを素直に表現しても全然オーケーだし、かわいいんだよね。でも相応の歳を食ってくると構えてくるし、何よりも仕事に向かって行くから自分から発信する情報が蓄積できなくなる。というわけでおおかたのひとがプライベートなコミュニケーション世界から遠ざかってしまい、定年近くになってやっと自分の時間を取り戻すのではないでしょうか。だから、ぼくのマイミクシーの構成は当然の結果なのかもしれない。

今回のmixi友達探しでこんなことを考えてしまった。でもこの話は従来型の見方であって、mixiが当たり前の情報伝達手段である今の若いひと達が、われわれと同じような道をたどるかどうかはわからない。ぼくはこのあたりは興味を持ってみていきたいと思う。

(追加)前にトラックバックのやりかたがわからないという記事を書いたが、実はトラックバックができない原因はぼくのほうにあるのではなく、トラックバック先にあったのです。すなわち、トラックバックスパムが多いサイトは、一定時間に受けつけるトラックバックを制限していて、おそらくそれに引っかかっていた模様。これもクリヤです。

2006年12月12日

アクセス解析をしてみた

「親子で紐解くWeb2.0」の宿題2で”Blogの訪問者数を毎日平均30人/1dayくらいにする”というのがある。この答えを考える前に、今自分のBlogにいったい何人の人がアクセスしているのかがわからないとどうしようもないので、アクセス解析とやらをやってみた。

このBlogを立ち上げたのは、今年の8月29日だから、まあ実質9月スタートということになる。いま4ヶ月目に入ったところです。その結果ですが、まず、月平均の訪問者数(ユニークユーザ数)としては、9月-8人、10月-9人、11月-12人、12月-25人でした。これってどうなの。

これを見てると、12月にぐっと伸びてもうすぐ目標の30人に行くかもしれないと思うかもしれませんが、ところがどっこい。よーく調べてみると、12月9日になんと73人という訪問者数を記録。翌日も40人でこの2日で数をかせいだわけです。それではなぜ急に増えたのだろうか。ページビューをみると「mixiのお友達」というタイトルのページに多くの人がアクセスしていた。

なになに、じゃこのページをどうしてみんなが見るようになったのだろうか。実はこれが、「はてな」の注目エントリーに入っていたのだ。おそらくその結果として訪問者数が急激に増加したと思われる。

ということで、「はてな」に注目されればアクセスは増えることはよく分かった。こんなことは、ゆーすけべー先生の"CDTube"を見れば明らかですが、自分もささやかではありますがちょっとしたうれしい体験です。

でだからといって宿題の答えが出たわけでもなんでもなくてここからです。なぜ「mixiのお友達」が、「はてな」に注目されたのか、逆に注目されるためにはどうしたらいいのか。つぎの宿題はどうも「はてな」関連らしいので予習しておこうかな。

2007年1月 8日

Web2.0的道具を使う

少しずつWeb2.0的雰囲気を味わえるようになってきたが、ブログ、mixiに続いて「はてな」に入会した。いろいろなサービスがあるんだけどまずやったのは人力検索ってやつ。これお金がかかるのでポイントを購入、「人力検索」「アンケート」「いわし」の3つのタイプがあるが、最初は「人力検索」だねということで、グーグルで分からなかった以下の質問をしてみた。

以前、銀座線溜池山王駅の近く、旧日商岩井の前のビルの地下にあった「円山」という皿うどん屋 があったのですが、いまはなくなってしまいました。そこの皿うどんがすごく気に入っていたので、もう一度食べたいと思っています。どこか別の場所に移ったのでしょうか、それとも辞めてしまったのでしょうか。この「円山」の皿うどんを食べられるところを教えてください。
さて何人が答えてくれたと思いますか、それと答えは見つかったのでしょうか。 回答者は3人で、残念ながら目的は達成されませんでした。

おそらく、はてなの回答者っていうのはオフィス街の地下にあるサラリーマン御用達風の店は知らないんじゃないかな。リンガーハットの皿うどんを奨めてくれた人がいたけどちょっとねえ。で人力検索は自分が質問するだけじゃなく、他の人が質問したのも見ることができるので、それを見ているとおもしろい。その中から、

質問

今年はちょっと神経質で打たれ弱い自分だった気がしています。
来年はいい意味で図々しく肝の太い人間を目指したいのですが、性格を変える方法を教えてください。

回答

打たれ弱いのを改善するのは、腹式呼吸をマスターすればなんとでもなります。
腹式呼吸で心を落ち着かせれば、周りが見えてきて ポジティブに生きられると思います

へえーホントと思ってしまうが、話がそれるが普通この手の質問の答えはだいたい安手のポジティブシンキングの奨めになるんだけど、腹式呼吸で性格が変えられるというわけです、おおー。

さらに話はそれて、実はぼくも似たようなことをやっているのです。知る人ぞ知る中村天風という人が言っているクンバハカ体勢で、この中村天風はまあものすごい人でその話をし出したら紙数が足りない(ブログだと何と言うのかな、スクロールができないとでも?)ので、簡単に言うと30歳で肺結核になって死を宣告されたに等しい状況になったが、それから世界中を回って最終的にインドの聖者カリワッパ師に出会い、その教えにより病気を克服し92歳まで生きた人です。さてそのとき会得したのがヨガのクンバハカ体勢というやつで、要するに(1)肛門を締め上げる (2)下腹部に気をこめる (3)肩の力を抜いておろすの3つの動作を同時に行うことで「怒り・恐れ・悲しみ」から脱し、平常心でいられるというのだ。ぼくもこれを実践しているのだが、この3つの動作を同時やるのがむずかしいので、本当にできているのか分からないところがあって、効果があったかどうかは自信がない。

つぎにRSSリーダを入れました。いちいちブックマークしたサイトやブログをチェックするのが面倒臭いのでこれで結構楽になった。さてどこのものを入れるか、はてなでも良かったのだが、誰かがgooのRSSリーダがいいと言っていたので今はそれにしています。

これだけ情報があふれているといかにその中から必要なものを抜き出すかが問われている。昔は情報を取得するのに時間がかかったのが、今は情報を“選び採る”のに時間がかかる。

求められていることは、質の高い情報をいかに早く得られるかである。その意味で昔と比べてみると、今は情報の質が高くなったのかどうかだが、それは変わらないのじゃないかと思う。ただここで言う情報は一級品のということであって、何ていうか確かに“フツーの情報”の質と量は格段に高く増えてきているし、昔だったら隠れていたものが表に出てくるようになったが、真にリーダシップをとれるようなオピニオンは、ネットとは関係ないところで存在すると思う。ネットには質の高い情報があると勘違いしないでほしい。

一方で時間のことだが、ものすごく情報があふれているということは、その中には余計な情報もいっぱいあるということでもあって、繰り返すがそこからどうやって自分にとって有用な情報を早く見つけだすかが重要になる。ちぎっては投げのネットサーフィンをしていたりすると、あとで何と時間のむだをしてしまったのだと後悔する。昔と比べいまは情報がすぐ採れるから素晴らしいといっても、ひょっとすると得た情報を整理するのにすごく時間がかかって、へたすると図書館行って調べたほうが早かったなんてことになりかねない。

今必要なことは「分類学と定義力、時々、整理術」とぼくは強く思う。
そのための道具として、「はてな」と「RSSリーダ」を使ってみた。

2007年1月14日

情報管理ということ

このまえのブログでこの情報の洪水のなかで重要なのは、「分類学と定義力、時々、整理術」と書いた。このあたりを現実の今のわれわれの知的作業で具体的にどうやっていくのかを考えている。

あの有名な梅棹忠夫の「知的生産の技術」が刊行されたのが1969年であるが、それから40年近い年月が経過し、また知的作業に使う道具もすごく変わっている、特にパソコンの登場による変化はすさまじいものがある。従っていまこの時代における新たな知的生産の技術はどうあるべきかをよく考えてみる必要がある。

こうしたことを考えるときに陥りやすいことは、つい情報の分類の仕方やツールそのものの話になることである。例えば、すぐに、taxonomyからfolksonomyへのシフトだとかディレクトリーからタグだとかという議論になる。その前に、いったいわれわれは情報を扱うとき何のためにその情報を取得するのかという目的の設定とそれをいかに効率的に処理するにはどういうプロセスがいいのかということが大事である。もう少し言い方を変えると、分類というとすぐに集めた情報・データをどうい分類名で格納するかを言ってしまうが、そうではなくて、自分の行おうとしている作業を分類し、その分類された作業に必要な情報を採ってくるという、逆のアプローチで考えるべきだと思う。

そんなことを考えているとき、朝日新書から出ている「情報のさばき方」(外岡秀俊著)という本を読んでみた。著者の外岡秀俊は現在朝日新聞の東京本社編集局長(要するに朝日の新聞記者のトップ)の要職にある人で、その人が長い記者生活の経験から、情報をどう扱うかを、「つかむ=収集」「読む=分析・加工」「伝える=発信」の3つのプロセスに切り分けて書いてある。このプロセスに分けて解説しているところに惹かれたのだが、やはり新聞記者向けに書かれているところがあって、いくぶん物足りなさを感じた。

そこで、他にいい本はないかと思っていたら、そうだ野口悠起雄の「「超」整理法」だ。もう一度読み直してみる。この本の趣旨は、「整理は分類なり」という固定観念から抜け出し、「情報を整理せずにすます方法」を提案している。具体的には、情報をただ時間軸というキーワードだけで分類する、ファイルを日付とタイトルだけ書いた封筒に入れ、それを本棚に時系列で順番に並べておくという方法である。確かに一生懸分類してそこに保存してもほとんど使われなかったというような経験は誰しももっているのではないでしょうか。だいいち、その分類名を考えるだけで大変でなかなか決められなかったり、決まったとしても実際の情報をどこに入れたらいいのか分からなくなるという問題を本質的に抱えている。だから、最初からそんなことはやめて、どんどん情報を投げ込めばいいということで、しかも近年はコンピュータの検索技術がすごいから、そこに預ければいいという発想です。

こうした発想は、今の環境では十分説得性のある考えかたと皆さん思われますが、この本が発刊されたのが1993年だから、その当時はインターネットの活用がまだできていない時であったため、今日のこの時点での状況からみるとこの本でも物足らなさがある。

それと、この本にも書いてあるとおり、“業務の中で情報をいかに収集・保存・検索し、それを用いて創造的な仕事を行うかという、より広義の方法論を確立する必要がある”のは確かだが、むしろ初めのほうでも言ったように、逆のアプローチである“創造的な仕事をするために、必要な情報を検索しそれを活用していくための方法論を確立していく必要がある”というのがぼくの意見だ。

この知的生産のためのプロセスをどうシステム化するのかをこれから探っていきたい。それがあってこそfolksonomyやtaggingなのではないでしょうか。

2007年1月20日

Web2.0と企業情報システムの接点が見えてきた

ぼくはつい去年まで10年間くらい企業情報システムのことばかりを考えてきたが、このところWeb2.0に絡みだしてから、Webの世界とEnterpriseの世界の違いや関連性を見ながら相互乗り入れの可能性を探っている。梅田望夫さん風にいえば、あちら側の世界とこちら側の世界ということになるが、ここの隙間を埋めてやろう、それぞれの世界の橋渡しをしてやろうと意気込んでみたが、なかなか答えを見出すところまでは行けていない。

一方で手をこまねいても始まらないので、接近させる糸口として、「情報管理」というか「知的生産プロセス」というか、そんな領域でWeb2.0的考え方、技術などを適用し企業内の情報システムができないかを考えていた。

ところが、いろいろ調査して見ると今言ったようなことがひとつに集約されてきそうな気配がある。いや正確に言うと、こうしたことを全部統合的に考えている人がいたのだ。その人の名は、「Ismael Ghalimi」という。BPM(Business Process Management)ソフトウェアの開発を手がけている「Intalio」という会社の共同創業者です。

彼がいま力を入れていることをキーワードでいうと、BPM2.0、Office2.0、BPEL-BPMN、Zero Code、One-Click-Deploy etc 、そして、必要なWeb2.0の技術として、AJAX、RSS feed、Weblog、wiki、Webベースカレンダー、REST APIなどを挙げています。

まさに、Web2.0とEnterpriseシステムの融合、Webサービスを組合わせてプロセスを作っていくといった世界が見えてきたような気がする。

これからこのあたりの動向や実際のシステム化について考えていきたいと思います。まずはイントロだけを。

2007年2月 3日

Web2.0ビジネスでお金儲けしていいんですか

先日、うちの社長(息子)と一緒に都内のあるWeb系の会社の社長と会う。彼らの運営するサイトにこちらも持つ技術・アイディアを提供できないかという話。今から書くのはその特定の話ではなく、そこでいろいろ話していてWeb2.0のビジネスは儲かるのかという素朴な疑問と、そもそもWeb2.0のビジネスとは何なんのかを考えてしまった。さらに、Web2.0の精神からいくとWeb2.0ビジネスでお金儲けをしてはいけないんじゃないかとも思ってしまった。

ぼくは、Web2.0の会社は明らかに従来型の会社ではなく、どうもNPOに似た会社であるのではないかと思っている。形態うんぬんというよりその精神や考え方が似ている。そうなると、お金儲けしてはいけないのだろうか。

ところで、もうだいぶ前になるが、NHK教育テレビで確か「お金儲け悪いことですか」という、各界のひとにお金儲けについてそれぞれ思っていることをインタビューするという形式の番組があった。出演は、楽天の三木谷浩史、映画監督の山田洋次、ポップアートの村上隆、NPOの木山啓子、新宿歌舞伎町駆け込み寺の玄秀盛、nci代表の藤田憲一(この人は、病気とたたかう社長Blogで有名ですが、この番組の収録が終わってすぐに亡くなってしまった。人生の価値は?まだ、答えがでない。答えが思いつかないといって死んでいってしまった。享年36歳)
それぞれすごい人ばかりで、しかもバラエティに富んでいてものすごくおもしろかった。

いちいち何を言ったかは忘れてしまったが、ぼくの受けたいちばんの感じは、みなさんまずは「お金儲けは悪いことではない」ということでは一致していたと思う。NPO法人ジェン(JEN)の事務局長の木山啓子でさえ明確に“NPO活動はお金がなくて困っている人を救えないより、お金儲けをして多くの人を救うほうが大事です”と言っている。

要するに、何かをやるにはお金がいる、そのためにお金を集めて、それを返さなくていけないから、ちゃんと利潤をあげることをしていかなくてはいけないというとだ。ここで、「何かをやるには」ということが重要で「お金がほしいから」というと本末転倒の話となる。

それで、結局どういうことかというと、お金儲けは必要で、儲け方の問題と儲けたお金の使い方の問題になる。もっと簡単に言えば、汚い儲け方で美しい使い方はあり得ない(汚い儲け方をするようなヤツが美しい使い方なんてできるはずがないという意味)から、ひとえに使い方の問題に帰着すると思う。

さらに考えてみるに、美しいお金の使い方って何だろう。これはどうも物質的な充足感ではないようだ。おそらく精神生活を豊かにすることがこれからの美しいお金の使い方のような気がする。発展途上国では違うよといわれるかもしれないが、確かにモノが必要であるのだけれど、例えば、途上国支援にしてもただ食料を配給すればいいというものでもないし、そこには同時に精神生活も豊かにする視点は絶対必要である。

どうもぼくらの世代は、物質的な欲求を満足するために一生懸命働いて、結果的に経済大国になり、マイホームをもち、車を手に入れ、その目的をある程度達成した最後の世代かもしれない。でこれからの人たちは、もはやぼくらが欲しがったモノはすでにあり、何のために働くのかが見えなくなってきているようだ。そこでは、ぼくらが積み残した精神生活の豊かさの追求が必要で、そこにお金を払うという価値観をも持てるといいんじゃないだろうか。

この“目的駆動型(Purpose Driven)”思考プロセスがすごい大事です。それでこの精神は、実はNPOであれ普通の企業であれ、ましておやWeb2.0企業も同じことである。

Webのビジネスとは何かについては次に書く。

2007年2月 7日

Web2.0のビジネスとは

この手の課題設定をするとどうしても、広告がどうのとかアフィリエイトがどうしたとか、それで収入を得るみたいなことになる。書店に行くと“私は○○で月○○円儲かりました”式の話となる。これって普通にはありえない、この前NHKテレビで9000ドル稼ぐ子がでていたけど、ほんとの少数です。

しかも厳密の意味でビジネスではないと思う。なぜか、まさに“ひとのふんどしで相撲をとる”、あるいは“コバンザメ”ということです。本当のビジネスは、自らが生産したプロダクトやサービスを提供し、収益をあげることです。

そうなると、どういうビジネスモデル、収益モデルを描けるかが勝負です。そのとき最も重要なのは“使う人が喜んでもらえるものを適正な価格で提供できるか”なんです。でもこういうと特に日本人は“振れる”民族だから、ユーザの言うことならなんでも聞きますというポピュリズムに陥る。だから軽くユーザに軸足をおくくらいの感じでいかないとだめだ。

そこで、そのビジネスモデルとやらですが、まず簡単にいうと 「どのような商材を、誰に対して提供し、どのように儲けるのか」ではないだろうか。

もう少し詳しく見ると、どのような商材、すなわちそれはプロダクトとかコンテンツなのかサービスなのか、はたまた技術そのものなのかという特定と提供する相手が一般のコンシューマーなのかある職業の人なのか、ある地域のひと限定なのかといったターゲッティング、それと収益モデルとして広告収入なのかライセンスするのか、会費なのかといった形態を決めることである。

ここでWeb2.0のビジネスを考えると、まず商材の部分では、Web2.0の技術そのものを売り物にするということも考えられるし、Web2.0の技術を使ったコンテンツやサービスを商品とするというビジネスもある。さらに、Web1.0の技術だが思想としてWeb2.0的なビジネスも含めてもいいような気がする。

じゃそのWeb2.0的とはいったいどういうことなのか。

「双方向のコミュニケーションができる技術により、いままで情報の受け手であった人たちが情報発信もできるようになり、みんなが参加することで生まれる集合知がシステムやサービスの価格を劇的に下げ、多くの人がその仕組みを活用できることでさらにいい技術やサービスが生まれる好循環サイクルのこと」と定義したい。

こうした場の提供やコーディネーションなどを行ない、そこから広告費や手数料・課金という形で売り手や買い手、もっと広い意味で情報の受発信者からお金を徴収することをWeb2.0ビジネスという。

アマゾン、mixi、はてな、楽天、Yahooなどのビジネスはこういうことだと思う。
一方Googleは、技術を売っているビジネスということではないでしょうか。

だから、単なるWebサイトの開発や広告代理店はWeb2.0的ビジネスではない可能性が高いし、逆に、仲間で農業をやって道端の無人売り場で作物を売っているのがひょっとしたらWeb2.0的かもしれない。

ターゲティングという面では、元来は絞らず世界中のどんなひととも等しくビジネスするというのがネットビジネスであったが、mixiもそうだが、いわゆる準匿名性という空間でぎりぎりの節度を保つビジネスが増えるような気がする。特に、地域性というのが、リアル世界と近づけるという意味で重要になると思う。

さて最も難しいのが収益モデルを描けるかになる。これまで言われてきたCGM(Consumer Generated Media)からPGM(People Generated Media)への変化もなお一層儲けの絵を書きづらくしている。社会起業家という考え方も生まれ、コミュニティビジネスという言われ方も出てきているので、Webビジネスのモデルはそんな方向にいくのではなでしょうか。すなわち、提供したサービスを喜んでもらうことが第一義で、そのサービスを受けたひとたちが、その対価を寄付的な感覚で支払うという、まずは名誉、次に金みたいなところで、そこそこの儲けが得られればよいというモデルなのかもしれない。

確かにgoogleも同じようなことを言っていて、「まずサービスを出してユーザに使ってもらい、その影響を見てから収益モデルを考えた」はずだ。

そう考えると、ホリエモンみたいなヤツはぜんぜんWeb2.0的ではないということがわかる。

2007年2月 9日

オープンソース開発の難しさ

今、ウチの会社はWebサイトの構築がメインのビジネスになっていて、といってもぼくが作るわけではなく社長が作るのですが、その中に販売サイトの構築もする案件があるので、それをどういうECサイト構築システムで作ろうかという議論をした。

当然オープンソースのものを採用するのですが、ある国産のパッケージについて調べているとき、その開発コミュニティサイトを覗いた社長が軽く荒れているようでと言ってきた。ぼくも覗いてみると詳しいことはよく分からないのだが、どうも機能不足のところがあってそこの機能をなぜ付けないかといった要求を出したが、その対応がぬるいと怒っているようだった。

これは、真のオープン開発とは言えないわけで、本来参加者は対等な立場で議論していくというgive&take精神でないと成立しないはずだ。オープン開発だから何でも要求すればやってもらえるみたいな考えはNGなのです。その辺がオープン開発の難しいところで、だからと言って全くみんなが均等に参画できるかというとそれもありえないわけで、実際にはリーダーがいて広く議論するが、最終的にリーダが仕様だとか、体系を決めていくというのがうまくいくのです。

だから、自由の裏返しに責任があるように、オープンには規律みたいなものがあるわけで、そこのさじ加減が大事なように思われる。

それと、もうひとつは、オープンソースに向いているものとそうでないものがあるような気がする。上述の例でもけっこう上位機能というか、アプリケーション寄りの高いレイヤーのところの議論なので、ここのあたりは論理性からだんだん離れていくから難しいようだ。いわゆる“そこは趣味の問題でしょ”みたいなところに入ってくる。

逆にフレームワークや開発ツールみたいな道具を作る下位のレイヤーでは、オープンソース開発がすごく有効であると思う。その道具の使い方になると前述したように好き嫌いみたいなことが出てくるので難しくなるようだ。

先月から、日本BPM協会のComponent研究会というBPM(BusinessProcessManagement)のためのComponentの必要性やそれを使ったシステム構築方法を研究するワーキンググループに入って議論しているんだけど、ここでもオープンソースでビジネスプロセスを開発したらどうかという話になった。

そのときぼくが言ったのは、それはかなり難しいのではないか、まず自分たちのビジネスプロセスを出せるのかという問題が生じる。ノウハウが詰まったものを競合相手に出しますかということです。それならノウハウが詰まったものじゃないところでやればいいじゃないかと言うかもしれませんが、そんなものはすでに業務パッケージのなかに埋め込まれているわけで、そうではないところを開発するところに意味がある。

また、参加者のインセンティブが何なのか、自分の知恵、技術、ノウハウを提供してどんないいことが待っているのかになると、もちろん金銭的なメリットはないのだから、名誉なのか、純粋な知的満足なのかそんなところなわけで、そうなると、企業の従業員が自分の仕事についてそのノウハウなりを出して喜ぶだろうか。あらかたこんなことを言った。ただ、まったく否定したわけではなく可能性はないわけではないので、これからの課題だと思っている。

最初の話に戻ると、結局上位の概念のところは、趣味が違うんだったらその違うものは違うように別々に作っておけばいいんじゃないか。すなわち、それをComponentとして持っておいて、それらを疎結合の組合わせでプロセスなりシステムを作っていく。各Componentは標準化されたものとし、それらの組合せの妙で個性化・差別化するという考え方が大事である。こういったこともその研究会で話した。

基本的にプラグインやMashUpも同じ考え方だとぼくは思っている。これから、ここの議論をしていこうと思う。

2007年2月14日

ディフェンスはどっちだ

といってもサッカーのことではありません。溢れる情報をどうハンドリングするかという話です。いまぼくの感覚では「情報が攻めてくる」という感じになっています。そうなるとこれをどう守るのかということになる。ここでいう守るということは、ボール(情報)の位置をしっかり確認してそれを持っている人をマークして、そのボールを奪い取ってゴールをめざすという意味なのです。

このときの守り方に二通りあって、マンツーマンディフェンスなのかゾーンディフェンスなのかの選択がある。サッカーやバスケットと同じようなものに思える。

どういうことかというと、マンツーマンというのは、その道で先導してくれる泰斗というか、この人についていけばだいたい分かる、そんな人をマークすることで、一方、ゾーンディフェンスというのは、注目あるいは重要と思われる領域をチェックしておくというやり方だ。おそらく、このどちらかではなく、併用するのがベストだ。サッカーも一緒で中盤はマンツーマンだが、ゴール前はゾーンというようなことと同じで局面に応じて使い分けることになる。

それで、ぼくのやっている具体的な方法というのは、RSSリーダでマンツーマンでは特定の人のブログを登録しておく、ゾーンでは、特定のキーワードでチェックするといった方法でやっている。

例えば、梅田望夫さんを追いかけておけばWeb2.0のことだったら分かるとか、社会学的な問題だったら内田樹さんのブログを抑えておくとか、そして、そういう人たちのブログからまたリンクされた面白い人を見つけることもできるのでまず人をつかむことが有効かと思う。次にある分野の情報を整理したいとなるとキーワードで集めておいて取捨するのだが、ただし、それだけではなく関連する情報誌のサイトを同時にチェックすることも必要になる。

でもロナウジーニョみたいな人のマンツーマンはしんどいぜ。実は、茂木健一郎のブログもリストしているのですが、脳がパニックになる。まあ、とりあえずしばらくこういうことで試していこうかと思う。

2007年2月15日

ハイブリッド・ライフスタイル

近頃、Web関連の本ばかり読んでいる。今回も高城剛という映像作家であり、DJでもある人が書いた「ヤバいぜ!デジタル日本」(集英社新書)を読む。

この本は、昨日書いたマンツーマンで押さえているひとの中の一人である野村直之さんが絶賛していたので買ってきたのだ。このひとは“Web 2.0 for Enterprise”の提唱者でメタデータという会社の代表取締役を務めるほか,法政大学大学院などで教えているひとです。野村さん曰く“ここ2カ月の間(昨年夏)にWeb 2.0関連の書籍を10冊以上読んだが,本書から受けたインパクトが最強であった”と言っている。

ということで、期待して読み進む。と確かに一見過激なことを言っているように感じるのだが、よーく考えてみると至極まっとうなことを言っている。要するに、未来志向が強い、悪く言うと先走り。ぼくもどちらかというと先走る方だから、彼の言っていることはさほど過激だとは思わないのかもしれない。

ざっと、高城剛が主張していることを列挙してみると。

・デジタルやITは終わった。特に世界標準の技術なきままに急速に成熟してしまった日本のIT産業は、すでに過去のものである。

・インターネットはもう遅い、これからは携帯トリプルX(マルチな使い方をする携帯)だ。

・デザインの時代はとっくに終わり、またメジャー・コンテンツの時代も終わった。
今後は、個人コンテンツの映像化の時代になる。なぜなら、メディアの歴史がいつも映像に向かっているから。

・直接的にコンテンツで稼ぐ時代は終わった。次はライセンスを多角化してポートフォリオ的に稼ぐことが重要。

と現状を分析しながら次の方向性を示した後、日本はこれからどうしたらよいかについて

・日本はこれまでの経済でアジアを引っ張ってきたのを文化で引っ張るようにしなくてはいけない。

・ポップカルチャー、別の言い方をすれば、ハードとソフトをつなげて新しい提案をするスタイルビジネスを海外に輸出すべきだ。

・そしてハイブリッドこそが日本のスタイルでそこは世界で誇れることである。このスタイルとは、知恵のことであり、組合わせのセンスである。そういう意味では日本人は世界でもっともスタイリッシュな国民である。

さすがに、世界中を飛び回って、最先端の息吹を常に浴びている人の論はなるほどと思わせる説得力がある。確かに、このめまぐるしく変化する時代に、どうも過去の日本の栄光がもはや終わったことに気がついていないひとも多く、日本全体がおのれを見失っているように思われる。もういちど自分たちのカルチャーやライフスタイルを冷静かつ客観的に見つめなおし、強いところ弱いところ、延ばすところ改めるところを再認識する必要がある。

さらに、高城はハイブリッドなライフスタイルにするためにどうしたらいいかについても言及していて、少々長くなるがそのまま引用すると

1. ひとつのことにこだわりすぎず、可能性があるふたつのことを並行して進めるやわらかい発想をもつこと。

2. 組み合わせ可能なものを探したり、組合わせるのがうまい職業の人を評価し、観察し、まねてみること。

3. 実際に、何と何とを組合わせると可能性や楽しみが広がるかを、自分なりに試してみること。

4. マルチスペシャリストを目指し、ふたつ以上の分野でスペシャリストになるためにどうしたらいいか徹底的に挑戦すること。

5. 生活時間帯を見直し、住む場所を見直し、自分なりのバランスポイントを早急に探し出すこと。

だそうだ。この提言はぼくにはすごく共感できるもので、いま実際にこのスタイルを実践している人が増えていると思う。ぼくも、そうなりたいと願っているのだが、いろんなことに手を出しているが、スペシャリストにはなっていない。でもこれって職業に限ったことではなく、趣味のような世界でも言えることで、それぞれの分野をうまくマッシュアップしてひとつのライフスタイルを作り上げるというのが肝要なのだ。


2007年2月16日

デブサミは“でぶ”のサミットではありません

目黒雅叙園で開かれたDevelopers Summit 2007に行く。これを通称「デブサミ」というらしい。初めて参加。2日間にわたってソフト開発の第一線の人たちが集まる会議で、そうそうたる人の講演が並んでいる。一言でソフト開発と言っても、横は企業システムから個人まで、縦は、要件分析からプログラミングまで、幅広い範囲をカバーしている。従って、参加者も企業ユーザや大手ベンダーの人もいれば、ベンチャーや個人事業主、さらにGeekなひとたちとこれまたバラエティに富んでいる。もちろん若い人が多い。

ぼくは、第1日目だけの参加で、主として上流設計の部分である要求分析やモデリングを中心に聞いた。ウチの社長も同様に1日目だけの参加でしたが、ぼくと全く重ならないセッションの選択。これが象徴的な話で開発の上流と下流の乖離が感じられた。

セッションのテーマの括りとしては、アーキテクト、開発テクノロジー、開発プロセス、プロジェクトマネージメント、ベンチャー&カスタマーズオピニオン、マーケティングテクノロジーの6つで圧倒的に開発テクノロジーのセッションが多いのですが、開発テクノロジーの聴衆とその他ではちょっと異質のようだ。 社長が参加していた「出張Shibuyaイベント ~ Shibuya.pm presents "Shibuya.js x Shibuya.pl mashup night" ~」なんて、何だか分かりますか、PerlやJavaScriptを扱いひとたちのコミュニティなのだが、ぼくなんかは近寄れない感じです。

さて、ぼくの聞いたセッションは、「プロジェクトを成功に導く要求獲得の本質」(中谷多哉子@エス・ラグーン)、「アーキテクチャを如何に“維持”するか?~SOA時代のアーキテクチャ・マネージメント~」(藤井智弘@日本IBM)、「ビジネスモデリングを極める!」(羽生田栄一@豆蔵、内田功志@システムビューロ)、「実践!モデルベースSOA~モデリングとオープンソースを活用した開発方法論と適用事例~」(大場克哉@オージス総研)、「Webサイトの提案に困っていませんか?」(棚橋弘季@ミツエリンクス)の5セッションだが、半日でこれだけ聞くとけっこうしんどかった。

これらの講演の主張はだいたい同じようなことを言っていた。最後のWebサイトの話も毛色が変わっているかと思ったらな何のことはない似たような論旨であった。共通的なキーワードは、「ビジネスプロセスの可視化」、「モデリング」、「ゴール指向分析」、「ユースケース」等々で要約した文章で言うと

“ユーザの要求は不安定だから、BSC(Balanced Score Card)とかシックスシグマといった手法を活用して、ユーザの要求を整理・分析して、ビジネスのめざすゴールを設定する。それをもとにモデリングを行い、ユースケース図を使ってプロセスを可視化し、システムに落とし込む。出来上がったシステムをユーザにレビューしてもらい、その結果をフィードバックする。こうしたライフサイクルをきちんとマネージメントしていく必要がある”

てなところがそれぞれの主旨のコアの部分である。

こういうことは、ずっと言われてきたことのように思えるのだが、これまでとの違いをしいてあげれば、最上位のビジネスのゴールを定めることの重要性を強調しだしたことかもしれない。そう言えば、BSCやシックスシグマはビジネスコンサルは言っていたけど、システム屋はあまり言っていなかった。それはそれとしていいことなんだけど、それで今のシステム開発の問題点が解決されるような話ではなく、もはや具体的にどうやっていくかの方法論の世界に入っているとぼくは考える。

だからこそ、開発者と設計者あるいはユーザとの距離感が気になるのです。ビジネスプロセスの可視化だとかモデリングと言っている人たちが、オープンソースのスクリプト言語ですいすいマッシュアップしてしまう技術を知っているのか、できるのかということ、また逆の話としてGeekたちがビジネスプロセスのことも少しは考えてみないかということなのである。

前述したような主旨すなわち、上位概念から下に向かって設計して、モデル化し、仕様を決め、製造するというスタイルは、至極まっとうなことなのだが、それでずーとやってきてなかなかうまくいっていないような気がする。うまくいっていないという意味は、中谷さんも言っていたように、“役に立たない正しいシステムばかり作り続けている”ことである。これに“高価な”というのを付加えたほうがいいが。

そうなると、発想の転換をしないとまたずるずる同じようなことを繰り返すような気がする。そのとき、企業情報システムに携わっているひとたちこそ、Geekな人たちと手を握らないといけないと思う。かれらの知恵や技術をおおいに活用するというか、そちらからの視点でビジネスプロセスを見てもらう必要があるのではないだろうか。それこそWeb2.0的開発スタイルです。そいうところをどうコーディネートしていくのかが大きな課題のようだ。

2007年11月 2日

「ネット未来地図」

ITジャーナリストとして著名な佐々木俊尚さんの最新作「ネット未来地図」(文春新書)を読む。副題が「ポスト・グーグル時代 20の論点」とあるように、小飼弾さんも言っていたが、「ネットの論点2007秋」とかいったタイトルにして、定期刊行ものにしたらいいとぼくも思う。というのも、この手のテーマはものすごい勢いで変化しているので、定点観測的にみていくのと、論点の出し入れをしていくことが必要なような気がする。

でも、もはや「ポスト・グーグル」と言うんですね。この間、梅田望夫さんの「シリコンバレー精神」の書評でも触れたように、グーグルが台頭したのはここ5年くらいの話だから、それがもう次の巨大IT企業の誕生の可能性を示唆するんだから驚いてしまう。いやはや、すごいスピード感だ。

これまた小飼弾さんにならって目次を並べてみる。

[ビジネスとインターネット]
論点1 amazon - アマゾンが日本のオンラインショッピングを制覇する
論点2 Recommendation - お勧め(レコメンデーション)とソーシャル(人間関係)が融合していく
論点3 行動ターゲティング -- 行動分析型広告は加熱し、ついに危うい局面へ
論点4 仮想通貨 -- 電子マネーはリアル社会をバーチャルに引きずり込む

[インターネット業界]
論点5 Google -- グーグルvs.マイクロソフト 覇権争いの最終決着
論点6 Platform -- 携帯電話キャリアは周辺ビジネスを食い荒らしていく
論点7 Venture -- 日本のネットベンチャーの世代交代が加速する
論点8 Monetize -- ウェブ2.0で本当に金を儲ける方法

[メディアとインターネット]
論点9 YouTube -- ユーチューブは「ネタ視聴」というパンドラの箱を開いた
論点10 動画 -- 動画と広告をマッチングするビジネスの台頭
論点11 TV -- 日本のテレビビジネスはまもなく崩壊する
論点12 番組ネット配信 -- NHKが通信と放送の壁をぶち壊す
論点13 雑誌 -- 雑誌とインターネットはマジックミドルで戦う
論点14 新聞 -- 新聞は非営利事業として生き残るしかない

[コミュニケーションとインターネット]
論点15 Second Life -- セカンドライフバブルの崩壊する時
論点16 ネット下流 -- 携帯電話インターネット層は新たな「下流」の出現
論点17 Twitter -- 「つながり」に純化するコミュニケーションの登場
論点18 Respect -- 「リスペクト」が無料経済を収益化する

[未来とインターネット]
論点19 リアル世界 -- 検索テクノロジーが人々の暮らしを覆い尽くす
論点20 Wikinomics -- 集合知ウィキノミクスが新たな産業を生み出す

こうして並べてみるとおおかたのテーマがカバーされている。但し、ぼくの目からすると、企業の活動やそこで働いている人たちの仕事のスタイルがどう変わっていくのかという視点が抜けていると、こうした本を読むたびに思ってしまう。まあ、現実的には、だいぶ遅れて企業の中に浸透していくのでいいのかもしれない。
                       
内容的にも簡潔に要領よくまとめられているのでわかりやすい。と言っても、ぼくが知らなかったこともかなりあり、少し、自分なりに整理しようと思う。従って、この目次に沿って何回かでポイントと自分なりのコメントを書いていきます。

おお、なぜかアマゾンの画像がない!
 

2007年11月 8日

論点1 amazon -「ネット未来地図」から

前に紹介した佐々木俊尚さんの「ネット未来地図」のなかの論点に従って、自分なりのコメントを書いていくことにする。初回は。「論点1 amazon」です。

本の要旨 - アマゾンが日本のオンラインショッピングを制覇する
日本のショッピングモールはこれまで、楽天とヤフー・オークションが2強と言われてきたが、ここに来てアマゾンの参入により、ショッピングモールというビジネスモデルが新たなフェーズに入った。これまでのモデルは、消費者から見ると、複数の店舗を横串できることと決済が店舗共通でできることで、一方出店側から見ると、サイトの集客力と決済システムが既にあることがあげられる。

ところがこうしたモデルが崩れてきている。アマゾンがこの2強をいずれ凌駕するだろうと言われている。アマゾンの優位性は、レコメンデーション機能など秀逸なデータベーステクノロジーを駆使しているところにある。

ぼくのコメント
去年三浦海岸にあるブティックと横浜にある美容院のホームページリニューアルという仕事があって、どういう仕様にするかいろいろ検討したことがある、結局成約には至らなかったのだが、いずれのケースもショッピングモールを作る話であった。

前者は輸入服の販売をネットでやりたいということだったので、楽天への出店を提案した。最初は自分たちのサイトを持ちたいということだったが、その店のネット上での認知度がなければ売れないと言って、楽天を推薦した。どうもショッピングサイトを作ればすぐに売れると思っている節があって、まずはそこにきてもらうのが大変なことだというのがなかなか理解できない。そのとき楽天に出店の問合せをしたら、何回も電話をくれて親切だった。結局楽天の強みはこの営業力であることを身にしみて感じたのである。

美容院のほうは、逆にシャンプーなどをすでに楽天に出店しているのだけれど、収益が出ないで困っていた。商品には2種類あって、メーカー品の代理販売と自社品の直販の2つがあって、それぞれに特徴がある。すなわち、代理販売品はブランドが固まっているから、消費者は見てくれるのだがライバルがいっぱいあって、結局は価格勝負になる。だから売れたとしても利益率がかなり低い。

一方、自社品の利益率は、代理販売品と比べてはるかに高いが認知度が低いので、その商品にたどりついてくれないというジレンマをかかえている。それで、自社品が売れるように自社サイトを立ち上げようとしたのだが、ブティック同様の壁があり、そのままになっている。

このように、楽天でもヤフーでも出店する側からみると、そりゃあ一握りが成功しているかもしれないが、大多数はそんなに儲けてはいないと思う。また、買う側から見ると、ショップが乱立して、お目当てのものを見つけるのも大変になってきている。

今度、アマゾンが参入して、あの“こんな商品を買った人はこんな商品も買っています”と勧めてくるようになるが、はたして消費者の満足を得られるのだろうか。ぼくは、このあたりはまだまだひとひねり要るような気がするがいかがなものでしょうか。言い換えれば、ひねりを考えればビジネスになるような気がする。
 

2007年11月13日

論点2 Recommendation -「ネット未来地図」から

本の要旨 - お勧め(レコメンデーション)とソーシャル(人間関係)が融合していく

アマゾンのお勧めのことで、協調フィルタリングという技術を応用している。これはまだ、的確な答えが返ってこない。それ以外の方法で出てきたのが、コンテンツベース・フィルタリングという手法で、例えば自分がどのような映画が好みなのかを事前に登録しておき、その好みに応じて勧めてもらう方法である。

しかし、レコメンデーションの分野は技術革新が最も先鋭的で、新しい手法が登場し、しのぎを削っている。
さらに、別のアプローチとしては、SNSなどによるクチコミ・レコメンデーションもある。ソーシャルとレコメンデーションの連携というのは、今後最も注目すべき大きな分野のひとつである。

ぼくのコメント

確かにアマゾンに行くと「こんな商品を買った人はこんな商品も買っています」といって同じ様な本を勧められる。グラビアアイドルの本をクリックしてしまうと次から似たようなグラビアアイドルの本がずらっと並んでびっくりする。だから、必ずしも自分の好みののもの、欲しいと思うものがでてくるわけではない。でも参考になることはある。いまはそんな感じだが、それ以上を望むかどうかは、人それぞれのような気がして、ぼくなんかはあまりおせっかいは要らないと思っている。

結局、いかに消費者の購買意欲をかきたてるかとなるが、ぼくはクチコミのようなレコメンデーションがいいのではないかと思っていて、というか、みんなが欲しがっているものがやっぱり自分も欲しいものだという集合知ならぬ集合欲がわりとよいレコメンデーションになるような気がする。

そういう意味でyusukebeが作った「これ☆欲しい-みんなの物欲」はとてもマッチしていると思う。身内だからというわけではなく、客観的に見てもいいんじゃないかな。
 

2007年11月25日

論点3 行動ターゲティング -「ネット未来地図」から

本の要旨 - 行動分析型広告は加熱し、ついに危うい局面へ

行動ターゲッティング広告というのは、利用者がどのようなウエブサイトを見たり、どのようなキーワードで検索したかといった履歴をすべて蓄積しておいて、その内容に合わせて利用者の興味や関心がありそうな広告を配信するという広告である。

この行動ターゲティング広告は、個人情報に入り込むと問題であるから、そこにはいっさい手をつけず、クッキーだけを使う手法である。

日本でも最近この行動ターゲティング広告に走り出しているが、今年の6月にヤフーが打ち出した「デモグラフィック行動ターゲティング」と「エリア行動ターゲティング」は、徐々に危うい局面に近づいてきているものである。

前者は、行動ターゲティングに利用者の年齢、性別をかけあわせたもの、後者はエリアの情報をかけあわせたもので、例えば、「美容に関心ある二十代女性」とか「新築マンション購入意欲のある大阪在住のユーザー」というように分類し、的確に広告を配信することができる。こうしたことが進んでいくといずれ個人のプライバシーに踏み込んでいくことになる。

ぼくのコメント

最近こうした広告が増えてきてネットを見ていても確かに関連するものが出てきてうれしいときもあるが、関係ないようなものがあつかましく訴えてくることもある。

ただ、ぼくは著者が言うようにプライバシーの問題というより、むしろ“おせっかい”がうっとうしくなるんじゃないかと思ってしまう。“お前ら本当にオレのことをしっているのか?”と言いたくなる。人間って、そんなに論理的でもないし、ワンパターンでもないように思う。その時の気分で欲しいものも違ってくるし、いい加減だし、天邪鬼的行動だってあるのだ。

だからほどほどにしてくれないとうるさくなるような気がする。時に、Wordのおせっかい機能に切れることがあるぼくなんか特に感じるのである。

2007年12月 9日

論点4 仮想通貨 -「ネット未来地図」から

本の要旨 - 電子マネーはリアル社会をバーチャルに引きずり込む

広告費がポイントプログラムに流れているそうだ。なぜかというと、今までと違って効果測定ができるからである。そのメリットというのは、顧客属性の入手とそれに連動して、ターゲティング広告が打てることである。だから、効果測定も簡単だ。

そこでは電子マネーが乱立している。よく知れているところでは、Edy、Suica、PASMO、nanaco、WAONなど多くの電子マネーが登場している。なぜこのように電子マネーやポイントが乱立し、統合されていないかというと、個別に顧客囲いこみをしたいからなのである。

ただいまのように統合化されていないと消費者の利便性は悪くなる。だから、これからの方向性としては、お互いが融通しあえるインターフェースが出てくると思われる。このインアターフェースが共通化され、ポイント交換が標準化されると、いよいよ電子マネーが社会のインフラになってくる。

ぼくのコメント

2005年のポイント発行総額がなんと4500億円以上なんだそうです。すごいですね。でもぼくなんかそのうちどれだけ有効に使っているのだろうかと思ってしまう。電話のプリペイドカードを考えたやつはすげえ頭がいいと思うが、あれと同じで捨てているのも結構あるんじゃないかな。

いま、ビックカメラのカードを作っている。Suicaと合わさったやつでビックカメラで買い物をしても、電車に乗ってもポイントがたまる。こういうカードを持つと現金をもたなくてもよくなってくる。でも、少し変な感じなのだ。やはり、何かを買った時は、財布からお金を出して払うことで、ああ散財したのだなあという実感がわいてくるものなのだ。

それがカードをかざすだけで買い物ができてしまうと、自分のお金という実感が薄くなって思わず無駄遣いをしてしまうのではないだろうか。ただ、便利なのは否定できない。

まあ、個人のバーチャル経済なんてたかがしれているが、マクロ経済のバーチャル化の方がもっと恐ろしいことになっている。サブプライムローン問題なんてカードで家を買った感覚なんじゃないかな。

そこで動いているお金が半端じゃないわけで、人間ってある閾値を越えるとリアリティを失ってゲームの世界に入っていく。いまの株や投資のバーチャル経済は怪物化してしまっている。

チャップリンの「殺人狂時代」の“ひとりを殺せば犯罪者だが、100万人殺せば英雄だ”じゃないが、大きなお金を動かしているとそんな感覚になるんじゃないだろうか。すいません、だいぶ飛躍し過ぎたようです。

それにしても、どんどんバーチャル化していくが、“ものをさわった”感触を忘れないでいたいものだ。
 

2008年1月 6日

論点5 Google -「ネット未来地図」から

本の要旨 -- グーグルvs.マイクロソフト 覇権争いの最終決着

アドワーズとアドセンスがネット広告市場を拡大した。こうした検索連動型広告では、自分の興味対象に関連した広告が表示されるため、非常によい広告モデルとなった。そしてグーグルは1兆円を越える巨大広告企業に成り上がってしまった。

そして、マイクロソフトが没落し、覇権はグーグルへと移っていった。マイクロソフトは「アプリケーションはウィンドウズでしか動かない」という市場支配力を武器に成長を持続してきたが、ブラウザさえあれば動くグーグルのサービスが登場するともはやマイクロソフトでなくてもかまわなくなったのだ。さらに、マイクロソフトはインターネットビジネスへの参入に失敗してしまった。

ただ、だからといってグーグルが磐石だというわけではない。将来への不安もある。

ひとつは、検索エンジンなどのアルゴリズムによる体系化にこだわり過ぎていること。そして、もうひとつはグーグルという企業に対する信頼性が少しずつ揺らいでいること。会社が大きくなりIPOを経ると当初のよさが消えていくのである。

ぼくのコメント

会社の命は30年とか言われているが、いよいよマイクロソフトが終焉を迎えていくのだろうか。そんなことを思ったら、もうそのマイクロソフトから覇権を奪ったグーグルが衰退の兆しと言われてもちょっと待ってくれといいたくなる。たしかに、この世界はめまぐるしく技術やビジネスモデルが変化するとはいえ早過ぎないか。

まあ、会社というのは大きくなると必然的に破壊に向かっていくという宿命を内在しているとは思う。グーグルも最初にスタンフォード大学の大学院生二人で始めたときはメチャ面白かっただろうし、儲かる仕組みを思いついたときには興奮しただろうが、だんだん人も増え、会社も大きくなるとそうしたワクワク感がなくなっていくのではないだろうか。

今の若い人たちもちょっと前まではグーグルが憧れの会社だったようだが、今は少し冷めて見ているようだ。それに、日本でも優秀な人が何人かグーグルにいったけど、グーグルに入る前はいろいろ情報を発信していたのに、入ったとたん何をやっているのか聞こえてこなくなったという声も聞こえてくる。

うーん、すごい世の中になったものだ。
 

2008年1月19日

論点6 Platform -「ネット未来地図」から

本の要旨 -- 携帯電話キャリアは周辺ビジネスを食い荒らしていく

NTTドコモやauなどの携帯電話キャリアが、雪崩を打ってコンテンツビジネスに入り込んできている。例えば消費者向けに提供している基盤である「おサイフケータイ」が典型だ。プラットフォーム支配の第一歩である。
文章だけでなく、地理情報や音声、動画などあらゆる情報を解析し、新たな形式でのお勧めを実現して行こうという考え方で、有用なサービスを開発すると非常に強力な携帯電話のインフラとなりうる。

音声電話はいまも完全定額化はされていないので、音声通話はなるべく行なわず、ネットだけ利用するユーザがどんどん増えている。

新たな収益モデルとして、おサイフケータイやモバイルアベニュー、マイライフ・アシスト・サービスが登場してきている。

ぼくのコメント

ぼくは携帯電話は音声通話以外はあまり使わない。子どもとのメールと写真くらいでiモードも使っていない。だから、携帯が変貌していると言われてもピンとこない。

とはいえ、若い人をみていると使いまくっているという感じですね。最近電車に乗ると前の席で何人の人が携帯を覗いているかチェックするようにしている。そうすると代替6~7割の人が見ている。ほんと、びっくりする。昔はそのくらいの割合で新聞や雑誌を見ていたものだが、いまや新聞を読んでいる人がずいぶんと少なくなった。

話を戻すと、確かに携帯というプラットフォームは有望のようだ。グーグルフォンなんて話もあるし、激しい戦いが展開されるんでしょうね。それと、MACの超薄型PCじゃないけどハード的にも違ったものになるような気もして楽しみだ。
 

2008年1月24日

論点7 Venture -「ネット未来地図」から

本の要旨-- 日本のネットベンチャーの世代交代が加速する

2004年ころからベンチャーをめぐる状況が劇的に変貌している。ライブドアの堀江や楽天の三木谷、USENの宇野康秀に代表される旧来型の経営者とは決定的に異なった新たなネットベンチャー経営者が登場してきた。

旧来型のベンチャーの勝ち組の成功要因は、
1.いち早くインターネットのビジネスに着目し、先行者メリットを享受したこと
2.営業力がきわめて強かったこと
3.ネットバブル崩壊直前の「逃げ切り」株主公開

しかし、それから日本にはシリコンバレー型のベンチャーが出てきていないが、その理由は
1.新興企業向けの株式市場が存在せず、資金調達の方法が少なかった
2.技術者や研究者がカネのないベンチャーに流れてこない
3.技術主導型のビジネスモデルを生み出せなかった

ところがこの3つの不足は2000年以降急速に解消していく。

そこではWeb2.0の潮流の影響は大きく、楽天、ヤフーはこの潮流にうまく乗れなかった。
そしてこの間隙を縫うように、Web2.0の潮流をうまくすくい上げ、成長曲線に乗るようになったのが、はてなやミクシー、ドリコム、ゼロスタートコミュニケーションズといった第三世代のベンチャー群だった。

ぼくのコメント

第二世代から第三世代への移行はよくわかる。以前あるお客さんの商品を楽天に出店させようか検討したことがあったが、そのとき感じたのはああ楽天は営業でもっていると思ったのだ。もう営業マンがすばらしい。いろいろなサポートをやってくれるのでつい引き込まれそうになる。ところがけっこうなマージンを取るんですね、これが。だからそのときこの会社はネット企業じゃないと思ったものだ。

だから第二世代というのは、ネットでひと山あててやろうというような連中が多く、実体的には浮いていたように思う。

そこに技術を引っさげた第三世代の登場であるが、逆にビジネス的にだいじょうぶかなとも思ってしまう。ドリコムなんてやばそうだという噂もあるし、収益モデルを無視してやっているところもあるみたいで、やっぱり両方のバランスがいると思う。

それと、ベンチャーの資金がどうなっているのか、ぼくはよくわからないけれど、少くともシリコンバレー的なVCは日本には少ないと思うので、そういうVCが育ってほしいと思っている。

だからというわけではないが、第三世代のあとが続いていないように感じている。いまこれは面白い会社だというような起業をあまり聞かないようだが違うかなあ。


2008年2月 6日

論点8 Monetize -「ネット未来地図」から

本の要旨-- ウェブ2.0で本当に金を儲ける方法

日本のウェブ2.0ベンチャーの収益モデルはかなり脆弱だ。
現在のウェブ2.0企業の収益モデルは次の3つに分けられる。

①広告を取る
②サービス利用者に課金する
③システムを他の企業に外販する

ミクシーの例でいうと、提供しているのは先進的なウェブ2.0サービスであるものの、収益としてはウェブ1.0的なバナー広告が核なっている。

収益を上げるのに必要なのは、規模と構造の両立。代表的な存在がグーグルで、検索エンジンで巨大なデータベースを得て規模を実現し、「検索されたキーワードと連動した広告を表示する」という体系化に基づいた新たな構造を作り出した。だからグーグルは高い収益を実現できた。

他にも、マイスペースやアップル、アマゾンなどもこうした規模と構造により市場を支配しているのである。こうした規模-構造モデルに卓越した企業がインフラ化していくのはウェブ2.0ビジネスの進化の必然である。日本の企業もこの観点からのサービスの展開を考えないといけない。

ぼくのコメント

論点5でグーグルvs.マイクロソフト 覇権争いについて書いたが、つい最近米マイクロソフトが、米ヤフーに買収を提案したと発表した。買収額は446億ドル(約4兆7500億円)という巨額の買収提案である。ヤフーがのむかどうかは分からないが、マイクロソフトの焦りみたいなものを感じる。この世界の動きは早い。だから、ブログでこのような記事を書いていると極端な話書いたとたんに陳腐化してしまうというおそろしいことにもなりかねない。

さて、今回のテーマは収益モデルということで、ウェブ2.0というけどどうやって儲けるのというお話。ぼくらも、といっても社長だけだけど、ウェブ2.0のサービスをいくつか展開しているが、こと収益モデルに関しては非常に厳しい。本屋にも月何百万ネットで稼ぎましたなんてことを書いた本も並んでいるが、スパムまがいのことをやらない限り無理なんじゃないだろうか。

社長がブログ「ゆーすけべー日記」でも書いているが、たとえばアマゾンの本の購入でもあの小飼弾さんでさえ月60万円の収入だそうだ。それはそれですごいのだが、書評が書ける限界があるから(何しろ弾さんは薄い新書だと15分で読んでしまうので、さらに早く読むのも無理だと思う)もうこれ以上増やすのは大変なんじゃないかな。うちの社長も少しは入ってきているようだが、もちろん小遣い程度だ。

この本で言っている、規模と構造となると非常に難しく、簡単に言えばある領域で覇権をにぎることだから並大抵のことではない。日本人の不得意のところのような気がするが、これからの若い人たちに期待したい。
 

2008年2月17日

論点9 YouTube -「ネット未来地図」から

本の要旨-- -- ユーチューブは「ネタ視聴」というパンドラの箱を開いた

動画共有サイトの「ユーチューブ」は、テレビの世界に決定的な革命をもたらそうとしている。それは、ごく短いワンシーンの動画を見てみんなで話題にしあうというスタイルを、人々に気づかせつつあることだ。

面白いショートムービーやテレビ番組の短いワンシーンをユーチューブで見つけ、それをブログに表示したりして共有し、コミュニケーションの題材にするという「ネタ視聴」が、急速に台頭してきたのである。

このユーチューブモデルは、番組の著作権をめぐって日本のテレビ局との間では、激烈な闘争が起きるであろうということだ。

放送業界は、「ユーチューブのようなわけのわからん無料サービスに、自局の大事な番組コンテンツを荒らされてはかなわない」と受け止めている。

ユーチューブは今後どのような対応を行なうのか。あくまで「ネタ視聴」の枠組みを拡大し、ウエブ2.0的に通信と放送の融合モデルを推進していくのか、それとも日本のメディア産業とビジネス的に組み、メディア多面展開の一環にユーチューブを組み込んでいくような「ウエブ1.0」的戦略をとるのか。

ぼくのコメント

いまや若者の間ではフツーにユーチューブで話題のテレビ番組や面白ネタを見たりするのがあたり前になっている。だから、テレビをじっくり見るといったスタイルはどんどん無くなっている。もはやテレビの前でドラマなどを鑑賞するのはインターネットを使えない年寄りや主婦になってしまっている。

ぼくも何度も言っているがテレビはプッシュ型だから、テレビの放送の時間に合わせなくてはいけないことや一度見逃したら次に再放送をしてくれるのをじっと待つしかないないという風に見る側が窮屈さを我慢しなくてはいけない。昔はそれしかなかったから仕方なしに見ていたが、ユーチューブはそれを根底からひっくり返したのである。

もうこの流れは止まらないと思う。従って、本に書いてある今後のユーチューブの出方の如何は当然ウエブ2.0的方向に行くのであって、そのときの著作権の問題がどうなるのかが焦点となろう。この問題は趨勢としては日本の放送業界の負けでしょう。

そもそも論として、著作権を主張してばかりで、それらを開放しないということでいいのだろうか。本当にいいものであれば、開放してみんなに喜んでもらったほうが、製作者にとってもハッピーなのじゃないだろう。

だからここに立脚すると今の日本の対応はおかしいのであって、まずは著作権はあったとしても、コンテンツを出しますという姿勢にすべきである。そして、そのコンテンツに価値があれば、人が多く集まってくるから、そこで何か違ったビジネスを展開するというようにしないとテレビは今のスタイルは崩壊する。

だって、小島よしおの“でもそんなの関係ねー”のギャグをスペイン人がやって、それを日本で見て面白がっているんだぜ。

2008年5月11日

アルファギークのアルファとは

昨日、「小飼弾のアルファギークに逢ってきた」の書評を書いたが、このアルファギークとは一体何のことなのかについてである。本の裏表紙には次のように書いてある。

「アルファ」は動物行動学ではリーダーとなる個体のこと。 「ギーク」は、ひたすら「好き」を貫いて信じる道を往き、世界を少しずつ、しかし確実によい方向に変えていくエンジニアのこと。 アルファギークとは、そういう特性を併せ持つ人たちです。

もう少しぼくなりに考えてみる。どうもみんなの言っていることを整理してみると、簡単に言うとスキルと情熱の4象限にあるように思える。スキルと情熱高い位置にいるのがアルファギークである。

すなわち、秀でた技術力をもって好きなこと、やりたいことを貫きとおすことがアルファギークの最小限の要件であるように思える。

それと、なんとなく技術オタク的なイメージを抱きかねないが、実はそうではなくて、幅広い視野、あるいはほどよいバランスといった感覚が備わっていないといけないのだろう。だから、狭い範囲の技術には優れたものを持っているが、それをやり通す熱情が感じられないのは単なるギークであるということになる。

もうひとつ言えることは、いろいろな視点でものを見るということとつながる話なのだが、一人でなんでもやってしまうということだ。

ひとつの領域だけで優秀ということはなく、できるやつは広い範囲でできるのだ。ここのところも特徴的な点で、想像力と創造力の豊かさをもって“自ら新しいものを作ってしまう”というところにアルファギークの存在感があると思う。模倣ではない独創、あきらめないこだわり、くじけない精神力、こうした要素こそこの世界で突っ走るために必要なものである。

ところで、アルファギークになれるヤツはいいけどなれない俺たちはどうなるのだ。最初にスキルと情熱の4象限と言ったが、情熱があってもスキルのないヤツ、スキルがあっても情熱のないヤツである。

前者のほうは、二つの方向があって、ひとつはスキルのあるヤツを使いこなすことを考えることで、これをプロジェクトマネジメントスキルという。もうひとつは職人に徹することだと思う。

後者は、これはなかなか難しくて、お前燃えろよと言ったところで本人がやる気がなかったらどうしようもない。まあ、ぼくのお薦めは自分ひとりになる環境を無理やりでもいいから作っちゃうということだ。個人事業主になってもいい、起業してもいいから独立することだね。

もちろん、スキルもなくて情熱もないヤツは問題外。

そういう意味でウエブの世界はずいぶんと技術者像のイメージを変えている。従来のようなステレオタイプのエリートエンジニアではついていけないような気がする。このムーブメントは早晩非ネット世界にも波及していくと思われる。

そのとき、このギークにアルファがなぜついたのか、どうしたらアルファを付けられるのか、アルファになれないギークがどうしたらいいのかを考えると面白いと思うのである。
 



2008年9月 3日

Web2.0の企業への適用-Web2.0とは

いまある研究会でWeb2.0技術を企業で活用するにはというテーマで議論をしている。そこで、ぼくなりに考えたことを書いていくことにする。

いまさらWeb2.0もないだろうというツッコミはあるかと思いますが、エンタープライズ系との兼ね合いで語らえることは少なく、Enterprise2.0という言葉もあることはあるが、そのニュアンスともちょっと違うし、ということでもう既にいくらかは浸透してきている現状でもあることなので議論しておく意味は十分あると思う。

こういうテーマだとすぐに社内ブログだとか社内SNSという方向に行ってしまうが、それもあるがもっとさまざまな局面で技術を使ったりすることがあると思う。それよりも何よりもWb2.0の精神とか考え方を注入することの方が重要であるとも言える。

企業で使われる条件は二つあると思っていて、一つはそれを使わないと仕事ができないような状況になること、もう一つはそれを使うと個人的に得をするとかいった場合である。すなわち、強制力とインセンティブ付与である。

こうした観点から考えていくが、最初にWeb2.0とはいったい何のことかをみていく。具体的な技術やコンセプトを言う前に大づかみに捉えておくことにする。

どうもWeb2.0というのは、「つなぐ」あるいは「つながる」技術でありコンセプトであるのはないかと思う。つなげるものはそれぞれ違うが結局その相互の関係性を従来と違った形に変えていくものであると規定してみた。

そうすると、次のような切り口が見えてくる。
1) 何と何をつなぐのか
2) どうやってつなぐのか
3) つなぐと何が変わるのか
4) めざすものは何か

これからそれぞれについて検討を加えていくことにする。

2008年9月 5日

Web2.0の企業への適用-何をつなぐのか

Web2.0は「つなぐ」「つながる」が上位キーワードという風に考えたが、まずは何と何をつなぐのかという話である。

対象は、「人」、「情報(データ、コンテンツ)」、「サービス」であると考える。よくヒト・モノ・カネという言われ方をして、これまではそういうものを主たる対象にしてきたように思う。ところがWeb2.0の世界では対象が違うのではないだろうか。

少しそれるかもしれないが、可視化だとか見える化という視点でみても、これまでの見える化の対象はヒト、モノ、カネのうちほとんどがカネにつながるもの、すなわち、ヒトだったら給与、モノだと有体物であり、その価格である。

ところが、これからは無体物の価値のようなものが重要になる。例えば、ヒトであればその人のスキル、性格、特技、ネットワークといったものであり、モノでいえば、その商品の持つブランド力とか顧客満足度とかいったものである。それはある種の情報あるいはサービスといってもいいだろう。

従って、ヒトとヒトのつながりやヒトと情報の交わり、サービス同士の連携による新たなサービスといったことが重要になってくるのである。

カネや有形資産としてのモノを中心とした世界も大事だが、それよりも目に見えない価値の世界の重要性が増してきているのではないでしょうか。そこの領域を可視化して、モデル化してくれるのがWeb2.0であると思う。

特にヒトとヒトの関係において、その関係性のプラットフォームがどんどん変わってきていて、今はそれがWeb(ネット)になってきているというのは厳然たる事実だ。良かれ悪しかれもうそこから逃げられないということも事実なのである。だとすれば、それとうまく折り合っていくことが最善の選択であると思うのである。

2008年9月 9日

Web2.0の企業への適用-つなぐ形態

つなぎ方にはどんなものがあるのだろうか。ここにWeb2.0の思想とその技術の間にある概念を考えてみる。言いかえれば、どういう特徴がWeb1.0ないしは非Webと差異を表現しているのだろうかということである。そこに3つの特徴を見出した。

1)双方向コミュニケーション
2)オンデマンド
3)ハイパーリンク

勝手に選んでみたので、異論があろうかと思いますが、この3つの特徴で考えてみる。

双方向コミュニケーションは従来の一方通行的な関係から、相互に議論し合うような場がSNSやBlogなどで実現できるようになったことは非常に大きなインパクトのような気がする。

いままで上意下達的であったり、言いぱなし、報告を聞くだけといった縦の関係の意識が強いコミュニケーションから、横の関係へと変化していくと考える。こうしたことにより、参加型のコミュニティ形成、集合知の創出といった世界ができてきた。

オンデマンドというのも重要な概念であるように思える。簡単に言えば、使う側の主体性の取得である。お仕着せのものから、自分のスタイルに合ったように情報を取ってきたり、コミュニケーションを行なう主体的行動へと変わるのである。

ちょっと違うかもしれないが、ProductOutからMarketInという言い方もある種のオンデマンド型への移行を意味しているのではないでしょうか。

最後のハイパーリンクはWebでは当たり前というか、Webそのものを指しているのでその効用を忘れがちになるが、このハイパーリンク構造により、情報取得コストが格段に下がったと思うのである。信じられないくらい欲しい情報へのアクセスが楽になった。

以上述べたような3つの特徴を生かした多くのサービスやアプリケーションができていて、これらを使うことで仕事のやりかたや事業のオペレーションが大きく変わっていくと思われる。

2008年9月10日

Web2.0の企業への適用-どう変化するのか

変化を考えるのに形容詞の変化という見方で整理してみる。

・遅いから早い   :情報の伝達速度、処理速度
・少ないから多い  :情報量(受信/発信)
・狭いから広い   :世界中の人とコミュニケーション
・高いから安い   :チープ革命、ハードウエアコスト
・硬いから緩い   :永遠にβ版
・遠いから近い   :映像通信
・重いから軽い   :軽量言語、クライアント負荷
・厚いから薄い   :ドキュメント、ノートPC
・長いから短い   :開発期間
・大きいから小さい :デバイス

こうしてみると、いちいち説明することもなく、重厚長大から軽薄短小、高遠長から安近短へと変化していることがわかる。スピードとリーチを手に入れたボクサーということであり、そうなればフライ級のボクサーでもヘビー級の選手を倒すことができるのである。そういう変化をもたらしたのである。

のそのそと動き、こちょこちょと手を出しているような企業はいつかやられてしまうのは目に見えている。ですから、これからの企業がWeb2.0を活用するということは何を意味するかというと、身軽でフットワークよく動き、長いリーチとスピードで戦うという姿を志向することに他ならないのである。
 


2008年9月12日

Web2.0の企業への適用-何を期待するのか

Web2.0の適用による変化は少なからず企業にインパクトを与えることになるが、具体的にどうなって、どんないいことが待っているのかを吟味する必要があるだろう。

組織的なことと個人的なことがあるが、大きくは次の3つに集約されるのではないかと思う。

Web2.0を活用することによって
1) コミュニケーションが円滑になる
2) コラボレーションが効率的になる
3) 個人の情報処理能力が高められる

その結果
1)企業内の孤立感がなくなり、楽しく仕事ができるようになる
2)みんなの知恵を使ってクリエイティブな仕事ができ、そこで自分が成長できる
3)作用効率があがり生産性が向上する
と言える。

以前に「不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか」という本を紹介したが、その中で、いま職場で何が起きているのかについて、関わらない、協力しないという態度が増加して、その結果、生産性や創造性の低下、品質問題や不正をもたらしているといったことが書いてあった。

そして、役割構造の変化による「タコツボ化」の進行、評判情報の流通機能の低下、インセンティブ構造の変化により、組織内の協力関係の構築・維持が阻害されているのである。

こうした現象に対する処方としてWeb2.0の精神の注入と実際のソリューションの採用が有効であるように思う。上述したように人と組織を活性化させるためにも、Web2.0をうまく活用することが必要なのである。


2008年11月22日

30Daysの軽さ

先日、高校のサッカー部の還暦を祝う会をしたのだが、そのとき、写真を撮ってそれをどうやって参加者に見せようかと思ったのである。

恩師の先生は、撮った写真を絵葉書にして、すぐぼくのところに送ってきて、同期の出席者に配れとのこと、それはそれでいいのだけれど、デジカメで一杯撮った写真はどうすればいいのだ。

メールに添付して送るにはでかすぎるし、ということでこういうときには社長に聞くのが一番早い。そうしたら、一押しが「30DAYS」というサービスだと教えてくれた。今年の4月にPaperboyから提供されたサービスである。

これが超簡単で便利だ。ファイルごと一発でアップロードでき、あとは、みんなが見られるための合言葉を決めて登録すればそれで終わり、こりゃ楽だわ。

これから、クラス会だとかいろいろな会合で写真を撮ってこうした形で開示するのが多くなりそうな気がする。

2009年1月16日

Web2.0の導入レベル

Web2.0の技術やサービスを企業に導入するにはといったテーマで勉強会をしているという話は前に書いた。そのとき、どういうエリアで導入すべきなのかという問題がある。仕事の種類でどういった技術やサービスが適用できるかということである。

そこで、そうした業務の性格をながめてみた。3つのエリアというかステップがあるように思うのである。
その3つはつぎのような業務形態ではないかと思いいたった。

1) 個人の知的生産性に関するところ
2) グループで行うプロジェクト的業務に関するところ
3) ルーティン的な基幹業務プロセスに関するところ

それぞれで求められる要件が違うように思う。

1)では、あくまで個人であるので個人がどれだけいい情報に早く到達できるかであろう。当然情報取得は人からもあるから、効率的なコミュニケーション能力というのも含まれる。

2)のところでは、ある設定された目的に対して、それぞれの役割を与えられたメンバーが情報を生み出し、それを結んだり、編集したりして新たな情報を生み出すという行動を行う。

ここで重要なのは、決まったプロセスではないので、臨機応変に進め方を変えられる変化対応力が求められる。その変化に対して素早い判断ができることが望まれる。そこでは、メンバー間の情報共有と協力が不可欠であることは言うまでもない。

3)は、基本的には決まったことをこなすのだが、時には例外的なことがおきたり、また細かい点ではいつも同じとは限らないという性格があるので、軽いプロジェクト的な動きも必要となる。

そして、組織体としてのチームプレーが求められるが、プロジェクト業務とは違って、必ずしも優秀な人ばかりで構成されていないというなかでいかに高い質の意思決定を行えるかが重要である。

つぎに、そういった要件に対してそれをどんなWeb2.0がどのように解決してくれるのかである。
その前にWeb2.0の特徴(従来できなかったと)を考えてみましょう。私は次の3つであると考えています。

・ 双方向コミュニケーション
・ オンデマンド
・ ハイパーリンク

これらの特徴がどう生かされるのでしょうか。

個人の知的生産性の向上では、いまやネットを使う上で様々なツールやデバイスあるいはサービスが提供されていて、それらをうまく使いこなすことでリテラシーの向上が図られるものと思われます。ハイパーリンクで情報のリーチが長くなったこととオンデマンドで自分の好きなときに情報を取得できるようになったのです。

2)と3)については、大事なことは、情報共有型の業務処理をITを使って行うということではないでしょうか。この参加型のコラボレーションによる意思決定は従来の紙ベースの逐次処理とは明らかに違ってきます。

伝票や帳票を持って回って、決裁を仰ぐスタイルでは、プロジェクトや業務プロセスにおけるスピード感がまるで違ってきます。そして、双方向コミュニケーションという特徴が生きる世界です。

これこそがWeb2.0の世界がもたらすメリットではないでしょうか。情報共有型ということで言えば、SNS、Blog、Wikiといったアプリケーションはそうした場を提供してくれます。それを構成するCMSなどのフレームワークも充実してきました。私は、ここが最大のポイントであると考えています。

ということで、各レベルで必要とされる要件を満たすような技術やツールがWeb2.0から得られる時代になったように思うのである。

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