« 山崎方代を知っていますか | メイン | 鎌倉のまちづくり(2) »

鎌倉のまちづくり(1)

今各地でまちおこしだとか商店街の活性化だとか、あるいは地域の再生といったプロジェクトが盛んに行われている。これは、日本の社会における人口減、少子高齢化、都市への集中と地方の衰退といった人口動態の変化に対応するものだ。そうした背景を理解すれば、新しいまちづくりの方向性が見えてくると思うのだが、どうもまちづくり計画の内容は以前の高度経済成長時代の考え方を踏襲しているように思えてならない。

特に行政が絡んだ土地利用計画において顕著であると感じる。つまり、こうした土地利用計画は長期にわたるものが多いから、当初の計画案は10年、20年、へたをすると30年も前に作られたものであることが往々にしてある。従って、当時の考え方、すなわちハコモノをどんどん作ることが街づくりの基本になっているのだ。ところが、バブル以降多くのところで破綻をきたした。

ならば、現代の情勢にマッチしたコンセプトに切り替えたらよいと思うのにそれができない。もちろん、見直しはするのだが、いつも原案ありきで若干の修正を加えるだけでお茶を濁すのである。おそらくお役人の習性である既往のものをひっくり返すのはやりたくないという根性が染み付いている。新国立競技場の一件もしかりである。

たしかに行政というものは極端ではいけないし、コロコロ変わってもいけないのはわかるが、それによってあとで文句を言われないような八方美人的な案になってしまう。そこには、"らしさ"という特徴も出ないし、魅力のあるまちにはならないのである。もう少し時代の変化に対応したものに変える勇気をもってもらいたいのだが、そのリーダーシップをとる人がいないのだ。上から言われたことを忠実に実行することが彼らの価値と言った振るまいなのである。

また、お役所で欠けているのがソフト的な思考で、どうしてもハード面を先行して考えてしまう。どんな施設を作ったらよいかというアプローチになる。税金を投入するのなら目に見えるものにという発想が強いように思える。何をしたい、あるいはどうなってほしいから、それを実現する入れ物を作るという順番なのだが、まずはハコモノありきという進め方に陥る。

ハードとソフトは一体でむしろソフト面でのコンセプト作りが重要である。つまり、哲学・ビジョンをきちんと決め、そのビジョンを達成するためのコンセプトを仮決めして、そこから多くのアイデアを出し合いながら、コンセプトを固めていくという"創造のプロセス"を実行していないということに尽きる。自分たちのまちを創造していくという意識が希薄なのである。次回は今まで言ってきたことを実際の例(鎌倉市深沢地区のJR東日本工場跡地開発)に当てはめて見ていくことにします。
  

About

2015年8月31日 14:56に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「山崎方代を知っていますか」です。

次の投稿は「鎌倉のまちづくり(2)」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type