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銀座が消える

3月に入って暖かく感じるようになった。(今日は寒いが)どんなことがあっても、どんなに寒くても梅が咲き出す。当たり前だが自然の強かさに驚かされる。やはりなんといっても家の庭に彩りが出てくるのはうれしいもので気持ちもすこしばかりウキウキしてくる。しかし、人間の生活は毎年決まって同じことが繰り返されるかというとそうではない。毎年、違った状況や思いがけないことが起こったりする。

先日、一通の手紙が届いた。達筆で特徴のある字体なのですぐに「もんじゅーる」のマスターからのものだと分かった。開けてみると多少は予想はしていたのだが、店を閉めるという通知である。以前からちらっと聞いてはいた立退きがいよいよ免れられなくなったようだ。手紙には、別のところに移るという選択肢もあったようだが、"最早銀座には小生が標榜するところの酒場に相応しい古い佇まひの路地が見当たりません"ということで店を畳むことにしたのだ。

「もんじゅーる」は30数年前に泰明小学校の近くに開店したバーでマスターとママ、そして若い女性バーテンダーがもてなしてくれた"おとな"(事実、入り口には40歳以下お断りという貼り紙がある)のバーである。ぼくは会社の先輩に連れて来られてからかれこれ15年くらい通った。だから、マスターとママはぼくの喜怒哀楽をずっと見てきた。まさに気のおけない馴染みの店だったのだ。

この店の良さは何かというと客筋の良さに尽きる。もちろん、それはマスタ夫妻の人柄や女性バーテンダーの魅力があったからであるが、様々な職業や立場の人々が夜な夜な集まってきて飲みながらおしゃべりができる空間を作っていた。ぼくは基本的にはひとりが多いのだが、隣に座った人ともすぐに仲良しになれるのだ。ほんと、人間国宝のひとや作家、落語家、経営者などなどずいぶんと多くの人と知りあえた。

そんな店が閉店してしまうのである。なんとも寂しい限りである。手紙をもらってすぐに行こうと思った。今は前の会社をやめてうちの会社にいる次男を誘って出かけることにする。次男は学生時代からこの店に出入りしていたので10年近いなじみでもある。そして、「もんじゅーる」に行く前にちょっと食事をしてからということで、銀座の「俺のそば」で待ち合わせたのだがいっぱいだったので、すぐそばの「ニュートーキョー数寄屋橋本店」にする。そうしたら何と入り口に3月8日に閉店するとあるではないか。ここは77年続いたのだという。

こうして、古くからの店というか建物がどんどん建て替えらえていく。すぐ近くの東芝ビルだったところも新たなビルが建設中だ。マスタが言うように建て替えにより路地が消えていくのを実感する。まあ、永遠に続くわけではないのはわかっているのだが、変わらないものあってもいいじゃないかと恨み節も吐きたくなる。昼間歩くと中国人ばかりにぶつかることも含めて、やはりなんとも寂しいのである。
  


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2015年3月 7日 08:57に投稿されたエントリーのページです。

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