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ふしぎな岬の物語

吉永小百合という女優さんは、高倉健もそうなのだがスクリーンに写っただけというか、そこに佇んでいるだけで存在感がある。それに絶対に悪い人ではなく、完璧な人間として出てくるから、その正しさに背筋が伸びる。それが良いのか悪いのかは置いといて現実離れしているといえばしている。若い時はそれが爽やかさとして心地よかったが歳を食ってからはどうなのかはある。つまり、人生長くやって清濁を味わっていきたはずなのにまだ清いっておかしくねえという感じを抱いてしまう。

吉永小百合企画・主演の「ふしぎな岬の物語」は第38回モントリオール映画祭で審査員特別賞グランプリを受賞した作品である。かなり評価されたのだが、観終わっての感想としては大したことがないのに、なぜ受賞したのだろうかというものであった。外国人受けがするのだろうか。

人里離れた岬にある喫茶店のオーナーである悦子(吉永小百合)の元に様々な人々が訪れる。悦子を守ると言って終始つきまとう甥の浩司(阿部寛)、30年の常連である不動産屋のタニさん(笑福亭鶴瓶)、漁師の徳さん(笹野高史)、その娘で出戻りのみどり(竹内結子)、その他にも寺の住職だとか医者だとかが絡んでくる。村の青年団フォーク愛好会にメンバーとして、杉田二郎、堀内孝雄、ばんばひろふみ、高山巌、因幡晃が登場したのはご愛嬌である。

ストーリーを書こうと思ってもどう書いたらいいのか。つまりちゃんとしたストーリーがないのだ。原作があって実話でもあるようだが、エピソードの羅列でしかないのである。それがつながっているというわけではなく、脈絡なく登場する。ひどいのは泥棒が入ってきたのだが動じることもなく説教してしまう。それで改心して、店が火事で燃えて再建するときに家族と一緒にやってくるのだ。

それとか、よくわからない親子がやってきて店に飾ってある絵をみてこれを探していたとかいう霊感を言う。それでその女の子に悦子の亡くなった旦那が描いたというその絵をあげてしま。てな具合に悦子が実に高潔でいい人だという話を並べている。まあ、そのあと不幸なことがあってということなのだが。お決まりの喪失と再生物語である。

それにしても吉永小百合の若さにはびっくりする。70歳でもあの役をこなすのには恐れ入る。でもそういっても孫の世話をする吉永小百合もイメージ出来ないから、キューポラのある街から変わらない吉永小百合でいいのかもしれない。

☆☆☆

ふしぎな岬の物語jpg
  

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2014年10月27日 19:05に投稿されたエントリーのページです。

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