« 2014年8月 | メイン | 2014年10月 »

2014年9月 アーカイブ

2014年9月 5日

利休にたずねよ

市川海老蔵という役者はあまり好きになれない。特に理由はないのだが感覚的に受け入れられない。しかし、映画としての作品に期待して「利休をたずねよ」を観る。まんまと期待はずれであった。監督が田中光敏、主演の海老蔵を支える共演者は、中谷美紀、市川團十郎、伊勢谷友介、大森南朋、柄本明ら。

原作が山本兼一の同名の小説で、ここでは史実にない利休の若き日の恋物語を描いて話題になった。しかもその相手が高麗の美女で、彼女とムクゲの花(韓国の国花である)と高麗の茶壺が利休の「私がぬかずくのは美だけ」というその美の原点といったような描かれ方がされる。これではネトウヨの格好の標的になり批判がうずまくこととなる。ぼくは右でも左でもないが、この設定はさすがに酷いと思う。

映画は、利休が切腹するときから遡って、織田信長や豊臣秀吉とのからみを追いかけていくのだが、その後に青年時代の利休が登場して高麗からさらわれてきた女との出会いから別れまでが映し出される。だから、唐突な感じもするしストーリーが分断されてしまうのだ。利休が「美」をもって時の権力者とどう向かい合ったか、その利休はどうやって作り上げられたかといういわばプロセスとリソースの物語を前後逆にして並べてしまったのだ。

このプロセスとリソースはちょっと次元の違うものだから違和感がある。日韓関係の微妙な時期に史実にもない韓国を賛美するようなストーリーを挿入する神経もひどいものだが、プロセスとリソースの混同も困ったものだ。モントリーオール世界映画祭で最優秀芸術貢献賞を受賞したようだが、欧米のひとには"歴史認識"が無理だからエキゾチックな画面に魅入ったのだろう。

ちょっと映画の話からそれてしまうのだが、利休というのは究極のコンサルタントだったのではと思う。例えば、秀吉を稗の粥でもてなすシーンがあるが、子どもの頃を思い出す仕掛けなのだ。暮らしは貧しいけど母親の愛情に包まれてのんびりしていた時代を懐かしむのだ。それから、有名な小さな茶室で、天下人であれど刀を外して、頭を下げて入ることを教える。

ということで、こんな映画は作っちゃいけないという話なのだが、プロセスとリソースとかコンサルティングといったビジネスのことを思い浮かべながらみるとちょっとした発見があったという救いを書き留めておいた。
  
利休にたずねよ.jpg
  

2014年9月12日

商店街再生の罠

今年の3月に弟が死んでもう半年になろうとしているが、生前営んでいた書店を畳んだ後の店舗の借り手がみつからない。不動産屋に頼んで募集をかけているのだが音さたもない。ここの商店街にあった寿司屋、パン屋、パーラーも同じような時期に閉店してしまった。まだシャッター商店街とまではいかないにしても空き店舗も増えてきている。

弟は商店連合会の会長をしていたから、何とかして店を再開して商店街を活気づけなくてはいけないと思うのだがそう簡単にはいかない。そこでなにかヒントはないかと「商店街再生の罠」(久繁哲之介著 ちくま新書)を手にする。著者は地域再生プランナーということで商店街の再生や起業を支援している。

若干問題意識を持っているものにとってはなかなかおもしろい。そして、直言するのでわかりやすいし同感する。とくに公務員に対する容赦のない非難はおいおいそこまで言っていいのかと思いつつ一緒になって怒っている。商店街の衰退の理由をよく大型店進出に帰するがそれは幻想であるとばっさりだ。

著者は商店街が衰退する本質は「公務員など商店街の支援者と商店主の多くに、意欲と能力が欠けている」ことだという。自分たちの能力と意欲の低さを隠蔽するため、大型店を悪い強者に仕立てあげて「商店街は大型店に顧客を奪われたかわいそうな弱者だから救済すべき」という幻想を生み出したというわけである。それで結局弱者救済策は無駄なものまで正当化される罠に陥るのだ。

これは商店街に限らず工業や農業などでも補助金づけにすればそれでいいみたいなことが起こっている。こうした補助金を与える方ももらう方もそっちのほうにばかり目が行ってしまい、肝心の顧客である消費者を見ていないという弊害をもたらす。いまや、プロダクトアウト型の商売は難しくなってきていて、顧客ニーズをどれだけ拾ってくるかが勝負なのである。だから、そこをちゃんとやっている大型スーパーとかコンビニに負けるのである。

本では「再生策は利用者が創る」という理念のもとにいくつかの再生策を提案している。まず商店街の位置づけを、一見の観光客を狙う「テーマパーク商店街」と、地元客のリピート需要を狙う「地域一番商店街」に大別していて、さらにテーマパーク商店街を「レトロ商店街」「キャラクター商店街」「B級グルメ商店街」に分類している。具体的な例をあげて説明している。

「レトロ商店街」は新横浜ラーメン博物館が嚆矢のようだが、昔懐かしい雰囲気をつくって一見の客を呼ぼうとするのだが失敗するケースが多いのだそうだ。一見の客なので土産物店のようなところだけが儲かるだけで、しかも地元住民はかえって生活しづらくなるのだ。また、テーマパーク商店街はもうキャラクター次第で旬を過ぎると飽きられるということになる。B級グルメも話題になっている割には成功例は少ないという。

では著者の提案する再生戦略は何か。あまり詳しくは書けないので簡単に紹介すると、「「シェア」で雇用・起業を創出」「「地域経済循環率」を高めて、第一次産業と共生」「趣味を媒介に「地域コミュニティ」を育成」というものだ。最近テナント募集中の店もぼくが少し関与しようかなと思っているので非常に参考になった本であった。
  

商店街再生の罠:売りたいモノから、顧客がしたいコトへ (ちくま新書)
久繁 哲之介
筑摩書房
売り上げランキング: 12,605

  

2014年9月 3日

プロセス思考のすすめ(6)

テレビ東京で毎週木曜日に放送される「カンブリア宮殿」というのは、ユニークな経営者や卓越した経営スタイル、斬新なビジネスモデルなどが登場するので毎回楽しくみるし、感心すること、参考になることなども多い。なので、商売柄いつもここで紹介されるビジネスをプロセスで捉えるとどういうことなのかという風に見てしまう癖がついてしまった。

先週の出演者はダイキン工業会長の井上礼之さんだ。驚いたのだが、何と年間売り上げが1兆7800億円だという。井上さんが社長に就任したときが3700億円だったのをそれから20年間で4.5倍にしたことになる。ほとんどが業務用と家庭用エアコンのようだが、うちでももっぱらダイキン製を使っている。やはり性能がいいことが評価ポイントである。

この躍進はひとえに井上さんの功績で、その果敢な経営スタイルが今日の業績につながっている。選択と集中という戦略もさることながら、圧倒的な差別化と素早い決断がビジネス拡大をもたらした。AとBの案があってどっちかというとき、誰も考えないような全く別のC案を持ってきてこれをすぐにやれということがあるという。

もう一つ、ダイキン工業という会社で特筆すべきことは人材育成、人材活用である。ひとことでいうと「厳しい困難を、信頼して任せる」文化にあるのだ。びっくりしたのは毎年行われる盆踊り大会を若手社員が全部取り仕切るのである。25000人もの人が訪れるという大きなイベントを彼らに任せてしまうのである。それは経験にもなるし、社員の一体感にもつながるのだという。

トップの的確で素早い決断とそれを実行する優秀な社員がいるのだ。しかしである。それだけでできるのだろうか。やはり、プロセスが必要ではないかと思うのである。というか、おそらくちゃんとしたプロセスができていてそれを適切に管理しているのだと思う。そうでないといくらできのよい社員といえども組織的なプレーは難しいし、少なくともスピードを求められると苦しいはずだ。

そこで、井上会長の次の言葉がそれを物語る。「一流の戦略と二流の実行力」と「二流の戦略と一流の実行力」があったらどっち選ぶかと問われたら躊躇なく後者であると言ったのである。つまり、いくら立派な戦略があったってそれを実行しなければ意味が無いのだ。それなら、厳格に戦略を策定しなくてもある程度方向性が見えたらやってしまえ、それでうまく行かなかったらすぐに修正すればいいじゃないかという。

このことは、簡単に聞こえるのだが非常に難しい。まずは失敗したらどうしようかということが先にきて、石橋を叩いてしまうことや、やったとしてもうまく行かなかったらその時点で終りとなることが多い。こうした難しいオペレーションができるということは、修正動作が効く仕組み(ぼくがよく言うフィードバックループ)があるからである。

つまり、プロセスが確立していて、なおかつトップの指示が出たらすぐに受け取るプロセスを特定して、まずはオペレーションをしてみるが、うまくいきそうもないというシグナルをすばやく検知して、このままほっとくと失敗すると判断したらすぐに修正するという動きができているということなのである。これは何も高度なITを導入しているとか、最新のシステムが構築されているかどうかは関係ない。案外モチベーションの高い社員の工夫で回しているかもしれない。

ただ言えることは、決断力のあるトップと柔軟なプロセスと忠誠心の高い優秀な社員は優良企業になるための必須条件であるということだ。結局、こうした仕組みと仕掛けを用意させたのは経営者であろうから、一流の経営者はみなプロセス思考の持ち主であると思うのである。
 

2014年9月 1日

イノベーションを支援するITシステム構築の極意(29)

今回は(8)の「プロセス要素表を作成する」になります。実装に近いプロセス設計です。前回、プロセスを構成するアクティビティのモデルは「依頼受付」「要求仕様確定」「意思決定」「作業」「報告・登録」というふうに定義しました。ここでは、作業プロセスがない単純な意思決定プロセスを例にとって見ていきます。

プロセスを設計するときに大事なことは、オペレーションから発想することです。どういうオペレーションをすれば戦略の実行が可能か、ひいてはビジネスに貢献できるのかという観点です。これがちょっと大げさなら、こんなことができれば自信をもってマネジメントができるというものは何かということです。

オペレーションプラットフォームの要件は次のようなことになります。
① ビジネスの進捗がわかること
② 意思決定(データの確定・判断)に必要な参照情報を得られること
③ コミュニケーションをしながら意思決定が行えること
④ プロセス全体と単位意思決定の責任者が明確になっていること
⑤ パフォーマンスの状況がわかり対応アクションがとれること
⑥ オペレーションの結果がアーカイブされて、次に生かされること

こうした要件を導き出した背景には、ハーバート・サイモンの「意思決定論」があります。少々長くなるが引用します。

■限定合理性と満足化原理に基づく意思決定

人間が完全に合理的な存在であるなら、あらゆる代替案のなかから、一定の評価基準に照らして最も有利な選択を行うという最適化原理に基づく意思決定ができる。しかし、合理性に限界(限定合理性)があるゆえに、人間は満足化原理に基づく意思決定をせざるを得ない

■意思決定プロセス

情報活動(情報収集 )➝設計活動(代替案の探索・評価 )➝選択活動(代替案の選択)➝ 検討活動(代替案の実施 ・フィードバック)

■組織目的の階層化と組織の意思決定

人間 は、限界合理性ゆえに、大きな問題に一挙に対処することはできず、複雑な問題の解決にあたる場合、問題を分解して組織の目的の階層化を行う。意思決定の複合体系としての組織は、その組織目的の階層化に併せて組織の意思決定も階層化して、人間の合理性の限界を克服しつつ、組織目的の合理的達成を追求する。


簡単に言うと意思決定を自動化してロジカルに意思決定できないので、意思決定プロセスを通じてより合理的な決定をくだすしかない。また、ひとりで全部意思決定できなから組織を作って分担させなくてはいけないということです。プロセス構成要素の各アクティビティは広義の意味で単位意思決定ですから、サイモンの理論を適用することができます。

オペレーションプラットフォームの要件がこの考え方に沿っていることがお分かりになったでしょうか。次回に具体的な「プロセス要素表」の要素と書き方を説明します。
  


2014年9月 2日

腰痛

ここのところ腰が痛くて歩くのもしんどい。お盆のころに別にぎっくり腰のような現象があったわけでもない(あとでお医者さんに聞いたら、ぎっくり腰も突然痛み出すのとじわっとくるのと半々なのだそうだ。だから今回のもぎっくり腰だと言われた)のに腰が痛くなって動けなくなった。それでも、お寺にも行かなくてはいけないし、何かと用事があって困ったのだが、そのうち治るだろうと高をくくっていたが、なかなか良くならない。そして、翌週は仕事が立て込んでいて3日続けて東京に出かけたりと体を使ったら(酒も飲んだが)悪化してしまった。

なのでついに医者に行くことにする。近くの整形外科に行って診てもらうと「変形性腰椎症」という診断である。レントゲン写真をみながら説明を受けると背骨が曲がっているし、椎間板の間隔が狭くなっているしすり減っていた。要するに加齢による劣化なのである。椎間板が劣化すると水分が少なくなり弾力性を失うので脊椎骨のふちが変形して周りの神経が刺されて痛くなるのだという。

だから特に治療することもなくてじっと時間がたって良くなるのを待つのだそうだ。やることは鎮痛剤を飲むことと1日おきに電気をあて温めるリハビリをやっている。最初は痛くて動けないこともあってずっと椅子に座っていたが、どうも同じ姿勢でいるのはよくないみたいだ。脊椎の周りの筋肉が硬くなってしまう悪循環を引き起こすのだという。いまは、ときどき体操やストレッチをしている。今日はだいぶ良くなった。

わー老化現象か。診てもらったときに一緒に骨密度も測りましょうということで測定したら、同じ年齢の平均を下回っている。5年くらい前に別件で同じ病院に通っていたのでその時のデータもあって、それとの比較で劣化カーブがわかるのだが、先生曰く、あと10年で骨粗鬆症ですねと簡単に言う。あらら、これではオレの身体はぼろぼろになってしまう。もう若返りは無理なのだろうか。

以前も視野にちらちらものが見えることがあって眼科に行って診てもらったことがある。何か難しい病気だったら嫌だなと思いつつ診断結果を聞くと「ああ、これは老化現象ですね」とこれまた簡単に言われてしまった。「治療は必要ありません」と畳み掛けられてほっとするというよりがっくりきたのを覚えている。

歯もとっくに一部入れ歯だし、目も腰も劣化しているのである。iPS細胞もぼくが生きているうちは無理だろうから、仲良く老化と付き合っていくしかないが、いつ脳の劣化が始まるのかと思うとちょっと心配だ。まあせっせと頭の体操とストレッチをやっていくしかないだろうな。このブログもリハビリのひとつだ。
  

2014年9月 4日

会社を変える分析の力

最近のはやり言葉にビックデータというのがある。ITの進展で大量のデータを取得し蓄積できるようになったので、そういう大規模データを分析してビジネスに活かそうということだ。ところがいつも思うのだが、データがいっぱいあっても、それを何に使うのか、どういう分析をするのかといったころがちゃんとしていないとそれこそ宝の持ち腐れになってしまう。

そんなことを考えていたら「会社を変える分析の力」(河本薫著 講談社現代新書)という本を見つけたので読むことにする。著者は大阪ガスの情報通信部ビジネスアナリシスセンター所長である。データ分析のプロフェッショナルである。ここでデータ分析のスペシャリストとかエキスパートと言わないのは、本の中でも書いてあるのだが、スペシャリストというのは、統計解析や数理計画などの手法に通じたデータ分析の専門家であるが、それだけでは職業にならない、つまりプロフェッショナルではないということなのだ。

分析スペシャリストが分析プロフェッショナルになるには、分析力を磨くだけでなく、数字という目に見えない商品でクライアントに営業する力と、クライアントを満足させる力がないといけない。つまり、本のタイトルのようにデータ分析でビジネスを変えられるようになることなのだ。このことが、繰り返し出てくる。

この本で著者が言いたい肝のところは、「データ分析とは、数値計算とかデータ処理とかいった定型的なプロセスではなく、どのようなデータをどのように分析すればどのような意思決定に役立つかを考える創造的な思考プロセスである」ということに尽きる。つまり、的確な意思決定を支援できるものを提供してこそデータ分析の役目なのである。

実はこの本で"データ分析"という言葉を"プロセス分析"に置き換えても通じる。プロセス分析でもビジネスの役に立って初めて意味があるわけで、単に分析するだけでは分析のための分析で終わってしまう。手段を目的化してしまうのである。また、オペレーション領域におけるプロセスは意思決定の連鎖だと言っているので、意思決定のためのデータ分析と密接な関係になるのだ。この辺りは別途議論することにする。

ところで、冒頭に言ったビッグデータのことである。著者の言及するところが目からうろこだったのでそのことに触れる。ビックデータとは通常のデータベースでは扱えないような大規模なデータを指しますが、数十テラバイトから数ペタバイぐらいのものだそうだ。ただ、データ量が多いというだけがビックデータというわけではありません。では、その本質とはいったい何でしょうか。

著者がその疑問を解消したのは、"Big Data:A Revolution That will Transform How We Live,Work,and Think"(邦訳「ビックデータの正体ー情報の産業革命が世界のすべてを変える」)という本に出会ったからだという。その本の中でビックデータの本質は「部分計測から全数計測へ」ということなのだ。従来は大量のデータを扱えなかったから、母集団の一部だけをサンプリングしていたが、現在は母集団全部が計測できるようになったのだ。

これだけだとへーそうなのかとなってしまうが、その変化どんなことをもたらすかというと、データ分析の方向性が「因果関係の探求」から「相関関係の探求」へと変わるのだという。部分計測の世界においては、全体の現象を見ることはできないので、全体を凝縮した部分を計測することで全体の現象を支配する普遍的な法則(因果関係)を見出し、それにより全体の現象を理解しようとする。この思考プロセスが統計学である。

一方、全数計測の世界においては全体の現象についてデータが揃っているから、全体現象の挙動パターン(時点間や地点間の相関関係)を直接理解することがでるのだ。だから、因果関係はわからないのです。つまり、理由のわからないような予測結果や判断結果がでてくるのだ。そうか目からうろこだ。だから使い方や使いどころをまちがえるといくら大量のデータを分析したからとって役に立たないこともある。それよりもぼくはいろいろな会社をみているとリトルデータをきちんと分析することが先だろうと強く思うのである。
  

会社を変える分析の力 (講談社現代新書)
河本 薫
講談社
売り上げランキング: 4,941

  

2014年9月 6日

アギーレジャパン始動

サッカー日本代表の監督交代後の最初の試合が昨日あった。対戦相手は南米のウルグアイである。南アフリカ大会でベスト4、ブラジル大会では決勝トーナメント進出しているから、日本より数段上のクラスのチームである。その強豪相手でしかも新生ジャパンに初召集された選手も多く、練習時間もたった3日間だから勝てというのも酷な話である。案の定、0−2と完敗した。

ただ、失点した2点で言えば、完全に崩されてしまったわけではなく坂井と酒井宏樹の二人のディフェンダーのミスだ。坂井は世界のトップレベルとの試合の経験がないので技術的というよりちょっとした判断ミスあるいは判断の遅れが命とりになるということを身にしみてわかったことだろう。酒井宏樹はヘディングでのクリアボールをゴール前に落とすというやってはいけない典型ミスだ。その前にもおなじようなクリアーをしていたから、基本ができていないと言われてもしょうがない。

フォーメーションがザックの4−2−3−1とは違った4−3−3を敷く。どちらがいいかはまだ分からないが、意図としてはまずは守備をきっちりやってということなのだろう。ポイントは森重のアンカーで守備の起点にしようとしている。その森重を挟むように細貝と田中が位置するのだが、彼ら二人がゲームメークするわけではないので攻撃面で単調になっていたように思う。

細貝がボール奪取、田中はミドルレンジからのシュートという特徴をもった選手だから、攻撃のリズムを生み出すとか、スルーパスを出すとかいったことは期待できない。しかし、それはアギーレはある程度覚悟していたはずだ。だから、トップに皆川をもってきたのだ。わりと後ろの方から皆川に当てる意図がみてとれた。

それでも、ゴール前で強固なブロックをつくるウルグアイの守備陣を攻略することはできなかった。皆川のヘディングと武藤のミドルシュートが惜しくも外れたが、こういったプレーがもっと出てこないと勝てない。何となくこの間のワールドカップを思い出してしまった。堅守速攻のチームにゴール前を固められるとなす術もなく壁にはばまれるというシーンである。

いま世の中の強いチームの特徴は昨日のウルグアイのように守備をきっちりしてボールを奪うと一気にカウンターをしかけてくるというものだ。スイッチが入るとチーム全体が押し上げていく。ところが、日本代表は、カウンターのスピードが遅いというかできていない。せっかくのチャンスなのにバックパスをしてしまう。ウルグアイを見てるとバックパスが少ない。

だから、これからの課題はカウンターのアグレッシブさと精度をあげることなのではないか。それと、引かれた時の崩しとして、サイドをえぐった長友のセンターリングを皆川が頭で合わせたこと、武藤のミドルから果敢なシュート、終盤に入った森岡のスルーパスというあたりは希望が持てる。いずれにしろたった3日の練習での初戦だけでアギーレの評価なんてできるわけではないので、ここしばらくは暖かく見守ることにしよう。
  

2014年9月 8日

イノベーションを支援するITシステム構築の極意(30)

前回からの続きで「プロセス要素表を作成する」です。プロセスオペレーションプラットフォームの要件となぜそうした要件になったかをサイモンの意思決定プロセスで説明しました。ここでは、具体的にプロセス要素表とはどんなものか、どうやって書いていったらいいのかを見ていきます。このテーマのタイトルが「イノベーションを支援する」ですからそういった目的に合っているかどうか考えてみてください。

まずは、プロセス要素表を示しておきましょう。

ProcessElment.jpgのサムネイル画像

表の一番左のアクティビティの列には意思決定プロセスの基本の項目が入ってきます。そして、次の「確定データ・判断」では、意思決定とはデータを確定することとある判断をおこなうことだと定義してありますからその要素を入れます。「依頼受付」「要求仕様確定」「作業」「報告・登録」も一種の意思決定ですから同じように記します。例えば、依頼受付だと依頼内容とか依頼受付日といったものが確定データになります。

「付帯登録情報」は必須情報ではないが参考のためとか、付記したほうがわかりやすいといった情報になります。例えば、住所に対する地図だとか納期に納入条件を入れるとかいったことです。「業務ルール」は意思決定を行うための則るもので、その中には概念ルール、数値ルール、アクションルールなどがあります。非常に重要なものでサイモンの意思決定プロセスでも代替案の選択の基準もこのルールになります。

ルールは単純なものから、ある条件を入れてデシジョンテーブルを通して答えを返してもらうなんていうものもあります。BPMとBRMが連携するというのはこういうケースのことです。参照情報は意思決定するときは何らかの情報を参照しながら行うのが普通です。できるだけ有用な多くの情報に基づくほうがより正しい意思決定が行われるはずです。参照情報には、マスタとか履歴といった事実情報、リソース状況、シミュレション結果などの判断情報、契約とか規約などの成約情報があります。業務ルールも判断情報のひとつですが重要であるので独立した要素として抜き出しています。

「ロール」は起案、チェック、承認などを規定しておくところです。プロセス全体もさることながら、単位意思決定でも責任者を決めておくべきでしょう。パフォーマンス指標は、コントロールすべき対象と閾値を書きます。例えば、報告日の3日前に作業が終わっていなかったら担当者にアラートを出すとかいったことになります。最後のデータ連携は取り込みデータ、提供データ、連携システムとの関係などを記入します。

もちろんこの表を全部埋める必要はありません。最初に設計すると大抵は書くセルが少ないでしょうが、大事なのはオペレーションを重ねていきながら増や
していくことなのです。例えば、最初は業務ルールもちゃんとしていなくてもまずは慣例でもいから運用してみて、やっていくうちにルール化されたら、それを業務ルールとして記述していく。他の項目についても絶えずブラッシュアップしていいものに近づけることが非常に重要なのです。

意思決定プロセスのシステム化の最も重要な過程はここの「プロセス要素表」の記述です。この表が適切に書けること、すなわちこのレベルのプロセス設計ができれば実装に移ることができます。
 

2014年9月 7日

BeとDoは分けて考えよう

分類学と定義力と整理術が大事だと言っている。なぜかというとものの捉え方、問題のあり方、対応の仕方などが違ってくるからである。ですから分類をちゃんとしておかないと議論があっちこっちに行ってしまい収束しないことがある。ただ、分類すればいいとってもどういう括り方をするかは案外むずかしい。同じようなものを並べてハイ分けましたといわれてもかえってわからなくなる場合もある。一番簡単なのは、対立的なものにわけることだろう。

例えば、大きい小さいとか高い低いといったような分類なのだが、それではちょっと乱暴な感じもある。ここで、対立軸ではないがわりとわかりやすい2分割を提示したい。それは、BeとDoである。Beというのは「〜である」ということで、Doは「〜する」である。Be動詞で語られるものと一般的な動詞で語られるものに分類することである。

以前指摘したデータの分類にもある。リソースデータとイベントデータである。この場合は名詞形と動詞型と言ったほうがわかりやすいかもしれないが、同じことである。近頃、いわゆる超上流の検討の機会が多くなって来ていて、プロセス設計の前の戦略とかビジョンとかコンセプトとかいった議論をしている。そのとき、BeとDoを切り分けてみていく必要があると感じたのである。

超上流の議論でよく出てくるのが、「戦略」「戦術」「ビジョン」「コンセプト」「シナリオ」「ビジネスモデル」といったものであるが、BeとDoという見方をすると微妙に違いが見えてくる。「〜である」というものを定義するのが、「ビジョン」「コンセプト」で「〜する」という方は「戦略」「戦術」「シナリオ」といったところではないでしょうか。そしてBeからDoへの橋渡しをするのが「ビジネスモデル」であると思う。

つまり、ビジョンやコンセプトにより"私たちの会社は、あるいは事業はこうありたい"という設定をしたら、それを実現するために、戦略を立て、戦術を練り、実行プランをつくるということになります。ビジョンとコンセプトができればビジネスがうまくいくわけではありません。大事なのはどう実行するかです。ダイキン工業の井上会長が言っていたように「一流の戦略と二流の実行力よりも、二流の戦略と一流の実行力」というわけである。

そして、二流の戦略(ビジョン、コンセプトも含め)でも一流の実行力を発揮できるためには1.5流のビジネスモデルが必要になります。二流の戦略からは一流のビジネスモデルはできませんから、せめて一流に近づけたビジネスモデルにしなくてはいけません。ですから、このビジネスモデルが実行へもっていくための要になるのです。

Beでどうなりたいかを描いて、Doでそうなるために日々のオペレーションを行うわけで、最初に言ったように考え方とか定義することも違ってきます。文法が違うのです。良いBe、良いDoにするために、特徴のある、そして差別化できるBeにおける形容詞、Doにおける形容動詞が設定できるかがビジネスの成否を決定するのではないでしょうか。
  

2014年9月20日

プロセス思考のすすめ(7)

プロセス思考とは、システム構築のためだけではなく、分析とか戦略立案のためでもある。つまり、プロセスを記述し、それを分析することでビジネスモデルを変更する、あるいは戦略を見直すといったことも可能だということである。また、実際に設計したプロセスをオペレーションした後でも同じようにビジネスモデルや戦略変更を行っていきます。

実は非プロセス思考だとこういうことは難しいと思います。その例を言うと、ERP導入のケースを考えてみてください。ERPがビジネスモデルや戦略に遡及できるかどうかはさておき、本来の考え方としてはパッケージですから、既にスタンダードとしてモデルがあってそれに合わせるということだった。すなわち、型にはまっているとはいえ、上流のモデルを既存のものからベストプラクティスといわれるものに変更することだったのだ。

ところがうまくいかなかったわけだが、その理由は、ERPは戦略とかとの結びつきが弱かったことと基本的には統合データベースという色合いが強くプロセスという概念が乏しいために上へ遡れなかったことだと思う。プロセスという概念は戦略やビジネスモデルに直結しているから先述したようにプロセスを書いて動かしてまた上へもどるというような上下運動が可能なのである。

プロセス思考の需要なポイントのひとつはここにあります。最近、中堅中小企業の経営問題に携わることが多いのだが、選択と集中をしたいのだがどうしたらよいのかとか、最新のITを使って何かできないか、市場が縮小しているがなんとかならないのかといった問題を議論するのだが、どうしても散発的で皮相的なアイデアの応酬となる。そんな時に、ビジネスモデルとビジネスプロセスをとりあえず書いてみたらと思う。

旅行でどこに行きたいとか、行き着くにはどういう経路があるとかと言った時には必ず地図をみながら思案するはずです。とくに複数の人たちが参加した場合は地図がなければ議論はかみ合わないはずです。これと同じように、ビジネスを語るにはビジネスモデルとビジネスプロセス(ハイレベル)を見ながら議論することをお薦めします。

こうしたアプローチの利点は日々のオペレーションにも発揮されることになります。つまり、戦略に合致した実行ができることになります。そこでも、例えば戦略に合致しない顧客が増えてきたら、戦略を変えてそういった顧客を取り込むといった対応もできるのです。可逆反応を引き起こすプロセス思考はこれからますます重要なものになっていくでしょう。
  

2014年9月19日

麦子さんと

時々、淡々としているのだがじわっと温たかさが伝わってくる佳作の映画に出会うことがある。吉田恵輔監督・脚本の「麦子さんと」はそんな映画である。主演が堀北真希で共演陣は松田龍平、余貴美子、温水洋一、麻生祐未、ガダルカナル・タカ、ふせえりといったところである。それぞれの俳優さんが非常に良い味を出していて作品に締まりを与えている。

オリジナルのストーリーで長年練り上げたものらしく非常によくできた脚本だ。とある鄙びた駅にひとりの女性が降り立つ。彼女は小岩麦子(堀北真希)といって、腕には亡くなったばかりの母親の遺骨を持っている。母親の故郷に納骨をしにやってきたのだ。そこで、タクシーの運転手(温水洋一)や民宿の夫妻(ガダルカナル・タカ、ふせえり)らから「彩子さん?」と声をかけられる。

彩子さんというのは麦子の母親の名前で若いころはこの町のアイドルだったのだ。そして、映画は一緒に暮らす麦子と兄の憲男(松田龍平)のところにその母親である彩子(余貴美子)が訪ねてくるシーンに戻っていく。彩子は夫の折り合いが悪く家を出て行ってしまったので、麦子と憲男は自分たちを捨てたひどい母親という思いが強く、憲男は"ばばあ"、麦子は"あの人"と呼ぶのである。

しかしながら、二人にお金を渡していたこともあり二人のアパートに転がり込んでくる。憲男はすぐに出ていき、麦子は母親とふたりきりで生活することになるが、馴染めないでいる。そうこうするうちに彩子は末期の肝臓がんであっけなく逝ってしまうのである。そして、葬式をすませ四十九日の納骨のために母親の故郷に来たというわけである。

そこから、ひょんなことからしばらく滞在することになった麦子はいままで知らなかった母親の姿を昔の知りあいが語るのを聞きながら徐々に死んだ母親との距離が縮まるのを感じていく。そして、初めて"あの人"から"お母さん"という呼び方に変化していく。この辺りの心理変化の描写がすばらしい。思わずもらい泣きしてしまった。

母親の本当の気持ちを知った時にはその母親はもういないという現実にはっとする麦子。そこで大きな喪失感を味わうのだがもちろん最後は再生の予感を感じさせてくれる。いやーいい映画だ。このストーリーもさることながら、麦子を演じた堀北真希がとてもいい。適役だ。それと松田龍平がいい味を出していて、堀北真希との兄妹の会話などリアル感があってすばらしい。
  
麦子さんと.jpg

2014年9月 9日

スキルと体力と意識

テニスの全米オープン決勝で錦織圭はクロアチアのチリッチにストレートで敗れ、グランドスラム優勝という大魚を逃してしまった。4時間を超す接戦を2戦続けて勝ち、準決勝で世界ランク1位のジョコビッチを下した快進撃もついに最後で止まってしまった。しかしながら、すばらしい成績であるのは間違いない。楽しみは次にとっておこう。

これで錦織の世界ランキングは8位となった。これまで11位だったからこれで念願のトップテン入りを果たした。まさにトップ選手になったわけである。ジョコビッチ、フェデラー、ナダル、マリーといった強豪と渡り合える力がついたことを意味している。まあ、すごいのひと言である。この躍進はコーチのマイケル・チャンの存在が大きいと言われている。

チャンは1989年の全仏オープン優勝という快挙を達成している。小さい体で動きまわる粘り強いテニスをぼくも覚えている。体が小さいことや、なかなかトップテンに入れなかったことなど錦織との共通点があることがプラスに働いたのだと思う。いろいろな情報から読み解くとチャンコーチの錦織改造が功を奏したのだろう。まさに心技体を変えていったようだ。

心技体というのは「スキルと体力と意識」のことである。このことについて、ラグビー日本代表のエディ・ジョーンズヘッドコーチの言葉が心象的である。彼のヘッドコーチ就任以来日本のラグビーは強くなっていて、ウエールズ代表を破ったり、世界の強豪に善戦している。

日本人はどうしてもフィジカル面で劣るので、それを諦めて俊敏性とかテクニックに向かう傾向があるが、彼は徹底的に体力を鍛えたのである。また、テクニックと言わずにスキルと言っているが、それは両者は違うのだという。テクニックというのは、正確に行える技術のことであるが、スキルとは状況に応じた判断力なのだと言う。このスキルを磨くことが大事なのだ。そのために、練習でも試合でも言われたようにやらせるのではなく、うまくいかなった時どうして問題があるのかを考えさすのだ。

3つ目の意識については、目標を与えることと同じメッセージを伝え続けることが大切なのだそうだ。例えば、ラグビーなら2015年のW杯でベスト8になるというのを言い続けている。こうした「スキルと体力と意識」の向上があれば日本人の良さが生きるのだ。結果も残しているので説得力がある。

マイケル・チャンコーチの錦織に対する指導もこの通りではないだろうか。4時間以上の試合のあとまた4時間以上で勝つということはフィジカルが相当強くなっているはずだ。また、錦織のようにパワーで押し切るタイプではないということは状況に応じた判断力がストロングポイントだろう。そして、チャンは錦織がロジャー・フェデラーは偉大だと言ったら、「これから戦う相手に憧れの感情があったら決してロジャーには勝てない」と諭したという。まさに意識改革だ。

翻って、サッカー日本代表のことを思う。今日はアギーレ監督の2戦目のベネズエラ戦である。まだアギーレ流「スキルと体力と意識」を植え付けるには日が浅いので難しいが、マイケル・チャンー錦織、エディ・ジョーンズーラグビー日本代表と同じように的確なコーチングでレベルアップをもたらして欲しいと願っている。
  

2014年9月15日

ブラック企業とホワイト企業

弁護士や市民団体などで運営されているブラック企業実行委員会は9月6日、「第3回 ブラック企業大賞」を発表した。この賞は、従業員に対して過労やサービス残業を強いたり、パワハラ、差別など問題視される企業をノミネートして、それに対してネットで投票して決めるというものである。その結果は以下の通り。

・ブラック企業大賞: 株式会社ヤマダ電機
・WEB投票賞 : 株式会社ヤマダ電機
・業界賞
【アニメ業界】株式会社 A-1 Pictures
  【エステ業界】株式会社 不二ビューティ
(たかの友梨ビューティクリニック)
・特別賞 : 東京都議会
・要努力賞 : 株式会社ゼンショーホールディングス(すき家)

まあ、話題になった企業・団体が入っていますね。ヤマダ電機は従業員の過労自殺をめぐる訴訟が起きているし、ごく最近ではたかの友梨やすき家、そうそうセクハラやじの都議会となんとも食えない会社が並んでいます。こんな賞をもらってしまうとただでさえ人手不足の中で人が来ませんね。都議会は違うけど。

一方で、ホワイト企業ランキングというのがあるのをご存知ですか。東洋経済が調査したもので、2010年入社の新入社員が3年後の13年4月に何人在籍しているかを全部で805社から3人以上入社した企業を対象に聞いて「定着率の個別企業ランキングを作成している。100%在籍というのが125社あって、その中で人数が最も多かったのが東ソーの122人だ。

その理由がいくつかあげられていた。「会社が指定する資格を取得した際に奨励金支給」「年間数人を海外語学留学に派遣」「フレックスタイム制度」「育児・介護・私傷病の短時間勤務制度」などである。こうした恵まれた制度で満足度も高く定着率がよいと解説している。実は何を隠そうぼくは東ソーに勤めていたのでびっくりもしたと同時にちょっとくすぐったい感じがする。制度にしても特別でもないし、どうしてかと思う。ちょっと前のどこかの週刊誌にも採り上げられていて、そこには「社内旅行あり」「ノルマなし」という見出しだった。なんか緩い感じが否めない。最近の若者はこういったことを望んでいるのだろうか。

まあ、定着率でホワイト度を測るのもちょっと引っかかる。それとホワイト度イコール優良会社かどうかがある。逆に居心地がいい会社は、硬直化したり、チャレンジングではなくなるという面もあるように思うからである。もう会社をやめてからずいぶん経つので今の状況はよくわからないが、世の中は労働市場の流動化の方向に向かっているので定着率が高いことが良いことだとは限らないので別の尺度で見る必要があるのではないだろうか。
  

2014年9月10日

少しはよくなったかな

サッカー日本代表は昨日のベネズエラ戦で2−2の引き分けに終わり、アギーレ新監督に初勝利をプレゼントできなかった。新監督で2戦未勝利なのは何年ぶりといったコメントもあるが、対戦相手も上か下かでも違うので意味が無い。ただ、昨日の試合は初戦のウルグアイ戦にくらべるとだいぶ良くなったと思う。敗戦から引き分けということではなく連携とか意識とかで変わっていたからである。

昨日は、日本が先行するのだが、そのあとすぐに追いつかれるという展開。これまでの多くは、相手に先行されてなかなか追いつけないというもので、得点力の無さを嘆いたものであるが、昨日はめずらしく、せっかく点を入れているのに守備陣はなにをやっているんだという逆の状況であった。

その点を入れたのが、武藤と柴崎という初選出の二人の若武者だ。武藤は得意のドリブルで中央へ持ち込むと左足から右隅へシュート、そして2点目は武藤と柴崎のパス交換から岡崎に送られると岡崎が左からゴールライン付近まで持ち込みセンターリング。それを長い距離を走り込んだ柴崎が見事なボレーシュートで左隅に決める。2点とも簡単なシュートではないがそれを決めるあたりはたいしたものだ。得点というのはセンスの問題だから彼らはセンスが有るということなのだ。香川に欠けるのはここなのだ。

一方で守備陣はひどい。2試合で4失点であるが、全部ミスからの得点である。なので、崩されていないからといってかばう意見もあるがとんでもない。ミスは個人のスキルの問題もあるが、ミスするような状況を作ったという意味で組織のミスでもあるのだ。だから、崩されているのだ。ディフェンダーのスキル(昨日も書いたように、単なるテクニックではなく状況に応じた判断力)のなさが目立った。これは現在のチームだからというわけではなく歴代のチームでも同じだ。

それと、毎回言うのだがフィジカルの問題である。みんなもっと強い肉体にしないとトップクラスには勝てない。柴崎なんて64Kgしかないからふっとばされてしまう。「スキルと体力と意識」のすべてをレベルアップしないとだめだ。意識では象徴的なプレーとしてバックパスが多いことがある。もう少し積極的な気持ちでアグレッシブに戦うべきだと思う。アギーレもわかっていると思うので今後に期待したい。

ただ、初戦のウルグアイ戦に比べれば、いいパス交換もあったし、お互いの距離感もよくなり、選手同士のコミュニケーションもとれていたように思う。もう少し時間をかければ良いチームになっていくと思う。来年のアジアカップに向けてしっかりとやっていって欲しい。
  

2014年9月18日

勘違いCMその3

なんとなく変なCMを採り上げて書いてみたら同じようなものがあるんですね。しかし、テレビの一日平均視聴時間は1時間もいかないかもしれないぼくが気がつくのだからネタの宝庫かもしれない。ということで第3弾です。今回はけなすCMと同時におもしろいやつも採り上げてみることにする。

変てこなのが、富士通エフサスのCMである。この会社富士通の100%子会社で元々はICTのカスターマーエンジニアの会社で保守がメインの会社だったのがいまはシステムの開発、運用などを手がけています。全国に事業所があり多くのフィールドエンジニアを抱えて中堅中小規模まで幅広い展開を行っています。

さて、その会社のCMで気になったのが「FUJITSU Business Application 長時間残業ソリューション篇」というやつだ。テレ東の「未来世紀ジパング」で放送されていてあれって思った。まず部長みたいなのがでてきて、"最近残業が増えちゃってさあ、長時間残業を減らして社員のやる気を引き出す、何か効果的な方法ってあるかなあ"とエフサスのエンジニアに言う。そうすると答える。"それならおまかせください。とっておきのがあります。"と言う。

そのソリューションというが「長時間残業抑止ソリューション」なのだ。要するにICTを活用したサービスにより勤怠システムとPCを連動させ、残業とコストを削減するのだという。これってちょっと違うのじゃないかと思う。つまり、残業時間を管理しようという方向なのだ。時間外で仕事をしようとすると早く帰れと監視しているのだ。そんなんで残業減りますか。というか、ICTをこうした使い方で利用するのはもうやめよう。

残業することが良いの悪いのではなく、いかに楽しくいきいきと仕事ができるかが重要で残業しても楽しいことだってある。まあ、早く帰ってところでとんかつ屋で呑んだくれてたらしょうがない。そのとんかつ屋のシーンが出てくるCMで思わず吹き出したのがある。

堤真一がとんかつ屋のカウンターで"何にしようかなあ、おお三元豚(サンゲントン)、うまそうだな"とつぶやく。するとリリー・フランキーの店主が"最近、ヒノノニトン増えてるよな"と使用人と会話している。"これからはさあヒノノニトンが主流になるんじゃないか。安全だしさ"と続ける。そうすると堤真一がすかさず"ヒノノニトンください"という。一同あぜんというわけである。これ何のCMかわかりますよね。日野自動車の2トントラックだ。おもしろい。こういうのを作ってくざさいよ、富士通エフサスさん。
  

2014年9月13日

日常点描2014.9.13

腰痛がなかなか治らない。夜寝ている時も痛みで起きてしまうこともあったが、それはなくなったのだが、左の腰から腿、膝まで痛みがあって、まだ歩くのに難儀する。今週は打ち合わせを1つは欠席で1つは延期してもらって家でじっとしていたが、昨日はどうしても行かなくてはいけない打ち合わせがあり、何とかこなした。夜も日暮里の和食屋さんでうまい料理と酒を楽しむ。

この日はぼくのおつきあいのある中小企業の社長さん同士を引き合わせたのだが、お互いの苦労したことや悩んでいることを話し合って盛り上がった。この日はもちろん初対面でしたが、話しているうちに両社長がお父さんから引き継いて2代目社長になる前職のときに直接対面はしていなかったもののけっこう近かったという事実が判明する。ここでも大いに盛り上がる。世の中って狭いなあ。

帰りは東京駅からグリーン車で帰ることにする。酒を呑んでも腰の痛みは無くならないのでまっすぐ家に帰ろうとして「鳥つね」の前を通ると、主人の常さんがカウンターで新聞を広げているではないか。こりゃあ寄らないわけにはいかない。やきとり屋なのに新物のさんまを焼いてもらってしばらく常さんと談笑する。炭火でちゃんと焼いたさんまはうまい。

しばらくすると、お客さんがやってくる。ぼくは別名招き猫とも呼ばれ(自分で勝手言っているだけだけど)、鳥つねに限らず他の店でもそうだが、ぼくが店に入るとそのあとお客さんがどんどん来るのだ。仕事帰りのサラリーマン、ヤンキーの男の子3人組、68歳で定年退職した元タクシー運転手のおばさん、カラオケスナックのママ、そしてヤンキーの子たちに合流した介護士マイちゃん。何というカオス。老若男女入り乱れている。

介護士のマイちゃんはまだ20代のうら若き乙女なのだが、介護が好きでそれに生きがいを感じている。その娘がヤンキーの兄ちゃんに向かって「お年寄りって可愛いんだよな」と言っている。さっきまでキャバクラの話をしていた兄ちゃんたちがきつねにつままれたような顔をしている。不思議な光景だ。

ところで、昨日から「キーマンズネット」で連載を始めた。キーマンズネットというのはリクルートが運営している企業向けIT製品・サービス選定のための情報サイトで、多くの企業のシステム担当者が見ているのだそうだ。その中に「中小企業ITコラム」というのがあってそこに対して記事を書くことになった。タイトルが「意外と知らない?経営とITをつなぐプロセス」で、ちょっと尻切れとんぼのようなタイトルですが字数の制限でこうなってしまいました。

連載は週1回くらいのペースで全部で5回を予定しています。とりあえずプロセスという概念を理解してもらおうという意図です。いろいろな場で企業の人たちと議論していると、それこそタイトルのように意外とプロセスでビジネスを捉えている人が少ないと感じていたのでこのテーマになりました。昨日の第1回は「経営とITをつなぐプロセスの重要性とは?」です。ぜひご購読をお願いいたします。
  

2014年9月16日

イン・ザ・ヒーロー

こんなにおもしろいと思わなかった。「イン・ザ・ヒーロー」である。アクション映画や特撮ものでヒーローや怪獣のぬいぐるみの中に入って演じる役者をスーツアクターという。そうしたスーツアクターを主人公とした映画で実際に若いころスーツアクターだった唐沢寿明が主演を務める。共演は、福士蒼汰、黒谷友香、寺島進、和久井映見らである。監督が武正晴。

ブルース・リーに憧れてなったベテランのスーツアクター本城渉(唐沢寿明)は、下落合ヒーローアクションクラブを経営している。スーツアクターは顔を見せられないので、彼らは顔と名前がでる映画に出演することにあこがれる。そんな折に本城にヒーローものの出演の声がかかる。しかし、本読みに行ってみると自分がやる役は若手俳優の一ノ瀬リョウ(福士蒼汰)に代われていた。そのリョウの生意気な態度をたしなめる本城だが、彼にアクションを仕込むことになる。

そうこうしていると、日本で撮影していたハリウッド映画でクライマックスのアクションを演じる予定だった俳優がこんな危険なことはできないと言って帰国してしまう。高いところから落下して、炎にまみれながら大勢の忍者と戦う殺陣を演じることである。ひょっとすると命を落としかねないような苛酷なスタントなのだ。それに対して本城にオファーが来たのだ。本城のからだは長年の酷使でぼろぼろだから、周囲は出演に反対するが本城は出演することを決める。そして満身創痍になりながらも見事に演じきるのである。

これって、思い出しませんか。「太秦ライムライト」と「蒲田行進曲」を。脇役が年老いてきて若手の俳優と入れ替わっていく様、危険なアクションをやり遂げる覚悟といったストーリーが似ていますよね。この映画にも松方弘樹が出てきて「太秦ライムライト」の斬り役ではなくて斬られ役で出ているのも一興である。おもしろいもので似たような作品ができてくるが、ただの偶然ではなく時代の要請があるのかもしれない。そいいえば、予告編の中に周防正行監督の「舞妓はレディ」が紹介されていたが、クドカンの「舞妓 Haaaan!!!」とも似てそうだ。

ストーリーは特段凝ったわけでもなくラストも予想がつくのだが図らずも泣いてしまった。やっぱり、夢をあきらめることなく追いかけてそれを成就させるとか、若いやつに最初は煙たがられながらも基本的なことを教えこみ、成長していく姿をみるといったベタなサクセスストーリーは単純に感動してしまうのだ。

主演の唐沢寿明は自身も売れない時代にはスーツアクターをしていつか顔と名前が売れることを夢見ていたというから適役で、ひょうひょうとした表と芯の強い裏を持っている独特の雰囲気もあいまって好演している。スタントマンの役なのにそこにスタントマンをいれてたらまずいでしょうということで自分で演じきったそうです。そのほかの共演者たちもいい味を出していてよかったなあ。秀作である。
  
インザヒーロー.jpg

2014年9月17日

イノベーションを支援するITシステム構築の極意(31)

さて、7つの作法の最後になります「実装する」です。最終的にはITに実装して、それを使って日々オペレーションしていくことが大事になります。前回作成した「プロセス要素表」から実装していきます。こういうと、要件定義をしてプログラム仕様書を書いてそれから実装するのでしょう、あるいはパッケージを持ってきてFitGapをやるのでしょうと言われる。

ここでは、そんなことはしません。まず対象が"意思決定プロセス"であることがあります。また、プロセス要素表を見てもらうとわかるようにプログラムできっちりと作れるような定型的なものではないということです。つまり、非定型で人間が介在するような仕組みでプロセス要素表にある各要素が仕込めるプラットフォームがあればそこに"設定"すればよいのです。

プラットフォームは基本的にデータ管理とプロセス管理そしてコミュニケーションができるものであればいいのです。そういったものにBPMSがありますが、意外と定型業務向きなので、ここではサイボウズ社の「kintone」を採用することにします。kintoneの謳い文句である"データとプロセスとコミュニュケーションを一体化させた"というのがコンセプトですからぴったりですね。多少使い方の工夫が要りますが十分使えるツールと言えます。
   
kintoneを使った実装の手順は本ブログの「ビジネスサービスのつくり方」という記事に詳しく出ていますのでそちらの方を参照してください。ざっとした手順だけは記しておきます。

1. Portalからアプリケーション作成方法を選択します。

portal.JPG

2.はじめから作成の場合
  ステップ1  アプロの名前を入力します
  ステップ2  一般設定(アイコンやデザインテーマなど)
  ステップ3  フォームの設定(データの入力フォームを作る)
  ステップ4  一覧の追加(データの一覧画面に表示する項目を選ぶ)
  アプリの運用を開始するために「設定完了」をクリックする。

フォーム設定.JPGのサムネイル画像

このように、設定だけでアプリケーションを組むことができます。フォームの設定でも、あらかじめ用意されたフィールドパーツ(ラベル、文字列、数値、日付、ラジオボタン、チェックボックス、ドロップダウンなど)をドラッグ&ペーストで貼り付けるだけです。その他にも、通知の設定やアクセス権の設定、グラフ化なども簡単にできます。最近ではAPI連携とかJavaScript/CSSカスタマイズもできるようになりかなり機能が充実してきています。ということで、7つの作法を終わることにします。
  

2014年9月14日

サッカー満開

ちょっと前に男子サッカー日本代表のキリンチャレンジカップがあったかと思うと昨日はなでしこジャパンのアジア大会壮行試合対ガーナ戦があった。今日はアジア大会の男子の初戦クエートとの戦いがある。海の向こうではブンデスリーガでマンUから古巣のドルトムントへ移籍したばかりの香川が得点をあげ。またマインツの岡崎も2点獲っての活躍でうれしくなる。

香川はプレミアリーグよりもブンデスのほうが性にあっているのかもしれない。日本人選手がプレミアでは活躍できていないところをみると個性で周りを押しのけていくようでなくてはダメというか監督が認めないのだろう。まあ、短期に結果を求められることもあるからなおさらだ。香川、岡崎以外の選手の活躍を期待したい。

ところで、昨日のなでしこの試合は、天国から地獄へというわけではないが、前半と後半で様変わりだ。得点も前半5点とっておきながら後半はゼロと言う浮き沈みの激しい結果となった。前半の勢いだと二桁いくかなと思われたが終わって見れば5−0である。こういうことはよくあることで、前半の大量点で手を抜いているわけではないのだがどうしてもそれぞれの局面で緩くなってしまうのだ。

立ち上がり15秒で宮間からの縦パスを高瀬が決めて先制。あまりの早さだったのでテレビをつけたらもう1−0でリードしていた。それからは、坂口、高瀬、長船、中島と立て続けに決める。2列目からの飛び出し、深く持ち込んでのクロス、コーナーキックから、ミドルレンジからのシュートとバラエティに富んだパターンでなでしこのチームとしての完成度を見せつけた。

やはり、坂口、宮間のボランチを起点に球離れの速いパスワークで相手を翻弄した。ガーナはこのボール回しに全くついてこれなくて失点を重ねた。ところが、5人の選手を入れ替えた後半は、ガーナも慣れてきたということもあり、攻めるのだがペナルティエリアに入り込めない。ボランチの二人が坂口、宮間から中島、猶本に代わったこともあるのだが、それよりも連動性がなかったことが原因だ。また選手同士の組み合わせの問題もあるかもしれない。

前半は、次のつぎのパスを予測した動きがあって、そのためにガーナのディフェンスが振り回されていた。ところが、後半はその動きが少なかったためにガーナディフェンスはゴール前にブロックを作ることができたため、そこにぶち当たってゴールを割れなかった。これはW杯の男子も同じだがブロックを破る策がほしい。それでも、若い選手も起用されていたが臆せず動きまわっていたので頼もしい限りだ。アジア大会、そして来年のW杯ではぜひ優勝してほしい。
  

2014年9月22日

人はなぜ集団になると怠けるのか ー 「社会的手抜き」の心理学

経営改革とかプロセス改善といったようなことを考える時、必ずと言っていいほど組織の問題が採り上げられる。そんなこと言ったってうちの会社の人間は動かないし、やる気もないから無理だなんてことを言われたりする。改革、改善を実行するのは最終的には人だから組織の成員の能力ややる気は非常である。

てなことを考える時、個人のパフォーマンスの合計がその集団のパフォーマンスになるのかどうかという問題がいつも気になっていた。スポーツにおける団体競技でいくら能力の高いものを集めても必ずしも勝つとは限らない。ということは、意識、無意識かはともかくとして、誰かが手抜きをしている可能性がある。

そんな疑問に答えてくれる本がある。「人はなぜ集団になると怠けるのか」(釘原直樹著 中公新書)である。副題が「「社会的手抜き」の心理学」である。さて、この社会的手抜きというのを本ではこう定義している。「「個人が単独で作業を行った場合にくらべて、集団で作業を行う場合のほうが1人当たりの努力の量(動機づけ)が低下する現象」ということである。

要するにモチベーションが下がってしまい能力を発揮しないのだ。この社会的手抜きというはいたるところで起きる。本ではビートルズも手抜きをしていると指摘する。後期には単独作品より共作のほうが質が落ちたのだという。他にもスポーツなんかでも野球やサッカーのホームかアウエイかで試合結果がどうなっているかを調べるとご存知のようにホームの勝率が高いのだが、それはアウエイで手抜きをしているからのようだ。

ではこうした社会的手抜きがどうしておこるかというと、外的条件(環境要因)と内的条件(心理的・生理的要因)がある。外的条件には「評価可能性」と「努力の不要性」「手抜きの同調」があって、要するに綱引きのように個人の評価が難しい場合と、他の人が優秀であるため自分の努力が集団全体の結果に影響ないので、一生懸命やる必要はないと考えるフリーライダーといったもの、その逆に他者があまり努力していなければ、自分だけ努力するのが馬鹿らしい「正直者は馬鹿をみる」ということだ。一方、内的条件は「他者の存在による緊張感の低下」と「注意の拡散」である。

社会的手抜きに反する現象が社会的促進というのだが、社会的手抜きに対する対策をとって社会的促進が進むようにするのが組織の活性化とかにつながるわけである。その対策には何があるのかを項目だけあげておく。
(1) 罰を与える
(2) 社会的手抜きをしない人物を選考する
(3) リーダーシップにより集団や仕事に対する魅力の向上を図る
(4) パフォーマンスのフィードバックを行う
(5) 集団の目標を明示する
(6) 個人のパフォーマンスの評価可能性を高める
(7) 腐ったリンゴを排除して、他者の存在を認識させる
(8) 社会的手抜きという現象の知識を与える
(9) 手抜きする人物の役割に気づく

まあ、組織の活性化とかいう場合よく言われてことかもしれないが、社会的手抜きという逆側から攻めて、集団の特質とか態様、なぜこうした現象がおきるのかというのを心理学的な観点で実験も参考にして解いているのでおもしろい。いま、社会的手抜きが起こらないようなプロセスとはという命題を頭に思い浮かべている。研究してみようと思っている。
  

人はなぜ集団になると怠けるのか - 「社会的手抜き」の心理学 (中公新書)
釘原 直樹
中央公論新社
売り上げランキング: 118,460

  

2014年9月21日

白ゆき姫殺人事件

湊かなえの原作というと「告白」や「北のカナリア」といったサスペンスで映画でもおもしろいものになる。その湊かなえの原作である「白ゆき姫殺人事件」を観る。監督が「アヒルと鴨のコインロッカー」や「ゴールデンスランバー」といった伊坂幸太郎ものや「ポテチ」といった作品を生み出している中村義洋が演出している。一連の中村監督作品も謎解きのような要素があるので期待して観る。主演が、井上真央、綾野剛、蓮佛美沙子、菜々緒、貫地谷しほりらである。

ストーリーは、しぐれ谷というところで美人のOLが焼死体で発見されるところから始まる。全身をめった刺しにされた後火をかけられたて殺されたのである。殺されたOLは三木典子(菜々緒)といってある化粧品の会社に勤めていて、その美しさと派手な行動で注目の女子社員だった。その事件を放送したテレビのワイドショーのディレクターの赤星雄治は(綾野剛)、元カノの狩野里沙子(蓮佛美沙子)からメールをもらう。

実は里沙子は殺された典子と同じ化粧品会社で働いていた。彼女から怪しいのは典子と正反対で地味でおとなしい城野美姫(井上真央)であると告げられる。それを聞いた赤星はワイドショーで美姫をあたかも犯人のように放送するのだった。そして、赤星はその裏をとるために彼女の関係する人々にインタビューをして回る。その頃は、スクープとしてもてはやされていた。

インタビューは会社の同僚から先輩後輩、男友達、それから学校時代の同級生、家族などに対して行われるのだが、みな語っていることが美姫が犯人であるかのごとく聞こえてくる。そして、テレビは過熱し、ネットでも拡散して徐々に美姫を追いこんでいく。父親までが土下座して謝るという事態になっていく。さて、美姫ははたして本当の犯人なのだろうか、というわけで、そこから真相が次第に明らかになっていくという筋立てである。

ぼくには、なかなかおもしろかった。まあ、関係者が勝手なことを言うので真実から逸れてしまうとか、感情が勝って思い込みで言うとか、聞く方もバイアスがかかっているから都合のよい質問しかできないとかいったことや、それがテレビやネットという媒体を通して素早く広く伝達される現代社会の恐ろしさも感じられたからである。

しかしながら、映像にツイッターでのつぶやきがかぶってくるのだが、最初はおもしろいと思ったのだが、だんだんうざったくなってくる。映画だから映像シーンで表現すればいいのにニコ動のように字が並んで落ちてくるのだ。おそらく中村監督は、現代のコミュニケーションの象徴のツイッターを登場させることで今日の犯罪の特徴を描きたかったのだろう。

ところが、それは失敗したと言わざるを得ない。というのもツイッターが事件にあるいは映画のストーリ展開に大きな影響を与えているものかどうかという見方をするとあまり意味があるとは思えないからでる。単なる説明用に使われていて、邦画に字幕はいらないと思うのである。
  
白ゆき姫殺人事件.jpg

2014年9月23日

サバティカル宣言

腰痛が思ったよりひどく、ほぼ「脊柱管狭窄症」という診断で当分は遠出もままならないため、いま関わっているプロジェクトや研究会、ワークショップなどの活動を休止することにした。つまり、お仕事をお休みして長期休暇をとるというわけである。勝手に決めたので関係者の方々に迷惑をかけてしまい申し訳ない気持ちです。

ぼくはこれを「サバティカル休暇」と思っている。欧米では広く普及しているが、わが国でも最近では先進的な企業を中心に採用している会社も増えてきた。サバティカル休暇というのは、今までの仕事から離れて趣味でもいいし、自分の好きなことをやってリフレッシュするという意味合いもある。まあ、かっこよく言えば自分を改めて見つめなおす期間なのである。だから、ぼくも現状を一旦リセットして、こんなことしたいなあとかあんなことができたらいいなあと思っていたことをやろうと考えている。ただし、腰の具合が悪いので身体を使うことは残念ながらできないので、家にいて頭を巡らせることになる。

従って、このブログも一旦休止しようかと思ったのですが、毎日書き続けることを見直そうかと思っています。このブログを始めたのが2006年8月29日だから、ちょうど8年経ったことになります。それからほぼ毎日書いていたわけですが正直言って毎日続けるのはしんどいこともありました。ネタがなくて、やっと書いたとか、日記みたいな文章もあったかと思います。ですから日々、これはブログのネタになるかなと気になったり、ネタ作りのために何かしようとかということもあります。けっこう疲れましたね。

ということで、これからは毎日書かねばというプレッシャーから逃れて無理せず書きたいと思ったことだけをエントリーしていこうと思います。シリーズで書いていたものもある程度区切りのいいところで終わっていますのでよろしいかと。8年前の最初のブログにはこんなことが書いてありました。

ついにブログデビューです。 今年の6月に退職しました。まだ定年前なのですが、思い切って30年以上勤めたサラリーマン生活に終止符です。それで今はIT関連の会社を起業しようと考えています。 会社を辞めると暇でしょうがないでしょうと言う人もいますが、なんのなんの、これからやりたいことが一杯あって時間が足りないくらいです。そんなオヤジがこれまで考えてきたことやこれからの夢そして今の楽しい生活などを発信していきたいと思います。

今は2006年6月に退職したときの気分とちょっと似たようなところがあります。走り続けて疲れたら、一旦立ち止まって深呼吸してどっちへ走るのか、ゆっくり歩くのかそんな時間をもらったと思っています。今日はぼくの66歳の誕生日です。人生の残り時間も少なくなっていますが、腰を早く治してまた新たな挑戦をしていきたいと思っています。
  

About 2014年9月

2014年9月にブログ「mark-wada blog」に投稿されたすべてのエントリーです。新しい順に並んでいます。

前のアーカイブは2014年8月です。

次のアーカイブは2014年10月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type