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2013年11月 アーカイブ

2013年11月 3日

グッモーエビアン

これも原作がある。「第三回女による女のためのR18文学賞」というのを大賞、読者賞をダブル受賞した作品だそうだ。いやー、こういうケースで映画化も多いですね。ある意味、小説に映画的な作品が多いのかも知れませんね。言語的というより映像的ということが受入られているのかもしれない。

「グッモーエビアン」というタイトルは、」別にフランスの飲料水のことではなく、グッドモーニングエブリワンのことらしい。(あってるかな)大泉洋と麻生久美子の共演である。この二人が夫婦役ではなくパートナーとしていて、その娘に三吉彩花、その友達になんと今大ブレーク中の能年玲奈である。この四人の絡みがすごくおもしろい。

元パンクバンドのギタリストだったアキ(麻生久美子)は17歳で産んだ娘ハツキ(三吉彩花)はもう中学生である。奔放な生活をしている母親と違って、しっかりものである。父親は知らないのだが、ハツキが生まれる前からアキと一緒に暮らしていたバンド仲間のヤグ(大泉洋)がいたが、今は世界放浪の旅に出ていた。そのヤグが突然帰って来たのである。

そこから、三人の生活が始まる。ハツキはちょうど高校進学という微妙な時期なのだが、そんなことはお構いなしにきままな生活は相変わらずなのである。そのあたりを、裕福で厳格な家庭のトモちゃん(能年玲奈)との対比で描いていく。トモちゃんがハツキの家は自由でいいよねというと、ほったらかしのアキとヤグの態度にうんざりだという。

これだけだと軽い感じが否めなのだが、大げさに言うと現在の家族の問題点が凝縮されているように思えてくる。あり得るシチュエーションだし、父親ってなんだろうな、家族ってどういうことだみたいな問題提起が迫って来ているように感じる。監督の山本透も気がついていないかもしれない。お腹にお前がいた時に本当に父親はこの子はいらんと言って去ってしまうわけで、逆に自分の子どもではないのに実の子以上に愛情を注ぐヤグという構図はどうなんだと思ってしまう。

ぼくら夫婦は、映画のふたりのようにロックな生活をしていたわけではなく、現実には堅実なサラリーマン家庭をほぼ完遂したのだが、映画のように子供らが中学を卒業する時の進路は自由に決めさせた。高校に進学することからどこの大学に行くかも決めさせた。そのくらいの分別はあったからだと思う。でも、だからといってうまくいくわけではないので、失敗だと思った時に手を差しのべることが重要でその"手"を持っているのかが大事で、それを持って覚悟をしていれば自由にさせることだ。

映画は、そうした生活臭漂うことについては無頓着というか、地味なことだからあえて言わないのだ。だって、生活するって映画のように簡単ではないし、もし生活の破綻が起きたら何がロックだとなるはずで、そこは現実と映画後の違いで、観客はおのれと同じ人生を映画館で確認しに来るわけではなく、一瞬でもいいから夢を見たいのですよ。お気に入りのアソクミということもああるが意外と面白かった。
  
グッモーエビアン.jpg
  

2013年11月 8日

体脂肪計タニタの社員食堂

ぼくは、肥満ではないし、体脂肪も測ったことがないが大丈夫だと思う。ところが、最近ちょっと腹の周りが太くなったのだ。「日本肥満学会」によれば、男の場合、腹囲85cm以上が必須で、かつ 血圧130/85mmHg以上、中性脂肪150mg/dL以上またはHDLc40mg/dL未満、血糖110mg/dL以上の3項目中2項目以上だとメタボなのだそうだ。ぼくの現在は、その腹囲が85cmを越えだしたのだ。血圧は降圧剤(あの有名なディオバン)を飲んでいて110/70mmHg前後だし、血糖値も大丈夫なのだが、中性脂肪がやばいのだ。

中性脂肪が増える要因は糖質、その中でも果糖の摂り過ぎなのだとかかりつけの医者から言われる。そういえば、果物はからだにいいものだとばかり思って、毎朝、バナナ、リンゴ、なし、ぶどう、いちご、オレンジなどを食べていた。しつこく言われたのでいっさい果物を食べないようにした。結果どうなるかが楽しみだ。

ところで、映画の話をしなくてはいけない。「体脂肪計タニタの社員食堂」である。この映画のベースは、健康機器メーカーのタニタで実際にあった話で、社員の健康のためにヘルシーなメニューを社員食堂で出したことから、そのレシピ本が大ベストセラーになって、その後丸の内に「丸の内タニタ食堂」をオープンさせてしまったと話題になったことである。

だから、ストーリとしてはこうだ。体脂肪計を開発したタニタはワンマン社長が采配を振るっているが、あるとき倒れてしまう。そこで息子の副社長・卯之助が新型体脂肪計のキャンペーンを任されることになり、太った社員がダイエットを行い、その経過を見せることを思いつく。そのダイエットに力を貸してほしいということで高校の同級生で栄養士の資格を持つ菜々子を連れてくる。菜々子は高校当時太っていてダイエットして痩せた実績があったからである。

社員から副社長も含めて4人が挑戦することになる。いずれも体脂肪率40%以上である。そこから、菜々子のダイエットメニューを食べさせられるのだが、いままで好きなように食べまくっていたから並大抵ではない苦行が始まる。途中で何度も挫折しかかるのだが、そこは菜々子の叱咤激励で続けていくといった話である。

監督が李闘士夫で主演が優香である。主人公の菜々子を演じたのが優香である。優香という女優はほんといいポジションを確保しているなあと思う。明るくて毒がなくて美人だし、誰にも好かれる雰囲気がある。映画の主人公にぴったりである。優香のせいもあるが、ストーリーも単純だし、メッセージ性も薄いほんわかとした映画だから、インパクトはないかわりに安心して見ていられるというか、ほのぼのとしていいんじゃないですかね。
  
タニタ食堂.jpg

2013年11月 6日

デザイン思考で業務システム開発(第3回 解釈学的民族誌(続きその1))

前回、解釈学的民族誌ということで、フィールドワークを行い、それをもとに濃い記述による民族誌を作成し、それを5つのワークモデルを分析する方法を述べた。調査者は複数のイベントやユーザーを観察することで彼らの間に共通する仕事のパターンをみつけることができ、そこから彼らの日常生活を支えるシステムを解釈することが可能になります。このパターンを特定の見方で具象化したものをワークモデルといいます。

5つのワークモデルとは①フローモデル、②シークエンス(時系列)モデル、③アーティファクトモデル、④物理モデル、⑤文化モデルの5つでした。この5つのワークモデルは業務システム開発の場でやっていることとの類似性に気がつきます。そこでシステム開発という観点から見ていくことにします。

①フローモデル
デザイン思考では、フローモデルを一つの仕事が複数の人間に分割され、それぞれが仕事を終えるためにどのように調整しているかを定義することです。仕事を行うにあたって必要なコミュニケーションの流れを示したものです。見出すべきは次のようなことです。

・ 仕事の責務はどのように任されるか
・ 一つの仕事を実行するために人はどのような違った役割を担うのか
・ 新しいタスクはどのように人に渡さられるか、誰から助けをもらうか
・ 仕事を完了するために一緒に仕事をする相手は誰か
・ 調整のために利用する物理的環境とアーティファクト(メモやメールなど仕事の途中で生成されるもの)は何か
・ 誰に結果をどのような形で報告するのか

これを見てどう思われますか?まさに業務プロセスだと思いませんか。ただ、組織的な仕事と個人の作業もいっしょくたに「仕事」と言っていて混乱するのですが、ある案件(これも仕事)があると、それをどのようなアクティビティ(これも仕事)に分割して、それを誰が責任を持つのか、また誰と一緒にするのかがあり、どのようなコミュニケーションにより遂行するのか、そして完了したら報告するという流れである。つまり、プロセスフローとタスク、参照情報、ロールなどを定義するという「プロセス要素表」を作ることとほぼ同義なのです。

②シークエンス(時系列)モデル
シーケンスモデルというのは、特定の人の行動がどのような流れで行われていたかを示すもので、時系列で表されます。行動の手順は、行動を起こすきっかけ、行動する人の戦略、達成されるべき目的、何を重要だと考えているのかを明らかにします。このモデルの特徴は、シークエンスの目的とトリガーを示すことにあります。

このことも業務システムでも大事なところですね。業務オペレーションをどのようにしたいかということです。業務プロセスでは、ユーザーの依頼に答えることが目的になり、案件という仕事レベルでは依頼の来方がトリガーとなり、タスクレベルだと、通知機能となります。ただ、このモデルは概略的なところは事前に決定できますが、細かなところはプロトタイプを動かしながら定義していくことになると思います。
 

2013年11月 2日

ビジネスサービスのつくり方 - おわりに

さて、いちおう第1章の「心構えと下準備」から第6章の「業務適用」まで(本は第5章が「プロモーションと運用」なっていますが、業務アプリなので、「アプリ作成」と「業務適用」に分けました)を書いてきましたが、書いているうちに補足したほうがよいものが出てきましたのでそれを付記しておきます。

ここで取り上げた事例である「標準品見積提示プロセス」では、プロセスがすんなりと一本になっていますが、現実にそういうものばかりでしょうか。また、作業アクティビティが見積書作成といった簡単な作業だけなのだろうかという疑問を持たれたかもしれません。そう単純にはいかないようですね。そこで、ここから「ケース分割」と「タスク分解」という考え方を採り入れることにします。

まずはケース分割という考え方です。プロセスはアクティビティが順番に並んだものですが、全部が独立してあるとは限りません。前のアクティビティの結果に影響される、あるいは前の結果が決まらないと次のアクティビティの内容が定まらないといったことがあります。そうした場合にアクティビティの確定データが複数になたったときにケース分割ということをします。たとえば、営業プロモーションでキャンペーンの方法を選定するというアクティビティで展示会への出展とWebサイトを活用というのが選ばれたようなケースです。この2つの方法では、後のアクティビティが違ったものになります。

これは分岐ですねと言われそうですが、分岐とはちょっと違います。分岐はorが主ですがあくまでand回路だからです。そのとき同じプロセスで扱うと複雑になり混乱してしまいますから、ケースを分けてプロセス化したほうがよいと思います。まあ兄弟プロセスを作るというイメージですね。この検討は、プロセス要素表を書く前に、「業務コンテ作成」というステップを入れてそこでやることにします。コンテというのは、どんな依頼があって、確定すべきことや判断すべきことだけを並べて見ることで、その時複数になったら、別の名のプロセスにするということです。

次に、作業アクティビティをどう扱うかという問題です。何が問題かというと、作業を外側においてしまって(ブラックボックス化)いいのだろうかということです。簡単な作業、例えば書類を作成 するなんてはそれでいいかもしれませんが、この例のように複数の人間が多くの作業を協働するなんていう場合は、ちゃんと見えるようにしておいたほうがいいと思うからです。そこで「タスク分解」という考え方をとって、別にタスク管理アプリを作成(kintone で作成できます)して連携するのがよいでしょう。作業依頼をして作業結果を返してもらう感じです。

これもサブプロセスを作ればいいのではと言われそうですが、この場合はプロセス的な部分が薄いタスク管理なのでサブプロセスとは呼ばないようにしています。では、サブプロセスとはどういうものなんのでしょうか。メインプロセスがあってそこから従属的なプロセスへ落とし込むも親子関係になるわけですが、この方法論だとあまりないように思います。むしろ、サービス要求を別のプロセスへ投げることと考えられるので入れ子構造のプロセス間連携というふうに捉えています。

いずれにしろ、きっちりとしたフォームに嵌めこまなくてはいけないということではありません。意思決定の項目と順番を決め、各意思決定を素早く正しく行うために必要な要素を定義し、必要とあらば他プロセスやタスク管理、データベースなどと連携する仕組みと仕掛けができれば、組織目的を達成する業務オペレーションがやりやすくなるのではないでしょうか。(完)
  

2013年11月 4日

アフリカで誕生した人類が日本人になるまで

ぼくは、日本という地理的状況、すなわち東の果てというか、片面が広い海に囲まれているこの地にたどりついた人は特徴があると思い込んでいる。つまり、途中で移動するのをあきらめずに進み続けて日本列島まできたが太平洋に阻まれてこれ以上進めなくなってやむなく定住した人たち、要するにチャレンジ精神が旺盛な人々が祖先だったのではないという思いである。だから、今の日本人を見るとそのDNAはどこへいったのかと嘆くのである。

では、その祖先たちは人類が誕生したといわれるアフリカ大陸からどうやって日本にやってきたかを知る本「アフリカで誕生した人類が日本人になるまで」(溝口優司著 ソフトバンク新書)は大変おもしろく読むことができた。著者は国立科学博物館の人類研究部長で形質人類学というものから人類の進化をみている。頭蓋骨とかその他の骨や歯の形状から分類や進化過程を追うのである。

人類が誕生したのは1000万〜700万年前のいつの頃か、チンパンジーの祖先を分岐して猿人となり、そこから進化していくわけである。気の遠くなる話であるが、だいたいのことがわかるというのもすごいと思ってしまう。未来のことを夢想するのと同じように遠い過去のことに思いを馳せるのもロマンチックな感覚を覚える。類人猿から猿人への進化は直立二足歩行を始めたことから私たちの祖先であるホモ・サピエンスが登場したなんてわくわくしますよね。

でどうして二足歩行していたかがわかるのでしょうか。現在最も古いとされている人類はアフリカのチャドで発見された猿人・サヘラントロプスですが、700万〜600万年前に棲息していただろうと推定されています。その骨盤の形状をみると二足歩行していたことがわかるのだという。すごいですね。そして、二足歩行するようになって、手が使えるために道具を扱うようになり脳が発達したのである。この脳の大きさは人類の大きな特徴なのである。

こんな話を書いていたら紙数がたりなくなるので、日本にやってきたホモ・サピエンスはどのようにしてアフリカを出たのかにいく。この手がかりになるのが各地で見つかった化石を分析することである。それによると、十数万年前にエチオピアのあたりにいたホモ・サピエンスの祖先は、アフリカをでたあとユーラシアの南岸沿いを東に進み、東南アジアにたどり着いたところでルートを北にて転じ、少なくとも2万年前頃までには日本列島にたどりついたようなのだ。

このとき、紅海の入り口の海峡をわたってアラビア半島の南端に至ったと思われるのですが、幅20kmもあるのにどうして渡れたのでしょうか。どうも、この頃って氷期で今よりずっと気温が低く、水が巨大な氷床となって陸に閉じ込められていたため、海の水位が最大で100mも下がっていたらしい。ですから陸地が拡がって距離が狹かったから渡れたと考えられている。つい、今の地形や気候で判断してしまうが、何百万年前なんてずいぶん環境が違っていたんですね。

その後、縄文時代が1万6000年前に始まるわけです。ところが、縄文人がどこから来たのかもよくわかっていません。著者の推測ではオーストラリアの方からやってきたのではないかという。さらに、続けてやってくる弥生時代ですが、ぼくは縄文人が弥生人になって、その後古墳時代人から現代日本人になったと思っていたのだが、そうではないのだという。縄文人と弥生人の形質の間には大きなギャップがあるという。じゃあ、弥生人はどこから来たのだろうか。

ここでも著者の説を登場させると、縄文人の南方起源に対して、弥生人は寒冷地適応した北方系が起源でバイカル湖近辺の人々が祖先であったということらしい。何が正しいかは難しいが、こうして推理小説を読むかのような謎解きの気分が味わえて楽しかった。何か、いろいろなところで起きている紛争がばからしく思えてきた。
  

アフリカで誕生した人類が日本人になるまで (ソフトバンク新書)
溝口 優司
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2013年11月 1日

ブログ復活

今週初めから、このブログが閲覧できなくなってしまいました。今日、ようやく復旧しました。ダウンの直接の原因は、鎌倉市の一部の停電でした。夜中の2時に突然瞬停が起き、その後すぐに停電となり2時間通電されませんでした。ブログを動かしているサーバーはぼくの家の納戸に置いてあるので当然停止してしまった。

もちろんこんな時間には寝入っているのだが、なぜかヨメさんが起きていて(怪しい)、最初はブレーカーが落ちたのかと思ったけど電気なんか使っていないのにおかしいと外を見たら街灯も消えているのでということで東電に電話をする。そうしたら、ここの一帯が停電しているのだ。そして何とぼくを起こしにかかったのである。コンピュータが停電で大丈夫なのかと言うのである。まあ、気にかけてくれるのはいいが、どうしようもない。

翌朝になってブログが閲覧できなくなっていて、そこから調査して復旧を試みたりしたが、諸々の事情があって長いことかかってしまいました。それにしても、これだけの長時間の停電も珍しい。そのあとぼくの母親が入所している老人ホームに行ったら、あの日は大変だったからと言われる。電動の医療機器などがあるから備え付けの自家発電機を動かしたらしい。そういえば、救急車が行き交っていた。

停電ってそんなにあるのかと思って調べてみた。東電が停電情報というのを載せている。それには、停電理由が書いてあるのだが、弊社設備のトラブルとあった。何をしたんだろう。原発で叩かれて意気が上がらないからかなあなんて思ってしまう。何しろ、増えたのかどうかはわからないのだが、その停電情報によると管内で毎日どこかで停電が起きているからだ。

ブログがエントリーできないので、毎日書いている身にとってはお休みがとれたような形になっているが、逆にその時に書きたかったネタが時機を外してしまうということがある。停電があった日は、ちょうど高校の同級生の持っているヨットに乗せてもらうことになっていた。もう一人の同級と、78歳になる恩師と4人で、江ノ島から葉山の裕次郎灯台までクルージングをした。

ほとんど寝てないで眠い目をこすりながら乗り込んですぐに缶ビールを飲みだすとすぐに回ってくる。この日は、快晴で風も弱く、波も穏やかだったので最高だった。航海中は恩師と昔話に花が咲いて非常に楽しんだのである。戻ってきて停泊したまま、湯豆腐でまた日本酒を飲む。さらに、上陸して江ノ島の磯料理に舌鼓を打つという具合に一日中飲んだくれたのであります。と、だいぶ前の話なのだが書き留めたかったので書いておく。写真はヨットから見た江ノ島です。
  
ヨットから江ノ島を.bmp
  

2013年11月 5日

四日市・桑名再訪

3日、4日と三重県に行ってきた。といってもブームの伊勢参りではない。四日市、桑名である。ぼくは入社してすぐに四日市にある工場勤務になった。それから20近く四日市に住み、そこで二人の息子も育った。その会社のOB会があったのだ。今回で6回目だというのだが、遠いせいもあり、今年が初参加である。

だから、四日市に行くのも10年ぶりくらいになる。懐かしい顔をずいぶんと見かける。中には20年、30年ぶりという人もいる。ぼくの同期入社の地元の高校卒業して入った女の子が二人来ていてこの子らは35年ぶりくらいかもしれない。一瞬にして20代の若かりしころの情景が浮かんできて甘酸っぱさが漂ってしまった。

その他にも、工場の現場で怒られた人、逆に時効だから言いますが、酔っ払ったところを会社に連れていった人とか、お世話になった上司の人とか、ぼくの青春からいっぱしの大人になるまで面倒をかけた人、指導してくれた人、一緒に遊んだ仲間に会えて、時計が戻った感覚を味合う。みな、歳を食ったが、昔の時間を共有した瞬間であった。

一次会が12時に始まって、2時半から2次会になる。ほんといろいろな人と話をする。あるある話から、今だから話せる話まで大変おもしろかった。ぼくは、定年前に会社をやめたのだが、それについても、元の役員の方だとかいろいろな人から聞かれてし、中には変な憶測をいう人もいた。これは簡単に説明で切ることではないので困ってしまうのだが、誤解は解いておいた。

その後は3次会である。同期の連中やサッカー部と映画同好会などのぼくの仲間との飲み会である。ここまでくると全く気のおけない連中なので、言いたいことを言い合う場と化す。でも嬉しかったのはこのブログを彼らあるいは彼らの伴侶が読んでくれているのがわかったことだ。

そこにはいなかったのだサッカー部先輩のTさん(この人は有名なグランパスフリーク)がサッカー関係のブログを、映画好きの奥さんが映画関係の記事を読んでくれているのがわかった大感激であった。ぼくも驚いたのが、結構みなさんこのブログを読んでくれていた。うれしい。

翌日は、ぼくの後輩のK君の案内で思い出ポロポロツアーである。まずは、ぼくが住んでいたマンションを経由して勤務していた工場のある地域あるポートタワーというランドマークに行く。四日市港の歴史などを案内してくれるところなのだが、祝日なのに入館者はぼくらともう一組の家族だけがだというどうなっているのかと思う。ハコモノの典型だなと二人で納得する。


そこで、かつて勤務した工場を俯瞰して懐かしさというか、時代の変遷、例えばぼくらが思い入れたプラントが消滅していたとかを見せつけられて世の浮き沈みを実感する。ただ、そこでびっくりしたのは、コンビナート夜景ツアーのポスターがいっぱい貼られたいたことで、実はそのOB会のときにある先輩がその夜景ツアーのガイドをやっているという話を聞いたからである。工場オタクの聖地みたいになっているそうで不思議だ。

そのあとは、案内してくれるK君の家に行く。ぼくがまだ結婚する前に、よく寄せてもらった家で、有名なお祭りがある神社のすぐ近くにあるのでお祭りの時は呼んでもらった。すごく世話になったお父さん、お母さんに会うことが出来た。もう89歳だという二人に会って、ちゃんと覚えてくいてすごく感激した。

K君の家の訪問のあとは、桑名に行く。「歌行燈」でうどんを堪能して、「六華苑」に行く。六華苑というのは、山林王と言われた諸戸清六の邸宅を公開しているところで、無形文化財にもなっているし何と言っても映画やテレビドラマのロケ現場として結構いろいろなところで使われている。例えば、映画「人間失格」やテレビ「砂の器」などで映っている。ということで、懐かしさに満ちた小旅行でした。下の写真は六華苑で大正ロマンをバックに写ったものです。
 
SBSH0020.JPG

2013年11月11日

プロセスの分類とアクティビティ定義(4)

まだ分類するのかよと言われそうだが、ここで時間というファクターを入れて考えてみましょう。つまり、長期的なプロセスなのか、短期的なプロセスなのかということです。次の4象限の図を見てください。縦軸に定型性、横軸に時間をとってどんな業務プロセスが該当するかをマッピングしてみました。

プロセス4分類.bmp

この中には、個人的なものから全社的なものまで含んでいますので広義の意味のプロセスを取り上げています。異論・反論もあろうかと思いますが、あくまで私論ですのでご容赦を。こうしてみるとIT化は定型的なエリアで進んでいて、非定型のところでは人間依存が大きいように思えます。

上部のエリアは顧客を中心とした外部の要求がトリガーになっていて、それが故に流動的で柔軟な対応が求められます。今日では、ここの対応がビジネスを左右するようになって来ていますのでより戦略的でなければいけません。決められた通りに対処するのではなく、それぞれの顧客要求に的確に応える個別対応が求められるのです。

手順化されていなかったり、初めてのケースなんてことに遭遇するわけですから、どう対処したらよいかを考える時に大事なのは、判断の基準というか"拠り所"(あるいは大げさエビデンスと言ってもいいかもしれません)があることです。それに従えば大筋間違えないというものです。その拠り所というのは、現場の個人が勝手に持っているものではありません。起業したばかりとか未成熟な会社では、そういったケースもあるかと思いますが、優良な会社は経営理念や事業方針、戦略から導かれた拠り所があるはずです。それが、業務ルールであったり、行動基準であったりします。

ディズニーランドとか無印良品のマニュアルが有名ですが、あれはおそらく単なる作業手順ではなく、精神を表現しているのでお客様目線の柔軟な対応できるのではないでしょうか。(最近、無印良品でそうではない対応に遭ったのだが)ですから、これからのITは図の上部のエリアでどんな寄与ができるかが問われています。単に自動化・能率化のためではなく、人間の判断をサポートするという活用方法が大切であると思うのである。
  

2013年11月 7日

規制とリスクの所在

最近、見聞きし経験した3つのことを書くのだが、それがつながっているという話である。まずは、直接関係していたわけではないのだが、ある一般社団法人の変更登記申請を手伝った件である。役員の辞任、選任に伴って届け出を法務局に提出するのだが、それをどうしたらよいかと相談された。そんなのは面倒臭いから司法書士に頼めばいいじゃんと言ったら、自分でやりたいと言う。

平成23年から,登記事項を登記・供託オンライン申請システムにより提出することができるようになったのでそれを利用すれば難しいことはないのではと高をくくったわけである。ところがこれがわかりにくい。申請書をもっと簡単にというのもあるが説明がややこしいのだ。確定申告の電子申請も面倒なので紙に出して領収書を添付して出しているが、それと同じ感じである。

で思ったのは、今のネットの仕組みにすれば、おそらくもっと簡単にサクッとできるようになると思うのだが、あえてやらないのではないかと勘ぐってしまう。つまり、司法書士の仕事を奪ってしまうからである。これは推測だから合っているかどうか定かではないがそう思いたくもなる。

さて今日の新聞でネット販売を規制する薬事法改正の問題が話題になっていた。厚労省は、医薬品のネット販売について28品目の措置が公表され、5品目については販売禁止、23品目は3年間販売を禁止し、その間を調査期間とする方針を発表した。それに対して、三木谷楽天社長や後藤ケンコーコム社長らが猛烈に反発した。

全面解禁に至らなかった理由は、ネット販売は危険だから対面販売しなくてはいけないというのだが、なぜ危険かは示されていない。患者と直面して五感で感じなくてはいけないのだそうだが、それでは代理人ではダメだから、どうも本人でなくてはいけないように逆規制がかかるみたいだ。規制緩和どころか規制強化になる。さて安倍総理はどうするのだろうか。

ここでも、結局のところ、薬剤師の仕事を奪ってしまうからという理由が本当のところなのではないでしょうか。でも、今は調剤しているわけでもないのだから、必要ないといえば必要ないかもしれない。ですから、ぼくは全面解禁でも全く問題無いと思うのだが、それよりもネット販売を利用すること自体の怖さのほうが心配だ。

というのも、クレジットカードの不正使用の被害に遭ったからである。アマゾンの決済に使っているクレジットカード情報が抜かれて、別の通販サイトで使われて、買ってもいないのに請求が来て支払われてしまったのだ。昨日は、Adobeから、情報が抜かれたので明細をチェックしてくれというレターが来て、もしおかしな請求が来たら金融機関に報告してくれというものだが、これじゃ後手でしょう。

いったいどうなっているのだ。ネット通販では盗まれたアカウントで買い物されたら、自分が使わなかったという証明をするのが大変むずかしい。泣き寝入りせざるを得ないケースが多くなる。ネットで薬を買うリスクよりも、クレジットカード情報を抜かれて不正使用されるリスクのほうが高いと思うのはぼくだけだろうか。こっちを規制してくれ。
  

2013年11月 9日

天職

秋元康と鈴木おさむといえば、当代きっての放送作家である。いや単に放送作家というカテゴリーに閉じ込められない二人である。小説家だったり、作詞家であったり、プロデユーサーだったりといくつもの顔を持った才人である。秋元康は知っての通りAKB48の生みの親だし、鈴木おさむはSMAP✕SMAPなどの人気テレビ番組を作っている。その二人が対談した本「天職」(朝日新書)を読む。

タイトルが天職なので、彼らが今やっていることが天職であるという思いから書かれている。もう、そういう時点で感心してしまう。ぼくも含めて天職を求めているが叶わないというひとばかりだと思うので、天職がみつかった彼らがうらやましい。しかしそう言うと本で秋元はそれは違うと言う。努力してやっとたどりついたのが今の職業というわけではなくアルバイトから始めて辞めないで続けている。この辞めないというのが天職の条件なのだ。

そんな二人の言葉はうなずくものが多い。各章のタイトルを見るとどんなことを言っているのかがわかるのであげてみる。

第1章 98%は「運」で決まる
第2章 「好奇心」を育てる
第3章 「汗」をかくしかない
第4章 「才能」は誰にでもある
第5章 「夢はかなう」は本当か?
第6章 「天職」との出会い方

少し説明すると、エジソンが言った成功は99%の汗と1%のひらめきというのと反対で、98%は運であとは1%の汗と1%の才能だと秋元は言う。まあ、テレビ業界なんかだと確かに運が大きいでしょうね。いくら才能があるといってもそれだけで売れるわけでもない。目の前の小さな運をたどって行くと夢のほうに行く場合があるのだという。

その運を手にするには好奇心が大事だという。自分がおもしろそうだなと思えるかどうかがいちばんなのだ。結局、天職に就いている人ってその仕事が好きで、それをおもしろがってやっているのでしょうね。そして、歳をとると収まっちゃわないで続けられる
人なのだ。でもそれも才能だと思う。だから20%ぐらいは才能じゃないでしょうか。

「やる」と「やろうと思った」の間には深い川が流れているという。同じように「やりたい」「なりたい」と言っているうちはダメで、「どうやったら放送作家になれますか」と質問されることがあるがそこでもうアウトなのだ。そんなことを考える前に何かを思いつき、実行していなくてはいけない。これも才能だから、30%ぐらいは才能ですね。

夢をかなえるには、10年後にはすごいことになっているってイメージトレーニングをしなくてはいけないと説く。自分たちのやっていることを信じていて、夢がかなうイメージをちゃんともつことが大事なのだ。一流の人は自分に飽きないのだそうだ。でもこれも、信じられるものを生み出すのも飽きがこない自分であることも才能だから、50%ぐらいは才能だろう。

最後に、天職についての鈴木おさむの言葉を。「好奇心を持ち続けて仕事をしていけばワクワクな未来がある。そのためには、たくさんのものと、人と出会い、たくさんの興奮と感動を得て、人に伝え続けていこう。なぜならそれが僕の仕事であり、この仕事こそが、僕の。天職。」これは、放送作家という職業に限らずそれ以外のどんな職業にも当てはまるのではないだろうか。
  

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2013年11月15日

ボクたちの交換日記

つくづく涙もろくなったと思う。まさかこの手の映画で泣いてしまうとは思わなかった。鈴木おさむの原作「ボクたちの交換日記〜イエローハーツの物語〜」映画化したものである。監督・脚本がウッチャンナンチャンの内村光良である。さすが芸人なのでうまく演出している。主演は、伊藤淳史と小出恵介。

物語は、高校の同級生が卒業後お笑い芸人の道を歩むのだが、そう簡単に売れるわけではない現実に直面しながら夢を追いかける姿を描いている。田中(伊藤淳史)と甲本(小出恵介)は、千葉県出身で水泳部だったということから"房総スイマーズ"というコンビを結成する。しかし、結成して12年たっても一向に売れる気配もない。

なので田中はDVDレンタルショップでバイトしていて、甲本は看護師の久美(長澤まさみ)に食わしてもらっている。そんな時に甲本から交換日記を始めると言い出される。田中はなぜ交換日記だという態度で最初の返事に「嫌だ」とだけ書くのであった。しかし、徐々にお互い本音に近いことを書き出していく。そして、芸人の登竜門であるお笑いコンテストに臨むことになる。だが、決勝進出を前に甲本がミスをしてしまいあえなく敗退する。

そこから二人の間にすきま風が吹きだし、コンビは解散するのだが、片方は夢をかなえ、片方は挫折を味わうのだが、挫折によってまた違った幸せを掴んでいくが・・・。てなことでベタな感じではあるが、芸人の世界という特殊なんだが興味ある世界の話で泣き笑いがつめ込まれたいい映画だった。

まず、映画のテンポが早く、まるでコントをそのまま映画にしたような演出でウッチャンの力量に驚く。構成でもツッコミもボケもあって楽しめる。それを伊藤淳史と小出恵介が上手に受け入れて好演している。

「天職」(朝日新書)で鈴木おさむが言っているのだが、夢をあきらめることも才能だそうだ。目指したものに届かないと思った時、夢のレベルを落とすのではなく辞めることを選べということである。だが、諦めるのは相当きついはずでそこが映画でも強調されている。

鈴木おさむが映画化にあたって誰を監督にしたいかは言わなかったそうだが、プロデユーサーが内村さん監督どうですかと提案された時はびっくりしそうだ。何しろウッチャンナンチャンは憧れの芸人さんで大好きなのだ。そんな原作者と監督の息がピッタリの作品であった。
  
交換日記.jpg

2013年11月14日

プロセス中心アプローチによるシステム構築の極意ーはじめに

これまで、プロセス中心とかプロセス志向といったアプローチでシステムを構築することを推奨してきた。このブログを始めたのが2006年の8月からですが、最初は「シネマと書店とスタジアム」の話が中心でしたが、2007年2月に「ユーザ目線のBPM」という連載を始めている。かれこれ6年くらい前にプロセスを題材にしたエントリーを行っているわけである。それから折りにふれ様々な角度で記事を書いてきたが、アップデートしたほうがいいものもあったり拡散していたりするのでここで総括したものを書いていこうと思う。

題して、「プロセス中心アプローチによるシステム構築の極意」ということで上流から下流まで包含した実践論を展開していきます。単なる教科書的な説明ではなく、実際に動くものを作ることを主眼にします。そして、できるだけわかりやすいように心がけたいと思います。そのおおよその目次は次の通りになります。

1. 3つのパラダイム変化
2. 5つの誤解
3. 7つの作法
4. 9つの成功要因
5. 15のサンプル

最初のパラダイム変化についてはなぜプロセス中心アプローチが有効なのかを議論していきます。コンピューターを活用した業務システムが登場してからかなりの年数が経っていますが、ビジネスの環境や技術の変化は凄まじいものがありますが、それに追随しているのだろかという疑問からの発想です。

プロセスという概念がわかっているようで意外とそうではないという場面に出会うことが珍しくありません。また、理解していると言いながらも間違っていることもあるように思います。そのあたりの誤解を解けたらいいなあと思っています。

このアプローチは、やり方がきっちりと決められていたり、ノーテーションに従ってやらなくてはいけないような技法ではありません。わりと緩い感じになっています。従って、"作法"といった表現が合っているように思えるので、だいたい守るべきことといったものを提示します。

新しいパラダイムに適合した作り方でシステムを構築し動かすわけですから、成功要因は従来とは違ったものになります。ここは非常に重要なポイントでここを理解すればシステム構築自体はそう難しいものではありません。繰り返しますが、既成の概念を取っ払ってゼロベースで考えてください。最初にブログを書き出したのが「ユーザー目線のBPM」だったように、ビジネス視点、ユーザー目線という立ち位置の重要性を知ってほしいと思っています。

最後に、実装したものをサンプルとして提示しようと考えています。実際に使われているものから、設計までで実装はまだのものまであります。ですからすぐにテンプレートになり得るものもありますが、骨格だけみたいなものもあります。ただ、このやり方は生煮えでもいいから動かしてみてそこから改良していくことですからそれでも構わないと思っています。

この記事を読んでいただいてプロセスから業務システムを眺めることの有効性を感じていただければ幸いです。
  

2013年11月10日

偽装表示とマスコミ対策

阪急阪神ホテルズで発覚して以来、あちこちの一流ホテルや大手百貨店でも食材の偽装表示が明らかになってきた。ここまできたら偽装表示をしていない店を探すほうが難しいかもしれない。うちは偽装じゃなくて誤表示ですなんてバカなことを言っている店もあるが、それだけ悪いことだという意識がないのだろう。

でも考えてみると、この偽装表示というのは食材に限ったことではなくあらゆる商品やサービスあるような気がする。いわゆる誇大広告ってやつだって、偽装といえば偽装ですよね。嘘と誇大にそんなに差がないと思うし、いずれにしろ消費者を騙そうとしているから同じなのだ。

でも、これは意外と早いとこ静かになるのではないでしょうか。なぜなら、大したことじゃないというのと、マスコミも同じようなところがあるからである。最初の大したことじゃないというと怒られそうだが、別に毒を食わされるという安全性の問題ではないからだ。だいいち、ほとんどの人が間違いに気づかずに食べたはずだ。

テレビで、芸能人に高級品と安物を両方食べさせてどっちが高級かを当てさせる番組があったが、普段えらそうに言っているやつが間違えるのだ。つまりスーパーで売っている安い食材をうまいうまいと食べているわけで、それはそれでいいじゃないかと思ってしまう。つまり、偽装表示していても、だまさられるのは最初だけなわけで、表示につられて来たが嘘だと分かったらもう来ないで終わるし、まずかったら次は来なければいいだけだ。それより偽装も分からなくてうまいと思って来たやつはまた来ればいい。お金は本来ブランドではなくうまいかまずいかに対して払うのでしょう。

マスコミのことでいうと、お隣中国出は新聞の偽装報道があったという偽装?らしき報道が取りざたされていますし、昔テレビ番組であったやらせなんかも偽装表示の一種かもしれません。だからあまり深入りはしないと思う。それにしても、自分のところでも偽装があるとわかった時の経営者はみな困っただろうな。

というのも、ぼくもマスコミ対応のてんやわんやを経験したからである。もうだいぶ前になったので覚えている人も少なくなったかもしれないが、2000年に雪印事件というのがあって、脱脂乳を飲んだ子供が食中毒を起こした事件で、その後雪印は牛肉偽装事件も起こしてつぶれてしまった。この時も今回と同じように何かあったら発表しないとまずいとピリピリした。

ぼくが以前いた会社でも食品添加物を製造していたので気を付けていたが、世間がまだ問題にしている時に異物の混入が発見されたのである。バルブから剥離したと思われる数ミリの金属片が紛れ込んだのだ。さあ大変だ。ぼくは情報システム部長だったのだが、ちょうどその時本社移転のための引っ越しの真っ最中である。だから、コンピュータの引っ越しもやらなくてはいけないし、対策本部の設置もやらなくてはいけないということで大忙しだった。

対策本部にはコンピュータ、プリンター、電話、FAXを仮設し、それと経営陣にはその当時持っていなかった携帯電話を支給して、どこか離れても連絡できるようにした。会長、社長に携帯の使い方を教えるという羽目になる。(こういうことから情報化が進んだという皮肉)今考えるとずいぶんと大げさだったような気もするが、マスコミの目は怖かったのだ。誠実な対応をしないと大変なことになり、雪印の社長のように「そんなこと言ったって、私は寝ていないんだよ」でアウトだったのである。
  

2013年11月12日

清須会議

三谷幸喜の映画はやはりおもしろい。何がおもしろいかというと人間描写というか人間模様というか、人々が織りなす関係ドラマを時代とか世界とかを超えたところで表現されていることだと思う。つまり、一見ちゃらけているようでいて普遍性をちゃんと外していないのだ。だから見ている方も自分の周りのこととの対比で惹き込まれていく。三谷のおふざけが好きでない真面目な人はダメかもしれないが。

その三谷幸喜が原作・脚本・監督を務める「清須会議」の舞台は戦国の世に遡り、本能寺の変で殺された織田信長の跡継ぎと領地配分に絡む騒動を描いている。キャストがすごい。日本映画界を代表する総勢26人が出演しているのだ。主な出演者は、大泉洋、役所広司、佐藤浩市、小日向文世、鈴木京香、中谷美紀、浅野忠信、伊勢谷友介、寺島進、妻夫木聡、坂東巳之助、でんでん、松山ケンイチといった錚々たる俳優さんたちだ。

この清須会議は本当にあった話で切った張ったの戦で決着をつけるのが常のこの時代にあって、会議で決着したという稀有なのである。会議に参加したのは、柴田勝家(役所広司)、羽柴秀吉(大泉洋)、丹羽長秀(小日向文世)、池田恒興(佐藤浩市)4人である。跡目には筆頭家老である勝家が、3男の信孝(坂東巳之助)を、秀吉が次男の信雄(妻夫木聡)を推している。恒興はどちらとも決めかねているが、長秀は勝家に付いていて、また次男の信雄はうつけ者として通っているので、三男信孝が継ぐものというのがおおかたの予想であった。

さあて、そこからである。織田家の有力者を巻き込んでの駆け引きが始まる。勝家は信長の妹のお市(鈴木京香)を取り込んでいるのに対し、秀吉は弟の織田三十郎(伊勢谷友介)を味方につける。秀吉は、参謀である黒田官兵衛(寺島進)の策略もあって徐々に態勢を固めていく。そして、会議の日を迎える。

というストーリーで、別段奇をてらった脚色をしているわけでもなく、ほぼ史実に近い形で進めている。ただ、途中のやりとりとか、紅白旗取り合戦とか笑いを呼ぶ味付けを随所に散りばめとても楽しいのである。才気満々で度胸もある秀吉、熱血漢だが粗野で知性に欠ける勝家、冷静で理論派の長秀、打算的で日和見の恒興の織田家の四天王と呼ばれる4人の虚々実々の駆け引きが面白い。

これを見ていると、政治の世界や会社の中、さらには家族の中でもあるなあと思う。今言ったような4つのタイプが絡み合う状況ってありえそうだ。少なくとも、様々な会議で同じような場面が展開されているだろう。だから、戦国の世の物語ということではなく現代の物語という風に見立てて楽しむのもありかもしれない。
  
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2013年11月16日

炭水化物が人類を滅ぼす

ちょっと前の「体脂肪計タニタの社員食堂」という映画評でメタボのことや中性脂肪のことを書いているように、糖質を減らさなくてはいけないと努力している。ただ、何となく甘いものがいけない程度にしか考えていなかったのだが、本屋で立ち読みしていて本の中にあった次の文を読んだ途端レジに並んでいた。糖質制限をした結果、すごい効果があったという実践者たちの声を集めて載せてあったのだ。

私は毎日お酒を飲むので、つねにγ--GTPは高値。一時は、GOT、GPTの3つとも100を超えたことがありました。ところが、糖質制限を始めてからは体調がいいので、むしろ酒量は増えたぐらいなのに、3つとも30以下になりました。(40代、医師)

その本の名は「炭水化物が人類を滅ぼす」(夏井睦著 光文社新書)である。著者の夏井さんの本は、以前にもこのブログで「傷はぜったい消毒するな」を紹介したが、その本もそうだのだが常識をくつがえすような話なのである。それも理論的に裏付けてあるので感心させられる。昔から言われていたから正しいと思い込んでいるが実は違うのだと教えてくれる。

痩せないわけがないという究極のダイエットである。糖質(=炭水化物と砂糖類)を食べないという極めてシンプルなものだ。糖質というのは血糖値を上げる栄養素(食品)である。すみやかに血糖を上げるのが糖質というわけである。これが問題の本質なのだ。高血糖といえば糖尿病だが、それ以外にも様々な健康被害をひきおこす。

問題は血糖だから、血糖と関係ない食品(タンパク質、脂肪)は摂取を制限する必要がないし、摂取カロリー数を計算する必要もないのだ。驚きでしょ。ダイエットといえばたいがいがカロリー制限しますがそうではないという。常識的には、肉や脂ものは控えたほうがいいと言われますが、構わず食べてもいいのだ。ただ、他の本よればそれは歳をとった人に適用すべきで若い人はやはり糖質をある程度とったほうがよいのだそうだ。

従って食べてはいけないのが、ごはん、パン、麺、果物、芋類、お菓子といったもので、逆にいくらでも食べていいのは、肉、魚、卵、野菜、豆といったところです。ということで、ぼくの食卓にはごはん、パン、麺、果物が消えていった。急にやるのも何だから、抜くのは3食のうち2食というプチ糖質制限をしている。

効果ですか。それがあるのですよ。まだ日が浅いのに腹の膨らみがみるみる無くなって、体重もおそらく下がっていると思います。残念ながらγ--GTPは高値安定。でもきっと下がると確信しつつ毎日酒を飲んでいる。

この本のおもしろさは、ダイエット本ではなくてなぜ常識を打ち破るような理論を展開しているかにある。人間は何となく穀類を食べないとエネルギーがでてこなくて生きていけなくなるのではないかと思ってしまうが、例えば草食動物と肉食動物との機能の違い、面白い例が、元々肉食動物だったパンダがなぜ笹だけで生きていけるかといった話を織り交ぜて説明される。

この話をしだすと長くなるので、なぜ炭水化物はいらないというのをかいつまんで言うと、人類がもともと狩猟生活をしていたわけで、その時は肉とか木の実を主食にしていた。つまり遺伝子的にはそうした環境に適応している。農耕社会になったのは1万年前くらいだから、体は穀物の摂取に適応しきれてないのだ。これには、うんうんと納得してしまう。米や小麦は必要なかったのだ。
 

炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学 (光文社新書)
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2013年11月18日

デザイン思考で業務システム開発(第3回 解釈学的民族誌(続きその2))

前回は、フローモデルとシークエンスモデルについて見てきましたが、今回は残りの3つのモデルについてです。

③アーティファクトモデル
アーティファクトという言葉はなじみがないと思いますが、その意味は、顧客がタスクを遂行するために作成し、利用する有形のものすべてのことです。人は、目的を果たすための行動であるタスクを行う中でものをつくり利用し、行動に合うように修正を加えていく。

そうしたアーティファクトをフィールドワークに行った時に集める。それを絵や写真に、構成、戦略、目的といった情報をコメントとして入れたものにする。現場に行ってそこで作業する人たちが自分たちのタスクを実行しているのを観察しながらどんなアーティファクトを利用しているかをみてモデルを作成するのである。

④物理モデル
物理モデルというのは、簡単に言うと活動を行っている現場を描いた図です。行動というのは、物理的な環境の中で行われるわけで、その環境は行動の支援となる場合もあるし、逆に妨げとなる場合もある。つまり、すべてのシステムは、物理的な制約のもとにあるのでそこを観察していく必要がある。

業務システムを考える上でも注意すべきところで、どうしてもシステム的な観点が勝ってしまい、物理的な観点、例えば端末の位置とか移動の状態、あるいはセンサーの配置などを忘れがちになるので注意したいものだ。また、新たな業務システムがユーザの働く場所を再構成させることもありえるだろう。

⑤文化モデル
すべての行動は文化の中で行われます。行動が行われている環境の文化を「影響者」と「影響」という形で図示したものが文化モデルです。期待、要求、ポリシー、価値、そして行動に対する取り組みなどを定義します。影響者とは、組織内の個人、グループ、あるいは概念上の集団、外部などの行動に影響を与えたり、制約したりするひとのことで、システム開発などではステークホルダーなんて言われたりします。

もし、顧客に提供したりするシステムが顧客の文化やセルフイメージと矛盾したり、彼らの制約を考慮しないものであれば、そのシステムを利用しても効果が出ないので文化モデルは重要です。ただ文化モデルというのは目に見えない力を目に見える形にするのであるが、組織図と対応しないという点を留意する必要がある。システムと組織との関係はシステムが主で組織が従なのです。

こうした5つのモデルから調査を行ったメンバーで解釈ためのセッションを行って重要な事柄について理解するのだが、システム開発の要求分析の入り口となりますよね。顧客志向だとかいう時に作り手側がどれだけ顧客としての目線を持てるかという観点からも大事なところではないでしょうか
  

2013年11月19日

プロセスの分類とアクティビティ定義(5)

これまで4回にわたって、プロセス分類について書いて来ましたが、ちょっと取りとめがないようにも思えるのでまとめ的なエントリーをしておきます。もういちどそれぞれの言わんとすることを簡潔に言うと、大きくは意思決定系プロセスと作業系プロセスに分かれること、そして、意思決定系は非定型的で作業系は定型的であることを指摘しました。「外部(顧客接点)プロセス」と「内部プロセス」という見方も提示しました。

さらに、時間軸を入れてみて、ワークフローのようなものとかプロジェクトのようなものも含めて見ていきました。その議論の中でそれぞれのプロセスの特徴というか性格についても考えたわけですが、もう少しこの点について補足しておこうと思います。現実的には、分類されたプロセスが単独で存在することはまれで組み合わせになっているケースがほとんだと思います。

基本的には、外部プロセスであれ、内部プロセスであれ、意思決定プロセスと作業プロセスの組み合わせになるでしょう。ですからプロセス全体では、依頼受付、意思決定、作業、報告・登録という構造になります。これは、プロセスフローのアクティビティ構成の基本となります。

こうしたプロセス構造でも意思決定プロセスに重点を置くのか、その反対に作業プロセスに重点を置くかの重心の違いが出てきます。前者では、データ確定や判断などを行うことが中心で、作業はその結果をまとめるとか報告書を作成するといった程度のものが対象となります。よく例に出されてるように見積提示のケースなどは、見積書に記載する商品仕様、納期、価格などを決めることが大事でそれさえ決まれば、作業としてはそれをもとに書類の作成するだけになります。

一方、作業プロセスに重点が置かれたものは、意思決定というのは「段取り」のプロセスになります。作業がスムーズに行くように段取りを決定する事になります。その中でも生産プロセスなどは予め手順が決まっているので段取りも日程とか生産ラインの選択といった短く簡潔なプロセスとなります。その代わり、作業プロセスは、長くなりますが、定型であり自動化されることも多いところです。極端なケースでは、スケジュールされたりして全自動ということもあります。

意思決定プロセス重視は外部(顧客接点)プロセスに、作業プロセス重視は内部プロセスに多くなります。従来からくらべて意思決定プロセスの需要度が増してきているように思います。例えば、製造業の中小企業を考えるとわかると思いますが、従来の下請け的なビジネスであれば、作業プロセス中心に回せますが、自力化を図らなくては生き残れない今日では、自分でお客さんを獲って来なくてはいけないために必然的に外部(顧客接点)プロセス、すなわち意思決定プロセスの重みが増しています。

ですから、このエントリーで言いたかったことは、ビジネス環境や自社の立ち位置をよく認識し、そうした環境や利用シーンに適応したプロセスはどういった性格なのかを見極めることで真に役に立つシステムが構築できるというです。(完)
  

2013年11月23日

陽だまりの彼女

映画のキャッチコピーに、「"女子が男子に読んでほしい恋愛小説No1"待望の映画化」と書いてある。100万部を越えるという大ベストセラーとなった越谷オサムの同名小説を原作としている「陽だまりの彼女」を観る。前から辻堂にある109シネマズ湘南に行くと主演の松本潤と上野樹里がスクリーンからこの辺を舞台にした映画だからぜひ見に来てくださいと予告編の前にアピールしていたので観に来ないわけにはいかない。

原作を読んだわけではないので何とも言えないのだが、映画からの印象ではええこれが100万部を越えるベストセラーと思ってしまう。ということはおそらく原作を読んだ人はがっかりしたのではないだろうか。映画が小説に負けている。しかし、どうも評判は良さそうなのだ。だから、きっと松潤と樹里ちゃんのファンが評価しているのだろう。上野樹里が好きなぼくでもちょいと首をかしげたくなる。まてよ、若者が理解できないということなのかなあ。

広告会社の営業マンの浩介(松本潤)は、ある日クライアントを訪ねたとき、目の前に現れた女性を見てハッとする。彼女は中学で同級生だった真緒(上野樹里)だったのだ。それから、10年の歳月が流れて再会したのである。そして、浩介と真緒の中学時代がよみがえってくる。浩介は当時いじめられていた真緒を助けたことから二人は恋に落ちるが、浩介の転校を機に離れ離れになってしまう。

その二人が再会したのである。あの頃のようにまた二人は恋に落ち、そして結婚することになる。しかしながら、次第に真緒の身体が変調をきたす。浩介は真緒の実家から少しずつ真緒の秘密を聞くようになる。そして真緒をあるとき浩介の前から姿を消す。真緒には驚くべき秘密があったのだ。

とまあ、こんなストーリーでエンディングも信じられないような展開でビックリしてしまう。ネタバレになるので多くは言わないのだが、秘密を抱えた恋愛話ってよくあって、特に不治の病に冒されてという類は多いが、これも基本似たようなところなのだが、あっと驚く意外なことで、結果浩介の妄想だったみたいな展開である。

なんだか、若い子が想像たくましく憧れの純愛を夢見た物語といった風情だから現実の酸いも甘いも知ってしまったおじさんにはちょいとついていけないというのが正直なところである。だから、最初のほうは素直に初恋の子と再会してまた焼けぼっくいに火がついたといった流れは感動したのだが、あり得ない設定に全部ふっとんでしまった。

舞台が藤沢、江ノ島だったので期待したがそれもあまり効果的ではなくがっかり。監督は三木孝浩だが、「ソラニン」のほうがよかった。上尾野樹里は「スウィングガールズ」以来のファンだが相変わらず天真爛漫でいいなあ。
  
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2013年11月17日

よくなってきた?

昨日行われた国際親善試合でサッカー日本代表はオランダと2−2で引き分けた。オランダは前回のW杯準優勝国だから大健闘と言っていいのだが、勝ちきれてもよさそうだった。引き分けで満足しない姿勢が大事だろう。前の欧州遠征で連敗したことを考えるとよくなってきたように思える。ただ、格下相手だと苦戦して格上だと善戦するというパターンがあるので手放しでは喜べないかもしれない。

日本代表の先発はいつものメンバーから川島、遠藤、香川、柿谷がベンチで替わって、西川、山口、清武、大迫という布陣。チーム内への刺激という意味でプラスに働いたようだ。このあとすぐのベルギー戦を控えているのでローテーションということもあるようだが、レギュラー陣のキーマンがいない時のシミュレーションになったのではないだろうか。

立ち上がりは日本が主導権を握る。山口のシュートとか岡崎のもう少しで届くスライディングとかでオランダゴールを脅かす。しかし、10分過ぎくらいからオランダがペースを取り戻すと、前線への長いパスを内田がヘディングのクリアーをミスして相手に渡し、キーパーと1対1になったファンデルファールトに決められ先取点を許す。まあ内田のミスなのだが、一瞬の隙を見逃さないオランダも見事だ。

さらに38分にはファンデルファールトのすばらしいサイドチェンジからロッベンに得意の左足シュートを決められ追加点を許す。右サイドからドリブルでカットインしてペナルティエリアの隅から狙い定めたものでロッベンの必殺パターンである。ここでも、長谷部がなぜ左足をケアしなかったのかという見えないミスを犯している。ブンデスリーグで知っていると思うのに簡単に得意の態勢に持って行かれてしまった。

ところが、前半終了間際に相手陣内でボールを奪うと長谷部がうまく相手をかわしゴール前の大迫にパスするとそれをダイレクトにゴール左隅に入れて1点差にする。このゴールが効いた。オランダの強さに押されていてやっぱりダメかと思っていたのが、これで後半巻き返しができそうだと思ったはずだ。

その後半に、清武と長谷部に替えて香川と遠藤を投入する。これがまた効いた。この二人が入ることでリズムが生まれ、主導権を握りだす。徐々にオランダも押され気味になりバックパスも増えて攻撃の手が少なくなる。

そして、60分に見事な得点をあげる。遠藤から右サイドの内田に展開すると、内田、岡崎、本田のダイレクトパス、次いでもらった内田がポストとなった大迫へ縦パスを流すとリターンを本田が同点弾。ほとんどがダイレクトパスという流れで日本らしい美しいゴールだった。今までやろうにもできなかった形をオランダ相手にやってのけたことがすごい。

ただ、それからも完全に日本ペースで惜しいシュートも何本かあったので勝ちきれなかったのがくやしい。しかし、得点した2点は日本のよさがでたものだが、得点された2点もまた日本らしい悪さがでたものだ。強い相手では一瞬のプレーの差で勝敗が決まるので気を抜けないのだ。常に問題意識を持ってプレーしていないとやられる。これは身体ではなく頭の緊張感とスタミナが必要だということである。次のベルギー戦が一層楽しみになった。
  

2013年11月21日

ダントツ技術

わが国の企業は最近輸出産業を中心に持ち直したとはいえあのジャパンアズナンバーワンのときの勢いはない。とはいえ、意外と知られていないこととして「世界一企業」多いことがあげられる。世界で圧倒的なシェアを持つ商品も驚くほど多い。東証1部上場中149社が世界市場8割以上という商品を持っているという。

そうしたダントツ技術をもつ会社を例になぜそうした企業になったのかを紹介する「ダントツ技術」(瀧井宏臣著 祥伝社新書)を読む。取り上げられた4社は、浜松ホトニクス、クラレ、ハードロック工業、堀場製作所である。みな有名なのでご存知のかたも多いと思いますが、各社のダントツ製品は、順番にホトマル(光電子倍増管)、ポバール・エバール(合成樹脂)、緩み止めナット、自動車排ガス測定装置です。

そして、そういった独創性を生み出す社風というか、文化みたいなものを短い言葉で表している。これも順番に言うと「とにかくやってみろ」(浜松ホトニクス)、「他人のやれないことをやる」(クラレ)、「アイデアは人を幸せにする」(ハードロック工業)、「おもしろおかしく」(堀場製作所)である。結局ここに凝縮しているのかもしれない。"おもしろおかしく、他人のやってないアイデアを考え、とにかくやってみること"なのだろう。

いま、アベノミクスで成長戦略とか言っていますがここに登場した企業のように国に助けてもらわなくても自分たちのゆるぎない意思でやりとげるような企業を増やして行くことが大切だと思う。そういう経営者が多く輩出してほしい。ぼくはいま中小企業とのつきあいが多くなっているが、ハードロック工業の社長の言葉が沁みます。オンリーワンの商品を生み出す秘訣を述べています。

① すべてのものに好奇心をもち、見て、触れて、感じる。
② 世の中の商品はすべて未完成(60〜70%)である。どうすればもっと便利になるかを常に考える。
③ 世の中のものは、すべて組み合わせで成り立つと考える。

先日、新聞で「ダントツ経営」で有名なコマツの坂根相談役のインタビューが載っていた。そこで彼は、いまやダントツ商品からダントツサービスさらにダントツソリューションになってきていると指摘している。コマツは「KOMTRAX」という建設機械の情報を遠隔で確認するためのシステムを開発して建設機械分野ではダントツとなった。これはまさにソリューションですね。

彼はダントツ経営の出発点として、商品の種類や仕様で犠牲にするところを決め、コストを抑えて余力を生み出し世界一のものを作れ、そして負けても構わないところを社内で合意しろと言ったのだそうだ。これも大事なことで何でもやりたがるのが日本の企業でもある。ダントツのものは意外とあこんなものが欲しかったのだと気付かされるシンプルなものだと思う。
  

ダントツ技術 (祥伝社新書)
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2013年11月25日

イノベーションを支援するITシステム構築の極意

ちょっと前に「プロセス中心アプローチによるシステム構築の極意」というタイトルで記事を書くと宣言しましたが、How toやWhatも大事だが、結局Whyがしっかりしていないと目的にかなったものにならないわけで、上流の戦略的なところとの一貫性と連動性が担保されたものでないと意味がないのではないかと思い考え直しました。

ビジネスモデルを起点としてオペレーション、コントロールまでを体系立てて見ていくことが重要である。そこで改めて、「イノベーションを支援するITシステム構築の極意」と題して連載していくことにする。最近やたらとインベーションという言葉が使われているので躊躇してしまうのだが、大げさな技術革新といったものだけがイノベーションでもなく、ちょっとした気づきをアイデアにして差別化を図るなんてことでもよいとして進めていく。

一応、目次らしきものを作ったのでそれを提示します。これは現時点のものなので書いていくうちに変わる可能性があります。大きな流れとしては、ビジネスモデルからプロセスへ展開し、設計されたプロセスを実装して、それを使ってオペレーションするというものです。

【1】ビジネスモデルからプロセスへ
  1. 2つのイノベーションタイプ
  2. 4つの創造ステップ
  3. 6つのビジネス構造体
  4. 8つのビジネスモデル要素 *BMGより
  5. 10の提案価値     *BMGより
  6. 12の主要対応プロセス

【2】プロセス設計からシステム構築へ
  1. 3つのパラダイム変化
  2. 5つの誤解
  3. 7つの作法
  4. 9つの成功要因
  5. 11のサンプル

【3】システムオペレーションからコントロールへ
  1. 4つのオペレーションの心得
  2. 4つのコントロール指標


これまでのITシステムはどうしてもシステ開発というところに目がいってしまって、ビジネスが成功するためにどうあるべきかを見失っているのではないかという問題意識から記事を書こうと思っています。さて、うまくまとまるでしょうか。乞うご期待。
  

2013年11月20日

勝ち切った!

今早朝のベルギーとの親善試合でサッカー日本代表は3−2で勝利する。相手は最近メキメキといからをつけてきてFIFAランキングでも5位と44位の日本に比べてもかなり上位にランクされる強豪である。ブラジルW杯の欧州予選でも無敗で突破して来年の本大会出場を決めている。その相手にしかも完全アウエーで勝ったのだから素晴らしいのひと言である。

先日のオランダ戦からまた先発を替えてきた。キーパーはベルギーで活躍する川島に、両サイドバックが内田、長友から高徳、宏樹の両酒井となり、センターバックが今野の替りに森重、香川が先発に入り、トップに柿谷となる。6人も違うメンバーという、これまでではなかった采配である。中二日という試合なのでコンデションという面でそうしたかもしれないが、もっと前から試しておいてもよかった気がする。

不動の先発陣が替わってもオランダ戦の引き分け、そして今朝のベルギー戦勝利だからたいしたものだ。これで控えの選手たちも自信を持っただろうし、レギュラー陣もうかうかしていられないということで競争心もでてきただろうから、来年のW杯に向けていい状態になってきたと思われる。少なくとも、気持ちよく年が越せるだろう。

試合は最初はベルギーの攻勢で15分に川島の飛び出しすぎたミスで左サイドからGK不在のゴール前に流され先取される。その後早く追いつきたい日本は37分に右から上がった酒井宏樹が抜け出し、得意のクロスをゴール前に上げると飛び込んだ柿谷がバックスの前に入りヘディング見事な同点弾をはなつ。1−1の同点で前半を終える。

後半から、山口に替わって遠藤、清武に替わって岡崎が入る。ベルギーは
チェルシーのアザールからマンUで香川のチームメイトであるフェライニを投入する。強豪相手にまずまずのできの日本は後半立ち上ありの8分に遠藤から中央の本田へ横パス。本田がうまくトラップすると利き足ではない右足でゴールし勝ち越す。続いて後半18分相手ペナルティエリア近くで長谷部が柿谷にパスするとそれをダイレクトでバックスの頭を超えて岡崎にわたり、それを岡崎がボレーで決め追加点をあげる。

その後格下相手に負けられないベルギーは必死に反撃に移ると、34分にコーナキックからアルデルワイデルトが長身を生かしたヘディングで1点差に詰められる。またしてもセットプレーからの失点でここらあたりは相変わらずの反省点だろう。しかし、これまでここからまたやられることも多かったのだが何とかしのいでタイムアップ。3−2で世界のトップチームを破る殊勲。

この試合で柿谷が1ゴール1アシストとオランダ戦の大迫と同じ結果で二人の争いが面白くなった。また、両サイドバックも内田、長友を脅かす存在になってほしいものだ。オランダ戦でも書いたが、チームとしてのやりたいことが徐々に出来るようになってきた。だから、今回の勝利もたまたまというより勝つべきして勝った面もあるのでチームとしても個人としても自信になったのではないだろうか。新しいユニホームになって気持ちを新たにしたからかな。このままブラジルまで持って行ってほしい。
 

2013年11月22日

日常点描2013.11.22

たまには、日常のできごとも綴ってみようかと思う。今日11月22日は"いい夫婦の日」なのだそうだ。これは、「いい夫婦の日」をすすめる会というのがあってそこが制定したのだが、知らなかったけど若干大きなお世話という感じもある。そこでは、パートナー・オブ・ザ・イヤーの選定とか川柳コンテスト、アンケートなどを実施している。

今年のパートナー・オブ・ザ・イヤーは大和田獏・岡江久美子夫妻である。でもこれってはたから見た目と内情は違う面が多々あるので意味があるのかなあと思ってしまう。川柳は大賞が「贅沢が できない妻に 花を買う」だ。感動しないよな。800人を対象としたアンケートでおもしろかったのは、夫婦の円満度はという問いに対して、全体では「とても円満」が24%、「まあ円満」が55%で合計78%が円満だと思っている。だから「円満ではない」はわずか8%なのだ。意外とみなさんの円満度が高いのにびっくり。

昨日は、昼前に出かけて川崎の109シネマズで映画を鑑賞。その後大井町で打ち合わせがあって、夕刻に終わるとヤマダ電機でパソコンやiPadを物色。新しいのが欲しくなった。そして、新橋にある魚がうまい店に久しぶりに向かう。その店は行きつけだったところで、下の息子と二人で時々呑んでいた。その息子が先日会社の同僚と行ったら主人からお父さんに来てくれるように伝えてと言ったとのことなので出かけたわけである。

ところが、店が閉まっているではないか。もしかしたら閉店したか移転してしまったのかと一瞬思う。というのも虎ノ門から新橋に新しい道路(俗称マッカーサー道路)ができるのでいずれ立退かなかればいけないと聞いていたからである。近々また行ってみようと思うのが、新橋界隈を歩いていて気がついたのは、お客さんが少ないということだ。6時半ころだから昔の賑いを知る者にとってはちょっと驚く。誰も入っていない居酒屋もある。

しかたなしに、これまたよくいく有楽町のニュトーキョーでアイスバインと白身魚のテリーヌを食べながら飲むことにする。ここは一人でも居心地がよくてパソコンを開きながら腹をふくらます。そのあとお決まりの行きつけバーで仕上げ。他にお客さんが誰もいないのでマスタ夫妻(もちろんいい夫婦である)とボジョレ・ヌーボーをいただきながらいつものように取りとめもない話を楽しむ。

そこでぼくが閑散としている新橋の話をしたら、新橋だけじゃなくてここ銀座でも同じだという。今年の夏ぐらいからもめっきり客足が減ったらしい。企業が交際費を絞っているのだ。アベノミクスで景気がよくなったと言われるが、巷の飲み屋にはその恩恵が回ってきていない。おそらく輸出企業を中心にして企業業績は回復していても働いている人のもとにはお金がきていないようだ。日本経済もこれから先大丈夫かなあ。

だいぶ白くなった富士山です。だんだんはっきり見えるようになってきました。(あれ、そうでもないか)
  
写真1122.JPG

2013年11月26日

グランド・イリュージョン

痛快な犯罪チームの映画はけっこうウケる。オーシャンズ13だとかがおもしろかったようにプロが集まってことをなすというのはスポーツみたいだからかもしれない。そのプロがマジシャンだったらという映画「グランド・イリュージョン」は、理屈抜きでおもしろい。4人組のマジシャンたちがラスベガスのショーで遠いパリの銀行から金を奪ってしまうのだから驚いてしまう。

何といっても出だしのところでまいってしまった。この奇想天外な犯罪を行うフォー・ホースメンというマジシャンのチームのリーダー、アトラス(ジェシー・アイゼンバーグ、あの「ソーシャルネットワーク」で主役を演じた男優)が、カードのマジックを行うのだが)、カードをパラパラっとめくってある1枚を覚えてという。最初は早過ぎるので、もう少しゆっくりやるからねという。

もちろん映画を見ているぼくもつられて覚えたわけである。そうしたら、後ろのビルに映しだされたカードがダイヤの7だったのである。なんとですよ、ぼくが覚えたのもダイヤの7だったのだ。こりゃあ驚いた。というわけで、すっかりイリュージョンの世界に誘われてしまった。(タネあかしはしない)騙されるのって一種の快感を覚えますね。

さてその4人組は、リーダのアトラスとメンタリストのマッキニー、脱出マジックで元アトラスの助手だったリーブス、それとスライハンドマジックのワイルダーという4人である。ラスベガスで銀行破りのショーで大喝采を受けたが実際にもパリの銀行から320万7ユーロとういう大金が消えてしまったので、FBIは4人を拘束して取り調べることになる。

その捜査の指揮を取ることになったのがディラン(マーク・ラファロ)でその相棒としてインターポールの捜査官アルマ(メラニー・ロラン)がやってくる。しかし、尋問を行うのだがまったくしっぽをもつめず釈放することになる。そこで、マジックのタネあかしをして名がしれているサディアス(モーガン・フリーマン)に助けを求める。

ホースメンの2度目のショーがニューオリンズで開かれる。そのショーではスポンサーである大富豪の銀行口座から1億4000万ドルが引き出され観客の口座に振り込まれる。そして、そのあと舞台はニューヨークへと移っていく、はたして、ディランとアルマはトリックを見破り、ホースメンを捕らえることができるのであろうか。

ね、面白いでしょ。壮大なマジックも楽しいし、カーチェイスも交えた追いつ追われつの攻防もあり、ちょっとした恋愛もあり飽きさせない展開である。するとお決まりのドンデン返しが待っているという周到さだ。導入から最後のどんでん返しまで映画のおもしろさを発揮した出来のいい娯楽作品であった。
  
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2013年11月24日

腰痛の9割は医者なしで治せる!

ぼくは昔から腰の具合が良くなくずっと困っている。最初のぎっくり腰はまだ会社の独身寮に入っていたころだから20代後半の時だったと思う。サッカーの試合で疲れていたにもかかわらず座敷で麻雀を始めたのである。しばらくして、ハネ満を上がって飛び上がった瞬間、もういけない、その場で動けなくなってしまった。この時は、しばらく安静にして何とか戻ったのだが、その後遺症か歳をとってからあまり無理ができなくなった。

なので時々痛くなったりしているがだましだましきている。その間医者にいくわけでもなく整体とか鍼灸とかにも行ったことがなかった。唯一、十字式健康普及会というところに行ったことがある。ぼくの知り合いでものすごく効いたという話を聞いたからで、これは背骨を真っ直ぐにするという施術なのだが"気"を入れる感じで、宗癒師と呼ばれる人がやるのだが相性があるみたいでぼくの場合は変わりなかったですね。

ところが、もう2ヶ月位前に庭の草取りをしていて立ち上がった瞬間キターです。おとなしくして、腰の方は何とか痛みもとれたのですが、ももの裏のほうにしびれるような痛みが走るようになってしまった。自分なりにストレッチをしたりプールで泳いだりとしてみたのだが一向に治る気配がないので整形外科にでも行こうかなと思っていたところ、新宿駅内の本屋で立ち読みしていたら「腰痛の9割は医者なしで治せる!」(坂戸孝志著 角川oneテーマ21)という本を見つけたのだ。

この本には、腰の痛みをなくすのに叩いたり、揉んだり、伸ばしたりしてはいけない、ましておや鍼灸、ブロック注射なんてとんでもないと書いてあるではないか。これらは痛みをやわらげるだけで根本的に治すことができないという。なるほどなるほど。腰痛の原因は筋肉が硬くなることだと断言する。いま言ったような治療法は筋肉をよけいに固くしてしまうから逆効果なのだ。

著者自身も18歳に椎間板ヘルニアと診断され、それから様々な治療を試みたが一向に良くならず30歳の時には寝たきりになってしまったのだという。そこから自分で治そうと決心して海外の研究資料などを読みあさった。要するに痛みの原因を探ったのである。原因がわかれば治せるのではないかと考えたのだ。そして行きついたのが痛みの原因は筋肉にあるとしたのである。

ついぼくらは椎間板ヘルニアというと何とはなしに椎間板という軟骨が出っ張って神経にあたって痛いとか思いがちなのだが、これがウソだという。なぜなら、椎間板というのは、神経より柔らかいのだそうだ。びっくり。だから、昔は何でも椎間板ヘルニアと診断していたがそういえば最近はあまり聞かない。

で著者の唱える治療法は「緩消法」というものである。ひと言で言うと硬くなった筋肉を柔らかくすることです。しかも、自分一人でできる簡単なものなのだ。どんなことをするのかは本に図解ででているのでそれをみてやるか、今はYutubeでも見ることができます。本を買ってから始めて5日くらいになるが、これが効くのだ。早いひとで1日で治ってしまうのだという。ぼくの場合はそう簡単ではないようだが、しかし徐々にではあるが痛みがとれていくのがわかる。すごい。

このあいだ糖質制限の本「炭水化物が人類を滅ぼす」でも書いたが、要するに原因がきちんとは把握されていないのに治療法をどうのと言っても始まらないのだ。だから、どうしても対症療法になってしまい、一時的に治ったように感じても根治できているわけではないのである。しかし、これが本当なら、世間にある整骨院、マッサージ、鍼灸、カイロプラティックなどは商売上がったりになってしまうなあ。
  
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2013年11月27日

行動原則としての業務プロセス

外部環境がどんどん変化しているいまは不確実性の時代とも言われている。こうした時代にあって企業の組織構造も変化している、というか変化しないと生き残れないようになってきている。しかしながら、特にわが国の特に大企業における組織が硬直化してなかなか変わっていっていないと感じている人も多いと思う。

どう変化していかなくてはいけないのかというと、これまでのように上からの指示命令によって決められたように動く中央統制型から、従業員それぞれが自律的に動く分散型組織にすべきだという論がある。確かに、変化対応にはスピードや柔軟性が要求されるので自律分散が有効である。しかしながら、何でもかんでも分散型にすればいいというわけにはいかない。

現場で働く人の自主性に任せるということは下手をすると勝手に動いて組織的な行動を逸脱してしまう危険をはらんでいることに注意しなくてはいけない。下手をするとコンプライアンスにひっかかるようなことも気づかないということも起こる。食材偽装とかJR北海道の問題なんかは意識して分散型組織にしているわけではないと思うが、それでも起こってしまう。

分散型組織をちゃんと機能させるためにはどうしたらよいのでしょうか。統制型だと職務分掌とか業務マニュアルとかで縛るという手もあるが、分散型だとそこのところは緩くなってしまう。大事なのは、組織として守るべき規範を共有することだと思う。きっちりと決められたものではなく思想的なものになるが、ビジョンとかミッション、ロール、ルールといったものを共通的な行動原則として持つことではないでしょうか。それは複雑だと共有できないので必然的に簡潔でシンプルなものになる。

では、そういった規範となるものはどういう形で浸透させることができるのでしょうか。紙に書いて渡してもなかなかうまくいきません。常日頃の業務オペレーションをしている中で自然と認識され実行されるべきだと思う。いくら分散型といってもあくまで組織的行動であるわけで、ただし今までのように指示待ちではなく、各人が自分で考えて動き、それが全体として正しい方向になっていることが大切なのである。

業務オペレーションは業務プロセスを進めることで成り立っているから、その中に行動原則が埋め込まれる仕組みにしておくことが求められているのだ。それぞれのアクションが、ビジョンとかミッション、ロール、ルールに則って行われているのかがわかるようにする。それも勝手に解釈してではなく、他の組織構成員とコミュニケーションを取りながら行う。

ですから、リーダも従来とは変わってくる。昔のように伺い箱に書類をためてハンコウを押すのが仕事ではなくなり、たえず部下たちが自律的に動けるように見守り、自分に意思決定を諮られたら素早く判断できるようにコミュニケーションの場に参加することだと思う。

業務システムも組織論と密接につながっているから、これまでのような中央統制型のシステムで作られてきたが、分散型になってきた今日にそれに対応したようなシステムになっているかははなはだ疑問なのである。つまり、行動原則をもって日常業務を行うためにはプロセスという概念を導入していかないと無理なのである。変化対応力をつけるためには、分散型組織にするべきで、その組織を効果的に機能させるには、プロセス志向で業務システムを構築することが重要なのである。
  

2013年11月29日

デザイン思考で業務システム開発(第4回 メンタルモデルを作る)

第4回は「メンタルモデルを作る」です。このメンタルモデルって何なのかを説明する必要がありますよね。説明的に言うと「人間が世界の中で起こるイベントを理解したり予測したりするために作る内面的なモデルのこと」となる。人々はそれぞれに持つメンタルモデルに基いて行動したり、反応したりするわけで、そうしたメンタルモデルをエンジニアやデザイナーが作るために民族誌調査を行ったのである。

メンタルモデルから新しい商品やサービスが生み出される。このことは業務システムの開発にとっても大変重要なことで、システムの行動やふるまいがユーザーのメンタルモデルと合致していると使ってくれるからである。われわれはメンタルモデル使って日常生活を営んでいるわけで、われわれが道具を認識して使う時にはメンタルモデルにしたがっている。コンピュータシステムはあくまで道具であるからメンタルモデルからの視点で捉えなくてはいけない。

メンタル・モデル作成のステップはつぎのとおりである。
ステップ14.ターゲット・ペルソナを作る
ステップ15.メンタルモデルを作る

誰のメンタルモデルなのかを明確にするためにターゲット・ペルソナを作成する必要がある。ペルソナとは簡単にいうと仮想ユーザーのことで抽象的な設定ではなくより具体的に設定するとよい。例えば不特定多数を設定すると多くの機能を詰め込んでしまい使いにくくなるので注意する。ただ、業務システムの場合はある程度幅広くしないといけないので難しいところだが、上手くバランスのとる必要がある。何でも言うことを聞いてこだわりの機能が増えないようにしたいものだ。

さて、ペルソナを決めたらメンタルモデルを作ることになる。そこで気をつけなくてはいけないのが、例えばコンピュータシステムを作る場合、民族誌調査から得るべきことは、どのようなコンピュータシステムが必要とされているか、ではなくて、調査した日常世界に新しい道具が導入されると、どのように人々の経験の可能性が広がるか、なのである。そこをデザインするわけである。

このあたりの考えかたは非常に参考になる。どうしても要件定義という形で必要とされるものを設計してしまうからである。そうではなくて業務システムはあくまでビジネスの現場の人びとの経験の拡大に寄与できるかなのだ。

つまり、メンタルモデルは分析を重ねた結果として、「発見」することではない。観察をしていると、「師匠」がある認識をすると、ある行動をすることがわかる。このセットにことなのである。何やらとらえがたいものであるが、文字による思考と視覚の思考もよって経験を目に見える形で表現することになる。システム開発におけるユースケースのようなものですが、先述したようにメンタルモデルを意識して記述したらよいのではないでしょうか。
  

2013年11月30日

フレーミングの問題がついてまわる

いま話題になっている「特定秘密保護法」についての議論がよくわからない。まあ、そう関心が高いわけではないので詳細に研究したわけではないから内容についてとやかく言うつもりはないが、少なくとも世間の議論が噛み合っていない感じがする。つまり、こうしたイシューに対して、どういう立ち位置で見てどう解釈するのかで主張が正反対になってしまうことがある。

この特定秘密保護法でいえば、法律が秘密の漏洩を防ぐためのものか、秘密の隠蔽を阻止するものなのかをどちらに重心をかけるかによって見方が変わるのである。今の法律では軍事・外交に関する国家機密がだだ漏れだからもっときちんと管理すべきだと思うのか、軍事や外交といった大事な国家としての意思決定事項をクローズにすることでいい加減な判断を時の権力者がしてしまうのは困ると思うのかである。

こうした自分の枠にはめるような見方をフレーミング効果といって、基準点をどこに置くかで異なる判断を行う可能性がある。よく出される例では、例えば喫煙による肺がん発生率は5%増えるという報告があったとすると、それを5%も上昇するのかと思うのか、たった5%しか増えないと思うかの違いである。

おそらく、国家はきっと悪いことをするに違いないと思っている人にとっては秘密の隠蔽を問題視するだろう。だから、比較的左翼的な思想の人たちがそういう趣旨で反対しているように見受けられる。逆に国家がきちんと管理統制して行くべきだと考えている人たちにとっては、国家を危機に瀕するような情報のリークは避けてほしいと思うのである。

ですから、評価の基準点がちがうので議論が噛み合わないのである。こうしたことは、様々なところで起こる。例えば、著作権の問題だって、オープンとクローズという選択肢がある。著作権を保護すべきなのか、もっと開放していくべきだという議論である。著作者の権利を守って行かないと発明や創作のインセンティブがなくなると考えるのか、それとも著作権をひろく使わせることでその恩恵を世の中に還元すべきであると考えるかである。

その他にも多くの議論があると思うが、その基準点を合わせることができるのかというと大変に難しい問題になる。これは主義、信条といった思想的な問題だからである。しかしながら、大事なことはできるだけ事実に基づき科学的、論理的な事象、情報に基づいた議論にもって行くことではないでしょうか。こうしたものごとを客観化して認識を合わせていくという態度こそ必要なのだが、日本人はこれが苦手なように思えてならないのである。
  

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