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2013年7月 アーカイブ

2013年7月 9日

アルゴ

やはり、実話の威力はすごい。時に実話の迫力に映画が負けてしまうことはよくあるのだが、「アルゴ」は実際に起こったことに負けないくらい素晴らしいサスペンスに仕上がっている。第85回アカデミー賞で作品賞、脚色賞、編集賞の3部門、第70回ゴールデン・グローブ賞で作品賞、監督賞の2部門受賞もうなづける。ベン・アフレックが、監督、製作、主演を努め、脇をアラン・アーキンやジョン・グッドマンらのベテランが固める。

1979年にイランのテヘランで起きたアメリカ大使館人質事件を覚えている方もいるかと思いますが、ぼくはちょうど結婚した年でもありよく覚えている。その時に実際の起こった事件を題材としている。大使館に監禁された人質を救出したのではなく、過激派グループが占拠しようとした時にそこから逃げ出した6人のアメリカ人を救出するために行ったCIAの作戦から題を得ている。これは当初機密とされていたが、事件から18年後にクリントン大統領が機密扱いを解いたために明らかになった。それを映画化したのである。

アメリカ大使館が占拠されるどさくさに逃げ出した6人の隠れた先はカナダ大使館であった。この6人が見つかれば公開処刑されるのが間違いないため、国務省はCIAに彼らの救出を依頼する。そこで選ばれたのが、人質救出のエキスパートであるCIAエージェントのトニー・メンデス(ベン・アフレック)であった。

彼の提案した作戦が奇想天外で驚くものであったと同時におおきな危険を伴うものである。
それは、ウソの映画を企画し、6人はそのロケハンに来たカナダ人の映画クルーに仕立て、出国させるというものである。それから、周到な準備が始まる。とことん本当らしくしないと危ないので、ハリウッドの特殊メイクのジョン・チェンバース(ジョン・グッドマン)や大物プロデューサーレスター(アラン・アーキン)が加わり、そこで選ばれた脚本のタイトルガ「アルゴ」というSFアドベンチャーものである。

そして、単身イランに乗り込んだメンデスは6人に対して映画のクルーに成りきりことを指示するが、そのあまりに奇抜なアイデアに人質たちは様々な反応を見せる。怖気づく彼らにメンデスは「ぼくは見捨てたことは一度もない」といって説得するのだ。さてそこから緊迫の脱出作戦が始まる。過激派グループが大使館にいた人数が合わないことに気が付き、また血眼になってアメリカ人を探している中で一つのミスも許されない。

もちろん、最後は脱出するということはわかっているわけだが、逃げる方と追いかける方の攻防がすごい緊張感として伝わってくる。手に汗握る展開でドキドキしてしまう。おそらく、誇張はしていると思うが、こんなことが本当にあったのだと驚かざるを得ない。主人公は現存しているそうだが、すごい精神力の持ち主なのだろう。ぼくには絶対できないな。
  
アルゴ.jpg
 


2013年7月 1日

たくらむ技術

なにやら怪しげなタイトルでどんな本だろうと手にとると、著者はテレビのバラエティ番組のプロデユーサーで、担当している番組が「ロンドンハーツ」と「アメトーク」だという。著者紹介の写真もロン毛でちょっとチャラい感じもして本もチャラいのかと思ったらそうでもなかった。「たくらむ技術」(加地倫三著 新潮新書)は、テレビ番組制作の裏もわかっておもしろかった。

何よりも、著者の性格が滲み出るような文章で外見とはちがうまじめさに好感がもてる。おそらくそうした人柄の良さで番組出演者やスタッフから信頼されているから、人気も博し、長続きするのだろう。結局、派手に見えるような世界でも根っこのところはどの世界とも共通であって、最後は人間としての魅力によって、健全な組織、アグレッシブなチーム力が形成されるのだろう。

最初に番組の作り方が紹介されていて、例えばアメトークにしても、テーマを決めて芸人さんを連れてきて、ひな壇に並ばせて、司会の雨上がり決死隊に適当に芸人に喋らせて進めて作っているんじゃないかと思ったりしてしまう。ところが実際には、くそまじめに時間をかけて作っているのだそうだ。

まず、週に1回定例会議があって、そこで前回放送分の反省や進行中あるいは新規の企画の詰めなどを行う。そして、新しいテーマが決まると3〜4週間かけて主演者を決める。そして、どんなことを話してもらうのか、VTRにどんな映像を撮るのかといった検討を行う。この作業は実際の収録の1ヶ月前までかかる。

そのあと、実際に収録し編集したり、主演者への事前アンケートをもとに台本を練っていく。台本が固まるのが収録の前日になるという。で実際の収録は
2時間か2時間半かかるのですが、ここからが大変で要するに編集作業が非常に重要だそうだ。これが寝る間を惜しんでやって5日〜1週間かかる。ということでかなりまじめにやっているのである。

さて、企画屋さんとして心得みたいなことが書いてあってこれが業種を超えて結構響くのである。例えば、「ヒントは分析から生まれる」「反省会こそ明るく」「ピンチになったら原点に戻る」「制約が効率を生む」「嫌な仕事はしたことがない」「常識がないと「面白さ」は作れない」「企画書は薄く」ととかとか。

最後に、感心したというか褒めてあげたいのは、「CM前のあおり」と「人の生死はネタにしない」ということで、ぼくはあまりTVのバラエティは見ないのだが、時々、うんざりすることがあるので、いい心がけだと思うのである。
  

たくらむ技術 (新潮新書)
加地 倫三
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2013年7月 2日

ビジネスサービスのつくり方 - 第4章 開発

■ kintoneを使ったアプリ作成手順(2)

今回からは、個別設定についてみていきます。

ステップ1 アプリの名前を入力
最初に、下記のような画面が出てきますので「アプリ名」を入力します。適当な名前を入れてもかまいませんが、それがどんなアプリであるかがわかるようなものにしてください。個人的な趣味のようなものとか、逆に大雑把な感じのものは避けましょう。よく、〇〇管理システムというような付け方をしますが、あまり感心しませんね。例えば、「見積管理システム」よりも、「特注品見積提示プロセス」といったようにします。入力したら保存を押します。

apurikannri.bmp


ステップ2 一般設定
次が一般設定になります。アプリの用途に合ったアイコンやデザインテーマを選ぶことになります。アイコンは候補の中から選ぶこともできますし、好きな画像をアップロードすることもできます。デザインテーマというのは、画面表示のデザインのことで、クリップボードとかバインダーといったものがあります。あと、アプリグループを設定することで誰でも入れるのとグループ限定にすることもできます。アプリの説明が必要なら書いておきます。入力したら保存を押します。

ippannsetteisumi.bmp



ステップ3 フォームの設定

アプリ名とアイコンやデザインテーマなどが設定されるとメインのフォームの設定になります。データの入力フォームを作ることになります。フォームの設定画面は下記のようになります。左側にパーツ(フィールド)が置かれていて、右側の空白のキャンバスに必要なパーツをドラッグアンドドロップして配置されます。

フォームの設定.png


各パーツの説明は次回。


2013年7月 3日

奇跡のリンゴ

このブログでも何回もとりあげた「奇跡のリンゴ」が映画化された。本を読んだときからこれは絶対映画になるなと思っていたらそのとおりになった。もうこの原作であれば感動の実話としてヒット間違いなしである。

監督には伊坂幸太郎ものでおなじみのぼくのお気に入り中村義洋、主人公の木村秋則さんを演じるのが阿部サダヲ、その妻見栄子に扮するのが菅野美穂という布陣である。その脇を固めるのが、山崎努、伊武雅刀、原田美枝子らである。木村さん自身も結婚披露宴のシーンに出演していて驚いた。

この話は2006年のNHK番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」で紹介されて一躍話題になって、その後書籍化もされて有名なので皆さんご存知だと思いますが、絶対に無理だと言われたリンゴの無農薬栽培に11年かけて成功した物語である。その間、収穫もないのだから当然お金がなくなっていき極貧の生活を強いられていく。しかし、それを家族を始めとして周囲の温かい支援でのりこえるという話だから、感動するのも頷ける。

映画はまあまあ実話に近く、流れも本に沿ったものになっている。だから、本を読んだ身には筋がきが新鮮でもないのだが、やはり涙を流さずにはいられなかった。もし成功していなかったら"ただ一途なバカ"の話である。おそらく、陽の目をみない多くのバカの屍が累々とあるに違いない。ほんの一握りの成功者だけがこうして評価されるのだろう。それを分けたものが何だったのか。

偶然なのだろうか。偶然を呼びこんだ不屈の精神なのだろうか。それがあっても経済的な裏付けがなかったらすぐに挑戦は終わってしまう。当たり前だが成功の法則というものはないのだと思う。"たまたまうまくいった"のかもしれない。木村さんも、全く方向違いなことを何年もやって、もうこれまでかという時に、解決策に気がついたわけである。それが人生なのだろう。

ところで、こうしたストーリーの映画を見ての感想に中に、どうしてそんな無駄なことばっかりやっておかしいじゃないかと食ってかかる人がいます。こういったたぐいの批判を目にすることがあります。つまり、主人公の生き方がおかしいということなのですが、それは映画の評価ではないと思いませんか。だいいち、木村さんは実在の人で、実際に無駄なことばかりやってしまったわけで、それを映画の筋に入れたことがなぜ非難されるのでしょうか。世の中にはひねくれた人がいるんだよな。

まあ、単純にこういった成功譚は感動する。特に主人公の人柄もあって、真っ直ぐな人の物語だとなおさらだ。でも、前にも書いたが、(無農薬イコールおいしいとも限らない中で)無農薬でできたリンゴがおいしくて本当によかった。もしまずかったらどうなっていたのだろうか。
  
奇跡のりんご画像.jpg

2013年7月 4日

「ボケて」とYahooが連携

うちの社長がCTOを務める「オモロキ」という会社、といっても同じ歳の4人でやっているのですが、そこが提供している写真を投稿してそれに一言面白いことを言うという「ボケて」というサイトが、昨年ブレークして、スマホ対応もしてダウンロード数も150万人という人気になっています。

その「ボケて」が何と「Yahoo! Japan」と連携することになりました。ヤフーが提供する「人気の画像ギャラリー」に、毎日オススメの「ボケ」が掲載されます。さらにそこから画像をタップすると、「ボケてセレクト」に遷移し、ボケ詳細とランキングを見ることができます。CNETでも紹介されています。

まだ、Android版の一部しか対応していませんが、そのうちにiPhoneでも見られるようになりますので乞うご期待です。天下のYahoo!と提携ですからさらにユーザ数が増えていくものと思われます。まだ、ダウンロードしていない方是非笑いとなごみの世界を覗いてみたらいかがでしょうか。
 

2013年7月 5日

PDCAの限界

以前、"ワナ"シリーズというのを書いていたのだが、ネタもなくなったので最近はエントリーできていなかったのですが久々にアップします。今回のネタはPDCAについてです。でも、ここではワナというのもおかしい感じがしないでもないので限界というふうにします。Plan、Do、Check、Actionというやつである。さまざまな場面でこのPDCAは大事ですよとか、PDCAサイクルでちゃんと管理しましょうよと言われる。

ところが、以前はその通りと思っていただが、最近は何となくしっくりこないのである。なぜだろう。しっくりこないということは、そういったものを要求していないではないかと感じられるからである。いまのビジネスの状況とか仕事のやり方なのが、PDCAをそんなに大事だと考えていないとか、PDCAで管理しなくてもいいと言っているのかもしれない。

PDCAというのは文字通り、計画を立てて、その計画に沿って実行して、その結果をチェックして次のアクションに活かすということをする。その意味するところは、We plan, We do, We check, We actなわけです。生産でいうと、自分たちで生産計画を立てて、それに従って製造し検査してというサイクルです。これって、プロダクトアウト型のものですよね。

別のいい方だと見込み生産型で在庫を持って注文が来たらそこから払い出すというモデルなのだ。以前はこうした規格品大量生産が主だった時期もあったが、今やそうした形態はどんどんなくなっているのではないでしょうか。これは、生産に限らずその他のケースでも、計画通りそのまま実行されるというのも変化の激しい現代では少ないと思います。

ですから、それこそ計画は守るものではなく、変更を前提として、素早く変えることができるようにするというのが大事なような気がする。それと、DoとCheckの同期をめざすべきだと思う。はい実行しました、そしてその結果がでたのでチェックしてみましょうというとどうも緩慢なような気がする。

Planにおいて変化を前提と考えると、DoとCheckが連続的というのに近い感じで行われるイメージです。それでないと意味がないのです。そうなると、プロセス制御ループに近いものになるのかもしれません。最初にある程度のあるべき姿を設定(Plan)して、そうなるように動作(Do)しますが、設定とずれたらすぐに感知(Check)即座に動作を修正するか、設定を変える(Action)ことをします。今の時代では、このくらいのことをやって行かないと変化対応力があるとは言えないかもしれませんね。
  

2013年7月 6日

第8回BPMフォーラム2013

昨日は、目黒の雅叙園で「第8回BPMフォーラム2013」が開かれた。日本BPM協会主催のこのフォーラムももう8回目を数えることになる。2006年に始まったことになるが、早いものである。当初思ったほどには浸透はしていないが、それでも認知度も上がってきて、今回も350人くらいの入場者数になった。プログラムは下記の通りである。

オープニング:ご挨拶 日本BPM協会 会長 秋山 守由
基調報告  ビジネスプロセスを進化させる改革アプローチ BPM/BPMNとは
      ~ その特長、進め方、取組動向 ~      
       日本BPM協会 理事  横川 省三
基調講演1  アサヒグループを成長・発展させる改革マインドとその浸透
      ~ミドルマネジメントの改革能力をどう育むか~
       アサヒグループホールディングス株式会社  代表取締役 泉谷 直木 氏
基調講演2  政府が目指すIT活用のビジョンと、BPMによる改革アプローチ
      ~成長戦略の基盤としての業務・システムの要件をどう実現するか~
       政府CIO補佐官 兼 経済産業省CIO補佐官   平本 健二 氏
スポンサーズセッション
       日本ティブコソフトウェア株式会社/株式会社NTTデータイントラマート/
       株式会社クレオネットワークス/ピースミール・テクノロジー株式会社/
       ペガジャパン株式会社/株式会社日本能率協会コンサルティング/株式会社クエステトラ
基調講演3  石油資源開発が挑戦した業務プロセス進化のサイクル
      ~情シスが仕掛けて現場と進めた業務改善の仕組み~
       株式会社 地球科学総合研究所
       環境技術部長(元 石油資源開発株式会社 情報システム部長) 渡辺 賢一 氏
       石油資源開発株式会社  
       IT業務支援グループ長プロジェクト・リーダー  藪根 正樹 氏

まず、基調報告で主催者の日本BPM協会事務局長の横川さんから、「あなたのビジネスを進化の軌道に」という小冊子の中身の紹介を中心に、BPM推進のプローチの話があった。実はこの小冊子は協会内にある「コモンセンス部会」という研究会で議論して作成したもので、ぼくもそのメンバ−に入っているので、直前まで文言の訂正やレイアウトデザインについて調整していたので、こうして発表できてほっとしています。BPMってこういうことですと上司に説明しなくてはいけないときの参考になればと思っています。

あと基調講演では最後の石油資源開発の事例がとても参考になった。副題にもあるように、情報システム部門が業務部門に仕掛けて現場と進めた業務改善の仕組みづくりというか、進め方が興味深かったのである。ミッションやコンセプトをきちんと決めて、リソースの確保、経営に対する説得、現場の理解などを情熱を持って実行したことにである。BPMはITと現場のつなぎ役として機能すると思うし、情報システム部門の出番のところである。ところが、まだまだそういった意識のところが少ないので、ぜひこの事例を参考に、情報システム部門の地位を向上させるきっかけにしてほしいと思っている。

フォーラム終了後、協会の人やコモンセンス部会の人たち、それと講演してくれた石油資源開発の渡辺さんと藪根さんを交えて打ち上げを行う。そこでも、ここでは話せない裏事情や石油掘削の話やらが聞けて面白かった。これからもこうした事例が数多く出てきてほしい。基調講演2でもCIO補佐官の平本さんがBPMの有用性に何回も言及してくれましたので、お役所でも普及して官民で広がることを願っています。
 

2013年7月 7日

医者に殺されない47の心得

ぼくの高校時代の同級生のM君から「医者に殺されない47の心得」(近藤誠著 アスコム)という本がすごく面白いからお前も読めよと薦められていた。ぼくは、病気や医者とか身体にいい食べ物とかの本はあまり読まないようにしていたので、放ったらかしにしておいたのだが、やたら話題になっているので手にする。

著者は、慶応大学医学部放射線学科講師(こういう人は教授にはなれませんね)で、「患者よがんと闘うな」とか「がん放置療法のすすめ」でかなり注目されていた。要するに、がんは切らずに治る、抗がん剤は効かない、健診は百害あって一利なし、がんは原則として放置したほうがいい、といった普通の医者が仰天することを言い続けていた。この本では、がんだけに限らず、今の医療そのものに警鐘を鳴らしている。

2012年の第60回菊池寛賞を受賞しているのだからトンデモ本を書いていたわけではないことが証明されたわけである。菊池寛賞って、こんなところにも授与するのですね。ぼくも、かなり医者とか病院への不信感があるので、多くの意見にうなずいていた。

言っていることを要約すると、病気の9割は、医者にかかったからといって治るわけでも、回復が早くなるわけではないので、医者や薬に頼ることはやめなさい。逆に、医者にかかったり、薬を飲んだりするほうが副作用のリスクがあったりして命を縮めるのだということだ。

そのことについて、お得意のがんのことを中心に、基準値から外れると待ってましたと薬を出すこと、しかも何種類もの薬を処方する、異常が見つかるとすぐ手術をしたがる、間違った食事療法などなど過剰な医療の実態を指摘している。内外のデータをちゃんと参照して言っているので納得してしまう。

どうしてこんなことがおきるのかというと、ぼくが思うには、医者や病院のインセンティブがどうしても過剰医療へと向かうからである。つまり、患者が増えることが自分たちの"ビジネス"にとって有利に働くわけで、ですから、健診により、患者を増やし、必要でないかもしれない手術をして手術代を稼ぎ、製薬会社と組んで薬を大量に与えることになる。今年はインフルエンザが流行らなかったから儲からなかったとよという医者がいる。

根本的にこうした"市場原理"が働く限りは近藤さんがいくら叫んでも改善されないのではないだろうか。従って、患者を増やさない、病気にしない、安易に手術はしない、薬は減らすことが、医者や病院にとって収益(必ずしもお金だけではなく)につながるような仕組みにしないとよくならないと思う。

どうしたらよいのかのヒントが先日のカンブリア宮殿というTV番組で放送されていた「青梅慶友病院」の取り組みである。「親を安心して預けられる病院」をコンセプトに、過剰な検査や治療を避け、生活面では自由に人によってはお酒も飲めるような日常を送らせるのである。この本でも似たような主張をしている。

ただし、人間は弱いから「病気の80%は医者にかかる必要がない。かかったほうがいいのが10%強、かかったために悪い結果になったのが10%弱」と言われても、いざ自分のこととなると、今の自分の病気は「かかったほうがいい10%強」だと考えしまうのである。いわゆるものは考えようというフレーミングの問題があって、そうかと近藤先生の言うとおりだと思う人もいれば、
そう言ってもほっておいたら"1割ものひと"が病気で命を落とすのだと思う人もいるということだ。

ということでぼくはかなり賛同していて、最後に出てくる「リビングウィル」を書いておこうというのを受けていつか書いておこうと思う。リビングウィルというのは、自分で説明できなくなった時の「どう死にたいかの希望のことである。少なくとも胃ろうとか人工呼吸器とかは不要と書こうと思う。
  


  

2013年7月 8日

つながる経済における実践とは(5)

■ POU(利用時点情報)で見える顧客の素顔

つながる経済の中で現在進行している大きなテーマのひとつがPOU(Point of use)なのだそうだ。情報によるサプライチェーンとデマンドチェーンの統合であるといわれる。この章のポイントは次のようになっています。

(1) モバイルデバイスの発達によって、企業と顧客の接点が、従来の店頭(POS)ではなく、消費の現場(POU)となる
(2) 顧客に密着したデバイスから、個人の履歴、嗜好など、きわめて価値が高く、かつデリケートな情報が収集され、プラットフォーム上に蓄積される
(3) 情報が蓄積されることで、情報の価値が増大する
(4) 情報を収益化するモデルが進化している

まずはPOS(Point of sales)であるが、これは1980年代にスパーやコンビニを中心に普及して、レジでバーコードを読み取る仕組みはおなじみのものですよね。店頭での販売時点での情報により、どの時間にどのくらい売れているかを知ることができるようになり、小売業にとってなくてはならないものになっています。

ところが、大きな成果を上げたこのシステムもサプライチェーンが高度化するにつれて浮かび上がった問題点が、「販売時点」は顧客の「利用時点」ではないということなのです。結局サプライチェ−ンは供給側の最適化ですから、顧客ニーズやウオンツには応えられないというわけである。このブログでも何度も言っているようにプロダクトアウト的な論理なのです。

従来ですと、顧客の利用時点の情報を取るのは大変難しかったのですが、スマートフォンのようなモバイルデバイスの登場で可能になったわけです。スマホは情報を得ると同時に情報を発信する道具でもある。もちろん、個人情報保護の問題はあるにしても、情報の質と量がものすごく変わったのだ。ビックデータの昨今のもてはやされかたはこのことなのである。こうして、情報が文脈的な意味を付与されてますます価値が出てきたのである。

こうした流れ、つまり利用者の発信情報を得ること、その情報に多くの意味が込められるようになることはコンシュマー向けのビジネスへのインパクトが大きいが、そうではないB to Bのビジネスにも少なからず変化をもたらせている。また、社内システムにおいてもこうした考え方を取り入れることを考えたらいかがでしょうか。

利用者情報というのはあまりないかもしれませんが、生成された情報に様々な意味を付随させたものにしたり、組み合わされたりして価値が増すことである。例えば、売り上げデータでも従来だとただいくらで売ったという情報しかないが、どういう売り方だったのか、定価で売ったのか、値引きしたのか、キャンペーン価格だったのかといったことである。

最後のポイントの情報を収益化するモデルについては、ターゲットマーケティングですね。あの手この手でつながりを通じて売り込みや宣伝がきます。手当たり次第にDMをおくりつけるなんていうよりは効率的ですよね。今後はますます多くの有用な情報を携えたつながりをめがけたビジネスモデルが盛んになるのでしょう。
  

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2013年7月10日

ビジネスサービスのつくり方 - 第4章 開発

■ kintoneを使ったアプリ作成手順(3)

前回は、フォームの設定というところまでいきました。設定画面には、左側にパーツが置かれ、右側のキャンバスにパーツをドラッグアンドドロップで配置すると画面ができてしまいす。ではまず、どんなパーツがあるのかを見ていきましょう。

フォームの設定.png

ラベル
フォームにテキストを追加するパーツです。フォームにタイトルを付けたり、入力項目に説明を付けたりできます。
文字列(1行)
1行のテキスト欄を追加するパーツです。このパーツで追加したテキスト欄では、テキストを改行できません。
リッチエディター
複数行のテキスト欄を追加するパーツです。
「文字列(複数行)」と異なり、フィールドに入力した文字の大きさや、色などを変更できます。
文字列(複数行)
複数行のテキスト欄を追加するパーツです。
数値
1行の数値入力欄を追加するパーツです。
計算
ほかのフィールドの値を参照して計算、または変換した値を自動入力するパーツです。
ラジオボタン
ラジオボタンのフィールドを追加するパーツです。一つだけ選択可能な選択肢項目に使用します。
チェックボックス
チェックボックスのフィールドを追加するパーツです。複数選択が可能な選択肢項目に使用します。
複数選択
複数選択が可能な選択肢のリストを追加するパーツです。
ドロップダウン
ドロップダウンリストのフィールドを追加するパーツです。一つだけ選択可能な選択肢項目に使用します。
日付
日付のフィールドを追加するパーツです。カレンダーから日付を選択できます。
時刻
時刻のフィールドを追加するパーツです
日時
日付と時刻を組み合わせたフィールドを追加するパーツです。
添付ファイル
ファイルを添付するフィールドを追加するパーツです。
リンク
Webサイトのアドレス、電話番号、またはメールアドレスを入力するフィールドを追加するパーツです。
フィールドに入力された値は、フィールドの設定に応じた種類のリンクになります。
ユーザー選択
kintoneの利用ユーザーから1人または複数人を選択するフィールドを追加するパーツです。
関連レコード一覧
ほかのアプリのデータをフォームに表示するパーツです。
ルックアップ
ルックアップ先として設定したアプリからデータをコピーするフィールドを追加するパーツです。
スペース
フォームにスペースを追加するパーツです。フィールドの表示位置の調整に使用します。
右端や下端をドラッグして、スペースのサイズを変更できます。
罫線
フォームに罫線を追加するパーツです。フィールド間の区切りに使用します。
右端をドラッグして、罫線のサイズを変更できます。
グループ
フィールドをグループ化して、グループ内のフィールドの表示/非表示を切り替えられるようにするパーツです。
フォームに配置するフィールドが多い場合に、フィールドをグループ化して、一度に表示するフィールドの数を減らせます。

だいぶ長々と説明してしまいましたが、これが多いか少ないかは、対象プロセスによりますし、どれだけ凝った画面が必要かによりますが、大方のものは工夫をしたり、ちょっとした裏技を使えばこれでできると思います。ただ、データ登録画面だからであって、オペレーション画面という捉え方をすると不十分さは否めません。これは、kintoneに限ったことではありません。業務システムのほとんどがデータ登録画面と一覧表と検索画面から成り立っていて、オペレーション用コンソール(ポータルとも違う)になっていません。これからの課題です。

パーツの中で特徴的なものに「グループ」というのがあります。これは今年の春のバージョンアップで追加されたもので、後で詳しく使い方は説明しますが、プロセスを構成するアクティビティをグループとして対応させることで表現力が格段に向上しました。折りたたみ機能もありますから、視認性もよくなって管理しやすくなりました。
  

2013年7月11日

適用領域の適正化がものすごく大事なこと(その2)

前回5W1Hの中のWhereが意外と重要であるという指摘をした。今議論していることとか、問題となっているのはどこの領域のことなのかをはっきりさせないと噛み合わなかったり、あらぬ方向に行ったりする。それで最後は好き嫌いの話になって、とにかく嫌いだからでジエンドである。

前回も体罰に関する話を書いたが、こうした問題にはしょっちゅう出くわす。大体において議論になっていることはこの適用域の共有が曖昧になっていることが多い。特に日本人はどうもはっきりさせることに熱心ではない。最初にどこの話であって、そこでの前提条件や事実認識を共有しておけばほとんど解決してしまうような議論を延々とやる。

ITの世界でもご多分に漏れず同様の咬み合わない議論をみかける。よくあるのは、バズワードであるが、流行り言葉をすぐ鵜呑みにしてしまう。これも往々にして、適用域の問題が潜んでいる。みんながワーワー騒ぐとなんでもいいから受け入れてしまって、使い物にならないなんてはめに陥る。

だから、話題になったものは冷静にどこに適用すべきものかをきちんと判断してから採用しなくてはいけない。提供側はなんでもできます、どこにでも使えますと万能薬的謳い文句をいうので踊らされないようにしたいものだ。

例えば、ITの世界で言えば、今の流行りだとビッグデータというやつである。確かに、情報量の非常に多いデータが大量に入手でき、好きなようにハンドリングできるようになったことはすごいことだと思うのだが、そんなビッグなデータを必要としているのはどこの会社、あるいは機関なのだろうか。

少なくともBtoBのビジネスをやっているところでは必要ないだろう。不特定多数の消費者を抱えているようなところであって、たいしたデータ量でないところにビックデータと言っても意味がない。それと、ビックデータを溜めておくだけでは何もならないので、それを解析すべきニーズがあるのかということである。

ちょっと前では、クラウドというのがあった。今はさすがに落ち着いてきたと思うが、まだ何が何でもクラウドでというケースもある。プライベートクラウドなんていう変なことを標榜する向きもあるが、そんなものは自前のものでやればいいじゃんと突っ込みたくなる。

繰り返すが、向き不向きとか相性とかは必ずあるわけで、それは適用域の適正化をきちんと考えるということにつながる。この見極めが非常に大切であるのだが、そのために必要なことはものごとを概念化、構造化できているのかということに尽きる。構造化できていないものにエリアを特定しようにもできないからである。ビジネスITでもどこの業務領域にどんなITを導入するのかを見ていかなくてはいけない。この話は次回に。
  

2013年7月12日

天地明察

冲方丁原作の時代小説を映画化した「天地明察」を観る。監督が「おくりびと」の滝田洋二郎。実話であり原作もしっかりして、監督も実績のある人となると安定した作品を保証されているようなものだ。主演もこのところだいぶ評価されるようになったV6の岡田准一で、共演が宮崎あおいとくれば、これまた平均点以上の出来栄えは約束される。果たして、予想通りの出来ばえであるが、突き抜ける面白さはやはり無理である。
江戸時代の初期に日本独自の暦を作った安井算哲(後の渋川春海)の半生を描いたものである。不勉強でよく知らなかったのだが、埋もれた昔の偉大な人たちが多くいるのだろう。改めて日本人の足跡に敬意を評したくなる。原作は2010年の本屋大賞を受賞したもので、多くの読者を魅了したのもうなずける。
安井算哲(岡田准一)は、囲碁打ちとして徳川家に仕えているが、算術や天文学にも優れた才能を持っていた。星の観測と算術を解いていれば満足といった今でいうオタクである。そんな算哲を見込んで、徳川家綱の後見人である会津藩主保科正之(松本幸四郎)はある命を出す。それは、今使われている暦にずれが生じているので、それに変わる新しい暦を作れというのである。
ところが、天体の観測機器などない時代だから簡単な話ではないのだ。それは、足で稼ぐしかない。膨大な時間と労力で観測し続けることになる。それと同時に、当時は暦というのは公家のテリトリーであったのだ。すなわち、吉凶を占ったりも暦がベースで、当然利権が絡み、それを握っているのが朝廷であったから、改暦するとうことは幕府が調停に弓を引く行為とみなされるのである。
どうもこのあたりになると、現代に通じるような話になる。既得権益を死守しようとする守旧派とそれを打ち破ろうとする改革派の戦いというわけである。ところが、旧弊を打破するということは並大抵のことではなく、算哲も何度も挫折するのであるが、そこはそれいつの時代でも愛する妻と周囲のサポーターに励まされて、大願が成就するという結末である。
よくある成功譚ではあるが、素直に感動する。打算のない一途に突き詰める姿は応援したくなるし、うまくいけと祈ってしまう。映画の良さのひとつはこうした成功物語でそれをみて、ぼくも私も明日からがんばろうとなる気持ちを抱かせることだろう。それにしても、宮崎あおいがいいポジション(夫を支えるけなげな妻)を定着さてせたなあ。
  
天地明察.jpg

2013年7月13日

くすり

先日、朝日新聞の1面に「製薬大手社員、臨床論文に不適切関与 研究の中立に問題」という記事が出て驚かれた方もいると思います。記事の内容は、「製薬大手ノバルティスは社員が高血圧治療薬ディオバン(一般名・バルサルタン)の効果を調べる臨床研究に関与しながら、論文には社員の身分を明示しなかったとする社内調査報告をまとめた」というものである。

この研究報告は、もちろん高圧剤だから血圧を下げる効果はあるのが、それに加えて、脳梗塞や脳卒中、狭心症にも効くという副次効果を捏造したということが問題となったものである。京都府立医大などの大学に対して研究員を送り込んだり、研究資金の援助を行なっていたわけで、自社の製品に有利になるようなウソの臨床データを論文に書かせた疑いがある。

なぜ、こんなことを書くのかというと、ぼくはずっとこの薬を飲んでいたからである。もかれこれ15年くらい飲み続けている。ぼくが飲んでいるくらいだから、多くの人が飲んでいるようで、売上高1000億円というからびっくりする。

「医者に殺されない47の心得」の近藤誠さんによれば、長い間、最高血圧の基準は160mmHgだったのが、2000年には140に、2008年には130まで引き下げられたのだという。これでは、高血圧患者が大幅に増えて薬品業界はホクホクだったわけです。この20年間で売上がなんと6倍にも伸びた。もう降圧剤は製薬会社にとってドル箱なのである。

そうなると多くの薬が参入してくるから、差別化をしなくてはいけないというプレッシャーでむりやり副次効果を宣伝するという愚挙にでたのだろう。ただ、これで過剰反応してはいけないと思う。別に血圧を下げるという本来の効能については捏造したわけではないからである。

ぼくは、だいぶ前にこのデータ捏造のことを知った時にかかりつけの医者に話したら、先生がそれでは薬を替えますかと言われたが、これまでこの薬で下げてきたのだから、今更替える必要はないでしょうと言った。だいいち、そんな余分な効能があるからというので選んだわけではないからである。

それよりも、最近血圧がぜんぜん上がらなくなった。昨日も医者に行って測ったら、上が110 で下が70だった。どうも考えるに、これは降圧剤のせいではないのではないだろうか。ぼくの血圧が上がってきたのは、ちょうど会社でより責任ある立場になって、毎日仕事が忙しかったときだった。それで薬を飲みだして、どうにか高め安定を保っていたのである。

ところが、会社を辞めてある意味自分の好きなように仕事をし、通勤電車地獄もなく、酒の量も格段に減ってくるとみるみる下がってきて、薬の量も減ってディオバン1日1錠になったのである。だから、もう薬ではなく"ストレスを減らすこと"が一番の特効薬であって、それにはあらゆる副次効果もあるのである。薬を辞めたいのだが、降圧剤は辞めるとあぶないというが、これも医者と製薬会社の陰謀かもしれない。
  

2013年7月14日

勝ったぞ

いよいよ、全国高校サッカー選手権の神奈川県予選が始まった。昨年、わが湘南高校は一昨年とベスト16どまりだったので今年は是非その壁を突破して、全国大会出場を果たしてほしい。ところが、今年の総体予選の初戦で慶応高校に負けてしまった。慶応はベスト4まで行ったので強いことは強かったのだが惜しいことをした。

ということで神奈川県の場合、この総体予選の結果でシードが決まるので、今年は一次予選からの戦いとなった。昨年はベスト16だったので選手権予選は2次トーナメントの9月からの登場だから、随分と早い。しかも、4回も勝たないと2次トーナメントに進めないという過酷さである。神奈川県は2校の出場枠にしてほしい。

さて、今年は強豪校が総体予選で負けてしまい群雄割拠といった様相でどこが勝ってもおかしくないほどである。常連の桐蔭、桐光や昨年の全国総体優勝の三浦学苑も大して強くないのだ。だから、1回戦からしんどい戦いが続く。ぼくらの時代から較べると格段に学校数が増えて、かつレベルが向上するとともに学校差がなくなっている。サッカースクールで小さい時からやっている子が多いからだろう。

今日の試合相手は川崎北高校である。県のU−18リーグでもいい戦いをしているチームでいきなり難敵である。立ち上がりから押される。相手の技術の高さと球離れの良さで支配される。湘南はボールを奪ってもつながらないので単発的な攻撃で、ただボールを蹴っているだけで、さらにセカンドボールも相手にとられるので打つ手なしというまずい試合運びになる。

しかし、サッカーはおもしろいもので、こんな時に一発で入ってしまうことがある。前半の半ばにバックスからゴール前にクロスを上げると背の高いトップの頭に当たったという感じでゴールイン。これで、勢いに乗るかと思われたが中盤でフリーにする場面が増え、うまくスルーパスを通され同点に追いつかれて前半を終える。

後半に入ると、フォワードにスピードとテクニックのある選手を投入したので、ボールが収まるようになる。そうするとバックスの裏をつくようなパスも見られるようになり、川崎北の1点目と同じように右サイド奥深く切り込んだセンターリングをシュートするとキーパーがはじきそれを押し込んで再びリードする。

ところが、その直後にセットプレーのゴール前の混戦で同点にされる。リードするもすぐに追いつかれる展開で嫌な予感が走る。ところが、試合終了5分前に逆襲から左サイドにボールを流すと相手バックスを振り切り、ゴール左上隅に決める。これが決勝点となり、3−2でかろうじて初戦を突破する。相手のキーパーが弱かった面もあるが、劣勢の中で少ないチャンスをものにする決定力はたいしたものだ。

さあ、来週はいよいよ向上高校戦だ。いったいどういう巡り合わせかしらないが、3年連続の対戦となる。これまではベスト16で当たっていずれも苦汁をなめさせられた因縁の相手である。ただ、今年はU--18のリーグで勝っているので、これまでの鬱憤を晴らすような勝利を期待している。がんばれ。
  

2013年7月15日

男の貌

経済小説や企業小説の第一人者である高杉良が取材などを通して知り合った経営者から、これぞ経営者という人たち、逆に、その器ではなかったといった論評を記した「男の貌(かお)」(新潮新書)を読む。リーダ不在と言われている現代を嘆いている。

高杉良は、元石油化学系の業界紙の記者だったので、そっちの会社に勤めていたぼくとしては昔から間接的にではあるが知っていた。割りとずけずけと斬りこむタイプで、経営者にも平気でものを言っていた。だから、人によっては生意気だとか、嫌なやつだとか言われた節もある。まあ、どこの業界紙の記者も似たり寄ったりだったようだ。

そして、1975年に作家としてデビューする。ぼくは、関係が深い業界のことを書いた小説を手に取ることになる。最も印象的だったのが「小説日本興業銀行」で、身近な経営者のことや会社設立のことなどが載っていたので興味深く読んだものだ。その他「炎の経営者」とか「生命燃ゆ」(昭和電工の大分コンビナートの建設の話で、自分の命が病気で残りわずかであるにもかかわらず、コンビナート完成に命をかけた技術者を描いている)を感動して読んだものだ。

著者が敬愛する経営者として3人が登場する。「小説日本興業銀行」に描かれた中山素平(日本興業銀行・特別顧問)、「燃ゆる時」の主人公森和夫(東洋水産・創業者)、そして「炎の経営者」の八谷泰造(日本触媒・創業者)の3人である。「燃ゆる時」は読んでいないのだが、著者はこの3人には思い入れがあるようで非常に好意的に扱っている。だからこそ、小説の主人公にしたのだろうが。

一方で、悪くいう経営者も登場させている。住友銀行の磯田一郎、三越の岡田茂、日産自動車の組合にいた塩路一郎、日経新聞の鶴田卓彦、武富士の武井保雄といった面々である。噂では聞いたがやはり問題を起こすような人間は経営者としては失格なのであろう。ただ、著者は悪を主役にはしないという信念がるということで、彼らは反面教師的な役回りにしている。

最後に経営者の資質とは何かと問うて、それは「勁さ」と「優しさ」だと言っている。初めの「勁さ」は見慣れない漢字ですが「つよさ」と読みます。意味は、辞書には「ぴんと張りつめてつよい」とある。「強い」が真っ直ぐで強い感じですが、「勁い」は柔らかだけれど強いという感じのようです。何だか「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない」というフィリップ・マーロウのセリフみたいですね。
ただ、昔の名経営者を持ち出すのもいいのだけれど、彼らは戦後の激動期にしがらみや先輩がいなくなった時に一から会社を興した話だから、回顧趣味的な風情もある。現代がリーダ不在だからといって、過去の成功体験を持ってくるのもひっかかる。自民党の"日本を取り戻す"調はもういいのではないだろうか。
  

男の貌: 私の出会った経営者たち (新潮新書)
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2013年7月18日

ビジネスサービスのつくり方 - 第4章 開発

■ kintoneを使ったアプリ作成手順(4)

前回は、各パーツの説明をしました。フォームの設定では、これらのパーツをドラッグアンドドロップで配置していきます。例えば、案件名だと文字列(1行)を置いて設定で「案件名」というフィールド名にしておけばよいですし、いつ受付けたかを登録するのであれば日付のパーツを置き「受付日」という名前にしておきます。

また、選択するような場合には、一つしか選べないのか、複数でもいいのか、候補の中から選ぶようにするのかといったことを勘案して、ラジオボタン、チェックボックス、ドロップダウンを配置していきます。このあたりは、別の機会に実際にアプリを作りながら説明していきます。


setteigamen.bmp


フォームの設定が終わると、一覧の追加に行きます。Webデータベースは基本的には、データの登録画面と一覧画面から成っています。フォームの設定でデータ登録画面を生成すると、その登録されたデータを一覧形式でみれるように設計します。一覧画面を作るためには一覧の追加をクリックします。次のような画面が現れます。

一覧追加.png

まずは、一覧名を適当につけます。案件一覧とか、受注一覧とかいったものです。次に、レコード一覧の表示形式を表形式とカレンダー形式のどちらかを選択します。カレンダー形式というのは文字通りカレンダーが出てきて、その日付にデータを表示するもので、例えば、納期を表示できるようにするとかといった使い方になります。ただ、多くは表形式となりますのでそれで説明します。

この画面を開いた時点で、フォームの設定で配置されたフィールドが出てきますので、一覧表の横に並ぶ項目として設定します。これもドラッグアンドドロップで簡単に配置することができます。また、一覧表に表示するレコードの絞り込みもできますので、その条件を設定しておくと、ある特定のグルーピングで表示することもできます。

この表はいくつも作ることが可能ですので、見たい切り口に沿ってフィールドを選択することになります。プロセス中心のアプローチでは、マクロプロセスとして、進捗管理ができることが大事なので、この一覧表を利用することになります。案件の意思決定のステータスを時系列(プロセス順序)に並べておくと、どこまで進んだのかといった進捗管理が可能になります。
  

2013年7月16日

つながる経済における実践とは(6)

■ 見せてもらえる特権

つながる経済の進展は、否応なしにプライバシーという問題が浮かび上がってきます。前回出てきたPOSからPOUへの流れも、個人がいつどこで買ったかだけではなく、自分の行動様式のようなものまで記録されてしまう状況を生んでいます。普段見ているWebサイトの広告にぼくのことを知っているに違いないと思えるものが表示されていて気持ち悪くなったこともあります。第6章はこんなまとめになっています。

(1) つながりの中で、個人に密着した情報を活用したサービスサービスを提供しようとすると、プライバシー問題の解決が課題となる
(2) データの匿名化、自己コントロール権を尊重したシステム設計などの対応を進めることになる
(3) 最終的には、企業と顧客の間の信頼関係が重要となる。顧客に信じてもらえて、見せてもらえる特権をもらった企業が強い。特権をもらうためには顧客の側にたって行動した実績が重要となる

ここに出てくる「データの匿名化」というのは、個々のデータについてそれが誰のものであるか分からないようにしながら蓄積する手法です。ただ仮名にしたところで、元は固有名詞に紐付いたデータもあるのでそこを本当に引き剥がせてくれたのかがわからないということはあると思う。

そこで、自己コントロール権という概念が重要になってきます。個人がさまざまなデータベースに登録された自分についての情報に対して、少なくとも知る権利を有し、どういう目的に使われるかをコントロールする権利があるという考え方です。いま話題のマイナンバー制などもこの権利が大事になってくるのではないでしょうか。

これからのビジネスを考えると最後の「信頼が資産」であるというのが重要なポイントです。これまで、あまり意識せずに銀行やクレジットカード会社、携帯電話会社に個人情報を預けてきましたが、それは彼らが信頼できると思ったからです。ところが、近頃ではさらに様々な領域で個人データの提示をもとめられるようになってきました。また、個人情報がネットにさらされるようになり、プライバシーの侵害やなりすましなどの被害が出ています。

先日実際に経験したのですが、クレジット会社を信頼していたところで、クレジットの不正使用は防げないということがありました。怖い時代です。こうした、危険な世界を泳いでいくには、結局は信頼関係の絆をどう構築できるかであろう。それも、顧客が企業を選択する時代になったのである。いかに「信頼されて見せてもらえる」事業者になれるかが競争上のポイントになってきている。

ということは、顧客要求をただ一方的に聞いて、内部で仕様を決めたり、設計するような仕掛けではなく、顧客と一緒になって仕様決めや設計を行なっていくような業務システムが望まれている時代なのである。製品開発にしても、アイデア出しからコンセプトまでコラボレーションを主体にした創造プロセスの構築が重要になってくるのではないでしょうか。
 

ソーシャルな資本主義
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2013年7月17日

星の旅人たち

親が子を先に失うのはつらいものである。ぼくの母親もいつも"逆さを見る"のはつらいものだと言っている。だからお前は体に気を付けて長生きしろよという。しかし、いくら気をつけていても事故で失うことはある。「星の旅人たち」は、息子のダニエルを失ったトム(マーチン・シーン)が、スペイン北部のキリスト教巡礼地を旅する物語である。

ダニエルは、その巡礼地を旅している途中のピレネー山脈で嵐にあって急死したのである。トムはその息子の遺志を継ぎ、息子の代わりに旅するのである。その巡礼地というのはサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路と呼ばれるもので、おもにフランス各地からピレネー山脈を経由しスペイン北部を通る道のことだそうだ。サンティアゴ・デ・コンポステーラは、聖ヤコブの遺骸ガあるとされ、ローマ、エルサレムと並んでキリスト教の三大巡礼地に数えられているのだそうだ。知らなかったが、さしずめ、四国八十八ヶ所を巡るお遍路さんのようなものなのだろうか。
そこには世界中から何かの悩みだとか、克服すべきことだとかを抱えている人々がやってくる。トムは息子が何ゆえ巡礼のたびに出たかを知りたくて歩き出すのだ。ですから、途中で、夫のDVに苦しんだサラ(デボラ・カーラ・アンガー)や不調に陥った旅行ライターのジャック(ジェーム ズ・ネスビット)やダイエット中のヨスト(ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲンらと出会う。

トムはダニエルの遺灰を背負い800kmの道のりをところどころで灰を巻きながら歩くので不思議がっていた同行者も息子の遺灰で、亡くした息子が何を考えていたかを知りたいという動機を察することとなる。ただトムは最初、彼らを受け入れられないのだが、徐々に打ち解けてそれぞれの抱えている悩みなどを聞くと同時に息子がなぜ巡礼にきたのかも理解できるようになってくる。
典型的なロードムービーなのであるが、スペインの美しい風景とともに、その旅のなかで人とふれあい、そして自分の心の動きをみつめることで様々なことに折り合いをつけていく様は単なるロードムービー以上の感銘を与えてくれる。それとけっして、宗教臭いこともなく、キリスト教徒ではないぼくにとって違和感なく受け入れられる映画である。
監督がエミリオ・エステヴェスで、主演の父親トムを演じたマーチン・シーンの長男なのである。マーチン・シーンの静かで落ち着きのある演技が素晴らしいの一言なのだが、それを引き出したのが息子であるという映画の親子を想起させられるようだ。父親と息子が作った父親と息子の物語は優れたものになった。
  
星の旅人.jpg
  

2013年7月19日

プロセスとデータ

プロセス中心とか、プロセス先行とか言っているとデータをおろさかにしているとつい誤解される。別に、プロセスだからそれだけを議論しているわけではない。何を中心にあるいは先行して考えるのかという点で軸足が違うだけで、もちろん両方とも必要である。しかも、それだけではなく他にもルールだとかロールだとか必要な要素がある。

そこで、つらつら見ていくと何がいったい中心なのかだが、親子関係というか、どちらがどちらを包含しているかを考えてみる。つまり、プロセスの構成要素としてデータがあるのか、データの構成要素としてプロセスがあるのかになる。これだと明らかにプロセスの中にデータがあるというふうに見て取れる。

プロセスの概念の方が大きいのである。だからプロセス中心、プロセス先行で見たほうがいいと言っている。なぜならば、業務システムをつくるのだから、いかにビジネス要求を実現できるか、その受け皿として機能するのかということが必要だからである。戦略とか方針だとか、ビジネスモデルといった大き枠から落ちて来るものを受けるには、それなりの抽象度の高さがいるというわけである。

プロセスを先行させるということは、アクティビティの並びを書いていくことになるのだが、アクティビティの中身、すなわちその構成要素は何かというと、確定データ、付帯情報、業務ルール、参照情報、ロールといったものです。そうなんです、ここでデータが出てきます。いわばエンティティを表現しているわけです。

これらをまとめて表にしたものを「プロセス要素表」としていますが、ER図に近いのではないかと思っています。昔DOAで佐藤正美さんの「T字形ER」手法というのを使って、製造・品質管理・物流システムを開発したことがあるが、その時教えてもらったER図の書き方は、上にイベント系のエンティティ、下にリソース系のエンティティを置いて、イベント系は時系列に並べろというのであった。

これって、プロセスを書いていることではなかったかと思っています。リソースデータを使って、または参照して、イベントデータを生成して、それを順番に進めるイメージです。さらにデータの正規化をするのですが、プロセスの正規化をすれば自然とできてしまうのではないでしょうか。プロセスの正規化というのも大事なような気がします。似て非なるプロセスを各事業部で使っているなんて非効率的です。

素人的な発想と理解ですから間違っているかもしれませんが、少なくともビジネスサイドの人の理解という意味では、プロセス中心、プロセス先行の方がわかりやすいと思います。データ中心だとどうしてもITシステムをどう作るかという見方になってしまい、業務オペレーションをどうやるか、すなわち、システムをどう使うという視点が薄くなるような気がするのです。そういえば最近はDOAって言葉を聞かないなあ。
  

2013年7月20日

Kintoneバージョンアップ

サイボウズ社が提供する「kintone」がバージョンアップした。今回の主な機能アップは、「スペース・ゲストスペース」と「JavaScriptカスタマイズ」である。この2つの機能は以前から欲しかったもので、これでだいぶ充実してきた。青野社長は「年内には、米Salesforce.comの契約者数に追い付くと予想している」と意気込んでいるが、なかなかいいんじゃないですか。

ぼくは、プロセス志向の業務アプリプラットフォームとしてこれを選定していて、実際にもコンサルとして関係している会社で使っています。当初は、標準的なWebデータベースでしたが、簡単に画面ができるというところと、コミュニケーションを取り入れたチーム業務に狙いを定めてきているのが非常にすばらしいと思う。サイボウズ社自体の働き方も先進的だし、そうした新しい時代の働き方に合った道具になるといい。

前回の3月のバージョンアップでもグループ機能が追加されて、プロセスオペレーションが表現しやすくなったのに続き、今度は「ゲストスペース」で企業間連携が非常にやりやすくなった。昨年、修理サービスのプロセスをkintoneで構築したのだが、そのとき修理するのを製造元ではなくサービス会社にお願いするとかその逆とかがあって、その連絡とかが錯綜するよねみたいな話があった。そんなことはこれで解決してしまう。

また、今や一社でなんでもやる時代ではなくなってきて、設計と製造を分けるとか、それも海外の会社と連携してなんてことがあたりまえになってきつつある。そんなとき、いちいちメールや電話でやり取りなんてしていたら、正確さと速さが失われる。さらに、よくある話として、注文がFAXで飛んできてそれをまた受注受付に再入力しているなんてこともやっている。これもEDIなんてじゃなくて直接注文を打ってもらえばいいのだ。

こうした協業オペレーションを同じシステム上でやれるわけだから相当な業務効率の向上になるように思う。いや効率化だけではなく、質的な向上や創造性といったものも期待できるのではないでしょうか。

もう一つの「JavaScriptカスタマイズ」は、これも会社の業務と同様に一つの業務アプリでなんでもできるわけではない。そうなると、他システムとの連携やデータの取得などが必須になってくる。また、ぼくが言っている「プロセス要素」にある参照情報とか業務ルールを取得するのに今まではリンクするしかなかったのがこれで何でもできるようになりそうだ。

さらに、UIもよくなりそうだ。例えばプロセス進捗一覧にステータス表示をするのだが、「作成中」とか「完了」とか言葉だけで表現していたのが、これの色を変えてよねと言っていたのがやっとできるようになった。完了したら赤になったりすればわかりやすくなる。

「Kintone」が進化したぞ、すごい。ぼくが以前から言っていたパラダイムが変わってきていること、すなわち、データ中心からプロセス中心へ、作ることから使うこと、個人的ワークスペースから協同的ワークスペースという流れに沿ったものになっている。となるとますます、従来のようなデータ登録システムを作っていてはだめで、本当に使うのが楽しくなるようなオペレーション発想の業務アプリを作らないとせっかくの機能が宝の持ち腐れになってしまう。
  

2013年7月21日

サッカー二題、そして選挙

昨日は、全国高校サッカー選手権神奈川県一次予選の2回戦でわが湘南高校は向上高校を3−2破りました。対戦相手の向上高校とは因縁の対決で、昨年、一昨年とベスト16で対戦していずれも敗退の憂き目にあっています。昨年は、向上高校はスト4まで進出したのです。

ですから何と3年連続で立ちはだかってきたわけです。前はシード同士で争ったのですが、今年はシードを決める高校総体予選で両校とも早々と負けてしまったので一次予選からのスタートとなったのですが、その1次予選でまた当たるとは何というめぐりあわせでしょうか。

雪辱に燃える今年は立ち上がりから湘南のペースで進め。1回戦の川崎北高校戦では、なかなかボールを支配できなかったのですが、昨日は走れる選手にメンバーを変えたのでセカンドボールの奪取やパス交換もうまくいって優位に立つ。そうなると、始まってすぐに左サイド奥深く切り込んでセンターリングを頭で先取点を入れる。さらに前半30分にはコーナーキックからこぼれたボールをバックスが決めて2−0で前半を折り返す理想的な展開となる。

後半に入っても湘南の主導権は変わらず、17分にまたもや左からえぐり中央へ流し、走りこんだ中盤の選手が決めて3−0になり、これで勝負は決したかにみえたが、そうは簡単に行かないのがサッカーである。その後すぐの20分に相手をフリーにした瞬間にミドルシュートを決められる。

さてそうなると高校生では浮き足立ってしまうのだ。まだ2点もリードしているのだから、落ち着いてやればいいのに慌ててしまう。30分には、セットプレーか押し込まれてしまい1点差に迫られる。このチームはどうもセットプレーに自信をなくしていて、いつもひやひやさせられる。昨日もバタバタして得点を許す。そして、なんとか凌ぎ切って勝利するが試合運びをもう少し何とかしないといけないのだが、まあこうして勝っていくことで学んでいくのだろう。

1、2回戦が強豪だったのでこのあとの3、4回戦は比較的楽な相手となるがぜひ油断せずに勝ち上がってほしい。この年代は、試合ごとに成長していくものだから、こうしてシードではなく1次予選から試合を重ねることはかえっていいことなのかもしれない。

さて、昨日から東アジアカップが始まった。男女同時に開催なので、ザックジャパンとなでしこが一緒に登場する。皮切りは、女子の対中国戦である。昔は女子サッカーでは中国が強かったのだが、何しろ今では日本が世界チャンピオンだから立場が逆転した。昨日も、明らかに力の差があったのだが、まだなでしこは本調子とは遠い感じがする。

大儀見のアシストから前半は安藤、後半は中島がゴールを決めて貫禄勝ちだったが、足が止まった相手(何人もの選手が足をつっていた)に対して、鋭くえぐるような場面もなくて、これではアメリカやドイツには勝てない。大儀見の成長はいいのだが、新しいメンバーの斬新なパフォーマンスが刺激となるような状況を作り出さないと停滞してしまいそうだ。

今日は、男子の登場であるが、海外勢を呼ばないので国内組だけでどんな布陣で戦うのかはわからないが、さっきなでしこのところでも指摘しあように、固定化された代表メンバーを脅かすような存在を作らないといけないので大事な他大会になると思う。ぼくは、個人的には柿谷、豊田、高萩あたりが注目である。

さて今日は参議院選挙である。今から投票に出かけるが、今回の選挙は盛り上がらないなあ。ネット選挙解禁というけど、別にネットで投票できるわけでもないし、ただSNSで候補者や政党の主張を見て聞いてするだけなので、これまでとそう大差はないように感じる。ぼくは、TwitterもFacebookもアカウントは持っているがほとんど見ないし、見に行こうとは思わないので選挙の情報には触れていない。

だいいち、いつも言っているのだが、公約らしきものがおかしいし、全部の公約に賛成できないものもあるので困ってしまうのだ。どこやらの政党のように「生活を守る」って言うけど。そんな当たり前のことを言ったところで、生活を守らないなんて言っている政党はいないのだから変な話である。どういう生活にしたいのか、どうやって生活を守るのかを示してくれないといけない。

今回は特に論点が見えないのでどこの誰に入れたらいいのか迷ってしまう。つまり、いまやはっきりした対立軸が見えにくい時代で、従って、この政党のこの公約は賛成だが、もうひとつは反対で、そこは別の政党の主張が気に入っているというように考える人も多いのではないだろうか。こうした場合どうしますか?これからのネット選挙は、政策選択で投票できるようにならないものだろうか。すなわち、人を選ぶのだがそれとともに支持された政策の得票率もわかるようにするのだ。無理かなあ。さて、予想通り自民党の圧勝となるのだろうか。
  

2013年7月22日

またまた選挙とサッカー

昨日の参議院選挙は予想通り、与党自民・公明が圧勝した。逆に民主党の惨敗が浮き彫りになった。これで衆参のねじれが解消され決められる政治が動き出すのだろうか。野党の力が弱くなったから自民の独走が起きるというのも今の時代では考えられないのではないだろうか。なぜなら、今回初めてのネット選挙でネットでの民意の影響力が大きくなる可能性があるからである。

政治が変な方向に行きだすとネットでそれを引き戻す力学が働き選挙でまた痛い目に会うことが起こるようになるのではないでしょうか。その証拠に反対の意味で驚いたのは、東京で山本太郎が当選したことである。おそらくネットの時代だからこそ当選したと思う。デマをまき散らし、競争相手を誹謗して、主婦や弱者と呼ばれる人々を扇動して、あれだけの票を獲得してしまう。

山本太郎の選挙で思ったのは、政策がなくても気分の扇動的拡散だけで行けてしまうことだ。彼の政策は、反原発、反TPP、反貧困である。これって政策?反対してその先どうなるのかを示さないと政策とはいえない。放射能が怖い、食料が危ない、高い医療費をとられる、過労で死んでいくといった、デマに近い発言で危険を煽るとかなりの有権者が賛同してしまうのだ。気持ち悪い。悪徳商法の常套手段であるが、政治はビジネスではない。

もう過去のことになったのか知らないが、マニフェストという言葉を聞くことがなくなった。民主党の体たらくの結果なのだが、だからといってちゃんとした政策論争をしないというのは筋違いである。反なんとかではないまっとうな政策をみんなが吟味することが必要だ。しかしながら、問題はそうした政策の支持、不支持を表明することが今の選挙ではできないことで、昨日も書いたが、反原発でもTPPには賛成、あるいはその逆という人もいるはずである。

だから、あなたを支持するがそのうちこの政策には反対であるというのがわかるように、ネット投票にして、政策にラジオボタンを付けて選ぶようにしたらどうだろうか。そうすれば、鹿児島で当選したTPP絶対反対の自民党の尾辻秀久がどういった支持を受けていたか知ることができる。特に参議院は衆議院と違って、もう少し中長期的で全体バランスを考えた政治家が欲しいはずである。

さて、盛り上がらない選挙の開票番組の途中で全英オープンの映像が入るという状態だったので、もちろんサッカーの東アジアカップの中継を見る。今回は海外組が招集されていないのでJリーグ勢だけで戦う。初戦の相手は中国である。前回の優勝チームとはいえ格下相手なので勝利を期待する。

結果は3−3のドローである。前半早々に栗原がペナルティエリアで相手FW の切り返しについていけずPKを献上する。みんながふわっと入った感じであっという間のできごとであった。それから徐々にペースを取り戻し、前半で追いつく。後半も柿谷のゴールとアシストで3−1とリードし、これで楽勝かと思われた時、またもやPKを取られて1点差に迫られるともういけない。バタバタになる。さらに左からのセンターリングをボレーで決められ同点にされる。

3−1までは良い感じできたのに、1点返されると途端に浮き足立ってしまう。これを見ていて、おいおい高校生の試合と同じじゃないかと思う。なんというか、試合をコントロールできないというか、ボクシングじゃないが、ラッキーパンチを当てられ、相手が急に勢いずいてきた時まともに撃ち合ったり、ロープを背にしたりしたらだめなのだ。出鼻をジャブで止めたり、ウイービングやダッキングでかわし、時にはクリンチで逃げるといったことである。

まあ、昨日のチーム合同練習を2日しかやっていないようなので難しいかもしれないが、普段からJリーグでもこうした駆け引きをあまりやっていないからだろう。コンフェデのときも指摘されていたところで日本チームの弱点です。手っ取り早いのは、デフェンダーの個人能力を高めるか、高い能力の選手を発掘するんですね。次戦のオーストラリア戦はぜひ大人の戦いを見せてほしい
  

2013年7月23日

騎手の一分

ぼくは、今はギャンブルというものはやらない。麻雀、パチンコ、競輪、競馬、宝くじ、totoどれもやらない。若い頃はそれなりにのめり込んだこともあったが、結婚してからはほとんどやめていた。ところが、下の息子が中学生の時に一時競馬場通いを始めた。

なぜと思われるかと思いますが、その中学生と一緒に府中や中山に行ったのである。覚えている方もいると思いますが、ファミコンで「ダービースタリオン」(通称ダビスタ)というのが流行りました。息子はなぜかそれに夢中になってしまいました。さらにびっくりしたのは将来騎手になると言い出したのだ。

日曜日になると、競馬エイトを買って赤鉛筆を耳にさした中学生が電車の中で予想を始める。そして馬券は買えないのでぼくが代わりに買ってくるのである。馬券はパドックで馬の状態を見てから最終的に買うのだからプロみたいだった。さすがに背が伸びすぎて(今は185cmある)騎手になるのは諦めたのだが、今もしっかかりと当てている。

だいぶ前置きが長くなったが、「騎士の一分」(講談社現代新書)である。藤田伸二という現役の騎士が書いた本である。1972年生まれだから41歳である。武豊の3つ年下だが、もうベテランで、そろそろ引退を考えていてこの本を書いたのだという。だから、未練もそうないので言いたいことを吐き出した本音トークの感じである。だから面白い。

ただ、騎手仲間のことや調教師、馬主のことを歯に衣を着せぬきついことを言っているのだが、けっして彼らが憎くていっているのではなく、最終的な非難の先はJRAだ。つまり、JRAの体質や制度が悪いのだという。その一番の問題はエージェント制のようだ。武豊が最近勝てなくなったのはなぜかという理由がそこにあるという。

エージェント制というのは、騎手の騎乗馬選択を行う人をJRAに届けなくては行けない制度で、契約を結んだ騎手の代理として、馬主や調教師から騎乗依頼を受けつつ、その騎手の騎乗馬を調整するというものである。エージェントの多くは競馬新聞の記者だという。結局、著者も言うように競馬に勝てるかはいかに強い馬に乗れるかだから、それをエージェントが仕切っているので、騎手とエージェントの関係で決まってしまうようなところがある。

この制度が始まったのが2006年からで、武豊は2005年に212勝したがこれがピークであとは右肩下がりなのだ。こうした制度をほったらかしにしているJRAがけしからんと怒っている。それとか、すぐに外人騎手を乗せるとか調整ルームなんかいらないといったことも槍玉に挙げている。

藤田伸二は見たらわかると思うが茶髪でピアスをして刺青までしているやんちゃな姿は騎手の中では異端である。ところが、外見とは違って、特別模範騎手賞とか、フェアプレー賞とかをもらっているし、厩務員さんたちなどに気を使うやさしさを持ち合わせている。仲間の騎手たち、特に若手への厳しい評価も愛のムチといったところである。こうした職人さん気質もだんだん無くなっていくのだろうか。他にも面白い話満載で、競馬を知らない人でも楽しめる本だ。
  

騎手の一分――競馬界の真実 (講談社現代新書)
藤田 伸二
講談社
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2013年7月24日

もし、見積システムを作ってと言われたらどうしますか?

システム開発のための要求工学とか要件定義技法とか、実装方法とかあるわけですが、それがどうであれ、単純に「見積システム」を作ってくれといわれたいったいどうしますか? どこかからパッケージかテンプレートを持ってくればいいじゃんというのは抜きにして考えてください。

さて、最初にどういうことを思いつくのでしょうか。見積書の帳票イメージが浮かぶかもしれません。そのための登録画面を思いつくかもしれません。でもWebサイトで見積してしまえば帳票要らないなあとか、登録画面からボタンを押すと見積書を自動作成したらいいかもとかも頭のなかを駆け巡るかもしれません。

おそらく大方の人はこうした取り組みを始めると思います。世の中にあるほとんどの見積システムがこうだから発想もそうなってしまうような気がします。すなわち、「見積書作成システム」を作り出そうとします。見積書に何を記載して、どんなレイアウトにするか、そのデータをどういう画面で登録させるのかという視点です。

これは、見積書に限ったことではなく、商談報告書や修理報告書もそうである。つまり、それぞれの活動の結果のみを登録するシステムをつくろうとします。見積書では、基本的に必要な情報としては、提供商品、納期、価格ですが、そのデータを打ち込むためのフィールドを用意することになるわけです。

それがユーザの望むシステムでしょうか。そこで、少し視点を変えてみていきましょう。このようなシステムで作られた案件データの集合ははたしてビジネスの役に立つのかということです。どこの誰の見積依頼に対して、提案した商品はこれで、納期はいつで、いくらの価格を提示したのかが並べられています。これだけでは、なぜ受注できたのかあるいは失注してしまったのかの解析もできないと思いませんか。

つまり、これはちょっと前に「つながる経済における実践とは」の記事にも書いたように、データが持っている文脈的な意味合いを包含していない、空疎な情報でしかないことなのだ。ということは、いかに意味をもった情報として残すはかが重要なことなのである。提案した納期はどういう事情があったから、コストから単純に割り出した売価なのか、顧客のランクを考慮したものなのか、戦略的な価格だったのかといった付帯情報が必要なのである。

もうおわかりだと思いますが、見積書をつくるまでにストーリーがあるのです、そのストーリーは案件ごとにみな違うはずです。その記録はどうするのですか。電話やメール、打ち合わせといったようなコミュニケーションや営業が工場に納期を確認したといった情報の収集、あるいは戦略や方針の共有といったことを残さなければ意味がないと思いませんか。

こうした表に出ないインフォーマルな動きをシステム上で行うようにすることで記録に残るのです。案件ごとに行ったアクションの意味などを付帯した履歴を残せば、同じような案件の処理に役立つはずです。これが、プロセス志向の重要な考え方です。ですから、システムを作るときの発想を結果をどうやって登録し検索するかではなく、どうやって結果を出したかがわかるようにする発想に転換しなくてはいけないのです。
  

2013年7月25日

カラスの親指

昨日は、高校サッカー神奈川県予選の第一次予選の最終戦で湘南高校が2−0で海老名高校を破った。今年はシードされなかったので全くのゼロからのスタートで4回勝ってやっと一次予選突破である。これでベスト36だ。夏休みが終わった9月から二次予選が始まるが、あと6回勝たないと全国に行けない。わー、大変だ。夏合宿で成長してほしい。

ところで夏休みになると、映画館は子供向けのものが増えてぼくらが観たい映画が少なくなる。なので映画館に足は遠のき、見損なった作品のDVDを借りて観ることになる。それはそれで楽しみでもある。

カラスとはプロの詐欺師のことだそうだ。シロウトに対してクロウトだからなのだそうだ。そんな詐欺師を描いた映画「カラスの親指」を観る。この親指も意味があって、劇中でお父さん指という意味が語られる。監督が、長編二作目となる伊藤匡史、主演は今をときめく阿部寛、そこに絡むのが村上ショージ、能年玲奈、石原さとみ、小柳友らである。

道尾秀介の原作がどんな映像になるのかが興味あるところであるが、あまり成功したとは思えなかった。たしかに、詐欺の手口だとか、スリリングな展開とかあっと驚くどんでん返しといった面白さはあって楽しめるのだが、どこか引っかかるところがある。

それは何なのだろうかと考えてみると、偶然性の扱いではないかと思ったのである。偶然って実は偶然のように見えても偶然を呼び込む必然がある。そういうものだということをこの映画は忘れている。というかこじつけがきついのである。つまり、単なる偶然を並べてしまう。主人公が昔起こした事件の関係者が街を歩いている時にスリを働くのに出くわすというのはあり得ないでしょう。

特にミステリーのようなものはもっと緻密できめ細かくつくらないとミステリーでなくなってしまう。筋が固まれば適当に作ればいいというのは全く違う。クライマックスの一連の行動もまったくもって稚拙であとから確認しないとわからないのだ。

それと、上映時間が160分と長い。3時間近いのだ。170分の「きっと、うまくいく」と比べても長い感じがする。どんでん返しが長すぎるのだ。一時間半やってそこからどんでんがえしは長い。こういう映画は、スパっとやってスパっと終わらせてこそ価値があるのだと思う。

阿部寛と村上ショージのコンビはなかなか良かったし、能年玲奈と石原さとみの姉妹との掛け合いも楽しかったのだが、繰り返すがもう少しきめ細かい作り方をしてほしかった。

  
からすの親指.jpg

2013年7月26日

層は厚くなったか?

昨日のサッカー東アジアカップでザックジャパンはオーストラリアを3−2でくだした。前戦の中国戦に続き3点を入れているが、失点も2点である。2戦で得点6、失点5という派手な試合ぶりである。こういうことはよくあることで、点を取るということは相手に点を取られるスキを与えることでもあるのだ。

つまり、お互いに均衡状態をよしとして安全な戦い方になる場合と、点が入ると途端にチャレンジングな戦い方になるわけである。だから、何でもかんでも失点しないでというとなかなか点も取れないとなる。どちらがいいのかという問題ではなく、対戦相手やいろいろな状況に応じて戦い方が変ってくるのである。

昨日のオーストラリア戦は中国戦の先発メンバーと全員違うという公式戦では珍しい布陣となる。まあ、ワールドカップに向けての新戦力発掘という機会でもあるので多くの選手を出場させたのだろう。ですから、予選を戦った主力チームと合わせて3つの代表チームができたようだ。

となると、どうしても比較したくなるのが人情である。ただ、強いフィジカルで激しくきた中国と割と球持ちができたオーストラリアでは、評価が分かれるかもしれない。バックスは5点取られているということでレギュラー争いに加わるのは難しいだろう。センターバックで、森重と千葉に期待したがまだ線が細い感じである。ビルドアップがうまいという以前に一対一で強くないといけない。

ボランチは、遠藤の後継者育成という命題があるのだが、パサーとしての役割はまだまだ及ばない。まあ、高橋の落ち着きと山口の運動量は評価できる。攻撃陣では、得点を入れたのが柿谷、工藤、斎藤、大迫だが、柿谷と斎藤が面白い。アクセントになる可能性がある。また、得点は取れなかったのだが、豊田のポストプレーとヘディングは戦力になるのではないだろうか。前田を脅かす存在になるかもしれない。

多くの選手が代表として先発出場するのは始めてだったので不慣れや緊張もあっただろうが、それにしては健闘している。こんなところにもJリーグのレベルアップが如実に現れているのではないだろうか。ちょっと前にはマリノスがマンチェスターユナイテッドに勝ってしまったし、海外組ばかりが注目されているがJリーグ組の評価を高めたのではないでしょうか。ということでちょっとは層が厚くなったようだ。さあ、韓国に勝って優勝だ。
  

2013年7月27日

つながる経済における実践とは(7)

■ つながりの時代の創発経営

ここまでは主につながる経済とはどんなものであるかについて議論してきたが、ここからは情報を介したヒトやモノのつながりがもたらす創造性についてである。現代は、生産性を追求することより、創造性を追求する時代になってきている。創造性の高い経営が求められている。その際に重要なキーワードがあって、それが「蓋然性の経営」ということだという。この章のポイントをみてみよう。

(1) 情報を介して多様な主体がつながり、相互作用する中で、部分の総和を超えた価値が生まれる創発現象が起こる。創発がイノベーションの源泉となる。
(2) 創発が起こりやすい環境を整える「蓋然性の経営」が重要となる。
(3) 蓋然性を高めるためには、多様性を重視しつつ、多様な主体がつながる共通基盤を作ることが重要

最初に出てくる創発というのは、簡単に言うと異質な主体が巡りあって相互作用する中で生まれるイノベーションである。同質の人間が集まって昨日と同じことをしている中で行われる改善(効率性向上)は創造ではありません。ですから創造性の高い経営を行うにはいかに創発的な価値創造を活性化させるかにかかっているわけです。つながりの場の設計とマネジメントが重要なのである。

蓋然性というのは、何かが起こる可能性が高まっている状態のことで、「偶然性」と「必然性」の中間にある感じである。この「蓋然性」を高めるには、第2章でもでてきたプラットフォームが大事になります。多様な主体間における、共通言語や、動機、主体間の信頼関係の構築支援などを通じて、情報交換による結合を生み出しやすくする環境です。

このあたりは、最近のSNSといったようにコミュニケーションを軸に人々がつながる環境が多く登場してきています。こうしたつながりの中からイノベーションも起きてくるのでしょう。ただ、企業システムの中でこうした動きが活発化しているかというと必ずしもできていないように見受けられる。どうしてもさっき言ったようにまだ多様性より均質性を重んじるから、効率性追求へ軸足が行ってしまう。

ネット系企業とか若い子がはじめたスタートアップ企業などは働き方や人材などでは多様性がみられるようになってきた。しかし、既成の大企業あたりではまだまだ標準化志向でムリ・ムダ・ムラをなくそうなんて言っているうちはイノベ−ティブなダイナミズムは生まれてこないだろう。そんなところを変えるには、大上段に振りかぶってもムリなのでちょっとしたことを取り入れてみたらどうだろうか。例えば業務システムの中に"遊び心"を入れてみたらとか、そんな些細なことからでも始めていってもいいような気がする。
  

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2013年7月28日

闇金ウシジマくん

あまり後味がよろしくない映画だ。またぞろ、漫画のヒット作からの映画化である。眞鍋昌平原作でテレビの深夜ドラマでの劇場版である「闇金ウシジマくん」はあまり楽しめなかった。歳のせいか、暴力がきつい作品は敬遠しがちであることもあるようだ。監督が山口雅俊で、主人公の闇金業者・丑嶋を演じるのが山田孝之。テレビドラマもそうだったそうで、はまり役なのだろう。

闇金の映画だから、本来手を付けてはいけない金に手をつけたばっかりに奈落の底におちていく姿を描くというのは予想できる。何しろ、10日で5割という超高金利だから、元金より利息の支払のほうきつくなるが容赦なく取り立てるというおなじみの構図である。だから、漫画にもなりやすい。そんな身持ちを崩すパターンを描いていけばいいからだ。

本作に登場する借金パターンは、母親がパチンコにはまって借金を重ねてしまい、娘に(大島優子)に身体を売ることを強要するのと、その彼女と知り合いで、イベントを仕掛けて金儲けを企む純という学生(林遣都)である。純のイベント収益をめがけて様々なワルが絡んでくる。

そして、丑嶋をはめて女どもに被害届を出させて警察に送ってしまう。そこから純の思惑通りにその被害届の取り下げと引き換えに金をせしめるのだが、怒った丑嶋は、その強靭な精神と肉体とで闇金業を全うするのである。とまあ、こんなストーリーなのだが、世の中すべて金だとか、強いものが勝つのだといったよくあるセリフが飛び交う。

作品の出来栄えがどうのというより、山田孝之と林遣都の演技については書いておこう。さっきはまり役と言ったように山田孝之のウシジマくんは秀逸でこういうのを怪演というらしい。彼は、本作のようなワイルドものから笑いをとるものまでいろんな役柄をこなす俳優さんで今後が楽しみである。

林遣都もチャラ男を演じていたがなかなかのものである。「バッテリー」で映画デビューしているが、ぼくが最初におっと思ったのは「風が強く吹いている」でその後「パレード」とか「荒川アンダーザ・ブリッジ」でいい味を出していると見ていた。彼もこれからの活躍に期待できる。ただ、この映画での最後はかわいそうである。
  
闇金ウシジマくん.jpg

2013年7月29日

こういう勝ち方もある

昨日のサッカー東アジアカップの最終戦で地元韓国を2−1で破って優勝した。今回は、海外組は招集せず、さらに国内組でも遠藤、今野、前田も呼ばれていない。従って代表のレギュラーが誰も入っていないチームで優勝したことは称賛されていい。

試合は圧倒的に韓国が主導権を握る。激しいプレスから早めにゴール前にクロスを上げる。しかもそのこぼれ球もほとんど拾われるという状態が続く。しかし、ある意味単調なのでゴール前でマークを外さなければそう怖くはない。

そうこうしているうちに、前半25分に攻められながらも青山にボールが渡るとそこから一気に前線の柿谷にロングフィード、相手のオフサイドトラップの失敗でバックス3人を置き去りにして、キーパーとの1対1となり、そこを冷静に決め先取点をあげる。一瞬のすきをつき、わずかなチャンスをものにする決定力はたいしたものだ。

ところが、なんとかしのいできた守備陣が、前半33分にペナルティエリア左手前でワンツーリターンを許すとゴール右隅に綺麗に決められ同点に追いつかれる。これは、ボールを出して返しをもらおうとする選手をフリーにしてしまったことがいけなかった。ついていくのか受け渡すのかが中途半端になってしまったのだ。クロスボール対策の頭があったのでパス交換に対し戸惑ったのかもしれない。

後半に多少の修正があったのと、韓国の息切れもあって押しこむシーンも見られたが、依然として相手のペースには変わりなかった。引き分け濃厚のアディショナルタイムに原口が個人技で左サイドを突破すると角度がないところでシュートするとキーパーガはじき、そこに走りこんだ柿谷がこれまた冷静に左足で蹴りこむ。そのまま終了の笛がなって、2勝1分で優勝となった。

やはり、2得点の柿谷を褒めざるを得ない。ほんとチャンスはこの2本くらいしかないという場面で確実に決めるのだから大したものだ。これまでの日本選手はいいところまでいくのだが最後は外してしまうというシーンを何度も見ているのでその決定力を讃えたい。

勝負というのはこういうものだ。いくらボールを支配しても、チャンスをいっぱい作っても結局点をいれなきゃ何もならない。このように少ないチャンスをものにして勝つ、すなわち、サッカーに負けて勝負に勝つには絶対にディフェンスがしっかりしていることが大前提である。

コンフェデで勝てなかったのは守備が不安定だったからで、今回もそれまでは同じような感じだったのが、昨日は非常にねばり強い守備をしていた。ただ、韓国の単調でアイデアの乏しいプレーに助けられている面が大きかったので、もっと強い相手に対しても昨日のような試合できるようにならないといけない。

さて、今回の大会では、来年のワールドカップに向けての今の代表を脅かす存在の発掘という意味もあったのだが、結果どうだったのだろうか。ぼくは、柿谷、豊田、山口、ジョーカーとしての斎藤あたりが有望ではないかと思のだが、ザッケローニの好みがあるので誰が選ばれるのか興味がわいてくる。
  

2013年7月30日

ビジネスサービスのつくり方 - 第4章 開発

■ kintoneを使ったアプリ作成手順(5)

さて、一般設定からフォーム設定そして一覧の追加の手順を示しましたが、最近、kintoneのバージョナップがあって、追加機能も含めてわかりやすく説明してくれていますので、そちらを参照してください。ここでは、プロセス設計で作成した「プロセス要素表」とkintoneのパーツのマッチングについてです。下表の対応表を見ていただければわかると思いますが、全くマッチングするというわけにはいきませんが、なんとか表現できます。

マッチング.png
いちいち説明するのは省くとして、特徴的なところを説明します。それは「グループ」というパーツの使い方です。前々回のパーツの説明ではグループを「フィールドをグループ化して、グループ内のフィールドの表示/非表示を切り替えられるようにするパーツ」ということでした。

このパーツのおかげで、マクロプロセスフローが表現できて、まさに意思決定の連鎖がわかりやすい形で実現できるようになりました。結局プロセス管理というのは案件単位でその案件がどういう経過を辿って終わらせたかを制御し管理するわけですから、それが一覧的に見えるのがうれしいですね。

しかしながら、問題があります。それは、オペレーションのコンソールとして適当かという問題です。ということでオペレーションのやり方をみていきましょう。基本はアクティビティを順番に処理して行くことになります。具体的には、フィールドグループにある入力フィールドにデータを登録して行くことです。データ入力は編集モードで行い、必要なデータ入力が終わると保存し、設定完了とします。これを繰り返して、全部の入力が終わるとそのプロセス(案件)は完了します。またプロセスの進捗は、進捗一覧表で監視、管理し、案件処理の結果は、グラフ等を参照して分析します。

お気づきかと思いますが、ちょっと違和感がありますよね。基本的には、一回で全部のデータを登録するようになっています。大方の業務アプリはこうなっています。実は、kintoneには「プロセス管理」という機能があって、そういう意味では一括入力というより、ワークフローになっていますが、データの登録ステータスを進めていく機能なのですが、意思決定系のプロセスだと行ったり来たりする柔軟性が必要となるので、あまり使えません。ただ、新バージョンではAPIが充実しましたのでこのあたりも工夫できるかもしれません。

まあ、機能を説明してもなかなかわからないと思いますので、ここで開発編を終わらせて、次回からは実際に業務アプリを作っていくという「アプリ作成」編に移ろうと思います。
  

2013年7月31日

適用領域の適正化がものすごく大事なこと(その3)

ここからはITの話になるのだが、ITと言っても様々なものがある。スマホみたいなものから、車に搭載されている機器にも入っているし、Suicaの読み取りだってITである。会社の中でもハードもソフトもITと呼んでいたり、現場の制御システムから、会計システムまで幅広い。もはや、ITを意識しなくても多くの場合に何らかの形でITが関係している。

なので、ITの適用というよりITを活用した業務システムという風に絞り込んで議論することにします。すなわち、企業のなかのどこにどういう業務システムが必要で、どんな使い方をするかについて考えていきます。

その議論に入るときに大事な視点は、企業のビジネス活動の構造がどうなっているのかがあります。その構造をきちんと定義し体系立てておかないと本質を見誤ることになります。次の図が企業活動の基本構造を示しています。ここから様々な管理プロセスやサポートプロセスが広がっています。

企業活動の基本構造.png

基本中の基本は、顧客の要求に対して、経営方針や戦略に従って、持っているリソースを使って、製品やサービスを提供して、代金を回収するということになります。ここはきちんと抑えておかないといけません。よく、製品を作ることがメインに置いてしまう場合がありますが、別に生産しなくても購入転売でもビジネスですから、生産機能はマストではありません。あくまで、お客さんのウオンツに対して答えを届けてあげることなのです。

この図を見ながらITの適用領域を考えてみましょう。顧客接点のところは、お客さんを獲得すること、要求を聞くこと、商談すること、オーダーをもらうこと、クレームなどを聞くことなど主に営業部の範疇の活動があってそこにITを適用することになります。従来は、SFAとかCRMと言った言い方でITが導入されてきました。

右側の事業成果というところは簡単には決算を行うところです。貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書など決算報告の時に必要な書類を作成していきます。事業活動の結果を数字で示す部分です。経理部とか経営管理部といったところが活躍します。ここは、最初は会計システムといったものでしたが、いまはERPと呼ばれるような統合ソフトが入っています。

上の部分は組織目標ということになりますが、経営理念から始まって戦略、事業方針、中期計画、予算といった計画系の活動になってきます。ITは上位には適用が難しく、予算編成とかはERPでもできますし、ITが使われます。戦略とか事業方針といったところは、直接ITが使われるというより、経営者や事業責任者が判断するための支援にITは利用されています。

下のリソースは、ヒト、モノ、カネ、情報といった経営資源をビジネス活動に供するために準備しておくという機能です。ビジネスを行うために必要な人材を確保するために人事データが必要になりますし、生産を拡大するために設備の容量を把握しておかなければいけません。

今言ったようにビジネス活動にとっては実体のリソースというより、「情報」になったものを扱います。ですから、ここは「情報」が常にアップデートされて取り出しやすいようするためのデータ管理が重要になってきます。

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