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中小企業のことをわかっているのでしょうか?

ちょっと前のITmediaの記事に「中小企業のIT化、スマホやクラウドに注目集まる――矢野経済研究所調べ」というのが載っていた。目にしたとき思わず“ウソでしょう“と叫んでしまった。中小企業の人がそんなことを思っているのかと驚いたのだが、案の定調査の対象がソリューションベンダーであった。

調査は2011年9月から11月にかけて、中小企業のIT化について実績がある全国のソリューションベンダーを対象に実施したものだそうだが、これは事実ではなく単なるベンダーの願望でしょう。最近はIT投資が減速しているから、比較的未開拓である中小企業を攻めようとしているようなので、煽っているだけのように思える。

このところ中小企業のIT化に関係することが多く、実態がけっこう見えてきているのだが、中小企業の7割にスマホの需要があるとは思えない。何のために、何を見たいからスマホを使うのだろうか。その前に会社のパソコンで何をみているのだろうか。中小企業のパソコンの普及率は高いが使っているのはメールとExcelなのである。ちゃんとしたシステム化ができていないのにスマホもへったくれもない。

クラウドについても「有効である」「今後は有効である」を合わせると95%のベンダーが有効性を認めているという。これも、クラウドだとかSaaSという前にやることがあるでしょうと思う。どうも、はやりのデバイスだとかサービスに飛び付くのだが、肝心の元のシステムが未整備だと、いくら高機能のものをもってきたところで何もならない。

そして、何でも中小企業をひと括りにして語るのも間違いである。昔からの町工場みたいなところから、若い子が立ち上げたIT企業みたいなものまで千差万別であり、さらに経営者の質でも大きな違いがある。進取の精神に富んだ意欲的な経営者とか、冒険はしない堅実派の経営者とか、親から譲られたけどやる気はない2代目とか様々なタイプがある。

ただそうであっても、共通的に言えるのはビジネス環境が大きく変化している中では何らかの形でITを活用してオペレーションの効率化や経営の高度化をしないと生き残れないということである。その時、中小企業においてはまだまだ基幹の業務システムの整備ができていない。かろうじて決算ができているという会社が多いのではないだろうか。

そんなところに、クラウドだとかスマホといっても猫に小判となると思う。ですから、いま中小企業に求められているのは、本当の意味で基幹となる、お客さんを獲得して、注文をもらい、商品やサービスを届け、代金を回収する業務プロセスをきちんと設計し、日々のオペレーションに供することが第一義であるように思う。
ここがちゃんとできて初めて、経営者が自社のビジネス活動の実態を把握でき、現場では日常業務を円滑に回せることができる。ソリューションベンダーというからにはこの領域のソリューションを提供するのが使命ではないだろうか。それとも“ソリューション”というのはどういうITを使ったらいいかという解決策を提示することなのだろうか。

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2011年12月 7日 11:23に投稿されたエントリーのページです。

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