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不思議前提とIT ― 「仕事にプライベートをもち込むな」という非常識

会社の中や仕事をしているとき、家庭を仕事にもち込むなとか個人的意見を言うな、趣味を仕事にするなとか言われます。当たり前のように思いますが、はたしてそうだろうかと疑問を呈しています。従来のような「公私分離」から「公私混同」してもいいのではという提言である。

つまり、いまは企業に必要なことは、改善や工夫を重ねて精度と効率を上げていくことではなく、生活者に「しあわせ」をもたらすことであり、そのためにはこれまでの延長ではなく不連続の連続といった発想の転換、イノベーティブなアイデアが求められているのだ。その一つは論理性、合理性だけではない、前に「「勘でものをいうな」がもたらす損失」でも言ったように勘や暗黙知を重視すべきときなのかもしれない。

仕事にかかわる世界だけで発想しようというやり方には限界がある。どうしても、決まりきったルールの中でしか考えないとか、ずっとこうやってやってきたからという頭を変えられないのである。そんなとき、そこから抜け出た世界、つまりプライベートな世界を取り入れることでずいぶんと景色が変わると思う。こうした“越境”を大いにやったらいいと思う。

このことは、「IT再考」という記事に書いた「遊び心」にも通じることで、そのうち「公私混同」の情報システムが現れてくるのではないでしょうか。人間は頭のなかにあることのうち5%程度しか言語化できず、残りの95%は無意識下におかれたままだということだから、言語化できない知識や情報の共有がおろそかにしてはいけないのだ。

昔はこれを赤提灯だとか職場慰安旅行やたばこ部屋でやっていたのだが、ビジネス的で公的な部分ばかりを強調したため、それらがだんだん無くなって、すなわち私的な部分の発露を封印するようなかたちでつまらない職場になっていった。さらに、組織やチームとしての創造性もまた失われていった。

では、「公私混同」の情報システムってどうなるのだろうか。飲みニュケーションをシステム上でやるというわけにはいかないが、システムを使って協働で業務を行っている中で、多少の私的な会話をいれてみるとか、その仲間と仕事の後居酒屋に行くとか、自由なコミュニケーションができるといいかもしれません。

結局、業務に参加しているメンバーが義務的にやらされているのではなく、自ら積極的に関与して、より良くしようというマインドを持てるような場をITが提供できるかだと思う。「仕事にプライベートをもち込む」というのは、好き勝手なことを言ってもいいんだということではなく、「I think that・・・ 」と言えることだとぼくは思う。

自分はこう考える、私はこう思うというのをどんどん発していけるようにすることが大事なのである。会議で、あるいは社内メールでわざわざ「これは個人的な意見ですが」と断りを入れなくてもすむようにしたいものです。ぼくの言う“Collaborative Workspace“とはそんな雰囲気を想っているのです。

これでこのシリーズを終えるが、普段常識だと思っていることを不思議がり、再設定してみるということと、今自分がいる世界とは違う世界からの考え方とか意見を取り入れることで一旦既成のフレームを壊してみることも大事であることを言いたかったのである。
  

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2011年11月29日 10:01に投稿されたエントリーのページです。

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