もう事業仕分だとかあまり言わなくなった。今年、7年に及ぶ宇宙の旅の末、小惑星「イトカワ」の微粒子を持ち帰った小惑星探査機「はやぶさ」だとか、理化学研究所と富士通が共同開発したスーパーコンピューター「京」が、世界一の毎秒1京回を超える計算速度を達成したりだとか、仕分ける前に実績を残している。
で、やはり2位ではダメだというのを科学技術とかいったところではなく実感したのが、昨日の全日本大学駅伝である。毎年この時期に伊勢路で行われる大会で、ぼくはかつて四日市に住んでいたので何度か応援に行ったことがあるのでなじみがある。昨日は駒澤大学が東洋大学の猛追をかわして3年ぶり9度目の優勝をはたした。
駅伝と仕分はもちろん直接の関係はないが、1位に立つと思った以上に力が発揮できるということと、追いかける立場だと往々にして焦りから自滅することがあるということを言いたかったのである。昨日も、駒沢は2区で首位に立つと最後まで譲らずゴールのテープを切った。
驚いたのは、周囲に立った2区の選手は区間賞ではなかったが、その後の3、4、5、7区で区間賞という走りを見せた。前半抑えて後半にスピードアップというトップ走者の常道をいく走りで後続を離していった。ぼくも、高校時代の駅伝大会の経験で言うと(比較にならないマイナーな話だけど)、後をある程度離すとものすごい余裕が出て、その余裕が力を存分に発揮してくれるのである。
つまり、トップに立つということは単に競争に勝ったということだけではなく、そこから生まれる自信、余裕が更にパワーアップの源泉になるということを言いたいのだ。科学技術にしてもビジネスにしてもしかりで、トップに立つことの意義は大きい。別段、大きなことではなくてもある特定の分野でもいいから、ここでは今自分たちは先頭を走っているということがすごく大事である。何しろ気持ちいいのだ。
逆に東洋大学や早稲田大学は前半突っ込みすぎたり、変に力みが入り、力が発揮できなかった選手が多くいた。自分を見失う危険があるのだ。その点、トップにいると昨日もある選手が自分の走りを沿道にある店のショウウインドウで確認していたが、自分と向き合う余裕があるのである。そんなことを駅伝を見ながら考えていた。
