このシリーズは系統だったものではなく、どとらかというその時々のトピックス的な記事も書いていく。とはいえあまり人の意見や主張にムキになって反応するのも好きではない。しかし、ちょっと言いたいことがあるのでそのことについて書く。
先日、ある勉強会というか、研究会のようなところで、プログラムの自動生成と言うことについて、ツールベンダーから話を聞く機会があった。要するに、データ分析結果と業務ルールを入力するとそこからロジックを推論して自動的にシステムが生成されるという。
これはDOAがベースになっている。つまりデータありきですから、結局単発のデータベースアプリケーションを作る時には有効なのですが、そうではないプロセスアプリケーションを表現することはできない。ERPやその他のパッケージやソフトウエアはほとんどデータベースアプリケーションですから、自動生成するメリットはあまりないように思うのである。ある意味で自動生成の行き着き先であるパッケージがすでにあるからである。
自動化を進めれば進めるほど自動化の必要性がなくなるという自家憧着、あるいはあるパラドックスに陥る。先に言ったようにいいパッケージというのは、自動生成された結果でもあるのだ。同じロジックばかりだとパターン化できて、それ以降は自動生成するのではなくモジュールを持ってくればいいだけになるからである。
ここでそのツールベンダーをとやかく言うわけではない。だいぶ前にでたITProの記事についてである。そのタイトルが「酒は出ないが『注文の多い酒宴』再び 」というもので書いたのはコンピュータ・ネットワーク局編集委員の谷島さんである。その中のメールの引用文ということで、こんな文章が載っていた。「ユーザ主体開発」「システム内製」を主唱する「システムイニシアティブ研究会」に関するものである。
ユーザー主体開発をどう進めるのか、といった点については色々な意見が出ました。五つの講演と質疑応答を聞いた私の感想をまとめますと「欲しい情報 を得るために欲しいシステムを欲しい時期に用意するには、企業の情報(データ)をあらかじめ整理しておくしかない」というものです。 データ中心アプローチが提唱されてから30年近く経つのでしょうか。成果を挙げている企業は昔からありますし、取り組んだものの挫折した企業も昔からあります。 ユーザー主体開発という王道を行くには、データ中心の王道を行かなければならず、そのためにどうすればいいかというと最後は、「やり方を変える」「考え方を変える」といった、いわゆるリーダーシップの話になります。
これを読んだ時に思わずずっこけてしまった。突っ込みどころ満載だ。おいおい、システムって「欲しい情報 を得るため」にあるんだっけ?「ユーザー主体開発という王道を行くには、データ中心の王道を行かなければならず」って誰が決めたの?「「やり方を変える」「考え方を変える」」と言いながら、30年近くはっきりした成果をあげられないものをやるんですか?
谷島さんといえば、よく知られた人で、その人がこんなことを言っていいのだろうか。システムイニシアティブ研究会のいう内製ってだいじょうぶなのかと思ってしまう。当たり前だけど内製化することが目的でも何でもないわけだから、ユーザ主体開発と言うんだったら、ユーザが本当に欲しいものは何かを決めれば、作り方は内製であろうが、外製でろうが、クライドであろうが、どうでもよくて、ほとんどは総合的な経済性で決めればいいと思う。次回にまた補足します。
