先日、「十三人の刺客」を観て、そう言えば三池崇史監督の代表作品の一つに数えられる「クローズZERO」を観ていなかったと思い、DVDを借りて観る。これは、まぎれもない三池監督作品である。
この間、喜劇映画がなくなったという話を書いたが、それもそうだが、チャンバラ映画やヤクザ映画もなくなったなあと思った。そりゃあ、時代劇だとか、「アウトレイジ」のような情けないヤクザは出てくるのはあるが、活劇といった趣は少なくなっている。
「十三人の刺客」では大立ち回りのチャンバラを見せてくれたが、この作品でも高校生たちの集団抗争を描いていて、気持ちいいくらい暴れ回る。おそらく眉をひそめた大人が多くいたと思うが、けっしてそんことはないと思う。例えば、「アウトレイジ」は多くの人間が死んで行くが、この作品には死者がいないのである。
小栗旬演じる主人公の高校生の家はヤクザもので、それと抗争中の若い組員と主人公は友だちになるのだが、それがばれてしまうと、組長から渡世の掟だからといって、射殺されるはずで撃たれるのだが、その前に防弾チョッキ付きの背広を着せれていたため助かったというエピソードが出てくるくらいなのだ。こういうことが、ある種の気分悪さを消している。
それと、単純なのだろうが、てっぺんを取ろうというエネルギーが伝わってくるし、しらけていないし、意欲的な若者が登場するのである。それだけでもちょっとは元気が出てくるような映画である。どこかで“健全な不良映画だ”と言っていた。
最後に、多数の不良どもが入り混じったすごい乱闘シーンがあって、小栗旬ともう一方のリーダである山田孝之がタイマンを張って終わるのだが、そのところでぼこぼこになった小栗旬が上目使いに見る姿がある。これがまったくあの矢吹ジョーとそっくりなのだ。来年2月に、映画「明日のジョー」が公開されるそうだが、あの小栗旬の表情はジョーのものと同じように思えたのはぼくだけだろうか。三池監督は絶対に意識していたと思う。
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