最近では、エンタープライズシステムにWebの技術を活用しようという動きがよく出てきている。Twitterを使ってみたらとか、SNSで何かやろうなんてことを言っている。しかし、ちょっと待てよと思うことがある。それは、単に技術だけあるいはアプリケーションだけを入れれば素晴らしいことができるという錯覚であるのではないかということだ。
これでは、仏作って魂入れずという感じで、ほんとうの良さを発揮できないことになる。技術論も大事だが、その精神についてちゃんと理解しておくこともより大事なのである。
ぼくは、技術論的な見地から言うと、つぎのような技術がイノベーションを起こしていると思っている。
もっと中味のことで言えば、山本陽平君が書いた「Webを支える技術」(科学技術評論社)で言っているように「HTTP、URI、HTMLそしてREST」ということになるのだろうが、そこに至るまでの、コンセプチュアルな面の理解が欠かせないのだ。
それが何かをいろいろと考えてみたら次のようなことが浮かんできた。
最初の、コミュニケーションの場は従来は“線”という概念が強く、電話やFaxはそうしたデバイスであった。それが、人々が同時に広場に集まるように“場”が設定されることができるようになった。ですから、そこでは双方向で会話が成立するのである。このことは情報共有のいきつくところでもある。
Webの世界は基本的にはオープンな世界で成り立っています。企業内で閉じた世界で仕事をするのであったらあまり意味がありません。あくまで、遍くみなの智恵を借りるにしてもオープンでなくてはいけません。自分のノウハウを出したら、存在感がなくなるので隠しておこうなんて思っている人たちがいたら成り立たないのです。
それと同じような話かもしれませんが、アジリティつまり俊敏性を必要とするような部署に有効なのであって、旧来型の過剰なコンセンサスが意思決定のメインであるようなところではこれまた意味がありません。稟議の決裁書を決裁済みと未決済の箱の中に入れて、気が向いたときに見るなんて上司がいたらどうにもなりません。
詰まることろ、Web技術やアプリを導入するには、会社の風土や動きをそれこそWeb的なものにしていかないと、一部の好き者が使うだけで終わってしまいます。これからの企業はこうした風土を醸成しないとグローバル化に遅れると思うのだが、そう簡単には行かないので、少しずつでもいいから浸透させていくのだろう。
