重要課題の最終化
前回、重要課題を「ユーザから要求を獲得して、役に立つシステムにするには」というふうに設定しましたが、これはまだ不十分です。もう少し、その内容を深堀し、具体化していきます。
例えば、この表現では、ユーザとか役に立つとかシステムといった言葉が書かれていますが、その定義をきちんとしておく必要があるわけです。この言葉はちょっと抽象的ですから、そうしておかないと人それぞれで解釈が違ってきます。
ということで、まずユーザとはどこの誰のことなのか、誰のために役立てればいいのかという観点で攻めていきます。具体的には、経営者なのか、事業部長とか部長なのか、業務担当者なのか、はたまた顧客なのかといった問いをしてみます。
次に、そのユーザの要求とは一体何なのか、ユーザが役に立つと考えているのはどんなことなのかといったことになります。単なるコストダウンなのか、はやりの見える化なのか、新規顧客の開拓なのかといったことが浮かびますが、それらは何となく個別プロジェクト目標みたいで、もうちょっと概括的な表現がいいように思います。
そして、ここでいうシステムとはどんなものを指しているのかを検討します。システムと言っただけでは範囲が広く、ITによる自動化システムなのか、コンピュータの構成のようなことを言っているのか、業務パッケージのようなことを言っているのかがあります。
さて、こうした深堀、具体化でどういった最終課題になっていくのでしょうか。ユーザの問題では、顧客というとちょっと遠くなるので企業内のユーザというふうに考えた方がいいと思いますが、まずは経営者はユーザでしょうか。どうもITを使ったシステムが対象ですから、そこに対する経営者の関わりは小さいと思います。
では、業務担当者でしょうか。確かに、足腰をしっかりすることが大事で、そのためにも業務担当者の役に立つものが望まれるというのは間違ってはいませんが、部分最適に陥る危険性がありそうで、全体感が要りそうです。そう言う意味で、事業に責任を持っている人がユーザというのが妥当ではないでしょうか。
そして、役に立つとはということに関しては、先に言ったように概括的な表現ということになると、ビジネス上に何らかの利益をもたらす、すなわち事業に貢献できることが役に立つことにつながりそうである。
システムについては、単なるITシステムだけではなく、また一部の業務アプリケーションでもなく、包括的な仕組みを想定すべきであろう。ということで企業の基本的な実行プラットフォームということで業務システムというものがよいのではないでしょうか。
こうした考察により、最初に設定した課題を最終化すると「事業に貢献できる業務システムを構築するには」ということになります。このように、詳細化と概念化のバランスをとりながら、できるだけ分かりやすくし、あいまいさをなくすことが大切になります。
