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IPAX 2009~日本の元気を、ITで!

一昨日、IPA(情報処理推進機構)主催の標記のイベントがあったので出かける。当初インフルエンザの影響で来場者はマスク着用とのことで、もし持参していなかった場合は入場をお断りする場合もありますというお達し。ところが、会場ではマスク姿もまばらで、まあそんなものだろう。

一昨日のお目当ては、特別講演「「信頼性に関わる実証的な試みの提言~重要インフラ情報システム信頼性研究会報告書から~」とパネルディスカッション「要求プロセスの実践と追跡性」である。

前者の特別講演は、東京大学大学院の中尾 政之教授による失敗学の話である。この人のことは以前「失敗は予測できる」(光文社新書)という本について書いているので、実際にお話を聞けるということで期待していた。

演題のポイントは、機械のようなハード的な失敗とソフトウエアの世界のものとの比較あるいは応用についてであったが、ぜんぜん違うという話である。

何が違うかというと、ひとつは、枯れた技術とそうでないという点で、例えば原子力発電の技術なんてはもう何十年も設計変更はしてないが、ソフトウエアはしょっちゅう新しい技術が登場してくる。それと、失敗の解析やそうしたデータベースがあるかないかということである。

ソフト開発プロジェクトで多くの失敗がありながら、そのデータが残っていない。その原因は、人が死んでいるかどうかということらしい。日航ジャンボ機の事故についても話してくれたが、やはり裁判になるから原因などの究明は徹底的にする。

しかし、ソフトウエアの世界では裁判にほとんどならないから隠れてしまっているのだというような話だったのだが、大方の内容は本で読んだことで新鮮味覇なかったので、関心をもっていた肝心の重要インフラ情報システム信頼性をどう確保するのかということについてはこれからということらしく、若干肩透かしをくらう。

次のパネルディスカッションは、コーディネータが玉井哲雄東大教授で4人のパネリストから、開発現場での要求プロセスをどうやっているのかについて議論することであった。最初にパネリストから予め用意されていた設問にコメントする形で始まった。その設問はだいたい次の4つである。

1. 要求プロセスはどの程度確定しているのか
2. そこではどのような手法を使っているのか
3. 要求の実施レベルや仕様品質とそれらがプロジェクトの成否とどう関係するのか、それをどう把握しているのか
4. 追跡はどのように行なっているか、それが信頼性にどうつながっていつのか

ところが、答えがばらばら。だから話が拡散して何が焦点なのか、論点なのかはっきりしなくなってしまった。ここで宇宙開発の話をしてもなじまないだろうし、要求定義と要件定義が混ざっているし、開発工数とその見積の話になったり、わけがわからない。唯一、IBMの榊原さんだけがまともで、そういう言う意味で国内SIerの限界を感じた。

結局、要求プロセス(この言葉もおかしい)というが、システム要件定義のほうにすぐにもっていってしまうし、相変わらず人月ビジネスをベースにして考えている。そして、ユーザ側への責任転嫁といういつもながらのパターンである。

そんな認識の中で、IPAが研究会などでこうすべきだといった方法論やツールを推奨したところで誰も使わない。少なくともIBMは独自でやるはずだ。

IPAの注力しているのが「見える化」ツールとデータベースということらしい。その重点対象分野が、「セキュリティ」「ソフトウエア・エンジニアリング」「人材育成」「オープンソフトウエア」ソフトウエア開発」の5つなのだそうだ。

ところが実際にやっているものは、「セキュリティ」「人材育成」あたりではないでしょうか。それはそれで意味があるように思えるのだが、そのほかの分野のところは一体何をやろうとするのだろうか。まあ、この話は別の機会にしましょう。

話を元に戻すと、要求プロセス(要求獲得プロセスといったほうがいいと思う)で今後重要なことはというまとめの質問に対して、これも榊原さんが言っていたが、非機能要件の記述とビジネスルールの抽出が難しいのでここを何とかしたいと言っていたのが印象的で合意したのである。
 

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2009年05月29日 12:42に投稿されたエントリーのページです。

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