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IPAの存在意義

一昨日、IPAX2009のことについて書いているうち、つい筆が滑ってIPAはいったい何をしようとしているのかというようなことを言ってしまった。そのイベントで感じたIPAになぜ失望したかについて書く。

IPAの研究成果にしても、民間が単独でできないようなことをしてくれればいいのであって、だから、セキュリティや人材発掘、ベンチャー支援のようなことは大いにやればいいが、ほっといてよと思えるところまで手を出しているように思える。

それと、ITを取り巻く現状の問題は何なのかをきちんと分析していない。問題の所在、課題の抽出がぜんぜんできていない。

だから、正確な見積方法だとかプロジェクトの「見える化」の研究なんてやってもしょうがないと思うのである。ソフトウエアエンジニアリングの推進なんて言わないでもいいのだ。だって、開発の方法論や技術がどんどん変化している世の中で旧態依然のあり方をベースにして検討したってしょうがないと思うのだが。

こうしたことはなぜ起きるのかというと、その立ち位置がSIer側なのかユーザなのかという問題が大きい。で、IPAの上部は経済産業省の情報処理振興課だからそのその立場でどちら寄りかわかる。

そこで、その所掌事務を見ると、最初に「情報処理システムの開発及び普及」とある。ええーと思うが、これだとやはりSIerやベンダーサイドに立っているようだ。当然ながら、お国が国内のIT会社に対してシステムを開発しましょう、それをユーザに使わせましょうと旗を振っていることになる。

こういう姿勢だからいつまで経ってもSIer目線の政策しか打てないことになる。そういう観点の研究開発テーマになってくる。消費者庁ができるというのにそれでいいのだろうか?

そもそも、いまのシステム開発の実態として、ユーザとSIerが相対する関係にあることを認識しなくてはいけない。利害が一致していないわけで、ユーザ側は、低コスト高品質のシステムを短期間で作ってもらうことが望みであり、これは消費者であれば当然のことであるが、これは今のSIerにとってビジネス的に決して望ましいことではないのである。

このことが現状のIT業界が抱える最大の問題だとぼくは思う。この利害不一致のバランスがSIer側に重心がいっているため、必要もないシステムを作り続けていたり、ユーザの要求品質に答えられていないのである。

このバランスはどうあるべきなのだろうか。答えは決まっています。ユーザ側に重心を移すべきです。なぜかって、当たり前の話として、IT業界(エンタープライズ系を言っています)はユーザ企業があって初めて成り立つビジネスですから、“主”にはなれないのです。ユーザが何も頼まなかったらつぶれてしまいます。

ですから、言うまでもなく、ユーザ企業がいかにこのグローバル経済の中で勝ち残っていけるかをITが後押しすることなのです。きつい言い方をすると、IPAは日本経済あるいはユーザ企業が倒れてもIT業界だけ生き残ればいいとでも思っているのだろうか。

こういうとユーザはITのことがわからないから、こちらから提案してあげないといけないのだとくる。それをこれまでずっと繰り返してきて何がいいことがあったのでしょうか。使い手側も作り手側も両者がハッピーになれるためには従来型の発想を捨ててよく考えるべきではないでしょうか。
 

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2009年05月31日 09:35に投稿されたエントリーのページです。

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