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絵文字

またもや、白川静ネタです。いま、あるITの研究会でWeb2.0を企業に適用するにはというテーマで議論している。その中で、絵文字についてけっこう面白い話になっていて、絵文字によってコミュニケーションが円滑になる可能性があるんじゃないかという意見がでてきている。それがどうして白川静なのかというと、次の白川の言葉をみてください。

わが国の文字の歴史は、どちらかというと文字を遊ぶ、文字を国語の中で自在に、いわば陶冶して国語化してしまって、そうして国語では表現できないようなところを、漢字を使って表現する。つまり足らざるを補って、表現力の上に加えるというやり方をするわけです。だから日本における文字は、本来の役割以上の働きをしている。それは一つには日本人が、表現上に一種の遊びの心をもっておった、事実を表現するだけでなく、その余韻を楽しむ、「あはれ」「をかしさ」というようなものを余分に表現しようとする、そういう表現以上のものを求める手段として、漢字を上手に使っているのです。

これを読むとわが国で絵文字が生まれたことが偶然ではないことがわかると思います。

この絵文字のことをぼくは“表情文字”と名づけたいのである。表音文字、表意文字に次ぐ第三の文字である。表情というのは顔の表情だけではありません。要するに“情”を表す言葉です。

情はいろいろな意味があります。情のつく言葉を思い起こしてください。感情、人情、心情、厚情、情熱、情緒、情愛などなど、人間の気持ちの持ち方、人に対する接し方、そういえば情報という言葉もあります。すなわち、人間の生身のインターフェースを表しているように思えるのです。

絵文字は、この“情”を表現している文字ではないでしょうか。そして、白川の言うように表現以上に人間同士のつながりをそこに求める手段のように思えるのです。

ところがその絵文字のユニコード化をGoogleがやるというのじゃありませんか。ぼくはここにわが国のIT企業の文化のなさというか、「日本のIT産業」という視点が欠落している証左であると思う。

グローバル化はこうした足元の文化、風土を消化してこそできるのであって、簡単にコストだけを見て、オフショアー化するバカな経営をしている限りはお先が真っ暗だ。

その象徴として絵文字文化の掘り下げは大変楽しい作業なのである。何といっても「機嫌のいい職場」のほうがいいに決まっている。ぜひ絵文字文化を議論したいと真剣に思うのである。
 

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2009年01月09日 10:16に投稿されたエントリーのページです。

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