この映画は、主人公の女子高生が言う次のセリフで決まりだ。「“人と違っている”ことがいいことなのだ」である。
背が低く太った女子高生がダンスで地方テレビ局の番組のオーディションを通り、一躍人気者になってしまう。「ヘアスプレー」(アダム・シャンクマン監督)はそんな映画である。まさにアメリカンドリームの一端を覗かせてくれる。ある意味で、古きよき時代の映画である。
いまやこういう状況になって、アメリカモデルがもろくもくずれさろうとしているが、ぼくらは、そんなに簡単に見限るなよと思うのである。だって、そういうお手本があったからこそ日本もここまで来れたという面は否定できないのだから、もう少し窮地にたった先生というような目も要るような気がするのです。
さて、映画であるが、時は60年代公民権運動華やかしころ、ボルチモアのような保守性が強い田舎ではまだ黒人差別が公然とあり、それが徐々に開放へと向かう時である。そんな雰囲気において、いかにも“ブス”の女の子がめげずに、言い方を変えれば、向こう見ずにできそうもない、途方もない夢を追って、しまいにはそれを実現してしまうという、変形シンデレラストーリーだ。
当然のように、周囲の暖かい目、特に父親と母親がすごい。娘以上に太っていて、ぜんぜん外に出なかった母親(これを何とジョン・トラヴォルタが演じている)と、“デブセン”の父親が最初は反対しつつもいつの間にか応援団になっているとう定番のストーリーである。
そこには、深刻な人種差別の問題を盛り込んでいるので、シリアスになるところをミュージカルという形態にしているところで救われる。どうも、ミュージカルとはそういう一面があって、深刻さを笑いとばす落語に似ているような気がするが、飛躍し過ぎか。
ただ、動的なミュージカルと静的な落語の対比は国民性を表わしていて面白いと思う。そんなことを考えた映画であった。
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2007年最高に楽しい映画
いい意味での、典型的アメリカ映画
人種差別反対がテーマのミュージカル映画
おでぶ万歳!
リッキー・レイク初登場

