ばあちゃんが変な病気で入院した話を書いた。入院に際して変な質問をされたことも書いた。これから変な患者の話をする。一粒で三度おいしい入院話です。
入院するとき、どういう病室に入るかの選択がある。どのレベルの差額ベッドにするか決めることになる。個室から4人部屋まであるので、その設備や人数と金額で好きなところを選ぶのだが、ばあちゃんは個室はさびしいし、あまり大人数もいやだと言って2人部屋にした。
このときぼくは一瞬隣に入っている人が変だったらどうするのかと思ったが、まあいいかといって言うことをきいた。さて、最初に入ったときは幸いにも誰もいなくて、個室のように使えたので喜んでいた。
ところが、3日くらいたって、となりにおばあさんが入院してきたのだ。歳は83歳と言っていたが痩せた人だから、割と立ち振る舞いも軽いのでどこが悪いのだろうと思っていたら、どうも2日くらいご飯がたべられなくなったらしい。それで入院して点滴をしながら体力の回復を図るらしかった。
ところがである、このおばあさん尋常じゃなくおしゃべりなのだ。最初はうちのばあちゃんも話し相手ができたと思ったらしく、二人で点滴をぶらさげながら話込んでいた。それとともに、だんだんそのおばあさんの見舞いに来る人が増えてきて、毎日4、5人の人が来て、しかも長時間ぺちゃくちゃ大きな声でしゃべっていくのだという。見舞い客が途絶えるとその間にはばあちゃんのところに話にくる。
これにはばあちゃんすっかりまいってしまって、その入院の原因となった病気は日増しによくなってきているのに、血圧が上がったり、頻尿になったりとすっかり体調をくずす始末。早く退院して家に帰りたいと言い出してそそくさと退院したのである。家に帰ったら変なストレスがなくなったとみえて元気になっている。
この隣のおしゃべりばあさんはいったいどこが悪かったのだろうか。普通、入院患者はしゃべる元気もないから入院するのである。また、見舞いに行って長時間話しこむのは病人に対して迷惑であると言うのが常識であるが、あきれてしまう。
どうも今の年寄りは病院をスポーツジムだとか、社交場と勘ちがいしてやしないだろうか。そのおばあさんもいつもはひとり暮らしなのだそうで、寂しくなって話し相手を求めて拒食して入院してきたのではないのかと疑いたくなる。
病院での変な話は無しにしてもらいたいものだ。