この映画を観終わったときに、なんとこの映画は古式蒼然たる映画化と思ったのである。しかし、だんだんじわじわと伝わってくるものがある。それが何かというと、ある意味普遍的なものを恥ずかしげもなく、照れもせずにどうどうと表現したことかもしれない。
見てるほうで照れてしまう。だって、韓国と日本という距離感、1年に一回しか会えない(どうして会えないのかしらないが)、方や外交官の息子、かたや流しの娘という設定(なぜか貧しい娘は日本の女の子)、恋心にゆれる女の子4人、このなんとも古典的な情況設定はどういうこと?
しかもですよ、歌が「なごり雪」なのだ。ええ、七夕に雪ですか。舞台は東京じゃないですよね。という具合になんとなく不釣合いもある。
チルソクというのはハングルで七夕のことらしいが、お分かりのように韓国の高校生の男の子と日本の女子高生は30年まえに陸上競技大会で出会って、一年に一回しかあえないが文通していて恋心を通じあわせるというもの。おいおい、素人の恋愛映画じゃあるまいし、と思ってしまうが意外と見終わった感はいいのだ。
なんなんのだろうかと考えてもしょうがない。人間って何も劇的な生活や人生を送っているわけではなく、べたであれ、背筋がこそばゆくても、無垢なことは素直に気持ちいいのかもしれない。
そんな映画、佐々部清監督の「チルソクの夏」であった。
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