昨日、「小飼弾のアルファギークに逢ってきた」の書評を書いたが、このアルファギークとは一体何のことなのかについてである。本の裏表紙には次のように書いてある。
「アルファ」は動物行動学ではリーダーとなる個体のこと。 「ギーク」は、ひたすら「好き」を貫いて信じる道を往き、世界を少しずつ、しかし確実によい方向に変えていくエンジニアのこと。 アルファギークとは、そういう特性を併せ持つ人たちです。
もう少しぼくなりに考えてみる。どうもみんなの言っていることを整理してみると、簡単に言うとスキルと情熱の4象限にあるように思える。スキルと情熱高い位置にいるのがアルファギークである。
すなわち、秀でた技術力をもって好きなこと、やりたいことを貫きとおすことがアルファギークの最小限の要件であるように思える。
それと、なんとなく技術オタク的なイメージを抱きかねないが、実はそうではなくて、幅広い視野、あるいはほどよいバランスといった感覚が備わっていないといけないのだろう。だから、狭い範囲の技術には優れたものを持っているが、それをやり通す熱情が感じられないのは単なるギークであるということになる。
もうひとつ言えることは、いろいろな視点でものを見るということとつながる話なのだが、一人でなんでもやってしまうということだ。
ひとつの領域だけで優秀ということはなく、できるやつは広い範囲でできるのだ。ここのところも特徴的な点で、想像力と創造力の豊かさをもって“自ら新しいものを作ってしまう”というところにアルファギークの存在感があると思う。模倣ではない独創、あきらめないこだわり、くじけない精神力、こうした要素こそこの世界で突っ走るために必要なものである。
ところで、アルファギークになれるヤツはいいけどなれない俺たちはどうなるのだ。最初にスキルと情熱の4象限と言ったが、情熱があってもスキルのないヤツ、スキルがあっても情熱のないヤツである。
前者のほうは、二つの方向があって、ひとつはスキルのあるヤツを使いこなすことを考えることで、これをプロジェクトマネジメントスキルという。もうひとつは職人に徹することだと思う。
後者は、これはなかなか難しくて、お前燃えろよと言ったところで本人がやる気がなかったらどうしようもない。まあ、ぼくのお薦めは自分ひとりになる環境を無理やりでもいいから作っちゃうということだ。個人事業主になってもいい、起業してもいいから独立することだね。
もちろん、スキルもなくて情熱もないヤツは問題外。
そういう意味でウエブの世界はずいぶんと技術者像のイメージを変えている。従来のようなステレオタイプのエリートエンジニアではついていけないような気がする。このムーブメントは早晩非ネット世界にも波及していくと思われる。
そのとき、このギークにアルファがなぜついたのか、どうしたらアルファを付けられるのか、アルファになれないギークがどうしたらいいのかを考えると面白いと思うのである。