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小飼弾の「アルファギークに逢ってきた」

弾さんが書いた「アルファギークに逢ってきた」(技術評論社)を読む。これは「Web+DB PRESS」に連載された記事をベースに一冊の本にしたものである。もう一気に読めた。弾さんGJです。

ただ、ITいやウエブいやプログラム言語を知っている人でないと何を言っているのか全く分からないのではないだろうか。ぼくは、プログラムを書いたことがない(正確にいうと若いころN88-BASICは少し書いたことはある)が、ここ1,2年で少し聞きかじったおかげで多少はわかるが、そうでない人は聞いたこともない言葉がでてきて、さっぱり理解できないと思う。

ということは逆にそういうことをよく知っている、あるいは今使っているような人たちにとっては面白くてしょうがない話なのだろう。

それでもここに出てくるアルファギークたちの技術ではないところでの言葉に感動するのである。もう書きたいことはやまほどあるんだけどネタばれになるし、書き切れないので登場するギークたちの言ったことの中から印象に残る一言ずつをあげてみることにする。

・Daivid Heinemeier Hansson :Ruby on Railsの開発者

生物はConfiguration(設定)をいじりまくるのではなく、Convention(規約)をそのまま援用している。いろいろ設定を変えてうまくいくものだけを拾い出すより、きちんと動く設定を少しずつ変えるほうがうまくいくんだ。

・伊藤直也:「はてな」のCTO

経済的に幸せになること「だけ」を考えてコードを書くっていうのは、あんまりよくないかなって思うんですけど、本当にコードを書いて世の中がよくなるんだったらって感じがします。

・Larry Wall:Perlの開発者

どれだけ優れたソフトウエアでも、文化を持たないものは普及しません。

・Evan Williams:Twitterの生みの親

失敗すれば落ち込むけど、失敗というより、過程なんだよね、うまくいくための。失敗しなきゃ、何もわからない。

・Dave Thomas:「達人プログラマー」の作者

ソフトウエアエンジニアリングというものはありません。少なくともまだないです。どういうことかというと、これ以上削れないところまで削るのがエンジニアリング。これ以上削れないところまで削るということは、どこまで削るとそれが壊れてしまうかがわかっていることです。まだ、ソフト上に関しては我々はそのレベルまで達していないんです。

・奥一穂:サイボウズラボ、Japanize、Pathtraq開発者

自分が前の会社で何が嫌だった、向いていないと思ったかって、請求書書くの嫌だった。

・John Resig:jQuery(JavaScriptライブラリー)作者

あえて機能を追加しないことができる人がすごいエンジニアだと思います。すなわち具体的に何が重要であり、何が重要でないかということを理解したうえで、その理解のもとで最適化できる人。

・Ingy .Net、Dave Rolsky、Jesse Vincent、C.L.Kao:Perl Mongers
「優れたエンジニア」、「ハッカーとの違い」はとたずねられて

Vincent: ひと言でまとめちゃうと「ハックへの愛」かな。
Kao: 単にエンジニアというのであれば「情熱」というのは必ずしも必要ではないと思います。
Rolsky: すごい大きな視点とすごく細かい視点を同時にもっている必要がある。
Ingy: プログラマー以外の視点を持つっていうのもすごい重要。

・天野仁史、はまちゃ2:JavaScriptの達人
優れたエンジニアとして重要なことはとたずねられて

天野: 俺は自分一人でどこまで作れるかっていうことだろ思います。上から下までどのくらい作れるか。アイディアもその人が持っているっていうのが、やっぱり俺は優れたエンジニアだと思う。行動力とスピード感と、あとはまんべんなく知っていて作りきるだけの技術力みたいな。
はまち: ぼくが思うには、やっぱり視点かな。すごく大きな視点と、顕微鏡みたいな視点、両方を持ち合わせている人!

・近藤淳也:「はてな」代表取締役社長
「はてブ」ってdelicio.usの真似かよ見たいに言われたらという問いに対して

思いついた瞬間で比べるとそうかもしれないですけれど、行動を起こしたほうにどんどん情報はついてくるじゃないですか。だから最初はもっといろんな素晴らしいことを考えている人がいたとしても、行動をちゃんと起こしておけばいいのかなと思います。

ね、すごいでしょ。みなさん言うことに説得力がありますよね。それに、かなり共通点があります。例えば、Dave RolskyやIngyが言っていることとはまちちゃんの言っていることが全く同じで、大きな視点と小さな視点を併せ持たなくていけないと言っている。これなんかぼくはものすごく共感する。前から言っているんだけどぼく流にいうと、“空を飛ぶ鳥の眼と地を這う虫の眼がいる”ということなのだ。

いずれにしろ、アルファギークたちの頭や心のなかの一端を知ることができて大変おもしろかった。ただ、欲を言えば、この続編としてもう少しテクニカルな話じゃなく、仕事スタイルみたいなものに絞って書いてくれるとエンジニアではない人にももっと読んでもらえるのではないかと思ってしまうのである。
 

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2008年05月10日 11:18に投稿されたエントリーのページです。

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