いま、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)のベンチャー支援事業に応募することを検討している。委託費用が上限1800万円だから、われわれのようなベンチャーにとってはおいしい話だ。以前からこうしたベンチャー支援事業はあって、昨年も応募したが採用されなかった。
ところが今年は、すこし様相が変わって支援金額も多くなって、しかも全額になっている。そして何よりもSaaS型の事業モデルが謳われている。昨年から経済産業省は何かにつけてSaaSと言っている。そして、SaaS活用基盤構築事業も別途やっていて、そちらの方は規模も支援金額も桁が違うのだが、今回のものは、その基盤と連携したソフトウエアの開発事業を援助しようというものである。
ずいぶんと肩入れしているが、SaaSの定義というのか、どういうものがSaaSに該当するのかというのがよくわからない面もある。いまだと、Webアプリケーションなら全部当てはまるともいえないことはないので、あまり厳密に考えずに応募したらいいのかもしれない。
先日の、BPM協会のコンポーネント部会でもSaaSをテーマにして議論をした。なぜSaaSがいいのか、どういうメリットを期待して採用するのか、どんな形態があるのか、ASPとSaaSとどこが違うのか、BPMはSaaSとどう関連するのかといったことが論点になる。
SaaSの利点はコストと品質が主たるところではないのかとなった。ここでコストといった場合、従来型のパッケージをカスタマイズして使うコスト、スクラッチからプログラミングするコストから見ると確かにコストは安くなるかもしれない。ただし、コストが安くて早くつくれる技法があれば当然別の話ですよね。
例えばBPMでそこのあたりの開発がコストをかけなくてもできたら、何もSaaSで窮屈なソフトを使わなくてもすむかもしれない。あるいは、アプリケーションではなく開発プラットフォームをSaaSで提供というバリエーションの方がよいかもしれない。
それと、やはり融通性という面では制約がありそうで、自社固有要件はそれが汎用的でない限り(汎用的でないから固有なのだが)機能追加はしてくれないわけで、どこまで我慢できるかになる。
従って、BPMのSaaS化というのをどんな形でやっていくのかによっては、こうした課題を克服できる可能性がある。コンポーネント研究会だから、当然BPMSの末端にコンポーネントをぶら下げてアプリケーションを組むことをベースに検討している。そのとき、あちら側(SaaS)に何をおくのかが議論になる。一番簡単な例は、コンポーネントをサービスとして置いて、内側にあるプロセスで呼び出すという形態がもっともわかりやすい。
さらに進んで内部プロセスも含めて外部サービス化するということも考えられるが、この場合の問題は、セキュリティと継続性である。すなわち、自社の秘密情報をあちら側に置いてだいじょうぶなのかということとSaaS業者が突然やーめたと言って撤退したらどうなるのかという問題である。
そう考えるとまだまだクリアにしなくてはいけない課題があるように思える。だから、ぼくはまずはプロフェッショナルサービスと社内SaaSから始めたらどうかと言っているのである。