いま話題?の高橋洋一氏が文芸春秋5月号に寄稿している。タイトルが「[官僚帝国]の反逆者と呼ばれて」で「「見えない官僚支配」を打破しない限り未来はない」という副題がついている。
高橋氏はぼくがよく見るブログの「池田信夫Blog」や「貞子ちゃんの連れ連れ日記」によく登場する人で「さらば財務省!―官僚すべてを敵にした男の告白」(講談社)を書いたひとです。
この人は無茶苦茶すごい人です。小泉内閣で竹中平蔵のブレーンとして郵政民営化を主導したのである。この郵政民営化というのは財投改革の延長として必然的に起こりえる改革であった。どういうことかというと、財投改革によって郵貯は大蔵省の手を離れて自主運用となるわけだが、ところが運用は国債だけに限定されるから利回りは劇的に低下して、いずれ破綻する。そこでそれを救える可能性があるのは民営化しかなかったのである。
というようなことが書いてある。明快でしょ。この高橋氏は、大蔵省に80年に入省しているが、東大に入学したときは理学部数学科だった。だから、理系のキャリア官僚というわけで、ご存知のように事務官が幅を利かす官僚では異端児とみなされていた。だからこそ改革ができたのかもしれない。
今のように年功序列が確固として存在し、天下りが常態化している世界では営々と築きあげた秩序を乱すことは、自分たちの権益を放棄することになる。官僚はそういう回路でものを考えていく。そこからは改革だとか変化だとかは生まれてこないのだ。
そうした官僚に支配されている内閣ではどうにもならない。高橋氏の暴露する実態を見るにつけ、日本の政官の実態にうんざりすると同時に強い危機感を持つのはぼくだけではないだろう。
そうした状況を打破するためには、今議論されている公務員制度改革を進めなくてはいけないと主張している。そのなかでも、キャリア制度の廃止が重要だと言っている。これは彼のような異端児もいてこそ活性化された組織ができるわけで、いまのように将来を約束されたキャリアに望むものはない。「全生涯の面倒をみてくれる役所こそ永遠」であるから国益より省益が優先するのである。
ここはけっこう重要なところで官庁だけに限らず大企業にも同じようなところがあり、こうした閉塞性から早く脱却しないと世界の変化についていけない。そのためにも流動的な組織、多様性をもった人材の確保が必要になっているのである。
注目の高橋洋一氏はつぎになにを仕掛けてくるのだろうか。

