この言葉や著者の海部美知さんのことはご自身のブログや帯に推薦の言葉を書いた池田信夫さんや梅田望夫さんのブログで知っていたので、それほど新鮮味があるわけではない。しかし、この本「パラダイス鎖国」(アスキー新書)では、断片的なブログの記事を系統だってまとめて、そして新たな調査資料も加えているのでその言わんとしていることがよくわかる。
冒頭、この言葉が生まれた背景が書いてあって、著者が2005年に日本で夏休みを過ごしてアメリカに戻ってきたときに、(彼女はシリコンバレー在住)湧いた疑問が、「中からも外からも、つながろうとする力が弱まり、日本は孤立しつつあるのではないか?」ということで、住み心地のいい日本という国から外にでない鎖国化がおきているのではと感じたというのである。
この現象は、例えば海外旅行に行かなくなったり、海外赴任を命じられたらという質問に喜んで従うと答えた人が激減したとか、そういったことからも窺える。何かいい意味でも悪い意味でも上昇志向というものがなくなったような気もする。ぼくらのこどもの頃ってみんな一旗あげてやろうだとか、いずれは海外で活躍するんだとかいった思いを強くもっていた。そうしたことが今はないという。
日本のマーケットがそこそこ大きいのでそこだけをターゲットにしても食えていってしまうという中途半端さにより、どんどんグローバルな競争力を失っていってしまう。だって、日本は豊かですよね。餓死するやつもいないし、犯罪だって少ないし、インフラだって整っているし、ゆで蛙になってもしかたないのかもしれない。
しかし、このまま行ったらどうなってしまうのだろうか。ジャパンバッシングからジャパンパッシングになってしまって、さらにジャパンナッシングになったらどうするんだ。
今は「鎖国」だから早く「開国」しなくてはいけないのだが、著者はそのための対応策は、「多様性」にあるとしている。利害や価値観が異なるひとも全部ひっくるめて共存させて、その混沌の中から生まれる創造性に期待しようじゃないかと言っている。
それは今のウエブの世界で情報発信しているひとたち、梅田さんや池田さんもそうだが、そういう人たちの共通の意識のような気がする。
わかりやすくて読みやすく、シリコンバレーの雰囲気も出ているのでおもしろいです。
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素晴らしいコピーの数々
自分で考えろ…ということかな?
池田信夫blogで取り上げられていた
ゆるやかな開国宣言。
学生にも読んでほしい一冊
