芥川賞作家長島有の同名の作品を根岸吉太郎が監督して映画化した。竹内結子が主演していて従来のようなおとなしい役からイメージチェンジを図って話題となった。
この映画は、いまキャリアウーマンとして颯爽と生きている主人公が子どものときに、実の母親が突然家を出た後、やってきた奔放なヨーコさんという女性と過ごした夏の日を回想するところから始まる。
どちらというと内気な女の子が徐々に心を開いて仲良くなる様はほのぼのとした味わいで好感が持てる。管理型の母親に「してはいけないこと」ばかりを教えられることから、「何でもしてもいいんだよ」ということをヨーコさんに言葉ではなく行動で教えられる。
そしてヨーコさんは風のようにやってきて、風のように去っていく。この女の子だけではなく、みな少年、少女時代というのは何らかのかたちで、母親や父親と異質の大人に出会い、世の中の多様性だとか、自分の生活と違った側面を知ることで、自分自身を見つめなおす機会を得るのだ。
この親や親類以外の大人とのコンタクトはコカコーラを初めて飲んだときのように腹にしみこむのだ。そんな原風景をおだやかに描き、ヨーコの大胆な行動にもちょっとした翳りをちらつかせ、根岸監督の手腕は確かなものである。
気持ちのいいさわやかな映画だ。
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竹内結子の今を見たい
ノスタルジーにもひたれず・・・
『すばらしい』の一言に尽きる
ステキ映画体験
ひと夏の宝物
