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故人の偲び方

故人を偲ぶと言う。亡くなった人をあとからなつかしがったり、こんなこともあったよねと思い出すことである。しかし、死んでしまった人は自分がどう偲ばれているのか知ることはできない。だから、故人を偲ぶのは生きている人のためにあるものだ。その偲び方について考えさせられることがあった。

ぼくの大学時代の同級生で同じサッカー部ですごく濃い付き合いをしたやつが、ちょうど6年前の3月8日に多発性骨髄腫で50歳ちょっとという若さでこの世を去った。あまりにも早い死であり衝撃であった。

身体を壊しているというのは聞いていたが、病名や深刻度がわからないままでいたら、もう余命いくばくもないというのを同じサッカー部の同期がみなに知らせてくれて、とにかく集まろうということで同期たちが急遽夏の暑い日、渋谷の「長崎」という皿うどんの店に集合した。

この店はその死んだやつが学生のころからよく行っていたところで、ぼくも時々行ったことがあって、店と同じ棟にある、集まろうと知らせてくれた同期のやつの家で麻雀をして、終わるとそこでよく皿うどんを食べたところである。急遽集まったのが死ぬ半年前である。そのときのうれしそうな顔が今でも目に浮かぶ。

で、昨日は元の会社の同僚の人たちも来てくれて15人くらでその同じ「長崎」で皿うどんを食べながら7回忌を行なったのである。

死んだ彼の奥さんにいつも感心させられるのだが、昨日も彼の子ども時代の写真をみんなに見せたり、その気使いも敬服する。そして、引き出物をいただいたがその中に奥さんが書いた故人を偲ぶ文章とある本が添えられていた。胸を打つもものがあるので紹介したいと思う。

クリスチャンでもない私ですが・・・・ 「病気になったら」の詩に出逢い、この本を手にすることになったのが2000年“多発性骨髄腫”という耳慣れない病と闘う日々が始まった年です。   あれから21ヶ月・・・・・(入院・退院 一年後に再入院) みんなに「ありがとう」と声かけて 旅立った○○さん 病室はいつも穏やかな空気に包まれ まるで自宅の居間のよう 毎日通う高尾へのドライブは 別荘に向かう心持ちでした。 看護師さんたちも「この部屋に来ると、ほっとする 」と 時々 一息つきに立ち寄ってくれましたっけ・・・

末っ子でみんなに可愛がられた幼少期・勉学にサッカーに麻雀にしっかり楽しんだ青春期
やりがいのある仕事に出会い、持てる力を十分に発揮させて頂けた幸せ者の壮年期
短い人生ではあったけれど、深く豊かに生き切った○○さん
 
早くに かけがえのない存在を失ってしまったことは、どうにも埋めることのできない
不運には違いないけれど、不幸ではないと思うのです。

濃縮還元ジュースのように、共に歩いた人生をずーっと愉しみながら味わっています。
 
見守って下さる沢山の心友の方々や いっぱいの思い出・・・・
それらの宝物を残してくれた○○さんに感謝しながら。

                        しみじみ教徒

ここに出てくる「病気になったら」という詩や「しみじみ教徒」という言葉は、一緒にいただいた「だいじょうぶだよ」(晴佐久昌英著 女子サンパウロ会)という本にあります。

これだけ夫のことを愛していたということに感動しますよね。こんなやさしい奥さんに看取られて死んでいた友も幸せだったに違いない。

そんなわけで昨日は自分が死んだ時のことを考えてしまった。こんな風に偲んでくれるのだろうか、すぐに忘れられてしまうのだろうか。もう一方で残された家族のこれからの人生を考えると忘れてもらいたいこともあるのではないかとも考えてしまう。

もらった本を帰りの電車のなかで読みながらそんなことを思った。昼の酒も効いてぼーっとなりながら、家についたら嫁さんが「あーら、もう帰ってきたの」と言いながら引き出物のお菓子を取り上げられてしまった。“しみじみ”とおれはどうなるのかとふと溜息をついたのであります。
 

だいじょうぶだよ
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    • 5 ユーモア、そして弱さを受け容れる強さ
    • 5 そう、だいじょうぶなんだよ
    • 5 心からありがとう
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2008年03月09日 12:06に投稿されたエントリーのページです。

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