第138回芥川賞が川上未映子の「乳と卵」に決まった。直木賞が桜庭一樹(こんな名前で女なんて反則だよね)だから両賞とも女流作家ということになった。昨今女性の作家がすごい勢いで男性陣が少し元気がないように感じられる。
さて、その「乳と卵」(チチとランと読む)だが、ぼくのような男にはなかなかわかりずらいところがあって、最初は何だこの作品はと思った。しかしながら、大阪弁の文体につい引き込まれてしまい、そして最後の「お母さん、ほんまのことを、ほんまのことをゆうてや、」という文章が止めを刺す。
この作家は、いわゆる文学少女というジャンルではなく、何しろ家に本がなかったので教科書の文章を読むのがうれしかったというくらいだから、今までの常識とは違っている。職業もいろいろなことをやっていて大阪の北新地のクラブホステスだったり、歌手もやっていたりとちょっと驚いてしまう。
ぼくは必ず芥川賞をとった作品は読んでいるのだが、年々ついていけないような気がする。逆に言うと、芥川賞を追っていくと時代の流れや空気が感じられるかもしれない。そういう意味では、この作品は男がまったく登場してこないわけで女3人だけの構成であり、それも母親、叔母という密な関係で、どうも女を描くことが今様なのかと思ってしまう。男は小説の主人公になれない時代なのだろうか。
相変わらず、石原慎太郎が吼えている。選評で「一人勝手な調子に乗ってのお喋りは私には不快で聞き苦しい。この作品を評価しなかったということで私が将来慙愧することは恐らくあり得まい。」ときた。そうなると、ちょっと意地悪っぽいけど、彼がほめた青山七恵との対比のなかで川上未映子を注視していこうと思う。
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不思議な文章ですが
おもしろかった
消化しにくい文章
