映画監督市川崑が逝った。享年92歳。
多くの名作を残したが、なかでもぼくが印象に残っている作品は、「ビルマの竪琴」、「おとうと」「東京オリンピック」である。ほかにも「犬神家の一族」や「股旅」とかがあるが、前の3作がぼくにとっての市川崑である。
特に「東京オリンピック」はそれまでのオリンピック映画と違って単なる記録映画から芸術性の高い作品に仕上げたことは特筆される。選手の息使いや躍動する筋肉などを望遠レンズやスローモーションを駆使して描き感動を与えてくれた。当時こうした映画つくりに異をとなえる人もいて、記録か芸術かの論争になったものだ。
それと「ビルマの竪琴」については以前このブログでも触れたのであまり言わないが、何と言っていっても「おとうと」の岸恵子である。この作品は第14回カンヌ国際映画祭フランス映画高等技術委員会賞を受賞していて作品自体もいいのだが、姉を演じた岸恵子がすばらしくいまだに残像が残っている。
90歳過ぎてもまだ映画を撮りたいといっていたが、さすがに力尽きたようだ。あのトレードマークの黒縁のめがねとくわえたばこ(晩年は禁煙していたそうだ)が見られなくなるのはさびしい。ご冥福を祈る。