以前「経済学的思考のセンス」(大竹文雄著 中公新書)という本を読んで面白かったので、大竹教授の編纂した「こんなに使える経済学-肥満から出世まで」(ちくま新書)を読む。大阪大学社会経済研究所の先生たちがわれわれの身近な問題を経済学という切り口でわかりやすく説明してくれている。
例えば、各章のタイトルを見るとおもしろいのだが、
という具合に最近話題になっていることがらにスポットをあてているので思わず引き込まれてしまう。
基本的には著者の大竹さんが前に「経済学的思考センス」のあるひととは、インセンティブの観点から社会を視る力と因果関係を見つけ出す力をもったひとと定義しているように、インセンティブなんですね。ただ、それだと何となく人間の行動っていつも経済合理性だけで動くわけではないよなあってなことを言いたくなる。
でも、面白いことがいっぱい書いてあって楽しめたのだが、その中でも「不況時に公共事業を増やすべきか」というのを紹介しよう。
いつも不況になると公共事業を増やそうとするが、これって結局単なる失業手当じゃないのかと思っていたのだが、本の中でも同じことを言っていた。いずれも公金が同じように使われるのだから一緒でしょとなるから、何でもいいから公共事業をやればいいのだというのは誤りなのである。だからといって減らすほどよいというわけでもない。
よく公共事業は税金の無駄遣いというけど、結局国民の懐に入るわけだから意味はないことはない。だから、何が大事かというと公共事業で作ったモノやサービスが価値があるものなのかどうかなのである。これは、当たり前の結論なのだが、その通り議論されていないわけで、政治家や役人はただ単にお金の額のことしか言っていないことが問題なのである。
こういうこととか、その他普段ちょっぴり引っかかっていたようなことをうまく説明してくれているので読んですっきりする本だ。
- 大竹 文雄
- 新書 / 筑摩書房 (2008/01)
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