ある人から日経BPの主任編集委員である田中克己さんと会って話をするから一緒に来てくれと言われたので、その田中さんが最近書いた「IT産業崩壊の危機」(日経BP社)を読む。
ぼくも今のような日本のIT産業だといずれ崩壊するのではないかと思っているので興味深く読んだ。内容は以前日経コンピュータや日経ソリューションビジネスなどに連載した記事を再編集したものである。
従って、盛りだくさんのテーマでITベンダー側から、またはユーザ企業側からの視点でも書かれているが、正直言ってテーマが多すぎる。またインタビュー記事も多く入れられていて、どれが著者の意見なのか、どうまとめようとしているのかがよく分からなかった。
危機的状況であることは分かるが、それを乗り越えていくのに、従来型の発想の延長でできるのかと思ってしまう。既成の大手ITベンダーの人たちの取材でその人たちが将来こうなると言ったところで、ぼくは限界があるような気がするのだ。もうそういう時代ではない。もっと世界は早いスピードでダイナミックに動いている。そんな時代なのに、その存在こそが危機を招いている会社に打開できるわけがない。
もっと若くてやわらかい発想や行動力に期待せざるをえないとぼくは思う。もっと日本のよさや強さを具現化した日本発のITを創出しないといけないのだ。
それと、国の対応のことも書いてあったが、経産省にしても総務省にしても彼らの支援する先はあくまで業界なのである。そのスタンスを変えないといつまでたっても日本のIT産業は再生できない。
最近「消費者庁」というような構想もでてきたようだが、ITにもこのユーザのためのITという切り口を持ってこないといけないと思うのである。例えば、中小企業のIT化だとかいうと、経産省はすぐにIT産業の振興というアプローチになってしまう。経産省にも中小企業庁というのがあるのだから、日本の中小企業を活性化するためにITをどう活用していくかという視点でやってもらいたいのだ。
こんなことを今度田中さんに会った時に議論できたらなあと思っている。
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