昨日、茨城県の三菱化学鹿島事業所で火災があり、3人の死亡と1人の不明という事態となった。大変残念なできごとで亡くなられたかたのご冥福を祈りたい。
ここでとり上げたのは、ぼくはその昔事故のあった同じエチレンプラントというところで働いていたことがあったからである。エチレンプラントというのは、ポリエチレンやポリプロピレンなどの原料になるエチレンやプロピレンなどを生産する工場である。エチレンは産業のコメとも言われるくらい、プラスティック製品のほとんどがこうしたプラントで生成された原料から作られる。
このエチレンプラントの特徴は、なんといっても大量の可燃性あるいは爆発性の化学物質を扱うことにある。そうした危険物を非常に高温(8百数十度)から非常に低温(マイナス160度)まで、そして圧力も常圧から3十数気圧までの高圧で操作するので、大変注意深く扱う必要がある。しかも、昼夜連続運転であり、夜暗い中でプラントの動く様を体感すると、巨大戦艦を操っているような気になる。
そんなところで今回の事故である。新聞によれば、分解炉のデコーキングという、分解管の壁にカーボンが付着するのでそれを燃やして除去する作業があるのだが、それが終わって復旧しようとしたときに起きたようだ。この作業はある期間が経過すると必ず必要になるので、特殊な作業でもなくむしろ慣れた作業であったはずだ。
だからどうしてこんな惨事になったのかと思うのだが、この慣れた作業がくせものなのだ。決してやさしい作業ではないから、いつも注意を払ってやらないといけないわけで、その注意が慣れによりおろそかになる瞬間が生じたのではないだろうか。
火がついた油はクエンチオイル(急冷油)といって重油のような重たい油なので、一旦着火すると消しにくいし、拡がるのである。しかしなぜ弁が開いたのだろうか?おそらく工事作業と運転操作の行き違いなのだろうが、安全確認の徹底の問題だろう。
自分が、実際に同じような現場で働いていたこともあり、また三菱化学鹿島事業所のエチレンプラントにも何回か行ったことがあり、事故現場も真近に見たことがある身にとっては、何かやり切れない思いだ。
さらに事業所長はぼくの知っているひとだから余計複雑な思いにかられている。もう二度とこんなことが起こらないようにしてほしいと願うばかりだ。