あのベストセラー「ウエブ進化論」が2006年2月刊行だから、1年9ヶ月ぶりに梅田望夫の新刊「ウエブ時代をゆく」(ちくま新書)が出た。それを読む。
相変わらずのオプティミズム満載の若者励まし本。別に茶化しているわけではなくて、なかなかここまで、今の時代を理解し、ガイドしてくれる人はそうはいない。ただ、池田信彦さんが15分で読んでしまったと言ったように、「ウエブ進化論」を読んでいればその延長として“読める”ので、あらたな発見、驚きは少ないように思える。あまりに「ウエブ進化論」の衝撃が大きかったことの証左でもある。
著者があとがきで福澤諭吉の「西洋事情」と「学問の進め」が対になった存在であったように、「ウエブ進化論」と「ウエブ時代をゆく」を書いたと言っているが、ちと行きすぎでしょ。要するに、「ウエブ進化論」を読みきれば、「ウエブ時代をゆく」が導かれるのはおおかた推察できる。むしろ、「ウエブ進化論」から2年弱なのに、その間の梅田さんの変化より、実際のウエブ世界の変化のスピードのほうが上回ってしまっているとさえ思えてくる。
まあ、それでも得るところは多く印象に残ったところを少し。
まずは、シリコンバレーで学んだ3つの言葉ということで次の言葉を言っている。
1の意味は「病的なまでの心配性な人だけが生き残る」ということだそうだ。2はアントレプレナーシップだから、普通は起業家精神と訳されるが、ちょっと違ったニュアンスとして「自分の頭で考え続け、どんなことがあっても絶対にあきらめない」という心の持ち方を協調している。3のバンテージポイントというのは、「見晴らしのいい場所」という意味で、その分野の最先端で何が起きているのかを一望できる場所ということである。
確かに、これらはシリコンバレーのようなところでは必要な要素であろう。そして、梅田さんは別の言い方として、志、オープンソース精神、オプティミズムを大事な要素として提示している。これをみてぼくは以前に書いたことがある、村上和雄さんが言っていた、ぼくの座右の銘でもある「高い志、感謝、プラス思考」と対比して、ああ同じことを言っていると感じた。
さらに、ぼくの言っていることとの対比では、まだリアル世界とネット世界の境界領域で必要なスキルを身につけた人は少ないので、そこに「新しい職業」の可能性があると言っているが、今僕ら親子が目指しているのは、まさにこの境界を埋めるための「バウンダリー&フュージョンエンジニアリング」であることにシンクロする。
ただ、梅田さんが向かって鼓舞している若者は、かなりスキルを持っていて、リテラシーの高い子たちなのではないのだろうか。おそらく少数の若者しか呼応できないのではないかと思う。それがわかる文章があって、そこに境界領域のフロンティアを生き抜くために必要なウエブ・リテラシーとして次の4つを挙げている。
そして、「これなら、「心掛け次第で明日からでも実行が出来、実行した以上必ず実益がある」はずだ」と言い切っている。
えええー、こんなことだれができるの? こりゃ一握りのアルファギークしかこんな能力をもってやしない。手前味噌になってしまうが、うちの社長みたいな子でないと無理だ。もうちょっと敷居を低くしてやらないと「群集の叡智」は別世界に飛んで行ってしまいますよ、梅田さん。
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