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キャパ その青春

ビデオジャーナリスト長井さんがミャンマーで射殺されたことや内田樹の「私家版・ユダヤ文化論」を読んだこともあり、読みかけで置いてあった「キャパ その青春」(リチャード・ウィーラン著 沢木耕太郎訳 文春文庫)を読了。

ロバート・キャパはあの「崩れ落ちる兵士」を撮ったカメラマンである。スペインの内戦に取材したこの写真はあまりにも有名であるとともに、この写真はいわゆる“やらせ”で兵士に演じさせたところを撮ったのではないかという論争がいまだに続いている。真贋はともかく印象に残る、影響力を持った作品であることには間違いない。だからいまさらどちらでもいいと思う。

この本は、キャパが生まれてからこの写真を撮るくらいまでの青春を描いたものである。ロバート・キャパは本名エンドレ・エレネー・フリードマンといってハンガリーのブダペストで生まれる。フリードマンという名はユダヤ人によくある名前であり、もちろんキャパもユダヤ人である。

ブダペストという町はぼくにとってちょっと憧れの町だ。ドナウ川をはさんでブダとペストという地区からなっているきれいな町である。ぼくは行ったことがあるわけではないのだが、「暗い日曜日」というブダペストを舞台にしたハンガリー映画を観たとき美しいと思ったのである。

さて、キャパのことであるが、芸術家ならだれでもそうかもしれないが、最初はなかなか世間に認められなくて、貧乏生活を強いられて、しかし周りの誰かが助けてあげて、あるときその才能が開花するというパターンが多いが、まさにそのストーリーである。さらにおりしもナチスが台頭する騒然としたヨーロッパでのことでそのなかでしたたかに生きる青春があった。

ただ、この本は読みにくい。沢木耕太郎の訳だから翻訳の問題ではないと思うが、ただひたすらに“できごと”を追いかけているように感じられ、キャパの人間味のようなものが表出されていないのだ。

このあとに「キャパ その戦い」と「キャパ その死」というのが続くのだけれど、もう読む気がしなくなった。


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2007年10月07日 11:43に投稿されたエントリーのページです。

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