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酒 - チャイナばなしその10

中国には酒が豊富にある。もちろん、日本酒やウィスキーはないが、ビールやワインもある。何と言っても中国酒で代表的なものといえば、醸造酒である黄酒と蒸留酒である白酒である。前者で有名なのが紹興酒や老酒で、後者では茅台酒や汾酒があります。

茅台酒は日中国交正常化の式典で田中角栄が周恩来と乾杯した酒として有名になりました。アルコール度数が55度ですから、気をつけないとひっくり返ってしまいます。われわれも当初は慣れていないものだから、宴会の席で茅台酒を飲みすぎて担がれて部屋に帰ったやつもいました。

そうなんです、この宴会というのが曲者で、円卓を囲んで飲み食いをするわけですが、やたら乾杯(中国でカンペー)をする。だれかがコメントを述べたらそれに対してカンペーとやる。一番多かったのは、「日中(中国側が言うときは中日)友好にカンペー」です。当時は多少言っていいことと悪いことに神経質になっていたところもあったので、まあ、これさえ言っておけば無難なのでそればっかりです。

これを繰り返すと酔っ払うのは目に見えています。よく見ると中国人は平気です。あとでよく聞くと、宴会慣れしていることもありますが、どうもカンペー要員を各テーブルごとに用意していたのだそうだ。そいつが、主に場を仕切っている。

でも、最近はこうしたカンペーを繰り返す方式もなくなっているようで、ぼくの姉の旦那が数年前に上海に駐在していたとき、宴会が大変でしょうと聞いたら、もう若い人が昔のようなことをやりたがらないので、日本とあまり変わらないようになっていると言っていた。

ビールは最近日本でも飲める青島啤酒や五星啤酒といったところを飲んでいました。ところで、中国ではビールを冷やす習慣がないのです。一度、北京の中南海公園で暑かったのでビールを飲もうとしたら、何と野ざらしの桶みたなものに入っていて、それをひしゃくで汲み取り、メスシリンダーのようなジョッキに入れてくれたときにはたまげたな。いくらなんでも、なまぬるい気が抜けたビールはうまくなかった。

で中国では酒が量り売りなんですね。ぼくは毎日宿舎の食堂で汾酒の量り売りを飲んでから食事をしたものだ。茅台酒にしても白酒は中国の料理によく合うんですね。強い酒なんだけど胃が中華料理の油でコーティングされているので、けっこう飲んでもだいじょうぶなのだ。

それで、おみやげに茅台酒をいっぱい買って帰ったのだが、不思議なもので現地で飲んだときと日本に帰ってから飲んだときとでぜんぜん違った。刺身に茅台じゃ、合わないし、すぐに酔っ払ってしまう。酒というのは、その土地の気候や料理があってこそうまく感じるものだとそのとき当たり前に強く感じたのである。


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2007年10月05日 09:39に投稿されたエントリーのページです。

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