いきなりITとサプリメントと言ってもどういう関係なのかわからない。別に直接関係があるわけではなく、最近サプリメントを採る人が増えた風潮をながめていて、これはITの世界も似ているなあと思えたので、こんな表題をつけてみたのである。
サプリメントは元来栄養補助食品だから、不足する栄養素を補充するものである。それがビタミンであったり、ミネラルであったりする。昔はこんなものはなかった。終戦直後はみな栄養失調だったけど、その後は普段食べている食物から採れば十分であったはずなのに、なぜこんなものがもてはやされているのだろうか。
健康ブームに乗った商法なんだろうけど、朝飯をカロリーメイトで済ましてしまう若者に受けたのかもしれない。さらに、年寄りにはあの手この手のサプリメントを提示し、ガンにならない、関節痛がなおる、ボケ防止などと煽っている。グルコサミンだ、ヒアルロン酸だと言われても何じゃこりゃと思ってしまう。亜鉛だクロムだといったものまである。
それで、これは○○の病気に効くというふうになっているが、それだけ飲んでも効果があるとは思えない。人間の体なんかもう数え切れない数の栄養素でバランスされているから、単品で摂取しても効くわけではない。
人間は誕生してからずーと食物からそれぞれの栄養素を採りながら健康維持できる仕組みになっているので、単体で採ってもうまくいかないのではないだろうか。結局、バランスのよい食生活をすることが一番なのだ。
そこでITの話である。なぜ似ているかというと、企業の情報システムを考えたとき、企業という組織体は健康で活発に活動しなければならないから、そのためにいろいろな栄養素を採ることになる。そのひとつがITであると考えられないことはない。
会社のどこかで血の流れが悪くなったら、そこにITを導入して流れをよくする、頭の回転が悪くなったので、そこをIT化して、いい判断ができるようにするといったことを考えると、何となくITの姿がイメージできますよね。
そんなとき、今のITはサプリメント発想に近くなってやしないかと危惧するのである。すなわち、処方箋としてすぐにミクロ的な技術やソフトウエアを提示して、それで解決できると言っているように見える。企業の仕組みは、人間と同じように様々な要素から成り立っているわけで、そうした全体を考えて、バランスのよい処方を提供する必要がある。
それをソリューションと呼んでもいいが、要は、局所的な痛みや不具合だけに目を向けるのではなく、それに至った体質だとか免疫力などから改善していくという姿勢が大事だということである。
もちろん、技術オリエンテッドという側面も必要ではあるが、そうしたときも常に根底にこうした本質を見る目と全体感、バランス感覚を忘れないようにしたいものだ。