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IT業界構造 - 親子丼的ビジネス奮闘記(4)

先日、IBMの清水さんというSOAの権威のひとと会っていろいろと話す機会があった。いま、ぼくらがやっているBPMやSOAについて、デモをしてその評価をしてもらった。それなりに賛同も得られ、高い評価をいただいたので喜んでいます。ぼくのデモのあと清水さんにも若干SOAについて説明してもらったら、驚いたことにほとんど同じことを言っていたのです。

それで、お話は単にSOAやBPMにとどまらず、IT業界の構造にも言及していました。ぼくも以前から人月ビジネスから抜けられない今の業界について疑問を投げていたので盛り上がる。

清水さんは米国の事情にも詳しいので、日本との比較が面白かった。米国と日本との大きな違いは、米国の企業は基本的に内製なのだ。すなわち、社内のIT部門に開発エンジニアを抱え、そこでシステムの開発から運用を行なう。

ですから、米国のベンダーはそこに製品を供給する役割であり、日本でいうSIerというのはほとんどなく、あっても企業でリソースが不足したらそれを補う役割でしかない。契約にしてもはっきりしますよね。提供されるプロダクトやサービスに対する対価を払えばよいわけで、かかった人月で支払ういう出来高払いのような形態は少ない。日本のようにベンダーやSIerに丸投げして、できてからこんなはずではなかったなんて事態にははじめからならない構造なのだ。

日本もこれまでのやりかたでは、欧米やインド、中国との競争に負けてしまう、というより、賢いユーザは気がついてくるはずだ。すでに改革をしているユーザ企業もあると思う。今後は、自社内にITアーキテクトやプログラマーといったエンジニアを抱え、自力で真に自分たちの事業の役に立つシステムを構築していく動きにならざるを得ないのではないだろうか。というようなことを話してお互いに何とかしなくちゃと嘆いたのであります。

さらに、どうしてこうなってしまったという話題にも言及して、ひとつは、企業のIT部門の弱体化・人材不足ともうひとつはベンダーへのアウトソーシングの流れではないかというのが論点となった。前者ではおしなべてまだ日本の経営者の意識として、ITに突っ込んでこないことと名前の通ったベンダーにまかせておけばいいというのがあって、自社でリソースを抱えることのほうがコストがかかると思っている。このへんの意識が変わることが大事であるが難しい。

後者では、IBMが先陣を切ったがユーザ系情報子会社を買収して、親会社のフルアウトソーシングをするのがはやった。さすがに最近は見直しがかかったと聞いているが、これにより、ユーザ系の情報子会社のスキルが消失してしまった。清水さんはIBMのひとなのにこれについては反省していた。

これからは、日本でも内製化の方向に行くべきだと考えるが、その時のコンセプトあるいはアキテクチャはBPM on SOA が適していると清水さんもぼくも思っている。ただし、そのためには、清水さんが盛んに言っているように、SOA、BPMの正しい理解が必要である。単なる技術ではなく、ビジネスのありよう、サービスの構造というもっとビジネス寄りの考え方であることをきちんと咀嚼できるようにならなくてはいけない。

これについては、清水さんは会った次の日に日本JAVAユーザ会セミナーでのパネルディスカッションにパネラーとして出ていて、そこでの発言がITProに掲載されているので参考になる。この記事を書いたのがぼくと清水さんを引き合わせてくれた日経BPのY記者です。

ぼくは、それと実践として使える道具もなくてはいけないということを言った。実はこうした道具と技法の提供がぼくら親子丼的ビジネスの柱のひとつなのである。

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知人のmark-wadaさんのBlogからTB。 親子丼的ビジネス奮闘記(4) IT業界構造 SIerなんてものは無い 米国と日本との大きな違いは、米国... [詳しくはこちら]

コメント (2)

yumoto:

ご無沙汰しております。

業界構造のお話とBPM on SOAのお話は非常に興味深いですね。後者のコンセプトについては私も同意です。

弊社の取り組みはまだまだこれからですが、近況報告も踏まえて飲みにでも行けたら、と思っております。

mark-wada:

お久しぶり。
実際に動くBPMアプリケーションがありますので、一度見てもらいながら一杯やりましょうか。

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2007年9月19日 09:45に投稿されたエントリーのページです。

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