この本の著者は、パオロ・マッツァリーノという名の自称イタリア人なのだが謎。○○力ばやりのご時世だから、またぞろそんなこじつけ本かと思いきやそうではなく、けっこうつっこんだ論旨を展開していて面白かった。
彼いわく、つっこみ力とは、「愛と勇気とお笑い」ということらしい。そして、それぞれについてもう少しつっこんでいて、愛というのはわかりやすさであると断言している。これ素直に賛成しちゃう。ついちょっと前のブログにも書いたが、みんな難しく考えすぎてないといったことを書いたのでよくわかる。
勇気は、権威に負けずにつっこむ勇気ということだ。そして、権威へつっこむときのコツがあって、常に第三者の存在を意識することで、相手をどう打ち負かすかは二の次でいいんだそうだ。周囲の人を愉しませて巻き込み、あわよくば見方につけるのが、つっこみ力の理想なのだ。
最後のお笑いですが、ぼけとつっこみがあるのは日本だけだそうだ。アメリカの漫談なんかは、客がいまのセリフがジョークであったかどうか判断しなくてはならないので、笑いの感度が鈍いとオチに気づかないことがある。その点、日本の漫才ではつっこみ役が笑いのポイントを教えてくれる。このつっこみの効用というのは、わかりやすさを高めることと笑いの付加価値を創出して相手の興味を惹きつけるという2点なのだそうだ。
てなことで、この本の前半はつっこみ力とはなにかというテーマで書いてあって楽しいのだが、後半が“みんなのハローワーク-職業ってなんだろう”と“データとのつきあいかた”となって、ヤクザの話やデータを鵜呑みにしてはいけないだとかいったつっこみを入れている。だから、つっこみ力について語っているのか、つっこみをしているのか混然としている。
だれかが、新書は雑誌であると言ったが、まさに新書は百花繚乱。いろんな出版社から新書が出ているが、まあほとんどが昔の雑誌の記事みたいなものである。
ぼくは、もうひとつ雑誌の記事に近いものはブログだと思う。いまは、新書とブログでつっこんでいるわけです。「つっこみ力」という本も内容はブログに書くようなものである。この本に登場する社会学や経済学への皮肉やヤクザの経済学、データはうそをつくなどなどは、ぼくがブログでとりあげたテーマによく似ている。ぼくが書く前に本が出ていたが、読んでいなかったので別にまねしたわけではないのに似かよったものになった。
きっとこれからは、うまいあるいは鋭い記事を書くブロガーが新書の著者となるケースが増えてくるのではないでしょうか。
- パオロ・マッツァリーノ
- 新書 / 筑摩書房 (2007/02/06)
- Amazon 売り上げランキング: 4072
- Amazon おすすめ度の平均:

「わかりにくさは罪である」
鋭いつっこみ
おもしろいが、意外と陳腐。
