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人命 - チャイナばなしその3

いま、五輪のメイン会場となる「鳥の巣」というスタジアムの建設が急ピッチで進められているが、そのため大量の労働者が動員され、危険な作業についているようだ。

まだ、中国は、というか途上国の常として、安全衛生、保安、公害とかいったことに対する配慮はとりあえずおろそかにする。工事で転落して数人が死んだようだ。公表していないので本当かどうかわからないが、おそらく死亡者が出ているのはまちがいないようだ。どうも中国は、あれだけの人間を抱えているからというわけでもないだろうが、人命をおろそかにしているように感じる。

というのは、これも30年前に経験したことが重なっている。プラント建設も終わり試運転に入った頃のことである。石油化学プラントには、除害装置としてフレアスタックというのが設けられている。要するに、爆発性のガスを生で大気に放出することができないため、そこに導いて燃焼させるわけである。よく、テレビで油田の映像が流れて、そこに煙突のようなものから火を噴いているのをみることがあると思いますが、あれのことです。

ですから、フレアスタックというのは、ガスが放出されていないときでもパイロットバーナに火をつけておかなくてはいけないのである。突然ガスが流れてきてから着火したのでは遅いので種火を常時つけておくわけです。

ところが、ある日その種火が消えてしまったのである。こういう場合は、プラントを止めてガスを全部逃がすか、封じ込めてから修理する。それでないといつガスが放出されるかわからないので、もしパイロットバーナのところで着火テストかなんかしていて、ガスがきたら一瞬にして焼き鳥になってしまう。

ぼくらは、当然一旦プラントを停止して作業を行なうものだとばかり思っていたら、何と一人の作業員が松明を持ってフレアスタックを登っていったのである。高さが120mくらいあるから、登るのも大変ですが、何といっても危険きわまりないのである。

幸い何事もなく作業は終わったのだが、これにはびっくりした。翌日の工場の掲示板には、英雄的行動として賛辞が贈られていた。五輪施設の工事現場で働く農民工をみていると、いまでも、多少こうしたことが残っているように見えてしかたがない。

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2007年08月19日 10:58に投稿されたエントリーのページです。

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