「白い恋人」が汚れてしまった。賞味期限を延長して販売したうえ、アイスクリームなどからも食中毒の原因となる菌や大腸菌群を検出しながら隠していた問題が発覚した。
何と賞味期限延長は十年以上にわたって行われていたという。しかもそれを社長も知っていたというからあきれてしまう。賞味期限の延長については、おそらく、社長以下はこうして問題が明るみにでるまでは、そんなに悪いことをしているという意識がなかったのではないだろうか。
賞味期限というのは、法で決められているわけではなく、社内規定で決められるものなので、4ヶ月のものを6ヶ月にしたところで、最初から6ヶ月にしておけば売れるわけだから、たいしたことはないと思っていたにちがいない。賞味期限を多少延ばしたところで腐るわけではないし、品質が劣化することもないからと思っていたのだろう。
これは内部告発により判明した不祥事であるが、社内では黙殺されたらしい。そうですよね、社長も知っている悪事は社内で取り上げることはありえない。こういうケースでは社内に向けての告発は無理だが、そうではなくても社内で取り上げてくれて、それを外部に公表するのは非常に難しいようだ。昨年、「公益通報者保護法」というのができて、内部告発者の解雇や減給などから守る仕組みができたのだが、経営者が聞いてくれなかったら外部の機関に告発することになってしまう。
結局、「白い恋人」は売れ残った商品を捨てずに売った利益よりはるかに高い代償を払うことになってしまった。これは、経済合理性からみて、賞味期限延長行為が損になることを予見できなかったのだろうか。それと、不二家などの不祥事のときに自分たちの足元を見直さなかったのだろうか。
いずれにしろ、人間誰しももっている、まあこの程度だったらだいじょうぶだろうという緩みが、一回それでだいじょうぶだと、またやってもだいじょうぶだろうとなり繰り返される。しかも罪の意識が薄れていくというパターンが、日常的かつ組織的に行なわれていったのである。
で、こうした淀みを防ぐにはどうしたらいいのか。ひとつは、情報開示を行い、そこにアクセスできる人を多くすることではないだろうか。もうひとつは、組織の要員を固定化しないことだ。人を入れ替えるのだ。
しかし、これって違法になるのかなあ。賞味期限の延長は、いったん消費者に示した期限を書き換える改ざんとは異なり、違法行為ではないはずで、そうなると、賞味期限が6ヶ月であることの科学的な裏づけが問題になるのだろうか。でもそれを証明するのは難しい。
え、ということは、おそろしいことに、消費者はメーカが勝手につけた賞味期限を信じて、商品を買っているというわけ。賞味期限に余裕を持たせるメーカもあるだろうし、ぎりぎりに設定するメーカもあるということなのだ。おっと、そっちのほうが心配になってきたぞ。