« データはウソをつく | メイン | 帳票は要らない - 働きたくなるIT(10) »

画面が変わる - 働きたくなるIT(9)

情報を処理するためのインターフェースは画面と帳票になる。またこれらは、データモデルとプロセスモデルをつなぐ役割でもある。

このエントリーでは、主に画面について考えてみることにする。いま、繰り返して言っているように、企業情報システムも大きく変わろうとしている。本当に事業の役に立つシステムにどうしたらいいのか模索している。従って、システム全体あるいはコンセプトも変化していくのなら、コンピュータの使い方、画面の利用の仕方も以前の使い方と違ってくるはずなのだ。

ところが、いまのビジネスシステムの画面は昔のメインフレーム端末画面とそう大きくは変わっていないように思える。必然的に20年も前のオペレーションと大差ないのではないでしょうか。家庭ではブラウザを使ってインターネットと自在に会話しているのに会社の仕事ではそこまでやっていないというのが実状でしょう。いやー、ネットの使い方とビジネスは違うよとおっしゃる人もいるかもしれませんが、そうなのでしょうか。

情報処理には「時制」がある。未来の行動に向かって準備する、現在の仕事を処理する、終わった仕事を記録する、という3種類のパターンが考えられる。従来のコンピュータシステムは、そのうち“終わった仕事を記録する”ということに重きを置いた設計になっている。すなわち、生産実績、出荷実績、売上高などを登録するという機能である。今の話は、基幹業務システムのところのことで、ここでは、グループウエアの中にあるスケジュール管理だとかメールだとかは別の話にします。

一方、インターネットを使うのは、どちらかというと“未来の行動に向かって準備する”要素が大きく、何かをするためにネットから情報を得ているということが主な使い方になる。

ところが、現在形であるところの“現在の仕事を処理する”ということに対して、コンピュータが有効に使われているかどうかは、どうもあやしいような気がする。

ちなみに、ネットではどんどん現在形や過去形が入り込んできている。ネット購買やブログに日記を記録しておくなどである。

従って、これからのビジネスシステムは、コンピュータをうまく活用して“現在の仕事を処理する”ことを考えていくことが重要になると考えている。

そうした見方をしたとき、いまの様々な業務システムの画面は、使いやすいものになっているのだろうか。画面の種類をみてみると、だいたい、登録、参照(問合せ)、出力、閲覧(チェック)といったものが主体になっている。すなわち、金額、数量を登録するために過去のデータやマスタを参照して、そして入力したデータの出力とチェックを行なうといったアクションのために画面が構成されているような気がする。

もちろん、なかには手配や指示を行なったりするものもあることはあるが、そうした手配や指示は実際には帳票をFAXしたり、電話、メールで依頼するといったやり方も多いのではないでしょうか。

結局、従来の画面は業務プロセスと画面の一体感がないのだ。いま、BPMが注目されて、ビジネスプロセスをちゃんと設計しましょうよということになっても、プロセスをただ作ればいいわけではなく、そのプロセスをスムーズに回して、制御していかなくてはいけない。そうでないと、せっかくいいプロセスを作ってもどこかで停滞が起きたり、迂回プロセスを作ったりして、業務改善にも何にもならないことになる。

そのためには、画面を使って、そこから明確な指示を出して、その結果をその画面に返してもらうというアクションが必要になってくると思う。“情報がアクションを誘導する”というイメージだ。

ですから、賢明な読者の方はお分かりだと思いますが、「ビジネスコンポーネント指向開発」のフロントエンドツールであるCMS(Contents Management System)が、その役割を担うのに適した画面を提供してくれるというわけです。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://kamawada.com/~masanori/blog/mt/mt-tb.cgi/246

コメント (2)

2回目のコメントになります。
難アリ親父でございます。

レイヤーは違うと思いますが、翻訳モノの解説本によると、もっか勉強中のEPCでもステンシル内の記載に際して、「時制」の指定がされておりましたので一言。

EPC図の書き方について、日本語で書かれた書籍や資料が少ない(マイクロソフト社からvisio向けにDLファイルが公開されていますが、肝心の書き方の解説が無い!)ように感じるのですが、理由の一つに「時制」の問題があるように思えてきます。

まったくの当て推量なのですが、英語などの欧米言語において、「時制」は厳格、かつ、空気の如く当たり前なので、欧米言語で書かれた専門書では文法書のように、ことさら時制を強調した記述はしないはずです。

それをネタ本とする、日本語の解説書の多くもそのまま「右から左へ受け流す」だけですので結果、読んでもピンとこない内容で終わっている気がします。

難有り親父は、これをヒントに我流でRPGシナリオ作成の法則に置き換えて実践中であります。

閑話休題。mark-wadaさんの論を進めると、昨今の情報流出などの対策もマナーやモラルなどの精神論に頼りすぎの昨今、「情報がセキュリティを誘導する」プロセスに載せるべきでしょう。

これを会社に適用して、「情報が収益を誘導する」になれば苦労は無いのですが、そうは問屋がおろしてもらえないようでして。

mark-wada:

コメントありがとうございます。
情報処理だとか情報活用とか盛んに言われますが、本当に効果的に情報が使われているか疑問のところがあります。人と人とのコミュニケーションは情報の橋渡しによって行なわれますが、その受渡しがうまくできているのか。ご指摘のように人間系に頼る精神論が幅をきかせているように思えます。そこをもう少し”安定的”な仕組みを構築する必要があると思います。コンピュータは人工的なもので、誕生してからまだ少ない時間しかたっていませんが、世の中には自然界を含めて多くの「システム」や「プロセス」があり、それぞれが、柔軟で調和のとれた系を形成しています。どうも、そのあたりがヒントになるのではないかと思案しているところです。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

About

2007年07月04日 16:48に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「データはウソをつく」です。

次の投稿は「帳票は要らない - 働きたくなるIT(10)」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type