このあいだテレビで都会のなかで珍しい動物の捕獲劇を放送していた。その動物の名は「ハクビシン」という。皆さんご存知ですか?日本語で「白鼻心」と書く。字のごとく鼻から頭にかけて白い毛を持ったジャコウネコ科の動物で東南アジアから中国に分布している。例のSARSの伝染媒体と騒がれたやつです。どうも日本には外から入った移入種らしいのです。
なぜこんな話をするかというと、もうかれこれ3年ほど前になるが、そのハクビシンがいま僕が事務所代わりに使っているばあちゃんの家の屋根裏に住みついたことがあったからだ。あるとき、玄関の下駄箱の上に水がたれてきて、雨漏りでもないのに何なのだろうと思っていたら、ちょうどそのとき家の修理に来ていた大工さんが“これは、ハクビシンのおしっこ”だと言うのである。
その大工さんはときどき市内の神社の修理なんかにいくらしいのだが、よく神社の屋根裏にハクビシンが住んでいることがあって、だからわかったらしい。それで、大工さんに見てもらうことになった。天井を外して懐中電灯で屋根裏を点検してもらったわけだ。
としばらくして、おおーという声で飛び降りてきた。何と、ハクビシンと目が合ったのだ。あぶなく転げ落ちるところだった。さて、こいつを追い出さなくてはいけない。天井をがたがたやったらどこから逃げたと思いますか。基礎の外周部分に風穴が開いているのをご存知だと思いますが、そこからすごい勢いで抜け出てきた。
その他にも、タイワンリスはしょっちゅう来るし、アライグマまで遊びに来るのです。ところが一方、昔よくいたのにいなくなってしまった動物が多くいます。その代表的なのは、ヘビだと思うのだが、とんと見かけなくなった。そういえば、蛙の鳴き声やねずみも見ることが極端に減ってしまったからかもしれない。スズメやイナゴ、ホタルも見なくなった。
そんな中でしぶといやつがいた。ムカデだ。こいつはすさまじい生命力で毎年今頃の時期になるとどこからともなく現れてくる。時には咬まれることもあるという、超やっかいなのだが、わが家も強くなりました。以前は嫁はんなんて、大きな声でキャーと叫んで固まってしまっていたが、最近は、「おとうさん、ムカデはやっぱりガムテープに限る」と言って平気な顔でムカデをつかまえている。下の息子も「寝ていたら体の上を這っていきやがった」とか言っていた。まあ、人間慣れればジャングルの生活も平気なんじゃないかな。ちと大げさか。
というわけで、最近は、昔からの動物がいなくなり、外来種の動物が増えてきたようだ。ずいぶんと生態系が崩れていくのを実感する今日この頃です。