この間、社保庁のことで落とし穴理論という話をしたが、あのなかで、日本人はミスを事前に無害化することに熱心ではないということを書いた。それをまた指摘しなくてはいけないことが起きた。渋谷の温泉で起きた天然ガスの爆発事故だ。
またぞろ、「責任を徹底的に追求して、二度とこうした事故が起こらないようにします」の大合唱でしょう。
このような対症療法ももちろん大事ですが、事故を事前に無害化するという予防保全の考えかたがより重要になってきます。
化学プラントなどはこの考え方により事故を未然に防いでいるのです。ところが、そう言っても、その予防によってこれだけの事故が防げたという定量的なデータが示せないので、ちゃんと評価できないという、ここに悪魔が潜んでいるのです。予防に手を抜いてもどうせわかりゃしないだろう、事故なんてそう簡単に起こるものじゃないからだいじょうぶだという“さぼり心”が働くのだ。
今回の事故は、それ以前の問題もあって、そもそも温泉から天然ガスが同伴することくらい知らないこと事態が情けないし、以前東京で温泉を掘削中に天然ガスに着火してかなり燃えつづけていた事件もあったのを学習していないこともひどい話だ。多少知っていたとしても、それが爆発事故につながるという予見もなかったのだろう。結局、想像力の欠如なのだろうが、いろんな見地からチェックして、リスク管理をしっかりするのが事業者の責務であることができていない。
それじゃ、こういうことに対してどうすればいいのかについて、社保庁のエントリーでは内田樹の言葉を引用して、「「誰の責任だ」という言葉を慎み、「私がやっておきます」という言葉を肩肘張らずに口にできるような大人たちをひとりずつ増やす以外に日本を救う方途はないと私は思う」と言ったが、それはそれとして、それ以外に何か方策はないのだろうか。
もちろん制度的な対応というのも必要である。特に今回の爆発事故なんて、法的規制のモレでもあるわけなのだが、たとえ規制の網をかぶせても、最初はいいとしてもしばらくすると逆に規制されているから法に則ったことだけやっていればいいやというふうになる。よく事故が起こるのはそこからちょっとはずれたところなので結局法的規制は万全ではないことになる。
そこで、最近ふと考えていることがあって、それは唐突かもしれないが、「ランキング情報」がひょっとしたら効果があるのではないかと思っている。最近とみに様々なランキング情報があふれているが、それをもっといろいろなこと、まあここでは安全だとか安定といった切り口のランキング情報を流すのだ。
例えば、エキスポランドの事故なんていうのも対象になると思う。要するに、専門家に危険度の評価基準みたいなものを作ってもらい、それに照らし合わせて発表しちゃうわけです。そんなことは官庁検査でやっているよと言われるかもしれないが、公開することや評価項目も多様にしておくこと、また、しょっちゅう更新するとかいったことは違っているのだ。乱暴に言うとウソでもいいわけで、うちはここまでやっているのにランクが低いのはおかしいと言ってきてくれたら御の字なのだ。
このアイディアどうかな。