べストセラーとなっている渡辺淳一の「鈍感力」を読む。何となく内容が想像できたので買うのをためらっていたら、下の息子が買ってきたので借りて読んだ。
そんなにボリュームがないのですぐに読めるが、内容もやはりたいしたことがなく想像どおりだった。蚊にさされていても平然としているのが鈍感力があり、そのほうが上だという話から入ってきた。えーと思ってしまう。だいいち「鈍感力」なんて力があるもんですかねえ。意識して鈍感になれるのかなあ。できるなら、例えば鈍感力を磨いて力をつけるということも言えないこともないが、ふつうは鈍感なやつは無意識に鈍いだけじゃないのかなあ。やっぱ、感度が鈍いやつはだめですよ。
それで、ずっと読んでいくと何のことはない、鈍感でいることがいいと言っているわけではないような気がする。確かに過敏になることはいけないけど、ぼくはある程度敏感になったほうがいいのではないかと思う。
それで結局何が「鈍感力」かというと、まず何かを感じた後の対応力のことではないだろうか。すなわち、過敏に反応しないようにして、自分に都合が悪いことは適当に流しておくとか、いやな事があっても前向きにポジティブに考えた方がいいとか、細かいことは言わずにいつも大局をみつめているだとか、包容力や人間の器の大きさだとかを言っているだけだ。まあ、環境適応能力とでも言ったらいいかもしれない。
ただし、身体的なものには「鈍感力」があった方がいいだろう。だから、肉体的なものと精神的なものは違うのではないでしょうか。
だから、この本では、感じるところの鈍感さとその対応としての鈍感さの混同、肉体と精神における鈍感さの混同が両方起きていて、全部無理やり鈍感力に結びつけている。
それと、敏感と鈍感の重要性は時代で変わるのではないだろうか、ひところはむしろ「敏感力」のようなものが求められた時代もあったわけで、その時の気分でどちらを強調するかみたいなところがある。今は、良くも悪しくも情報が溢れていて、あまり敏感に反応していたらまいってしまうから、こういう本が売れるのかもしれない。まあ、何でもかんでも「○○力」とつければいいというわけではないと思うが、ベストセラーになったのは、題名のつけ方が大きいようですね。
- 渡辺 淳一
- 単行本 / 集英社 (2007/02)
- Amazon 売り上げランキング: 182
- Amazon おすすめ度の平均:

エロ小説家の戯言
眠れる大人
根拠が無い!
