ぼくのブログで身辺雑記のようなものを「乱調亭日乗」というカテゴリーにしているが、これは前にも書いたとおり、永井荷風の「断腸亭日乗」から採ってきた。、「断腸亭日乗」とは、荷風が79歳で死ぬ前日までの42年間書き続けられた日記のことで、1日も休まず記されていて、その当時の社会の様子や風俗などが読み取れる貴重な資料でもある。
その日記をベースに永井荷風の生き様を書いた「永井荷風という生き方」(松本哉著 集英社新書)という本を読む。
ご存知のように荷風は、2回の結婚歴があるが、子どももいなく、親戚とも絶交し、友人も少なく、最後は孤独のまま亡くなっている。そういう主義であり、気ままな生活を望んだのである。だから逆に言いたいことを言って人を怒らせても平気だし、お上の批判も歯に衣を着せぬものがある。そして、奔放なる女性遍歴というふうにほんと好き勝手に生きたようだ。まあ、お金持ちの子で遺産がっぷりあったことと売れっ子の作家でもあったからできたことでうらやましい限りだ。
そんなことが、この本に書いてあるのだが、日記の抜書きの羅列みたいなところがあって、もう少し著者自身の思い入れを入れてもいいから、ひとりの作家の魅力的な人物像としてまとめてほしかった。
それにしても、42年間毎日かかさず日記を書き続けるというのはびっくりする。今なら、さしずめ毎日ブログを書くのと同じだ。ぼくも毎日のようにブログを書いているが、42年間というのは気の遠くなる話だ。茂木健一郎が80歳までブログを書き続けたら並ぶ。
「林住期」を迎えているぼくとしては、どうやって老後を過ごすのかが関心事でもあるが、さすがに荷風のようにはいかない。ぼくにはお金もないし、家族もいるし、だいいちそんなに好色ではない。
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