運用体制
企業の多くにはIS部門あるいは情報子会社を抱えている。もちろんそうした部門を持たない中堅企業も存在する。どちらにしろ、何から何まで自社でやれないので、どこの部分を自社要員でやって、どこの部分を外部にまかせるのかという、いわゆるソーシング戦略が重要となる。ひところフルアウトソーシングといって全部アウトソーサー(といっても情報子会社を大手ベンダーが買収して作った会社が受け皿になるのが多いが)にまかすこともやられたが、さすがに溝もできたようでフルアウトソーシングは難しいようだ。
従って、アウトソーシングとインソーシングのバランスがポイントになってくる。通常は戦略的な機能は自社で、オペレーショナルな機能は外部にというのがよく採られる戦略だ。
具体的には、まず親会社の企画部門のようなところで経営戦略や事業方針に則った情報戦略が立案される。それに従ってIS部門や情報子会社は情報化計画を作る。しかし、この経営戦略や事業方針からの情報戦略というのをきちんとやっているところは少ないのではないだろうか。もちろんITがコアコンピタンスになっているところは別にして、普通の会社の情報システムでは、システム部門が勝手に類推して、こんなことを経営者は言っているから、こんなものを作ろうとかとなり、実際に開発の申請をするとさんざん投資対効果の説明を求められ、コストダウンや定量的メリットが示せるものだけしか通してくれないなんていうのが実情ではないだろうか。それでも、事業部や現場とのコミュニケーションを継続してやるという不断の努力が必要であり、そこからエンドユーザのニーズを拾い上げるしかない。
単純な運用・保守はできるだけ外部のアウトソーサーを活用したほうがいいと考える。例えば、ホストコンピュータやメインサーバさらにネットワーク(WAN)の運用などは設備の整った、そして多くのオペレータがいるセンターに預けるのが賢い選択だ。預け方には、ハウジング、ホスティングという手もあるが、大きなリソースをシェアすることで更なるコストダウンが図れるアウトソーシングのほうが有利であると思われる。このとき、きちんとしたSLAを結んでおくことが重要であるのは言うまでもない。
運用の中では、ヘルプデスクの機能はアウトソーシングしないほうがいいと筆者は考える。ユーザとの接点であり、日々の会話からシステム化のヒントや改善案が出てくるので、直接自社要員が対応することを薦める。
大きな会社ではたいていグループ会社をもっているが、親会社のIS部門あるいは情報子会社がグループ会社の情報化を一手に引き受けることがグループ経営にとって効率的である。すなわち、グループ会社のアウトソーサーになるというイメージだ。連結重視の経営になった今日、余計にこうしたシェアードサービスの考え方は重要であろう。